2003年1月2日号(第75号) 今年のシドニーはミステリー色 ※今週の「週刊マミ自身」には、読者プレゼント（シドニーからのお土産）が付いています♪ 　あけましておめでとうございます。 　10日間のシドニー取材を終え、今朝のカンタス便で無事に帰国しました。 　今回の旅の目的は、今年出版予定の冒険ミステリー小説の取材です。 　もともと「現場主義」の私ですが、今回のシドニーでは、いつにも増して現場主義に徹し、毎日平均20キロの距離を歩き回り、「路地裏のそのまた裏道」から「橋げたの内側」まで、それはもう綿密にリサーチしてきました。 　12月22日、シドニーに到着した私は、その足で、まずはこの街の“顔”である「シドニー・ハーバー・ブリッジ」に直行。なんとなんと、このアーチ橋の一番てっぺんの部分まで「登頂」してきました。 （これは酔狂ではなく、取材の一部だったんです、はい） 　橋を「登頂」するためには、まず（事故が起こった時の責任の所在などをあらかじめ明らかにしておくために）、「宣誓書」を書かされます。 　次に、特別な服（灰色のオーバーオール）を着せられ、身につけている装身具をはずすよう命じられて（万が一時計やネックレスなどが落下すると、下を走っている自動車が大事故を起こす恐れがあるため）、ツァー・リーダーのあとに続いて登ります。 　登頂に要する時間は、およそ3時間半。 　当日のシドニーの天候は、雨、そしてかなりの強風。 　橋の頂上についてみると、地上では想像もできなかったほど強い風が吹き荒れており、そのへんの手すりにつかまっていても足もとがフラフラするほど。 （もっとも、命綱を装着しての登頂ですから、実際に風に吹き飛ばされる心配はありませんが。高所恐怖症の人なら失神すること請け合い！） 　…とまぁ、例によって（？）そんなトンデモナイ始まり方で、今回のシドニー取材は始まったのでした♪ 　それから暫く、シドニーの街はクリスマス一色。 　南半球のクリスマスと言えば、当然、真夏です。ですから、ショーウィンドウの中には、いかにも「夏のクリスマス」らしい飾り付けがいっぱい！ 　サンタ・クロースに扮した人もたくさん見かけました。 　デパートや大きなショッピング・モールでは、どこもクリスマス商戦用（？）にサンタさんが常駐。 　その中で、なかなか雰囲気のあったサンタさんは、この人（→写真参照）かな？ 　私のデジカメを見たサンタさん、思わず「いいな〜。誰かクリスマス・プレゼントにデジカメくれないかな〜」と騒いでいました（笑）。誰かサンタさんにプレゼントをあげて！ 　かと思えば、サンタ・クロースの格好をした2人の若者が、道で自動車の掃除をしてお小遣い稼ぎをしていたり… 　天使の扮装をした女の子が、路上でハープを弾いていたり… 　どこもかしこもクリスマス・ムードあふれる中、シドニーの端から端まで歩き回って取材を続ける私。 　その合間には、20年前にホームステイさせていただいたトーブマン家にクリスマス・ディナーに招待されたり、お茶に招かれたりと、ともかく目が回るほど忙しい毎日でした。 　今回、取材でお邪魔した先には、おそらく皆さんが「ええっ、なんでこれがシドニーの取材？！」と面喰うであろう意外な場所も、いくつか含まれています。 　例えば、シドニー市内にある極真空手道場に、師範のトム・レイヴァーさん（メッチャクチャ強い！）を直撃インタビュー（笑）！　なぜそんなところに行ったのか、その理由は、いずれ完成した小説を読んでいただければお分かりいただけることでしょう。 　そのほかは、いかにもミステリー小説の題材になりそうな場所を、全部で50ヶ所ほど、くまなく調査。 　こうなるともう、気分はほとんどシャーロック・ホームズです。 　ただ、私がシドニーに滞在していたクリスマス前後から元旦にかけては、オーストラリア政府が「テロの危険性が極めて高い」として、市内のセキュリティーを強化していた時期でもあります。 （テロを未然に防ぐため、麻薬犬ならぬ “爆弾犬” を連れた警察官も、市内に多数配備されていたとのこと） 　そんな時期に、雨の中を傘も差さず、同じ場所を何度も何度も行ったり来たりしては、ふと立ち止まってメモを取り、カメラで風景を記録し、そのへんにある物を動かしてみたり、道に立ったまま腕組みをして考え事をしたりしていた私は、ひょっとすると（ひょっとしなくても）、シドニーでいちばん怪しい人物だったかも知れませんね（大汗）。 　そうこうするうち、毎年の大晦日〜元旦にかけて恒例の “New Year's Eve Firework Festival（大晦日大花火大会）” が開催されました。 「シドニーでテロが起こるなら、おそらく、この夜にハーバー・ブリッジが狙われるだろう」 という恐ろしい噂が先行した今回は、例年よりも観客数がぐっと少なかったとのこと。 　しかも、12月31日の午後9時からと、1月1日の午前0時から、都合2度の開催が予定されていた花火大会のうち、9時の部は「暴風のため」中止。 　1月1日0時の部だけが、辛うじて行なわれました。 　ともあれ、クリスマス・イブから大晦日までの間、シドニーは、来る日も来る日も雨、または曇り、または強風という、およそ南半球の真夏とは思えない不気味な空模様だったわけですが、頭の中でミステリー小説のプロット（あらすじ）を練りながら街を歩き回っていた作家にとっては、そういう天候は、むしろ大歓迎。 　空を厚く覆い尽くした雲のおかげで、必要以上に日に焼けるようなこともありませんでしたし、恐ろしく歩き回った割には、ほとんど体力を消耗せずに日本に帰って来られましたし、ネ。 　現地の人たちは、 「シドニーはどっちかっていうと “何の事件も起こらない平穏無事な街” だし、ミステリー小説ってイメージは全然ないんじゃない？」 なんて言っていらっしゃいましたが、いえいえどういたしまして。この街ほどミステリー冒険小説の似合う街はありません。 　今年は私、シドニーをミステリー色に染め上げてみますので、皆さんも是非、本が出来上がる日を今から楽しみに待っていてください。 　なお今回は「週刊マミ自身」読者の方のために、シドニーからお土産を買ってきました。 　テディベアの「オージー（Aussie）くん」と、有名なハンターヴァレーの白ワイン（シャルドネ）です。 　以上の品を、抽選で各1名の方にプレゼントいたします。 　ご希望の方は、お名前（公表いたしますので、ハンドルネームで結構です）、性別、年齢、欲しい品物の名前（「テディベア」または「ワイン」）を明記の上、1月10日までにメールでご応募ください。 　応募先： boosuke@badboy.co.jp 　なお、当選者のお名前は、「週刊マミ自身」76号（1月11日更新予定）で発表いたします（ご本人にも個別にご連絡いたします）。 　それでは、今年も何卒よろしくお願いいたします♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 1月2日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年12月21日号(第74号) 来年が素晴らしい年でありますように♪ 　いよいよ今年も余すところ10日となりました。 　私はここ7年ほど、『ブリタニカ年鑑』（ブリタニカ・ジャパン発行）に掲載されるインドの政治経済記事の翻訳・執筆をもって仕事納めとしています。 　今年も、2002年にインド国内で起こった出来事を「内政」「経済」「外交」の各項目ごとにまとめ、ブリタニカ・ジャパンの担当編集さんにお渡しし、お蔭さまで無事に仕事納めをすることができました。 　それにつけても痛感するのは、今年もまた、世界はテロと紛争で明け暮れたという暗い印象です。 　今年、日本のマスメディアでは、主に北朝鮮問題、パレスチナ問題、アメリカの対イラク政策がクローズアップされていましたが、（その陰に隠れるようにして）実はインドとパキスタンの関係も膠着状態を続けました。 　また、インド国内におけるヒンドゥー教徒対イスラム教徒の抗争も活発で、グジャラート州を中心に、1年中血腥（なまぐ）い事件が絶えず、多数の尊い命が失われました。 　拙著『夜明けの晩に』の舞台となったカシミールでも、相変わらず武装ゲリラによるテロが横行し、街なかを砲弾が飛び交い、市民にとって “枕を高くして眠れる日” は、1年を通じて1日もなかったようです。 　現地の友人は、いみじくもこう言っています。 「何も要らない。ただ平和が欲しい。もう、ほとほと疲れてしまった」 　紛争地域の人々が、経済的にも精神的にも極度に追い詰められた状況に置かれていることを、私達は常に（心の片隅でもいいから）覚えていなくてはいけない。そう、強く思います。 　さて、少し前の「週刊マミ自身」にも書きましたが、この年末年始は、オーストラリア最大の都市・シドニーへ取材旅行に出かけて参ります。 　シドニーと言えば、学生時代の私がマッコウクジラの回遊研究のために暮らした街。 　現地の友人が知らせてきたところによれば、シドニーの今週の気温は、最高で40℃とのこと（聞いただけで汗）。 　…まっ、インドで最高50℃まで体験した私ですから、40℃ぐらいまだまだ楽勝でしょう（笑）。 　とは言え、成田空港までは厚いコートを着て出かけ、飛行機を降りた途端に真夏の太陽の下にさらされるのは、ちょっとばかり大変かな？（なにしろコートが荷物になっちゃいますしネ） 　でもね、私は心身ともに、新しい環境への順応度がビックリするほど高い人間なのです（例：ヒマラヤの標高6180メートル地点でサッカーをし、現地の人をして「あなたは宇宙人に違いない！」と言わしめたほど）。 　ですから北半球と南半球の温度差ぐらい、現地入りして2〜3分で慣れてしまうことでしょう（笑）。 　ただ、最近になって不穏なニュースも入ってきています。 　今月31日にシドニー・ハーバー・ブリッジ附近で開催される、毎年恒例の大花火大会（Sydney New Year's Eve Fireworks Festival）が、アルカイダのテロ攻撃目標に挙げられているというのです。 　このことからシドニーでは年末年始にかけて、高層ビルへの立ち入りなどが厳しく制限され、厳戒態勢が敷かれるとの情報もあります。 　世界中どこもかしこも、本当に安全と呼べる場所はない “テロの時代” を生きている私たちですが、せめて己の心にだけは、常に平安を保ち、勇気と責任と微笑みをもって歩いてゆきたいものですね。 　来るべき2003年が、私たち1人1人にとって、明るく、健やかで、希望に満ちた1年となりますように。 　それでは、行って参りま〜す♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 12月21日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年12月14日号(第73号) クリスマスの謎 　まずは今週のテーマにふさわしく、サンタ・クロースに扮したナジャヴ君と私のツーショットをご覧ください♪ （池袋サンシャイン・シティのナムコ・ナンジャタウンにて、12月12日撮影） 　…というわけで、もういくつ寝るとクリスマス。 　日本は、宗教行事ではなく “イベントとしてのクリスマス” が世界一発達した超ヘンな国ですね。 　そこで今週は、常日頃から私が感じている 「クリスマスに関する素朴な疑問」 を書きだしてみたいと思います。 　その�@ 　少し前のことになりますが、長野県（の田舎のほう）に住む、ごくフツーの仏教寺のご住職が、ドイツ人の女性と恋に落ち、結婚なさいました。 　奥さんは仏教徒ではなく、クリスチャン。 　以来このお寺では、12月になるとクリスマス・ツリーが飾られ、ジングル・ベルが流れ、クリスマス・ケーキを食べるという新しい習慣があたりまえになりました。 （この件については、家族からも、檀家さんからも、クレームの類いは一切ついていないとのことですが、クレームがつかないこと自体が、既に謎（笑）） 　これとは別に、何年か前に某ロータリー・クラブのクリスマス・パーティーに招待された時のこと、ゲスト全員にサンタ・クロースからプレゼントが配られたのですが、その際サンタさんの役を務めていたのは、名前を言えば誰でも知っている、とある名刹のご住職（ロータリー・クラブ会員）でした。 　頭を丸め、ふだんは紫色のお袈裟をお召しになっているご住職の、サンタ姿。それは、あまりにも奇妙で、信じられないほどおかしな光景でした（少なくとも私の目には）。 　けれども、同じパーティーに出席していた人たちにそのことを告げると、皆さんの反応は、 「あら、そ〜う？　私は、別になんとも思わなかったけど。言われてみれば、ちょっとヘンかしら？」 という、実に呆気ないものだったのです、はい（汗）。 　仏教のお寺にクリスマス・ツリーが飾られ、ご住職がサンタ・クロースに仮装する。 　どちらも、日本以外の国ではちょっとありえないような、不思議きわまる光景ですが、これと似たようなことは、おそらく日本中の至るところで行なわれており、そのような事態にいちいち驚くような日本人は、ほとんどいないのかも知れません。 　今さら言うまでもないことですが、日本人の宗教観って、本当にいいかげん（笑）。 　良く言えば「寛大」と言おうか、悪く言えば「節操がない」と言おうか…。 　日本人のこうした側面を、私自身は “多神教ならではの大らかさ、懐の広さ” として、かなりポジティブに捉えています。 　でも、厳格な一神教の人々の目から見れば、これぞまさに「ここがヘンだよ日本人」なのでは？ 　その�A 　「外国人の友達にクリスマス・カードを送ったら、喜ばれるどころか、逆に注意を受けてしまった」という話を、ときどき耳にします。 　ある日本人が、ヨーロッパ（アメリカでもカナダでもオーストラリアでも、欧米ならどこでも可）を旅行中に知り合った白人に宛てて、クリスマス・カードを送りました。 　ところが、後日届いた返事には、 「あなたからクリスマス・カードを頂きましたが、私はクリスチャンではないのでクリスマスは祝いません。悪しからず」 と書いてあった、といった類いの失敗談です。 　多くの日本人のなかには、「欧米人（特に白人）＝クリスチャン」という奇妙な思い込みが、確かにありますよね。でも、それはもちろん幻想であって、実際には、白人の中にも非クリスチャンの人はたくさんいます。 　外国人の友達には、ついつい十把ひとからげにクリスマス・カードを送りたくなりますが、相手の宗教がよくわからない場合は、 　　　A merry Christmas ではなく、 　　　Season's greetings（季節のご挨拶） と書いたほうがゼッタイ無難。 　これなら、相手を傷つけたり、怒らせてしまう心配もありませんから…。 　余談ながら、クリスマス・カードに書く定番の台詞（A merry Christmas）を、Merry X'masと略して書く人が日本には多いのですが、これも英語的に見るとちょっとヘン。 　Christmas を略して書きたい場合は、X'mas ではなく、Xmas が正解なのです。 　ただし、Xmas という表記方法は、どちらかというと商品広告などに使われる言葉というイメージが強いので、せっかくカードに書くのなら、略さずキチンと A merry Christmas と書くのが礼儀かも。 　　　　　 　その�B 　言うまでもないことですが、クリスマスはイエス・キリストの聖誕祭で、毎年12月25日がその日に当たります。 　それなのに多くの日本人の間では、なぜか24日（クリスマス・イヴ）を盛大にお祝いする傾向が強いですよね。 　「イヴ」とは、「前日」（または「前夜」）のこと。クリスマスの当日よりも前日のほうを派手に祝うなんて話は、海外では聞いたことがありません。 　クリスマスにみんなで頂く大事な食事のことを、“クリスマス・ディナー”と言いますが、これを食べるのだって、12月25日の昼間と相場が決まっていますしね（名前は“ディナー”ですが、伝統的に、クリスマス・ディナーはお昼どきに食べるんです）。 　クリスチャンでもない日本人が、クリスマスにプレゼント交換をしたり、恋人と洒落たレストランで食事をしたり、という習慣それ自体は、目端の利く誰かが年末商戦の一環としてブームを仕掛け、それが日本人の性向にピッタリ合ったために、新しい文化として定着したのかも知れません。 　ちょうど、ヴァレンタイン・デーのチョコレート商戦のように。 　…にしても、クリスマスを祝うメインの日が、なぜ日本だけ「25日」から「24日」に移ってしまったのか…、これも謎ですね。　　 　…このほか、例を挙げればまだまだありますが、日本のクリスマスの祝い方には、ちょっと（と言うか、かなり？）不可解なことが多いのです。 　私自身はクリスチャンではありませんが、大学（明治学院）がプロテスタント系のミッション・スクールだったことや、欧米を中心にクリスチャンの友達が多いこともあって、普通の日本人の中では、世界のクリスマス事情やキリスト教の教義には、まあまあ詳しいほうだと思います。 　大学では基督教学が必須科目でしたから、『新約聖書』は必読図書でしたし、ユダヤ教の教典である『旧約聖書』も、すすんで読んでみましたしネ。 　もうお読みいただいた方はご存知のように、今年の2月に出版した拙著『夜明けの晩に』（幻冬舎）では、イエス・キリストをめぐるさまざまな説話（民間伝承）や、キリストにかかわる遺跡の謎などを取り上げてみました。 　この本を書くに当たっては、現存する世界最古の言語であるヘブライ語を学んだり、世界各地に散らばるキリスト伝説を訪ね歩くなどし、私なりにさまざまな角度から“歴史上最も謎の多い人物”のひとりであるイエス・キリストへのアプローチを試みたつもりです。 　その時、キリストに関して非常に大胆な仮説を展開している、1冊の書物と出会いました。 　本のタイトルは“Jesus Christ A Myth”。著者はインドの代表的なジャーナリストで、世界的な無神論者でもあるジョセフ・イダマルク氏。 　本書の中でイダマルク氏は、キリスト教の教義については否定も肯定もせず、 　「キリストは伝説上のヒーローに過ぎず、実在しなかったのではないか？」 という仮説を、聖書の記述や世界の神話などをもとに、大胆かつ緻密に構築してみせてくれました。 　実は、イダマルクさんから私のもとには、“Jusus Christ A Myth”の邦訳（日本語版出版）の依頼がきています。 　学術書としても一般書としても、日本語に訳してみるだけの価値は大いにある本だと思われますので、できれば来年中には、日本語版をつくる方向で力を尽くしたいと思っています。 　それにしても、考えれば考えるほど、クリスマスには謎がいっぱいですね。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 12月14日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年12月6日号(第72号) 空飛ぶ酒瓶 　先日、びっくりするような光景を目にしました。 　なんと酒瓶が、空をビュンビュン飛んでいたのです！ 　嘘じゃありませんよ。 　本当に、酒瓶が、空を飛んでいたんです。それも、1本だけじゃなく、2〜3本が同時に。 　のみならず、お酒を飲むためのグラスやカップまでが、瓶と一緒に頭の上を飛び交っていたのですから（笑）。 　さて、ここで問題です。 　私が見た空飛ぶ酒瓶とは、いったい何だったのでしょう？？？ 　 　実はこれ、去る12月1日（日）に横浜の“クラブ・ファイヤー・ヨコハマ”で行なわれた、FBN全国フレア・バーテンダー・チャンピョンシップ・ファイナルでの光景なのでした。 　　　　　 　「フレア」とは、ジャグリング（＝ボールやナイフなどを次々に空中に投げて受け取る曲芸のこと）の種目のひとつです。 　ただし、「フレア」で投げるものは、ボールでもナイフでもなく、中身の入った酒瓶。 　ほら、子どもの頃にやった「お手玉」ってありますよね。 　お手玉の代わりに、中身の入った酒瓶を2〜3本手に持ち、次々に投げ上げてはキャッチし、また投げ上げてはキャッチし、そのダイナミックな演技を競う…。 　これが「フレア」という競技なのです。 　ただしお手玉と違って、酒瓶は重く、大きく、滑りやすい。落とせば割れることだってあります。 　酒瓶を高速でブンブン振り回したり、空中でクルクル回転させ、なおかつ確実に受け止めるためには、かなりの技術と体力が必要です。 　しかも「フレア」はマジックショーと同様、お客様に見せるためのショーですから、たとえ手もとが修羅場でも、顔には絶えず微笑みを浮かべていなければならない、というわけ。 　2〜3年前でしたか、友達のマジシャンに誘われて、私も一度だけ「フレア」に挑戦したことがあるのですが、握力が小学校高学年女子の平均値しかない私は、落ちてくる酒瓶を受け止めるどころか、投げ上げるだけでヒイヒイ言って、30秒でリタイヤしてしまいました（涙）。 　さて、今回開催された「フレア・バーテンダー・チャンピョンシップ」は、酒瓶で“お手玉”をしながら、さらに瓶の中身を使ってカクテルを作るという、ハードかつダイナミックな競技会でした。 　この日の課題は、4分の制限時間内に、「フレア」をしながらカクテル4品（�@パール・ハーバー、�Aエナジー・ビア、�Bマリブ・ビーチ、�Cセブンティーセブン・サンセット・ストリップ）を作ること。 　優勝するためには、4分のあいだに、なるべく難易度の高い「フレア」の技術を披露し、スムーズで、オリジナリティーの高い演技をしなくてはなりません。 　瓶やグラスを落としたら、もちろん減点。それが割れてしまったら、さらに減点。 　カクテルの分量や中身を間違えても、やっぱり減点。 　こうして、最高得点を獲得したバーテンさんが、栄えある「日本一のフレア・バーテンダー」の王座に輝くわけです。 　この日、王座を目指してしのぎを削った出場者は、全部で16人。いずれも、日本全国の地区予選を勝ち抜いてきたツワモノばかり。 　16人のうち、女性の選手がたった1人だったことが、「フレア」という競技のハードさ を物語っているかも知れませんね。 　ちなみにこの日の私は、かぶりつきの最前列席で「フレア」を鑑賞させていただきました。 　白熱した演技は本当に面白かったのですが、あまりにもステージに近い位置にいたため、飛び散ったお酒がときどき頭の上から降ってきて、着ていた上着はお酒のシミだらけ。 　上着は、すぐにご近所のクリーニング屋さんに出しましたが、 「真美さん、この上着どうしたんです？　こんなにシミを付けちゃって。なんだかお酒の匂いもしますねぇ。Ｆ１レーサーみたいに、シャンパンの掛け合いでもなさったんですか？」 と、あらぬ疑いをかけられてしまいましたよ（汗）。 　来年の競技会には汚れても惜しくない服を着て行くことを、心に決めた私なのでした。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 12月6日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年11月30日号(第71号) 今年のサンタクロース 　※「旅人が答える100問」を新しくアップしましたよ〜♪ 　「Bar Mamilyn」内の「マミリンへ100の質問」からリンクしていただけます。ご高覧ください！ 　先日大掃除をしていたところ、2年前のクリスマスにブースケの部屋を飾っていた5本のクリスマス・ツリーを発見。取り急ぎ、この部屋に飾ってみました。たまには、こんな賑やかな飾りもいいものですね。 　…なんてことを言っているうちに、今年も残すところ1ヶ月となりました。 　年の瀬というものは、多くの人にとって何かとせわしなく、次から次へと用事が迫ってきて落ち着かない季節ですよね。 （ところで去年の今頃、私は何をしてたかしら？） 　1年前の自分を振り返るべく、昨年末の「週刊マミ自身」を読み返してみますと、こんなことが書いてありました。 「はたと気がつけば、今年も残すところ、たったの9日…？あと9日で年賀状を印刷し、宛名書きをして切手を貼って投函し、さらにブリタニカ年鑑から依頼されているインドの政治経済記事を執筆。そのうえ幻冬舎へも400字詰め原稿用紙×15枚ほど書き送るなんて、そんなことが物理的に可能なんでしょうか？？？　ま、これも師走の年中行事。今年も、たぶん何とかなるでしょう　（←やや希望的観測）」 　さらに1年さかのぼって、一昨年の年末はと言いますと、 「21世紀へのカウントダウンも、ほぼ秒読み段階に入りましたね。皆さんは、この師走をいかがお過ごしですか？　私はといえば、原稿は予定どおりに進まないわ、アポなしのお客さん（もちろんインド人です・笑）はジャンジャンやって来るわ、忘年会の予定だけはギッシリ詰まっているわで、もうちょっとで★☆★発狂寸前（笑）★☆★な今日この頃です」 ってなこと書いておりまして、2年連続で、年末まで持ち越してしまった原稿と雑用に追われ、ドタバタしている様子が目に見えるよう（苦笑）。 　…では2002年の年末はどうかと申しますと、今年はなんとなんと、すべての予定が前倒しに進んでおりまして、恒例のブリタニカ年鑑の原稿（インドの政治経済記事）さえ書き終えれば、あとはバッチリ。 　来年の1月末に出版予定の『ブースケとパンダの 英語でスパイ大作戦』に関しても、細かな手直しからゲラ校正まで含め、私がかかわるべき作業の99.999％は終わっていますし（笑）、年賀状のほうもほぼ準備万端整って、われながらビックリするほど手際よく、師走に向かって突入できそうな今日この頃です。 　そんなわけで、今年は珍しく心にゆとりを持って、クリスマス〜お正月を迎えられることになりました。 　年末年始にかけては、次の小説の取材のため、シドニーに出かけて来ます。 　シドニー行きを決めたのは、『ブースケ…』を脱稿した直後の、11月第1週。しかし、この段階で既にシドニーの飛行機・ホテルは軒並み満杯。どこの旅行代理店に聞いても、 「年末年始のシドニーは、ここ数年はハワイと並ぶ人気のスポットですからねえ。今からでは、おそらく飛行機もホテルも取れないと思いますよ。飛行機のほうは、今日の段階で約250人のキャンセル待ちです」 という、ツレナイお返事。 　ガーン。シドニーって、日本人観光客のあいだで、そんなに人気があるんですか？！　私が住んでいた20年前は、日本人の姿なんてまばらだったんですけど…。 　あせった私は、それから八方手を尽くし、苦労の末にどうにか直行便（カンタス便）の予約に成功。 　けれど、シドニー市内の宿泊に関しては、これはもう、日本のエージェントを通しても、現地の友人達に調べてもらっても、どこもかしこもハンで押したように、「満室」または「通常の2倍またはそれ以上の料金でならお泊めできます」というお返事。 　なかには、 「年末年始の宿泊料金は時価」 と公言しているホテルもあって、こうなるともう、「時価ってアナタ、お寿司屋さんじゃないんだから」と、一言突っ込みたくなりましたよ、いやホント。 　クリスマス休暇のあいだ、欧米人の家には親戚縁者が集まって、ただでさえ大混乱を極めているもの。そんな時に友達の家に居候するのは、おそろしく気が引けます。 　とは言えこの時期を逃すと、（取材対象がこの時期しか見られないものなので）取材は1年延期になってしまうし…。 　一体どうしたものかと困り果てていたところ、現われましたよ、福の神様が！ 「年末年始はバリ島へ遊びに行くことになったんで、うちのフラットが空くから勝手に使ってていいよー。車も空いてるから、そっちも適当に使って。冷蔵庫には、マミの大好きなワインとビールとアイスクリームがぎっしり入ってるけど、全部飲み食いしちゃって構わないから」 　こんなありがたい申し出をしてくれたのは、20年来の友人で公認会計士のMさん。 　うわ〜、Mさんありがとう！　あなたは本当に神様、仏様、サンタクロース様です。このご恩は、決して決して忘れません。末代までも語り伝えます（感涙）。 　 　…というわけで、予定どおりシドニーに行けることになりました♪ 　シドニーには、私がニュー・サウス・ウェールズ大学に留学していた頃（今から20〜21年前）に付き合いのあった古い友人も、何人か残っています。 　今回、そうした旧友達にも久しぶりに連絡を取ってみたのですが、当時は新米の新聞記者だった友人が大学の助教授になっていたり、雇われの板前さんだった人が日本料理店のオーナーになっていたり、高校生だった女の子が3児の母になっていたりして、20年の重みをしみじみと感じています。 　さて、シドニーでは何が起こるのかな。例によって、今からワクワクしている私なのでした。 （もちろんその前に、ブリタニカ年鑑の原稿はキチンと書き上げますよ（きっぱり））。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 11月30日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年11月25日号(第70号) 高円宮ご逝去 　予定では、30日にならないと「週刊マミ自身」を更新できないはずでしたが、無事に取材を終えて先ほど帰京いたしましたので、「ただいま」の挨拶に代えて、一筆だけ書き込みます。 　先週は、悲しいことがありました。 　高円宮のご逝去です。 　高円宮は、カナダ大使館でスカッシュの練習中に突然お倒れになり、そのまま帰らぬ人になられたとのことです。享年47歳。あまりにも突然の訃報でした。 　高円宮とは、大使館のレセプションなどで、何度かご一緒になったことがあります。 　同じテーブルのお隣に座らせていただき、楽しくお喋りさせていただいたことも何度かありますが、そうした場面でも本当に気さくで、うわべではない深い思いやりのある方でした。 　文化全般の理解者であり、見識が広く、特にバレーがお好きだったと記憶しています。 　高円宮から伺ったお話の中で、いちばん印象に残っているのは、森下洋子さんのバレーの舞台をご覧になってのご感想です。 　食後に出されたデザートに手をつけることも忘れ、バレーについて熱く語り合った日のことが、今も本当に懐かしく思い出されます。 　久子妃が3人目のお子様をご懐妊中には、私もたまたま下の子を宿していたのですが、その時には、こちらの体調をそれは親切に気遣ってくださり、本当に紳士的で、優しい方でした。 　ご冥福を、心からお祈りいたします。 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 11月25日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年11月16日号(第69号) ブースケの本、順調に進んでるブー♪ 　ジャジャジャ〜ン。 　皆さま、長らくお待たせいたしました。 　ついに、待望の『ブースケとパンダの 英語でスパイ大作戦』のゲラが上がってまいりました！ 　ここしばらく“文字だけ”の本しか出していなかった私は、印刷所から届いたイラスト満載のゲラをひと目見るなり、 「うわっ、ブースケもパンダも可愛い〜♪　活字も色分けしてあって読みやす〜い♪」 と、思わず叫んでしまいましたよ。 　編集担当の芝田さんは、これまで長く文芸書の編集に携わっていらっしゃった方。 　ブタとパンダのイラストつき（笑）、フルカラー印刷、しかも英語の攻略本とあって、状況的には芝田さんにとっても「生まれて初めてのこと」づくしだそう。 　そんなわけで、編集者ともども、ワクワクドキドキ気分で本づくりを進めております。 　 　『ブースケとパンダの 英語でスパイ大作戦』の特徴は、 �@中学1年生程度の英語力＆単語力で、外国でスパイができる（笑）ぐらいの会話力が身につく。 �A英語は頭で覚える“語学”じゃなく、体験を通してからだで覚えるもの。だから、たとえ頭なんか良くなくても、英語は必ず話せるようになる（むずかしい文法の説明などは、本書にはいっさい出てきません）。 �B読んだだけで英語が好きになっている。英語を話したくて話したくて、からだの奥がムズムズしてくる。 �Cイラストがむちゃくちゃ可愛い。ブースケとパンダのほかにも、マミリンなどオリジナル・キャラがたくさん登場！ �D小中学生から、ビジネスマン、主婦、孫と一緒のおじいちゃんおばあちゃんまで、あらゆる年齢層の皆さんに読んでもらえ、しかも「英語の勉強って、こんなに楽しかったの！？」と目からウロコがボロボロ落ちること請け合い。 …という感じ。 　これまでに出版されたどんな英語攻略本もダメだったという方にも、いいえ、そういう方にこそ、自信を持ってオススメできます。 　なにしろ私自身、「学校の勉強」が大っ嫌いでした。 　英文科にも英語学校にも行かず、完全な独学で英語をマスターして、国際会議の通訳をするまでになった人間の書いた本ですから、ともかく最初から最後まで実践的にできています。 　しかも、です。 　もうひとつ特筆すべきは、この本に登場する「ブースケ」や「マミリン」が、ほかでもない、このホームページから生まれたキャラだってこと。 　私がこのホームページを立ち上げたのは、2000年9月、今から2年2ヶ月前のことでした。 　当時、インドという遠い国に住んでいた私のことを、日本にいる友人たちは、折にふれてそれは心配してくれました。 （なにしろ、インドといえば「暑い」「汚い」「危ない」というイメージが定着しているようですし、私はヒマラヤの6000メートル級の山に出かけたり、戦時下のパキスタン国境を歩いたりしていましたから、みんなが心配したのも無理もありません、はい…） 　インド関係の事件が日本で報道されるたびに、 「インドで地震があったらしいけど、あなたの家は大丈夫なの？」 「パキスタンと戦争になりそうだって聞いたけど、今どんな状況？」 「コレラが発生したんですって？」 「モンキーマンとかいう未確認生物がニューデリーで大暴れしてるって、本当？」 …といった質問が殺到。 　それに対して、「私は元気ですよ」「インドはこんな感じですよ」というメッセージをお伝えするために立ち上げたのが、このサイトだったというわけなのです。 　言葉を変えれば、最初はせいぜい20〜30人ぐらいの身近な友達に、私的な近況を伝えるために始めたサイトなわけで、それがまさかこんなに長続きするとは、正直なところ自分でもビックリしています。 　「ブースケ」というキャラが生まれたのも、このホームページの中。 　私の近況をコミカルに、楽しくお伝えするために「ブースケ」という架空キャラを登場させ、語尾に “ブー” のつく独特のブースケ語で語らせてみたわけなんです。 　例えば、 「マミリン先生は、風土病のデング熱にかかってダウンしてたけど、もう大丈夫だブー！　これもボクの献身的な看護のおかげさ。ブヒヒヒ…」 ってな感じに。 　ついでに言えば、今回『ブースケとパンダの 英語でスパイ大作戦』にイラストを描いてくださった金之助さんとも、ホームページを通じて知り合った仲でして、その頃から、よくお互いのBBSに書き込みをして親交を温めていました。 　…というわけですから、このたびの本は、まさに当ホームページから生まれた一冊！ 　ホームページ読者の皆さんにとっては、特に親しみやすい一冊になること間違いなしでしょう。 　発行は来年の1月末を予定していますから、しばしお待ちくださいね。 ※来週の土曜日は、またしても取材で旅先におります（今回はちょっと寒いところ。でもロシアじゃないよ（笑））。そんなわけで、「週刊マミ自身」の次回更新は11月30日を予定しています。ヨロシクどうぞ♪ ※明日は岡本敏子さん（「芸術は爆発だ！」の岡本太郎氏の生涯のパートナー）と、青山でデートしてきます。敏子さんは、天真爛漫で気さくで、女性から見ても本当に素敵な女性。今から明日がと〜っても楽しみな私なのでした。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 11月16日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年11月4日号(第68号) 日本文化デザイン会議in丸の内 　11月1日〜3日まで、東京は丸の内で、第25回日本文化デザイン会議が開催されました。 　今年からこの会の正会員になった“ピッカピカの1年生”の私なのですが、ななななんとビックリなことに、2003年に六本木で開催が予定される第26回日本文化デザイン会議の“副議長”に選出されてしまいました。 　そんなわけですので来年は、議長の日比野克彦さん（アーティスト・東京芸大助教授）を助け、同じく副議長に選出された精神科医の香山リカさんともども、おおいに楽しく会を盛り上げたいと思っています。 　（実はこう見えても私メは、大学時代は六本木にある某劇団のスタッフをしていたこともありますし、当時六本木で（というか日本で）いちばん人気があったディスコのひとつである“CRAZY HORSE”にも出入りしてましたから、六本木は昔から馴染みのある街） 　来年はこの街を舞台に、何か突拍子もないイベントを仕掛けたいと思います。乞うご期待！ ※来週末は取材先にいるため、恐れ入りますが「週刊マミ自身」の更新ができません。次の更新は11月16日を予定しています。どうぞよろしく♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 11月4日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年10月26日号(第67号) 来年のことを言うと鬼が笑いますが… 　なにやら恐ろしく忙しい毎日が続いています。 　今月の上旬に書き始めた『ブースケとパンダの 英語でスパイ大作戦』は、今月末には脱稿の見込みで、ただいまラストスパートの真っ最中。イラストレーターの金之助さん、編集者の芝田暁さんとの3人のチームワークもバッチリで、楽しく快調な本づくりが進んでおります。 　出版は、来年1月下旬の予定です。どうぞお楽しみに♪ 　このほかに今週は、インドから女友達のカイザードが来日しました。 　カイザードは、天才魔法少女パールちゃんのお母さんで、エア・インディアの現役スチュワーデス。私とは同い年で、チョコレート狂仲間でもあります。 　パールちゃんは、SAM（全米マジシャン協会）主催の2001年マジックコンテストで、ジュニア部門最優秀賞を受賞した実力派。ふだんはムンバイの女子中学校に通う、聡明な13歳です。詳しくは「週刊マミ自身」バックナンバー7号〜8号をご参照ください。 　実は私、来年はインドの若手マジシャンを何人か日本に招待し、“前代未聞”のマジックショーをプロデュースする予定で話を進めているのです。 　何がどのように“前代未聞”であるかは、企業秘密につき今はまだ秘密ですが、 「ええっ、こんな場所で、こんなマジックをやれるの？」 と、お客様がビックリするような場所と内容を選定中。 　特にパールちゃんには、キュートで天才的なマジックの技を、あっと驚くようなステージで思う存分披露してもらう予定です。 　また、パールちゃんの妹で、マジシャンとして今年ソロ・デビューしたばかりのジニアちゃん（5歳）も、来年は日本に招待する予定ですので、あわせてお楽しみに♪ 　…というわけで今週は、来日中のカイザードを関係各所に連れて行き、会場候補地の下見をしたり、マジック関係の買い物をしたりと、例によって走り回っておりました。 　いちばん苦労したのは、からだの小さなジニアちゃんにも使いこなせる、“皿回し”のセットを購入すること。 　皿回しの道具は、インドの大都市でも買えることは買えるのですが、インド製は質が悪く、思ったようにうまく回ってくれないんですよね（涙）。 　そこで、「ぜひとも日本製が欲しい！」ということになったわけですが、足を棒のようにしてお店を回っても、日本製の皿回しの道具とは、ついに巡り合うことができませんでした。 　結局は某ジャグリング専門店で、スイス製の皿回し道具をゲット。スイスとジャグリングの組み合わせって、なんとなく意外な感じもしますが、品物のクォリティーは非常に高く、カイザードも至極ご満悦でした。 　ところで今回、私は生まれて初めて“ジャグリング専門店”に行ってみたのですが、これがなかなか面白い雰囲気。 　ジャグリングをご存知ない方は、数学者のピーター・フランクルさんや、このページの上のほうでパンダがやっているような“大道芸”を連想していただければ宜しいかと思います。 　ジャグリングに使われるアイテムは、皿回しのほか、一輪車、ボール、輪投げ、スティルト（足に取り付けて背を高くする道具。ピエロなどが愛用）、エトセトラ。 　このほか、日本の伝統的なジャグリング・アイテムとして、お手玉、曲傘（傘の上に色々な物を乗せて回す）、けん玉、南京玉すだれ（すだれ1本で富士山からしだれ桜まで、なんでも表現しちゃう究極の一瞬芸）、などがあります。 　ジャグリングの道具は、効果的に使えばマジック・ショーでも大活躍しますので、来年のショーでは、こうしたアイテムも積極的に取り入れたいと思った次第です。 　…そんなわけで、早くも来年の話ばかりしている、例によって気の早い私なのでした（笑）。 　さらについでに来年の話をすれば、『ブースケとパンダの 英語でスパイ大作戦』の次の作品は、某国を舞台にした冒険小説になることが、ほぼ決定！ 　12月末には、その某国（ムフフ♪）に取材に行ってくる予定です。 　ところで、これは来年ではなく“現在”の話ですが、娘（LiA）の初めての個展“hAppiness in bLue”が、10月26日〜28日までの3日間、原宿の Design Festa Gellery にて開催中です。 　お近くを通りかかる機会がありましたら、ぜひお立ち寄りくださいマセマセ♪ （会場：東京都渋谷区神宮前 3-20-1 Design Festa Gallery） 　また、11月1日〜3日まで丸の内で開催される日本文化デザイン会議の事務局からは、「チャリティー・オークションを開催したいので、何でもいいからオークションに出品してください」と言ってきましたので、私は “これをかぶればアナタもマハラジャ！？　インド人なりきりセット” を出品させていただきました（笑）。 　インド人なりきりセットの中身：キンキラターバン＋上着＋ビンディ＋サイン入り拙著（『夜明けの晩に』、『ブラック・アンブレラ』） 　オークションは会期中の11月3日、丸ビルにて開催されます。 　なお日本文化デザイン会議の会期中、11月2日（土）の夕方6時半から丸の内の中華料理店「胡同」（フートン）で、会員と一般の方が交流する場としての立食パーティーが行なわれます（会費5000円）。 　このパーティーは無礼講ですから、わいわいガヤガヤ、楽しいものになること請け合いです。私もモチロン出席しますので、お時間がおありの方は、是非遊びにおいでください。 　パーティー・チケット（JIDF CLUBチケット）は、お近くのチケットぴあにてご購入いただけます（受付Pコード903-232）。 　皆様のお越しを、心よりお待ち申し上げております♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 10月26日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年10月19日号(第66号) 芸術は爆発だ！ 　…というわけで、川崎市岡本太郎美術館に行って参りました。 　同美術館では現在、「美の呪力　ニューギニアの姿・かたち」と題した展覧会を開催中。昨日（10月18日）は、そのオフィシャル・オープニングパーティーが開催されたのです。 　この展覧会には、ニューギニアのプリミティブ・アート（仮面、神像、楽器、武具など）のほか、「ゲゲゲの鬼太郎」でお馴染みの漫画家・水木しげるさんの原画など、ユニークな作品が多数展示されています。 （注・ゲゲゲの鬼太郎は、水木さんのニューギニアでの戦争体験がもとになっているのだとか） 　展覧会は、来年のお正月までロングラン公開されます。一見の価値あり！　お時間がありましたら、是非お出かけください。 「美の呪力　ニューギニアの姿・かたち」 会期：2002年10月12日（土）〜2003年1月13日（月） 場所：神奈川県川崎市多摩区枡形7‐1‐5 川崎市岡本太郎美術館（電話 044‐900‐9898） 最寄り駅：小田急線向ヶ丘遊園駅南口より徒歩約15分 入場料：一般900円、高・大学生700円、中学生以下と65歳以上は無料 　　　　　　♪　♪　♪ 　続けてもうひとつ、芸術の話題。 　以前にも「週刊マミ自身」で何度かご紹介したことのあります、17歳になるうちの娘（ＬｉＡ）が、このたび、「hApiness In bLue」と題した初めての個展を開きます。 　個展と言っても、非常に小規模なものですが、ギャラリー探しから作品搬入まで、親の手は一切借りずにひとりで頑張ってやっております。 　ギャラリーのお近くまでいらっしゃる機会がありましたら、是非ともお運びくださり、なにとぞ激励してやってくださいマセ。 個展タイトル：「hApiness in bLue」 コンセプト：[＋]の要素を放つブルーの平面作品＋六感で感じる青の空間 会期：10月26日（土）〜28日（月） 時間：11：00〜20：00 場所：東京都渋谷区神宮前 3-20-1 Design Festa Gallery 最寄り駅：営団地下鉄「表参道駅」、またはJR「原宿駅」 入場無料 詳細情報はこちら　http://www.yamadas.jp/lia/kokuchi/index.html 　　　　　　♪　♪　♪ 　さてさて。 　前回もお話ししましたとおり、来る11月1日（金）〜3日（日）までの3日間、東京は丸の内において「第25回 日本文化デザイン会議」が開催されます。 　会議のテーマは「否常識！東京会議」。 　「あらゆる20世紀的な価値観が崩壊し始めている今」だからこそ、「従来の常識を一旦否定してみる」ことの重要性を問う、というのが今回のテーマです。 　 　江戸開府400年記念事業プレイベントということで、実行委員会の名誉顧問は、あの石原慎太郎東京都知事。 　会期中は、25を超える分科会が開かれます。 　分科会の一例を挙げますと、「大丈夫！？東京」「江戸と東京　大討論」「江戸・東京の風俗とエロス」「国際都市論―東京はグローバルな都市か」「食文化論―東京の食とは何か」「地方から見る東京論」「精神病理学教室―東京は病んでいるのか」などなど。 　私は「大丈夫！？東京―文化の裏と表から」（11月1日13：00〜17：00開催）と、「JIDF CLUB」（11月2日18：30〜開催）に顔を出す予定です。 　「JIDF CLUB」は一般参加者の方達との交流パーティーのことで、要するに一緒にお酒を飲んだり、軽く食事をしながら気楽に雑談しようという趣向。 　このパーティーには、たくさんの講師の皆さんが顔を出す予定ですから、皆さんも是非遊びにいらしてください。 　会期中、イベント会場は何ヶ所かに分かれますが、ほとんどが丸ビル、丸ビルホール、丸ビルマルキューブなど、東京都千代田区丸の内界隈で行なわれます。 （「JIDF CLUB」は、丸の内にある「胡同マンダリン」という中華料理屋さんで行なわれる予定です） 　なお、文化デザイン会議に参加するためには、“参加登録券”が必要となります。 　3日間の通し券が、一般8000円、学生5000円（ただしJIDF CLUBへの参加には、別途5000円の参加費が必要です）。 　チケットは電話（03-5237-9999）でも、チケットぴあでも買えますが、今回は特別に、「週刊マミ自身」読者の方から抽選で2名さまに、3日間の通し券をプレゼントさせていただきたいと思います。 　ご希望の方は、「文化デザイン会議チケット希望」と明記なさって、10月27日までに mami@yamadas.jp 宛てにメールでお申込みください。 　山田真美事務所使い走り代表（ブースケ）による厳正なる抽選の上、当選者の方にはチケットを郵送させていただきます。 　あっ、ブースケで思い出しましたが、ただいま執筆中の英語攻略本『ブースケとパンダの 英語でスパイ大作戦』は、今のペースで行けば今月末に脱稿、来年1月には発行に漕ぎつけそうです。 　金之助さんのイラストも、とっても素敵に仕上がってきています。 　こちらも、乞うご期待！ 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 10月19日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年10月5日号(第65号) 干し柿づくり ※来週末は旅先にいるため、「週刊マミ自身」を更新することができません。次回更新は10月19日（土）を予定しています。悪しからずご了承ください♪ 　大型台風も日本の上を通り過ぎて行き、ふと空を見上げれば、そこには早くも秋の色。 　皆さんいかがお過ごしでしょうか？ 　これからの季節、私の楽しみと言えば、奥信濃の山小屋にこもり、そのあたりに自生する渋柿を取って、ひとつひとつ丁寧に皮を剥き、吊るし、“干し柿”を作ること。 　皆さんはご存知ですか？　干し柿の作り方？ 　干し柿づくりには、お店で売っているような甘柿ではなく、必ず“渋柿”を使用します。作り方そのものは、非常に簡単。 �@まず、渋柿を手に入れます。使用する柿の状態によって、最終的な味の良し悪しは大きく変わってきます。 �Aきれいに皮を剥きます。 �Bヘタの部分に糸などを結んで、日なたに吊るします。日照時間や気温、空気の状態などが、干し柿の味を大きく左右します。 �C吊るした後は、状態を見ながら何度か手で揉みほぐします。面倒がらずに丁寧に揉んであげると、甘くて柔らかな干し柿になります。干しておく期間は、だいたい2週間〜1ヶ月ほど。 �D十分に干した後、取り込みます。様子を見て、必要なら藁（わら）に包んで寝かせてやったり、日本酒を吹きかけることも。 　…こんな感じで行程は非常に単純なのですが、大切なのは手間ひまと根気。何よりも、ゆったりとした気持ちがいちばん必要かも知れません。十分に手をかけてあげないと、美味しい干し柿になりませんから。 　私の場合、少ない年で200個、多い年で500個以上の干し柿を手作りしています。 　で、ここからが笑っちゃうんですが、そうやって時間をかけて作った干し柿を、実は私自身は食べたことがないんです。食べてくださるのは、もっぱら友達やご近所の人、あるいは親戚のおじさんおばさん。 　干し柿を食べない理由は非常にシンプルでして、ただ単にあの味が苦手だから（苦笑）。 「好きでもない物を作るなんて、変わった人ね」と思われてしまうかも知れませんが、私の場合、こうやって何かをゆっくりと手作りしてゆく、その“プロセス”自体が好きなんですね、昔から。 　朝、目が醒めて空を見上げ、 「あ。今日は干し柿づくりにもってこいの、好いお天気」 と思うところから始まって、いそいそと木登りのできる身支度をし、籠とハサミを持って柿を採りに行く。 　1ヶ月かけて出来上がった干し柿は、きれいに箱詰めし、手紙を添えて宅急便で友達に送る。 　…という、その間の、豊かな時間の経ち方が好きなんですよ。 　結果よりも、まずはプロセスを重視する。 　同じ山に登るなら、直線距離でさっと登ってしまうのではなく、なるべく余計な遠回りをし、道草を喰いながら登る。無駄を愉しむ。 　そういった生き方を好むのは、これはもう私の性格と言うほかはなく、その意味では、多くの人が結果主義・効率主義を良しとする現代日本の中では、少しばかり異質な人間ということになってしまうのかも知れません。 （むしろ、ヨーロッパやインドなど、歴史を重んじる国の友人達は、私のこうした性格をよく理解してくれます） 　小説を書くのも同じこと。 　例えば、未知の場所にパッと1週間ぐらい取材に行き、パッパッパッとそのへんを見て回り、そのまま即座に小説に書くというような芸当は、私には出来ません。 　いいえ。「出来ない」と言うよりは、「したくない」と言ったほうが正しいでしょう。 　取材を開始してから本を出すまでにかかった時間は、『夜明けの晩に』が約5年。『インド大魔法団』と『マンゴーの木』が、それぞれ約8年。 　『ブラック・アンブレラ』は、物語の舞台となった一妻多夫の村に最初に行ったのが1990年で、そのあと現地の言葉を学び、現地に小さな家を借りて何度か暮らし、現地の人と同じものを食べ、同じものを着て、ようやくそのコミュニティーに入れてもらえたのが、最初に村に足を踏み入れてから8年後の、1998年のことでした。 　結局、本に仕上げるまでには通算12年もの“熟成期間”を要したことになります。 　漬物やワインがそうであるように、思うに「経験」というものも、じっくりと時間をかけて“寝かせ”、“熟成させ”、それらが本当に自分の“実”となり“肉”となったときに、初めて普遍的な深みを持つものではないでしょうか。 　今年も干し柿づくりを通して、ゆっくりと“過ぎてゆく秋”を楽しみたいと思っています。 　さて、これとは別件ですが、来る11月1日（金）〜3日（日）までの3日間、東京は丸の内において「第25回 日本文化デザイン会議」が開催されます。 　「日本文化デザイン会議」とは、日本の文化人約100人ほどが集まって運営している「日本文化デザインフォーラム」（JIDF＝Japan Inter Design Forum）という会が主催する、年に一度のお祭りの名前。 　 　実は私の場合、1987年に同イベントの最年少講師を務めたことがあります。 　その後は日本と海外を行ったり来たりの生活が続いたため、JIDFからも遠ざかっていたのですが、今年からは縁あって正会員として復活♪ 　そんなわけですので、11月1日からのイベントには、私も顔を出させていただく予定です。 　今回のイベントに出席が予定される講師の皆さんは、（50音順で）作家の荒俣宏さん、華道池坊次期家元の池坊由紀さん、クリエイティブディレクターの榎本了壱さん、小笠原礼法宗家の小笠原敬承斎さん、精神科医の香山リカさん、ヒップホップのキングギドラさん、建築家の黒川紀章さん、画家の千住博さん、演出家のテリー伊藤さん、歌人の俵万智さん、チバレイこと千葉麗子さん、漫画家の中尊寺ゆつこさん、ジャーナリストの野中ともよさん、アーティストの日比野克彦さん、ライフスタイル・プロデューサーのフランソワ−ズ・モレシャンさん、国連ハビタット親善大使のマリ・クリスチーヌさんなどなどなど、全部で約100人。 　非常〜に多彩な顔ぶれです。 　次号の「週刊マミ自身」（10月19日更新予定）では、このイベントの詳細をご紹介いたしますネ。 　と同時に、第25回 日本文化デザイン会議への入場券（3日間の通しチケット）を、このページを読んでくださっている2名の方にプレゼント♪したいと考えています。 　ぜひ、お見逃しなく！ 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 10月5日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年9月28日号(第64号) ヒンディー語で「離婚」は何だっけ？ 　つい最近、知り合いのご夫妻が2組、相次いで離婚しました。 「今どき離婚なんて、珍しくも何ともないじゃない？」 　そう言われると身も蓋もないのですが、今回の離婚劇は私にとって、簡単には見過ごすことのできないほど大きなインパクトがありました。 　と言うのも、この2組のご夫妻は、どちらもインド人のカップルだったのです。 　ご存知の方も多いと思いますが、インドと言えば、国民の9割以上がいまだに親の決めた人とお見合い結婚をするという、超コンサバなお国柄。 　もっと詳しく言えば、親の決めた人をさらに占星術師に観てもらい、その結果いかんで結婚の可否が決まるという昔からの伝統を、今も踏襲しているのがインドです。 　このあたりの事情は、拙著『ブラック・アンブレラ』にも書きましたから、読んでくださった方にはお分かりいただけると思うのですが、大部分のインド人にとって結婚とは、あくまでも「神の意志」によって決められた、「家と家との聖なる結びつき」であり、本来は「個人の自由意志で決定することは許されない」人生最大のイベントなのです。 　そんながんじがらめの社会の掟に逆らってまで、インド人の夫妻が離婚！　しかも、1組のみならず2組までも！　これが驚かれずにいられましょうか？ 　これまで「インド人」と「離婚」は無縁と信じ込んでいた私は、ヒンディー語で「離婚」を何と言うか、咄嗟には思い出すこともできませんでした。 「しかも、別れた2組のうちの1組は、奥さんのほうから旦那さんに三下り半を叩きつけたんだって」 　くだんの離婚カップルをよく知る別の友人も、首を横に振りながら深く嘆息して見せました。 「旦那さんとは、性の不一致だったって。別れた時点で奥さんにはちゃんと別のオトコがいて、そのオトコと一緒になるために、子ども達を捨ててまで家を出て行ったそうだよ。あの、いまだに男尊女卑の傾向が強いインドの女性がだよ。みんなに石を投げられることを覚悟で、自分の恋に忠実に生きようとしたんだよ。本当に、時代は変わったよねぇ―」 　このご夫妻に何が起こったのか。何故「離婚」という事態にまで至ってしまったのか。 　それは、あくまでもご夫妻の問題であって、他人が興味半分に窺い知ることはできませんし、一般的な倫理で片付けることなど土台不可能でしょう。 　けれど、あのインドでさえこんなことが起こり得る時代になったのですから、離婚の一般化は、どう見ても世界的な傾向だと言えるのではないでしょうか。 　事実、（欧米人はもちろんのこと）中国人の友達に聞いても、韓国人の友達に聞いても、パプア・ニューギニア人の友達に聞いても、誰もが異口同音に、 「最近はみんな、昔に比べて気楽に離婚するようになったわよ。親の離婚で片親になった子どもを差別するような傾向も、うんと減っているし」 と言っていますしね。 　離婚経験者に対する社会の偏見やプレッシャーが、国際的に弱くなりつつあるということでしょう。 　そんなわけで私の身辺でも、この頃は年々、離婚件数が増えています。 　少し前には、女友達のA子さんが3度目（！）の結婚をしました。A子さんは、ご自身が会社経営者で、お相手の男性（お医者さん）も今回が3度目の結婚。 　そんなわけで、結婚式に集まった友達の中には、 「1度目の結婚式にも、2度目の結婚式にも招待されました。今回が3度目です（笑）」 という人が多く、新郎新婦も結婚式は手慣れたもの（笑）。 　披露宴のスピーチでは、 「A子さん、4度目の結婚式にも、是非招待してくださいね！」 というようなブラック・ジョークが次々に飛び出し、式場は最初から最後まで爆笑の渦に包まれていました。 　もっとも、離婚ベテラン組（？）のA子さんにしたところで、3度目の結婚に至るまでには、死ぬほどの苦しみや葛藤があったと聞いています。 　3度目のベテランでもそうなのですから、ましてや最初の離婚となれば、皆さんどんなにか大変な想いをしていらっしゃることでしょう。 　それでも人は、離婚をする。 　インドのような想像を絶するコンサバな国で、掟に背き、社会全体を敵にまわしてでも、あるいは子どもと別れてでも、それでも人は離婚をする。 　離婚劇を通してしばしば垣間見ることのできる、凄まじいまでの人間の本能。特定の異性への、あるいは生きることそのものへの、貪欲で、ストレートで、切実な欲望。 　…人間って、なんて社会的で、そして、なんて反社会的な生き物でしょう！ 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 9月28日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年9月21日号(第63号) Are you fluent in English? 　今週も、なにやらムチャクチャ忙しい1週間でした。 　執筆。 　仕事のミーティング。 　海外から訪日中のVIPのアテンド。 　毎朝5時半起きのお弁当作りなど、家事全般。 　子ども達が通っている学校のPTSA（日本の学校で言うところのPTA）の雑用。 　語学学習（ヘブライ語）。 　道場通い（少林寺拳法）。 　飲み会（笑）。 　エトセトラ、エトセトラ、エトセトラ。 　お蔭さまで、『ブラック・アンブレラ』の英訳は順調に進んでいます。 　今のペースで仕事が進めば、12月の中旬までには翻訳作業は完了。クリスマス前には、第1回編集会議を開くことが出来そう、といったところでしょうか。 「貴女の次作はいつ読めるの？」 という海外の読者様（English readers）からのリクエストにも、どうやら来年の前半には応えることが出来そうで、多忙ながらも充実した今日この頃であります。 　ところで皆さん。 　突然ですが、皆さんは道を歩いていて（あるいは本屋さんなどで）、英会話学校の（または英語教材の）勧誘を受けたことはありますか？ 　或いは、実際にそういった英会話学校へ通ってみた（あるいは英語教材を買ってみた）ことがありますか？ 　少し前までの私は、そういった英語学校や英語教材の勧誘員の方から声をかけられても、 「あ、結構です」 「間に合っていますから」 と軽くお断りして、足早に通り過ぎていました。 　けれどもこのたび、『ブースケとパンダの　英語でスパイ大作戦』を書くことが決まると、事情が変わりました。 　『ブースケとパンダの　英語でスパイ大作戦』は、これから英語の勉強を始める小中学生（英語に関してほぼ白紙状態の人）や、英語を勉強したことはしたけれど、早い段階でドロップアウトしてしまった人達が対象の、コメディータッチの英語攻略本。 　「ブースケ」と「パンダ」という、努力することが嫌いな「英語の落ちこぼれ達」が主人公です。 （※この本に関する詳細は、当ホームページの「予告」をご参照ください） 　この攻略本を書くことが決まってからというもの、私は、これまで全く興味の持てなかった英語学校や英語教材の勧誘に必ず足を止め、熱心に説明を聞いています。 　 　つい先日も、○○英語学校の勧誘員さんと私の間で、次のような会話が交わされました。 （思いっきり仰々しい営業スマイルを浮かべて近づいて来ながら） 勧誘員 「こんにちは〜。ちょっと、お時間をいただけますか？」 私 「…は？」 勧誘員 「今、○○英語学校のご案内を差し上げているんですが」 私 「はあ…」 （○○って、授業料が高いわりにはたいして英語が上達しないことで有名な、あの学校ね（笑）） 勧誘員 （取ってつけたような口調で） 「ところで、お客様のお召しになっていらっしゃるイヤリング、たいへん素敵でいらっしゃいますね。とってもよくお似合いですわ」 私　「…どうもありがとうございます」 （そんな唐突なお世辞なんて要らないから、早く本題に入ってよ（苦笑）） 勧誘員 「失礼ですが、お客様は現在、英語の勉強はしていらっしゃいますか？」 私 「え？　英語ですか？　えーと、英語の勉強はしていません」 （私が勉強しているのはヘブライ語だし） 勧誘員 「そうですか。お客様は、もっと英語を勉強しなくては、と思ったような経験はありませんか？」 私 「あー、そうですね、そういう経験は確かにありますね」 （少し前に国際会議の通訳をした時、会議出席者の中にかなり風変わりな学者さんが混じっていて、ほかのイギリス人の学者さんさえ知らないような古語を使うものだから、辟易したことがあるわ。あの時は、「もっと中世の英語を勉強しなくちゃ」と思ったわよ、確かに（笑）） 勧誘員 「こちらは、当社が開発した英語のプログラムですが…」（と言いながらパンフレットを開く） 私 「はい…」 （ずいぶん立派なパンフレット！　イメージPRにお金かけてるわねえ） 勧誘員 「こちらが教材です」 私 「ほお…」 （うわー、こんなにたくさんのCDとテキストを勉強しなくちゃならないのぉ？！　地道に努力することが苦手な私には、とてもじゃないけど無理…（溜息）） 勧誘員 「料金設定はこのようになっておりまして…」 私 「ふーん…」 （げげっ！　高い！） 勧誘員 「お客様が英語を話せるようになるまで、親切にマンツーマンでお教えいたします」 私 「そうですかあ…」 （私の知り合いの△△さんは、お宅に1年以上も通ったけど、殆んど英語は上達しなかったって嘆いてましたよ（涙）） 勧誘員 「いかがでしょう、今なら無料の体験入学も出来ますが…」 私 「うーん、ちょっと考えさせていただきます」 （参考資料として、パンフレットだけは貰っておこう） 勧誘員 「それにしても、本当にお客様にお似合いですわ、そのイヤリング」 私 「いえいえ…」 （だから、そういう見え透いたお世辞は要らないっちゅうの（笑）） 　…ってな感じで、今週だけでも3つの異なる英語教室・英語教材会社の勧誘員から話しかけられ、それぞれ30分〜1時間も時間をかけて、じっくりとお話を拝聴して参りました（笑）。 　それにしても、英語教室や英語教材って、どうしてこんなにお金がかかるんでしょうねぇ？ 　全くお金をかけずに英語をマスターした私としては、何よりもまず、その料金設定にビックリ。 　 　それに、勧誘員さんはいやに自信満々に説明してくださったけど、実際には、こういった英語学校に通った生徒さんのうちの、いったい何％ぐらいの人が fluent in English （英語ペラペラ）になれるものでしょう？？ 　そうした謎を解くためには、私自身が英語学校に潜り込み、先生のレベルや教え方など、教室の様子をこの目で調べて来る必要があると思います。 　…というわけで今週はいよいよ、「まみりんの英語学校潜入プロジェクト」の、はじまり、はじまり〜♪ 　出来れば、英語が出来ることはひた隠し、いちばん初級のクラスに入れて貰おうと思っているのですが、果たして、そんな風に希望どおりに事が運びますかどうか。わざと下手くそな発音をするのって、実は死ぬほど難しいんですよ（笑）。 　スパイまみりんの面目躍如なるか！？　以下、次号に続く（たぶん）。 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 9月21日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年9月15日号(第62号) パプアからの生還 　9月7日から14日まで、取材のため南半球のパプア・ニューギニアに行って来ました。 　結論から言っちゃいますと、いやぁもう、今回の取材は、のっけからとんでもなくハードなものでした。 　まず、日本でも大きく報道されたようですからご承知のことと思いますが、向こうに着くなり、いきなりマグニチュード7.5の大地震が発生。 　さらにその3日後には、シュノーケリング中に予期せぬ激しい潮流に呑み込まれ、南太平洋をどんどん沖のほうに流されるという、人生最大のピンチが到来！ 　海洋学部出身で、グレート・バリア・リーフなど世界の海を潜ってきた私（ダイビング歴20余年）が、生まれて初めて経験する「海の恐怖」でした。 　その場所が、異常なまでに潮の流れが速く、一旦飲み込まれたが最後、自力で戻ることはほぼ不可能とされる「超難所」であることを地元の人から知らされたのは、事件が起こった後。 　一緒に泳いでいたバディともども、あとほんの少しで一巻の終わりだったわけで、こうして無事に帰って来られたのは「殆んど奇跡」と言っても過言ではないと思います。 　しかも、潮に流され、塩水を大量に飲み込んでブクブク沈みかけながらも、心のどこかで、 （生きて戻れたら、この経験をさっさと冒険小説に書かなくちゃ） な〜んて思っていたのですから、さすがに自分でも呆れます。 　これはもう、立派な職業病と言うべきでしょうか？それとも、単に私がノーテンキなだけなのでしょうか？（汗） 　そのほかにも、今回はまぁ色々と事件続きではありましたが、「取材」そのものに関して言えば、これはもう大成功。 　また、旅の間にはユニークな人たちとの出会いも多々ありましたから、振り返ってみると、とびきり怖くて、とびきり強烈で、とびきり面白〜いパプア・ニューギニア取材旅行だったと言えるでしょう♪ 　なお、今回の取材にはニューギニア国営航空さんの全面的なご協力を頂きました。 　この場をお借りして、深く御礼申し上げます。 　取材の成果は、いずれ本に書き下ろしてお届けいたしますネ♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 9月15日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年9月7日号(第61号) ケサランパサラン 　先日、“こじさん”という方から、思いがけないプレゼントが届きました。 「『ブラック・アンブレラ』の出版、おめでとうございます」 　そんな飾り気のない言葉と共に届けられたのは、まず、一輪の真っ赤な薔薇。 　次に、これまた薔薇の花が描かれた綺麗な箱に一杯の、ピンク色の包み紙にくるまれたミルク・チョコレート。 （これはおそらく、前回の「週刊マミ自身」をご覧になって、チョコレート中毒の私のために選んでくださった一品だと思います） 　こじさんからのプレゼントは、まだまだ続きます。 　鉢がわりのコーヒーカップに植えられた、25本の“四つ葉のクローヴァー”。 　聞けばこじさんは、先週会社が休みの日に山に行って、何時間もかけて四つ葉のクローヴァーだけを探し、丁寧に根ごと抜いて、コーヒーカップに植えてくださったのだとか。 「本当は、五つ葉のクローヴァーも2本ほど混ざっていたんですよ」 と、こじさん。 　残念ながら五つ葉のものは、私の手元に届く前に枯れてしまったそうなのですが、ともかく、四つ葉のクローヴァーばかりで出来た“コーヒーカップの盆栽”は、とっても可愛らしく、すこぶる珍しく、ずっと見ていても見飽きないほど。 　この盆栽だけでも、十分に、いえいえ、十二分に嬉しかったのですが、なおその上に、こじさんからのプレゼント、極めつけは小さな籠に入ったケサランパサラン！ 　皆さんご存知ですか、ケサランパサラン？ 　人によっては「ケサランパセラン」とも、「ケセランパサラン」とも、「ケセランパセラン」とも呼ばれ、持ち主を幸福にすると信じられている、あの、伝説の空飛ぶ生きもの。 　レベッカが、『結接蘭　羽接蘭』という歌にし、化粧品メーカーが社名にまで使っている、ふわふわっとして真白い幻の綿毛。 　『ブラック・アンブレラ』のストーリー中、主人公の繭子が初めて白い傘をさす場面で、ほんの一瞬だけ登場する、あのケサランパサランです。 　『ブラック・アンブレラ』をお読みになったこじさんは、そのケサランパサランをわざわざ採集し、籠に詰めて贈ってくださったというわけなのでした（！）。 「これを持っていると、幸福になるって言われていますよね」 　こじさんは、何気なさそうにサラッとそうおっしゃいましたが、ケサランパサランと25本の四つ葉のクローヴァーは、見ているだけで本当に幸福な気分にさせてくれるものでした。 　こじさんからは、ケサランパサラン本体以外に「ケサランパサランの種子」まで届いています。 　もしも、これを読んでいらっしゃる皆さんの中に、 「私もそのケサランパサランの種が欲しい！」 という方がいらっしゃいましたら、どうぞご遠慮なく、メールでお知らせください。 　10人ぐらいの方にお分けできるだけの量は、たっぷりあると思いますので。 　私はこの種を、山小屋の庭に蒔きたいと思っています。 　25本のクローヴァーも、もちろん、同じ庭に移植しますヨ。 　来年からは毎年、山小屋の書斎の外を、ケサランパサランがふわふわっと舞ってくれることでしょう。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 9月 7日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年9月1日号(第60号) チョコレート中毒 　「…チョコレートが食べたい」 　17歳になる娘が、今朝、起き抜けにいきなりそう言いだしました。 「あ゛あ゛あ゛〜、チョコレートが今すぐ食べたい。それも、1個20円のチロルチョコが」 　年に何度か、娘はこんなふうに唐突にチョコレートを食べたくなります。 　それも、食べたくなるのは1粒300円もするベルギー直送の「ゴディヴァ」のチョコとかではなく、1粒20円のチロルチョコとか、1箱150円の棒チョコとか、どこにでもありそうな庶民的なもの。 「あ。チョコレート。私も食べたいかも」 　娘の一言に触発されて、ここ暫くチョコレートから遠ざかっていた私も、思わず食指が動きます。 　実は、何を隠そう、10代〜20代にかけての私は、筋金入りのチョコレート狂でした。 　 　それも、私の場合は娘と違って、 「1粒20円のチロルチョコ」 というような指定銘柄もなし。 　チョコと名の付くものなら何でもOKの、無節操、かつ熱狂的な、TPO無視のチョコ・マニアだったのであります。 　1度などは、アメリカ人の友達の勧めで、「全米チョコレート愛好会」（←正しい名称は忘れましたが、大体こんな感じの名前の会）への入会を試みたことさえあります。 　この会は、その名のとおり、チョコレートが死ぬほど好きで好きでたまらない人たちの集まりで、パンフレットによれば、年に2回ほど催される総会で出される夕食は、チョコ風味の食前酒に始まり、オントレーもチョコ。サラダもチョコ。メインディッシュもチョコ。デザートもチョコ。食後の飲み物もチョコドリンク、という、夢のような（？）チョコレートづくしのフルコース・メニューだということでした。 （いくらなんでも、そんなにチョコばかり食べられるものかしら） 　メニューに圧倒され、一抹の不安を覚えながらも、興味本位に入会申込書を提出した私…。 　ところが、暫くして事務局から届いたお返事は、 「誠に残念ですが、今回の審査の結果、あなた様の入会は却下されました」 というツレナイもの！ 　何ゆえに！？　こんなにチョコレートを愛している私が、どうして入会できないんですか！？ 　茫然としながらも手紙の最後のほうに目を通すと、そこには丁寧な英語で、こんなお言葉がしたためてあったじゃありませんか。 「当会の入会資格は、入会時の体重の下限を200ポンドといたしております。従いまして、あなた様の場合は現在、体重が著しく規定に足りません。悪しからずご了承ください」 　1ポンドと言えば、約453.6グラム。ということは、200ポンドは90キロ強？ 　 （ガガ〜ン。チョコレート愛好会って、名前だけは可愛らしいけど、実はムチャクチャ敷居の高い会員制クラブだったのね！？） 　半分茫然としながら、入会を諦めた私なのでした。 　でも、私の知る限り、軽い「チョコレート中毒」の人って、結構多いような気がしますけど、どうでしょう。 　私の友達の中にも、チョコレート狂の人間は何人かいて、その殆んどは女性です。 　なかでも極めつけは、カイザードという名のインド女性かな。 　カイザードは、私が6年間ほどインドに住んでいた時に一番親しくしていた女友達で、エア・インディアのスチュワーデスをしています。 　年齢は、私と一緒。二児の母。でも、気持ちが若くて、とてつもないパワーの持ち主。 　スチュワーデスという職業柄、カイザードは世界中を飛び回っては各地のおいしいチョコレートを食べ、それを大量に買い集めては、親しい友達に惜しげもなくばら撒いてくれる、とっても寛大な人♪ 　そう言えば、少し前に国際電話で話したとき、彼女はビックリするようなことを言っていました。 「ちょっと、ちょっと！　ビッグニュースよ！　実はね、私の従妹が、ついにムンバイで本格的なチョコレート工場を開いたの！」 「ええっ！　チョコレート工場を？」 「そうなのよぉ。従妹は、私以上のチョコレート中毒でね。若い頃からのチョコ好きが嵩じて、ついにみずからがチョコレート工場の経営者になっちゃったってわけ。この工場経営には、私も少し出資してるのよ。だから、今度からはマミにも、好きなだけチョコレートを食べさせてあげられるからね。うふふふ♪」 　…正直なところ、私が熱狂的なチョコレート中毒患者だったのは、はるか昔のことで、今は1週間に2〜3度、それも板チョコ1枚あれば十分満足という程度の可愛いもの。 　従妹と一緒に本格的なチョコレート工場まで建ててしまうカイザードの「チョコ信奉ぶり」には、とても敵いませんが、とは言え、彼女達がどんな新作チョコレートを作るのか、興味津々。 「どんなチョコレートがこれからの時代にマッチしそうか、どんどん意見を言ってよね。マミ好みの味のチョコも試作してみるから」 　この残暑が峠を越して、涼しい秋風が立ち始めたら、チョコレートの研究を始めてみようかな、などと思ったりしている私なのでした。 　では、これから娘と連れ立って、「チロルチョコ」を買いに出かけてきま〜す♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 9月 1日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年8月21日号(第59号) 吉兆ふたつ 　先日、奥信濃の山小屋で夏休みを楽しんでいた時のことです。 　ふと書斎の窓の外に目を向けた私は、そこに、信じられないほど大きな虹を見つけ、思わず歓声を上げながら庭に飛び出していました。 　ともかく、その虹の大きさときたら、日本ではまず滅多に見られないほどのスケール。 　あちらの山裾からこちらの山裾まで、ほとんど空全部にまたがって開いた七色の扇のようなのです。 　しかも、よくよく見ればその虹は、古来多くの国々で吉兆として悦ばれてきた、伝説の“ダブル・レインボーズ”じゃありませんか。 　ご存知ですか、ダブル・レインボーズ？ 　平行したふたつの虹が、二段重ねに出現する現象です。そう、まるで二階建ての虹のように。 　百聞は一見にしかず。私がデジカメで撮った問題の虹は、当ホームページ内「Bar Mamilyn 〜 書斎の風景」にアップしてありますので、そちらをご覧ください。 　実は、この虹を見る2〜3日前から、山小屋のある奥信濃では、たくさんの流れ星が見られました。 　流れた星の数は、肉眼で観測できただけでも、1時間で50個ほど。 　私は、ひんやりと湿った夜の庭に寝転んで、ひとつ、ふたつと流れ星を数えては、星に願いをかけていたんです。 　流れ星と、二段重ねの虹。 　立て続けに現われたふたつの“自然の造形美”には、言葉では表わし難いほど崇高なインパクトがありました。 （これは、とてつもなく素晴らしいことの起こる前ぶれかも） （ふたつの吉兆の相乗効果で、信じられないほどハッピーな出来事が待っているのでは？） 　そんな“素敵な予感”が胸に湧き起こります。 　虹の写真を見てくださったホームページ読者の皆さまにも、きっと良いことがありますように♪ 　ところで今日は、「週刊マミ自身」以外にも、ホームページのあちらこちらを更新してみました。 　更新したのは、次の各ページです。 「予告」 「作品　〜　ブラック・アンブレラ」 「作品　〜　Wheel of Destiny」　（写真を増やしました） 「プロフィール」　（写真を増やしました） 「バーマミリン　〜　書斎の風景」　（写真を増やしました） 「バーマミリン　〜　マミリンのオススメBar」 　今回は特に、「プロフィール」ページが必見です！　 　なにしろ、私の過去の秘密写真（！？）を、えいっとばかり一挙公開しちゃったんですから（笑）。 　新しくアップした写真の例を挙げますと、 ★　「Dr．スランプあられちゃん」のショーで、司会のお姉さんをしている私 ★　結婚式での文金高島田姿　（仲人さんにも注目！） ★　冒険好きが嵩じて、アクロバット飛行に挑戦する私 …などなど、本人もビックリ（？）の、掘り出し物の写真がいっぱいです！ 　「作品」ページには、今月27日に全国発売される小説第2弾、『ブラック・アンブレラ』に関するインフォメーションをアップしましたので、是非ともご高覧ください。 （但し、地方によっては配本が2〜3日遅れる可能性があります。何卒ご容赦ください） 　さらに「予告」ページには、『ブラック・アンブレラ』の次の作品となる、『ブースケとパンダの　英語でスパイ大作戦』の予告も載せました。 　官能と狂気の世界（『ブラック・アンブレラ』）のお次が、なんとビックリ、抱腹絶倒の英語攻略本っていうのも、奇想天外でオシャレでしょう？（笑） 　こちらはイラスト満載、カラフルで楽しい本に仕上がる予定。楽をして英語をマスターしたい方に、特にオススメの1冊ですよ♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 8月 21日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年8月7日号(第58号) イベントが目白押し 　前回の「週刊マミ自身」に、“この夏は、出来る限り山小屋でのんびりします”などとノンキなことを書いたのも束の間。 　9月末に刊行が予定されていた小説第2弾『ブラック・アンブレラ』が、8月27日に全国発売されることが急遽決まり、それに伴って全ての予定が前倒しになり、何やら非常に忙しい日々になっております。 　今週は既に、ユネスコの副事務総長との会談など、いくつかの大きなミーティングを終えました。 　嬉しいことに、『ブラック・アンブレラ』の英語版ならびにフランス語版出版に関する具体的な話が、早くも始まっており、そのための打ち合わせもありました。 　英語版出版に関しては、かなり早いうちから打診があったのですが、今回、フランス語版出版の話を頂いたことは、やはり掛け値なしに嬉しいです。 　このことを、早速メールで親しいアルゼンチン人作家に伝えたところ、 「英語版とフランス語版を作るなら、スペイン語版も作りましょうよ。翻訳なら、私がするわ。スペイン語圏の出版社には顔がきくから、任せておいて」 という、実に頼もしいお返事。 　なにやら今回は、不思議なほどトントン拍子に話がまとまってゆく感じなのです。 　…そのようなわけで、例によって仕事では東奔西走の毎日なのですが、とはいえ忙中閑あり。今月はそれ以外にもイベントが目白押しです。 　まず、このホームページの「金之助劇場」（バーマミリン内）でお馴染みのアニメーター・金之助さんの演出によるコメディー劇『パパ・アイ・ラブ・ユー』（原作レイ・クーニー）が、「劇団ろしなんて」によって現在上演中です。 　これから行なわれる公演は、次のとおり。 　 8月10日（高崎市文化会館）　�@1時30分開演　�A6時30分開演 8月18日（安中市文化センター）　午後6時開演 ※入場料は各回とも、大人1200円、中高生1000円（前売りは各200円引き）。 その他の詳細は、各会場までお問い合わせください。 　御用とお急ぎでない金之助ファンの皆さんは、是非ともお立ち寄りくださいマセ。 　金之助さんは、非常にお忙しい家業の傍ら、アニメを描き、劇団の演出をし、八面六臂の活躍中。まったく、グータラなパンダとはえらい違いですよね（笑）。 　近いうちに金之助さんとの仕事での一大コラボレーションを計画している私は、今度の劇をとっても楽しみにしているんですよ。 　さて、その次に楽しみなのは、『カーマ・スートラ』などで世界的に有名なインド出身の女性映画監督、ミラ・ナイールさんの最新作映画『モンスーン・ウェディング』の日本公開です。 　監督のナイールさんは幼少時から海外生活が長く、ハーヴァード大学に学んだ女性。 　これまでのインドの映画監督とは一味も二味も異なった感性の持ち主のようで、ヴェネチア映画祭で最優秀賞を獲得した今回の作品も、「官能的」「豪華絢爛」「カラフル」「心理描写がうまい」と、評判は上々。 　実は、ナイールさんと私には、昔から共通の友人が多く、その関係で、友人達が近々ナイールさんと私の会見をセッティングしてくださることになっているのです。 　そんな個人的理由もあって、『モンスーン・ウェディング』の封切には、今から大いに期待！ 　続いて月末には、「ちゃんちゃこ」ファンクラブの交流会が予定されています。 　ちゃんちゃことは、1970年代に人気のあった男性2人組のフォーク・グループの名前です。 　ヒット曲となった『空飛ぶ鯨』や『黄色いカラス』をしみじみと奏でる歌声や、優しい顔立ち、ほのぼのとした雰囲気は、今でいう「癒し系歌手」のハシリだったと思います。 　で、実は何を隠そうこの私も、高校時代は「ちゃんちゃこ」の大ファン。 　ちゃんちゃこは、LPレコード（←懐かしいなぁ…）を3枚ほど発売した後、わずか1〜2年で解散してしまったのですが、その後、大学生になった私は、ちゃんちゃこのお2人のうちの1人（北方義朗さん）と、縁あってバッタリ遭遇。 　以来、お友達づきあいをさせていただいて、現在に至ります。 　 　今月末に開催されるファン交流会には、北方さんも参加してくださる予定です。もしもHPをご覧の皆様の中に、 　「私も昔、ちゃんちゃこファンだった」 　「ファンの集いがあるなら参加してみたい」 という方がいらっしゃいましたら、ファンクラブとしては大歓迎いたしますので、お問い合わせ・お申込みは、山田真美までメールでどうぞ。私から幹事に申し伝えますので（笑）。 　交流会と言っても、基本的には北方さんによる小リサイタル＋フツーの飲み会になる模様ですから、どうぞお気軽にご参加ください。 　場所は東京都内、日時は8月24日の夕刻からを予定しています。 　ちゃんちゃこファンクラブの集いが終わると、いよいよ『ブラック・アンブレラ』の全国発売（8月27日）。 　そしてその翌日には、日本文化デザインフォーラム（JIDF）の新会員歓迎パーティーがあります。 　パーティーのホストは、会の最高顧問で建築家の黒川紀章さん。 　私は1987年にもゲスト講師としてこの会主催のシンポジウムに出席したことがあるのですが、今年から本会の正式メンバーに選ばれましたので、今回は先輩会員の皆さんから“歓迎”していただいて参ります。 　この件に関しては、後日また詳細を報告させていただきますね。 　…というわけで、忙しい忙しいと言いながらも、クラクラするほど暑い日本の夏を、結構楽しんでいる私なのでした。 　今日から暫く、フクロウの生態を観察するため友人の精神科医らと一緒に富士山麓に出かけ、その後は避暑のため奥信濃の山小屋に籠りますので、また2週間ほど「週刊マミ自身」を更新出来ないかもしれませんが、なにとぞお許しください。 　皆さんも暑さに負けず、この夏を乗り切ってくださいね。それではまた♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 8月 7日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年7月26日号(第57号) カエルのピョンキチ 　♪　緊急のお知らせ　♪ 　9月末に発売が予定されておりました小説第2弾『ブラック・アンブレラ』は、表紙写真の撮影、ゲラ校正などがトントン拍子に進んだため、8月末に刊行の見込みとなりました（幻冬舎、予価1500円＋税）。詳細が決まり次第、当HPにて逐次お知らせいたします。どうぞお楽しみに！ 　 　それは、一昨日のことでした。 　夜の8時ごろでしたか。書斎のすぐ外で、1匹のカエルが、いきなり低い声でゲロゲロと鳴き始めたのは。 　申し遅れましたが、私は数日前から奥信濃の山小屋に戻っています。 　なにしろここは、隣家まで2キロも離れた、文字どおり山奥の一軒家です。 　聞こえてくるのは、朝なら鶯（ウグイス）、昼は大瑠璃（オオルリ）に蝉時雨、夜になると「ゴロスケホーホー」という梟の鳴き声や、かまびすしいカエルの合唱など。 　書斎の外は広々とした庭、その先には森が拡がっていますから、窓の外からカエルの声が聞こえてくること自体は、少しも不思議ではないのです。 　ですが、一昨日のカエルの鳴き声は、ほかのカエルとはどこかが違っていました。 　妙に心に訴えかけてくる感じで、人間に例えれば、 「こんばんは。窓を開けてください」 と言っているような、切々と懇願するような鳴き方だったんです。 　窓を開けて調べるまでもなく、それはガマガエルの鳴き声でした。 　拙宅は、裏にちょっとした池がある関係から、この時期は毎年、カエルの合唱で賑やかなのですが、一言でカエルと言っても、種類によって鳴き方は随分違います。 　たとえば、紙鉄砲でも飛ばすように軽快に、「コロコロコロコロ…」と鳴くのは、モリアオガエル。木の枝にまず泡を産み、その中に産卵することで有名な、天然記念物に指定された珍種です。 　小さな声で可愛らしく「ケロケロ」鳴くのが、普通のアオガエル。 　これに対して、低いダミ声で「ゲロゲロ」鳴くのがガマガエル。 　 　あまりにもしつこく鳴き続けるガマガエルの声に、私は窓を開け、草むらの中を懐中電灯で照らしてみました。 　すると案の定、そこには1匹のガマガエルが、書斎の中を覗きこむような体勢でゲロゲロ鳴いていたんです。 　体長、約10センチ。ずんぐりとした体型で、色は薄茶色。からだが重いせいか、アマガエルのようにぴょんぴょん飛び回ることはなく、一箇所に留まってデーンと構えた感じが印象的です。 　眼が金色で、なめらかな皮膚をしたモリアオガエルと比べると、からだ中がデコボコのガマガエルは、お世辞にも美形とは言い難いのですが、そのひょうきんな顔つきが可愛かったので、私はふざけて、 「遊びに来る？」 と言いながら、カエルの前に手を差し出してみました。 　すると驚いたことに、そのガマガエルは躊躇もせずに、いきなり掌に這い上がって来たんです（！）。 　私は子どもの頃からカエルが大好きで、今でも書斎の中には、カエルのヌイグルミや、カエルをかたどった木彫りのオブジェなどが12体も置いてあるほど。 　しかし、こんなにも人懐こいガマガエルは、未だかつて見たことがありません。 　さっそくそのカエルを書斎に連れて戻り、「ピョンキチ」と名前をつけてやりました（あまりにも安易な命名でスミマセン（笑））。 　ピョンキチは、どっしりした体型とは裏腹に、実にまったく好奇心の強い男の子で（←勝手に性別を♂と決めつける私（笑））、机の上でも一時もじっとしていません。 　前足を辞書の上にかけたかと思えば、後ろ足でペン立てをひっくり返し、パソコンのキーボードの上を歩き回り、なにやらとっても楽しそう。 　そのうち、騒ぎを聞きつけた娘がやって来て、 「こんなおかしな光景は見たことがないから、記念に写真を撮っておかない？」 と言いながら、デジカメでピョンキチと私のツーショットを撮ってくれました。 　その写真を、本来ならばここで公開したいところなのですが、なにせ私がしどけない寝間着姿ですので、今回は自粛させていただきます（笑）。 　撮影を終え、デジカメを机の上に置いたところ、ピョンキチは、今度はデジカメに異常なまでの関心を示し、何度もカメラの上によじ登っては飛び降り、よじ登っては飛び降りて、夜中まで大騒ぎ！ 　夜もだいぶ更けてから、ようやく裏庭の池に離してやったのですが、お蔭でその夜は、すっかり睡眠不足になってしまいました。 　で、この話が不思議なのは、この先です。 　昨夜、私が書斎で原稿を書いていたところ、また例によって窓の外でピョンキチの鳴き声がするんです。 　時計を見れば、一昨日の夜ピョンキチが現われたのと、まったく同じ時刻。 　急いで窓を開け、手を差し伸べると、ピョンキチはさも当たり前のような顔をして、さっさと掌に乗ってしまいました。 　…カエルがここまで人間に懐くなんて、よっぽど珍しいんじゃないでしょうか？ 　子どもの頃、何度かカエルを飼った経験がありますが、少なくとも、こんな風に自分から進んで懐いてきたカエルは、今回のピョンキチが初めてです。 　そう言えば、ずっと昔に観たアメリカのコメディードラマに、コートのポケットでカエルを飼っている男の話がありました。 　そのカエルの場合は、（なにしろコメディードラマですから）人間の言葉を話し、本も読み、人間以上に知恵があるんですね。 　ドラマを観ながら子ども心に、 （私もこんなカエルが欲しいなあ！） と、主人公を羨ましく思った憶えがありますが、そう言えば、あのドラマに出ていたカエルの面構えは、どこかピョンキチに似ていたような気が…。 　西洋のおとぎ話では、魔女に呪いをかけられた王子様は、醜いカエルに姿を変えられるようですし、うちのピョンキチも、実はどこかの国のハンサムな王子様だったりして…（笑）。 　 　ともあれ、こんな楽しいハプニングが起こるのも、山小屋に戻っていればこそ。 　この夏は、出版の打ち合わせと取材のため海外に出かけたり、仕事で東京の家に戻る以外は、基本的には、のんびり山の生活を楽しみたいと思っています。 　午前中の涼しいうちに原稿を書き、そのあとは、庭の木陰にハンモックを吊るして昼寝をしたり、読みたかった本を読んだり、友達を招いてバーベキューをしたり、裏庭の池に群生する水芭蕉の手入れをしたり、井戸さらいをしたり、温泉に浸かったり、近くの渓流で釣りをしたり。たまにカエルと戯れてみたり（笑）。 　それにしても、ピョンキチは今夜もまた現われるのかなあ？ 　ちょっとばかり期待している私なのでした。 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 7月 26日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年7月12日号(第56号) 魔女の呟きと雨音 　ナマステ♪ 　インド人も吃驚（！）の真夏日が続いていますが、皆さん、お元気でお過ごしでしょうか？ 　もっとも、ニューデリーの友人から今さっき届いたばかりのメールによれば、現地の今日の最高気温は摂氏45℃を突破したとのこと。 　日本の暑さは、本場インド（？）にはまだまだ遠く及ばないようです（笑）。 　さて私はこのところ、出版関係の打ち合わせ＋大使館関係のパーティー＋海外（インド、アメリカ合衆国、オーストラリアなど）からのお客様のアテンドなどが続いた上に、全く予定していなかった仕事の依頼が次々に舞い込んで、東奔西走。 　まるで席が暖まる暇もない毎日を過ごしておりました。 　そんなわけで、またまた「週刊マミ自身」の更新が遅れてしまいました（ゴメンナサイ）。 　こんなことなら、一昨年の9月にホームページを立ち上げた時点で、このページの名前は「週刊」ではなく、「月刊マミ自身」か「隔週マミ自身」ぐらいにしておけば良かったですね。 　或いは糸井重里さんのサイト（「ほぼ日刊イトイ新聞」）のように、「ほぼ週刊マミ自身」とか（笑）。 　…冗談はともかく、忙しさもようやく一段落し、昨日はお蔭様で久々の完全オフ日。池袋のナムコ・ナンジャタウンに行って遊びまくって参りました。 　今回はアトラクションを楽しんだだけでなく、遊園地の敷地内にあるBarにも足を伸ばしましたよ〜♪ 　その詳細は「マミリンのオススメBar」（バー・マミリン内）にアップしましたので、詳しいことは、そちらをご笑覧くださいマセ。 　さてさて。 　9月に出版予定の拙著『ブラック・アンブレラ』が脱稿したことは、前々号でお知らせしましたが、その後、新たに決まったことがありますので、報告させてくださいネ。 　実は今回の作品に関しては、私自身の頭の中に、 「是非とも、こんな感じの表紙が欲しいな！」 という、かなり具体的なヴィジュアル・イメージが、早い時期からありました。 　そのイメージは、言葉で言えば「性と生と死」のイメージ。 　色で言えば、「白と黒の上に赤が被さった」世界。 　音で言えば、「魔女の呟きと雨音が、風に乗って鎮魂歌のように吹いてくる」感じ。 　実際には、これよりも更に具体的にして細密なイメージが、私自身の中には構築されており、そのイメージを具現化するためには、「絵」や「イラスト」ではなく、「写真」しかないとも思っていました。 　つまり、私の頭の中にある或るイメージを、そっくりそのまま理解してもらい、それと同じかそれ以上の写真を撮って欲しい、ということです。 　私はこれまでに8冊の本を出版していますが、表紙に関して言えば、うち5冊は手描きのイラスト、2冊はコンピューター・グラフィックスによるデザイン。 　表紙に写真が使われているのは、残る1冊だけですが、これは小説ではなくノンフィクションでしたから、当然、写真は簡単に入手できたのです。 　『ブラック・アンブレラ』の作風は、『夜明けの晩に』とは打って変わって、究極の官能と、その先にある狂気の世界。 　登場人物は10人ほどですが、彼ら一人一人は、それぞれがほんの少しずつ狂っています。 　それも、一目でそれとわかるような病的な狂い方ではなく、一見それとわからない、微妙で説明のしにくい、ある意味、とても現代人らしい狂い方。 　しかも、メインテーマのひとつは一妻多夫という結婚制度で、そのほかに近親相姦あり、同性愛あり、カルト宗教に溺れる人あり、呪術あり、殺人あり、ほとんどナンデモアリ。 　そんな、「暗く」「激しく」「官能的な」モチーフを緻密に書き込んだ物語ですので、こうなったら表紙のデザインにも徹底的に凝りたい！　…と、私としても大いに期待しているわけです。 　その表紙写真の撮影が、ついに来週、敢行されることと相成りました。 　撮影は、私にとっては古い友達である直田龍作さんにお願いしました。 　直田さんは、これまで主にインドや中南米を撮ってきた写真家で、そこに在る微妙な「空気」や「匂い」や「ニュアンス」を瞬時に切り取り、写真の中に封じ込めてしまう天才。 　代表作に、ガンジス河を撮った写真集 『河への祈り―ガンジス巡礼』（発売元・クレオ） があります。 　今回、表紙を撮影することになったロケーションは、「地球上の某所」にある、「やや荒涼とした感じのする水辺」。 　当日は、晴れても曇っても、たとえ雨が降ろうが槍が降ろうが嵐が来ようが、何があっても撮影現場におもむき、天から与えられた気象条件の中で写真を撮ってしまおうという予定です。 　このへんの、ケ・セラ・セラ的なラテンのノリは、直田さんと私に共通するところ。 「真美さんと俺の場合は、行き当たりばったりのほうが、かえっていい写真が撮れると思うよ」 と直田さんはおっしゃるのですが、私もまさにそのとおりだと思っています。 　さて、直田さんはどんな表紙を撮ってくださるのでしょう。 　今から撮影当日が待ち遠しい私なのでした。 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 7月 12日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年7月1日号(第55号) 送別会シーズン到来 　ナマステ♪ 　予定どおり、6月30日に『ブラック・アンブレラ』を脱稿し、その日のうちに担当編集の芝田暁さんに原稿を送付して、やれやれとホッとしていたところへ、中学時代からのダチであるイナゴさん（仮名）から宅急便が届きました。 　開けてみればそれは、赤い文字で「祝」と入った、なにやらとってもおめでたそう（＆珍品そう）な、慶事用ワイン紅白2本セット！ 　イナゴさんからの手紙には何も書いてありませんでしたが、イナゴさんの人柄から推して、おそらくこれは、こちらの脱稿タイミングを見計らって送ってきてくれた、“祝『ブラック・アンブレラ』脱稿ワイン”なのだと思います。 　イナゴさん、いつも本当にありがとう。今晩さっそく、みんなで飲ませていただきますね♪ 　さて先週は、原稿のラストスパートで怒涛の如く忙しい毎日でしたが、忙しい時は忙しさが重なるもので、ほとんど毎日のようにパーティー、パーティー、またパーティー。 　一日中家を出たり入ったり、ドタバタ走り回っておりました（ふぅ〜）。 　毎年この季節は、本当に目が廻るほどパーティーが続きます。 　というのも、欧米諸国、および欧米諸国の暦に準じている国々では、8月末から9月の頭あたりが年度の始まりという場合が多く、したがって、各職場での人事異動は、夏休みの始まる直前（6月末から7月あたり）に集中しているわけなのです。 　そんなわけで、今がまさにその送別会シーズン！ 　先週は、そうした送別会を中心に、インド大使館、モンゴル大使館での大きなパーティーから、いろいろな国の外交官のお宅での個人的なパーティーまで、延々と宴が続き、すっかり社交界モードに突入していました。 　こうして、さまざまな人事異動が行なわれている中、私にとっていちばん嬉しかったのは、昔から個人的に非常に親しくさせていただいているアルゼンチンの女流作家が、外交官である旦那さまの人事異動に伴い、8月からシンガポールで暮らすようになったこと。 　彼女の専門は歴史小説なのですが、最初に逢った瞬間から、この人とは何故か非常にウマが合いました。 　面白いことに、彼女と私は誕生日（2月27日）が一緒。それぞれの上の子（インターナショナル・スクールの11年生）と下の子（同6年生）も、ともに同学年。 「シンガポールまでは、東京から飛行機で4時間ちょっとでしょ？　これからは、逢おうと思えば毎月でも逢えるじゃない？」と彼女。 「いいわねえ。それじゃ、今月は私がシンガポールに行って、来月はあなたが東京に来るって感じで、頻繁に逢いましょうね」と私。 　（↑上記の会話は、実際には英語とスペイン語のチャンポンで行なわれました（笑）） 　…というわけで、8月から先が、今からとっても楽しみです。 　それでなくとも、シンガポールには古くからの友達も何人かいますし、“リトル・インディア”と呼ばれるインド人街もありますから、私にとっては通い甲斐のある国。 　お蔭様で、また楽しみが一つ増えました♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 7月 1日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年6月22日号(第54号) 夏休み開始5秒前 　ナマステ♪ 　子ども達の通っているインターナショナル・スクールが2ヶ月間の夏休みに突入し、ようやく私も“お弁当作り”の大任からしばし解放されることとなりました（ホッ…♪）。 　普段の私は、だいたい5時半に起きて朝食とお弁当を作り、子ども達を学校に送り出した後、大人だけで7時過ぎに朝食を摂って、それから家事をスタート。原稿に着手するのが、だいたい8時半というルーティーンになっています。 　家事は基本的に大好きなんですが、お弁当作りも「毎朝欠かさず」ということになると、やっぱりツライものがありますヨ。例えば、原稿を書いて徹夜明けの時とか。 　でも、夏場の2ヶ月間は特別。 　なんたってその間は、お弁当作りがないんですから、お気楽、お気楽♪ 　…というわけで、子ども達の夏休みとともに、気分は早くも夏暦に突入した、マミリン＠バカンス5秒前であります。 　さて。具体的なこの夏の予定ですが、まずは、現在執筆中の『ブラック・アンブレラ』の脱稿予定が、来週の今頃。 　400字詰めの原稿用紙換算で、だいたい500〜550枚程度に仕上がりそうです。 　『夜明けの晩に』が上・下2巻と分量が多く、とても読み切る自信がなかったという皆さん！　今度は、単行本1冊ですから、読み易い量だと思いますよ。 　しかも今度の作品は、Ｒ指定でも足りないぐらいの「官能小説」ですし（笑）。 　なにしろ、1ページ目の冒頭から、いきなり悩殺官能（笑）入ってますから。9月の刊行にご期待ください♪ 　 　で、この原稿が脱稿した後は、前作『夜明けの晩に』の英語版の刊行を熱心に申し出てくださっているアメリカの出版社（正しくはpublicist）とのミーティングがあって、さらにその後は、同じく『夜明けの晩に』のヘブライ語版翻訳の件で、ヘブライ大学の先生方とミーティング（いずれも東京で）。 　その後、さらにこの話を詳しく詰めるため、7月は、こちらから米国に出向くことになる公算が大です。 　英語版の刊行に関しては、ありがたいことに、日本語版が出た直後からお話しを頂いています。 　私としては、出版社もさることながら、やはり翻訳者選びが最重要チェックポイント！　 　多少時間がかかっても、本当に安心して仕事をお任せできる最高の翻訳者を（先方のｐｕｂｌｉｃｉｓｔと協力して）探し出すのが先決と考えています。 　特に、日本語の「小説」の翻訳が出来る一流のｔｒａｎｓｌａｔｏｒなど、世の中にそうそう居るものではありませんからね。 　というわけで今回は、翻訳者の人選には徹底的にこだわるつもりです。 　続く8月は、基本的には山の家に籠って、庭でキャンプをしたり、乗馬をしながら、　『ブラック・アンブレラ』の次の本（タイトル未定。あっ！と驚く内容になります。乞うご期待♪）の原稿に着手する予定。 　実はですね、うちの庭には、夏の間は常にテントが設営されるんですよ。 　急に泊まりに来たお友達のうち、サバイバル系が好きな人たちには、室内ではなく、テントに泊まってもらおうという趣向なのですが、このスタイルがなかなか好評でして、私がインドに住んでいた6年間を除いて、もうかれこれ20年近くも続いているんじゃないかな？ 　夜はもちろん、温泉三昧、花火三昧、地酒・地ビール・地ワイン三昧です。 　その後、9月には、次の次の本（こちらもタイトル未定）の取材のため、米国でもイギリスでもロシヤでもインドでもブラジルでもない「某国」へ行って参ります。 　こちらは既に、航空券も予約済み。 　もう少し日が近づきましたら、詳しい行き先を白状したいと思いますが、とりあえず今日のところはまだ「秘密」ということで、勘弁してくださいマセ♪ 　そうこうしているうちに、「某国」から帰国して間もない9月末には、小説第2弾となる『ブラック・アンブレラ』が出版される。 　…とまあ、この夏は、こんな流れになるんじゃないかナと思っています。 　まずは、来週末の『ブラック・アンブレラ』脱稿に向けて、ラスト・スパートです♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 6月 22日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年6月7日号(第53号) 見えない印パ情勢 　ナマステ♪ 　ニュース報道などで既にご承知のとおり、カシミールを挟んで、印パ間の緊張が再び高まっています。 　2月に出版した拙著『夜明けの晩に』（上・下）の、後半の舞台がカシミールであることから、カシミール情勢についての意見を求められることが多い昨今ですが、正直なところ、カシミール問題は非常に予測が難しいですね。 　前回、1999年の夏にカシミールで局地的な紛争（俗に言う“カルギル戦”）が勃発した際、世界のメディアは、こぞって戦局の激しさを書きたてました。 　当時の新聞雑誌は、今も私の手元に残っていますが、そこには、 「核兵器を使えば、隣国は一瞬にして消滅する」 という政府首脳の発言など、超過激なヘッドラインが軒並み並んでいます。 　しかし、当時、『夜明けの晩に』の取材のために、たまたま戦時下のカシミールを2ヶ月にわたって訪ねていた私は、報道内容とは180度異なる、平和で静かなカシミールの日常を目の当たりにし、唖然とすることになります。 　今にして思えば、あの時の報道の多くは、いわば“煽り記事”だったと言わざるを得ないのですが、当時はそんなこととは露知らず、多くの人が報道を鵜呑みにし、結果、戦々恐々とした毎日を送ることになりました。 　ニューデリーでは当時、 「カシミールでの軍事支出増大に伴い、全員からご寄付を頂きます」 という謳い文句で、各プレイヤーから強制的に数百ルピーの献金をさせたゴルフコースや、町内会が多くありました。 　そうした献金が実際にはどのように運用されたのか、内情は全く明らかにされず、釈然としない気分を味わった外国人も少なくなかった中で、日頃は金払いの悪いことで有名なインド人が、 「祖国の勝利のためなら惜しくない」 と、惜しげもなく寄付に応じる姿が印象的でした。 　今回の印パ情勢を見ていますと、まず、アメリカ合衆国政府が、インド国内に滞在中の自国民に対して避難勧告を発令し、次いでイギリス政府も、同様の勧告を発令。 　日本政府はその直後に、順番としては米英の決定に準じる形で、避難勧告を出しています。 　駐インド日本大使館は、すべての在留邦人に対して、インドからの退避を勧告しており、今月10日には、インドから退避する邦人のためのチャーター便が、ニューデリー空港から出国する見通しも立っています。 　実際には、印パ情勢はどこまでこじれているのか。報道のどこまでが本当で、どこからが煽りなのか。 　巷間で囁かれるような核戦争の危険性は、あるのか、ないのか。 　このあたりは、極めて高度な政治的駈け引きが介在する分野ですから、本当のところは現段階では何とも言えないでしょう。 　しかし、ニューデリーから私の耳に直接聞こえてくる、ジャーナリスト以外の人々の声を拾ってみますと、 「今回も、メディアが大袈裟に書き立てすぎている」 とする意見が目立ちました。 　また、 「戦争は恐くない」（We are not afraid of war.） と公言するインド人が多いことも、多くの人々によって指摘されています。 　この、「戦争は恐くない」という声は、貧富や教育程度の差にはあまり関係なく、ほとんどの階層の人々から聞こえてきました。 （なお、私の知る限り、「戦争を恐れない」国民性は、パキスタンの人々も同様です） 　以前にも「週刊マミ自身」でご紹介したことがあるかも知れませんが、インドには、　『マハーバーラタ』という国民文学があります。 　その内容を一言で言えば、血の繋がった2つの王家が「正義」の名のもとに徹底的に戦うという、まさに究極の戦争文学。 「正義のためには、命を賭けて戦うのが人の道」 という、実に明快な哲学のもと、血で血を洗う大戦争の末に、最後にたった1人生き残った主人公が山に登り、そこでようやく悟りを得るというストーリーは、強烈と言えばあまりにも強烈です。 　思うに、『マハーバーラタ』と印パ問題には、いくつかの共通点があるのではないでしょうか。 　即ち、 　共通点�@　もともとは血の繋がった、いわば兄弟関係にある二国同士が戦う。 　共通点�A　お互いに、「われわれは100％正しい。相手は100％悪い」という極論を信じている。 　共通点�B　「正義」の実現のためには、手段を選ばない。 　以上の3点です。 （こうして箇条書きにしてみると、イスラエル・パレスチナの対立も、これと非常に似通っていますね） 　印パ両国は、ともに古代文明発祥の地であり、かつては世界で最も栄えた地域でもありました。 （このへんの歴史的事実関係も、イスラエル・パレスチナと一緒ですね） 　しかし、その後は『マハーバーラタ』を超える文学も出ず、哲学宗教も2000年〜3000年以上前に構築されたものが、そのまま連綿と引き継がれているのみ。 　『マハーバーラタ』が書かれた当時と今とを比べれば、兵器の質も、数も、殺傷力からして格段にアップしていることは火を見るよりも明らかなのに、民衆は数千年前の文学を読み、数千年前の哲学宗教を、そのまま信奉している。 　つまり、古代のメンタリティーのまま核兵器を持ってしまったことが、現在の印パを混乱させている、大きな原因のひとつではないかと思われてなりません。 　両国には、あくまでも理性的かつ建設的に、かつての文明大国らしい大人の態度で、問題の収束に向けて努力して欲しいものです。 　さて、北インドのカシミールでキナ臭い争いが続いているさなか、南インドのカルナタカ州からは、嬉しいニュースが入って来ました。 　少し前の「週刊マミ自身」でご紹介した「政治家を消すマジシャン」ことクドゥロ―リ・ガネーシュ氏の、初めての日本マジック公演が、どうやら2003年中に実現の運びとなりそうです。 　 　ガネーシュ氏は、1998年と2002年の2度にわたって、全インド・マジック・コンテストで優勝した若き実力者で、私にとっては、非常に気の合う弟のような存在です。 　今回は、ガネーシュ氏と私で一緒に案を練った、日本公演用のスペシャル出し物も用意し、あっと驚くインドの古典魔術を楽しんでいただきたいなぁと、そんなことを画策中です。 　公演が本決まりになりましたら、本HPで告知いたしますので、今からどうぞお楽しみに♪ 　そのためにも、印パ関係が1日も早く正常化することを、祈らずにはいられません。 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 6月 7日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年5月26日号(第52号) 『ブラック・アンブレラ』執筆進行状況 　ナマステ♪ 　9月に発売が予定される小説第2弾『ブラック・アンブレラ』の執筆のため、ここ暫く、自宅軟禁、いわゆる缶詰の状態が続いています。 （その割には「マミリンのオススメBar」が頻繁に更新されているではないか、という突っ込みは、ひとまず聞こえなかったことにして…（笑）） 　『ブラック・アンブレラ』の執筆進行状況をお知らせいたしますと、最終的には400字詰めの原稿用紙で500枚程度に仕上げる予定のところ、現在までに約400枚が書き上がっています。 　『夜明けの晩に』が古代史と宗教をベースにした恋愛ミステリーだったのに対し、『ブラック・アンブレラ』のテーマは、官能と狂気。 　物語の舞台は、一見開放的な南国の、貧しい漁村です。 　小さな映画館以外には何ひとつ娯楽のない、単調この上ない村。 　一見、平凡極まるこの村は、実は“一妻多夫”という異常な結婚形態が何千年にもわたって繰り広げられてきた、あまりにも陰湿で、あまりにも官能的な社会でした。 　一人の妻を複数の夫が分け合うことを良しとし、嫉妬心や独占欲の存在を赦さない精神構造。 　近親相姦の横行。極端な閉鎖性。法律よりも優先される村の掟。 　そのような村に、何も知らない日本女性が嫁いで来たら？ 　彼女のメンタリティーは、果たしてこの境遇に順応できるのでしょうか？ 　本書の登場人物は、この村に嫁ぐ日本女性のほか、複数の夫を持つ妻、複数の妻を持つ夫、夫以外の男の子どもを産む女、妻以外の女に子どもを産ませる男、顔だけが自慢の女、命がけで陽物を大きくしようとする男、売れない売春婦、去って行った男を取り戻すため呪術を使う女など、圧倒的に“濃い”キャラクターばかり。 　テーマの重さに加え、登場人物が1人残らず少しずつ狂っているという点でも、かなりヘビーな官能小説に仕上がりそうです。 　只今、鋭意執筆中ですので、9月の刊行に何卒ご期待ください♪ 　 　そのような「缶詰生活」の合間を縫うようにして、去る5月24日、JR長野駅前の平安堂書店さんで、「著者と語る90分　『夜明けの晩に』誕生秘話」と銘打ったトークショーをして参りました。 　長野市が私の生まれ故郷であることから、当日、会場には懐かしい顔がたくさん集まってくれました。 　中学校の同級生や後輩、高校の同級生、長野冬季オリンピックの通訳養成講座でフランス語を一緒に勉強した仲間がいたかと思えば、出身小学校の（現在の）校長先生、さらには実家のご近所の方々までが駆けつけてくださって、驚くやら嬉しいやら。 　お蔭様で、たいへん和気藹々とした会になりましたことを、この場をお借りして御礼申し上げます。 　関係者の皆様、本当にありがとうございました。 　…というわけで、今はもう東京の家に戻り、再び缶詰モードに突入しています。 　もう暫くは『ブラック・アンブレラ』に専念するため、『週刊マミ自身』の更新が遅れがちになるかも知れませんが、その分、絶対に面白い小説に仕上げてご覧に入れますので、何卒お許しくださいね。 　それから、『ブラック・アンブレラ』のそのまた次の作品に関しましても、既に構想が固まり、編集者やイラストレーターさんとの第1回目の打ち合わせを無事に済ませました。 　こちらも、楽しみにお待ちください♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 5月 26日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2002年5月16日号(第51号) ザ・金之助劇場開館のお知らせ 　ナマステ♪ 　長らくお待たせいたしました。 　当ホームページの Bar Mamilyn 店内に、このたび「ザ・金之助劇場」が堂々オープンいたしました。 　ただいま当館では、オリジナル・スパイアニメ『ロシヤの殺し屋、おそろしや』を絶賛上映中です。 　御用とお急ぎでない方は、どなたさまも何卒お立ち寄りくださいマセ♪ 　今回、この素晴らしいGIFアニメを制作してくださったのは、お友達の金之助さん。 　金之助さんは、家業に打ち込まれる傍ら、お忙しい時間の合間を縫って趣味でGIFアニメを作っていらっしゃる、とっても粋な方で、これまでにも『週刊マミ自身』の中で何度かご紹介させていただいたことがあります。 （バックナンバー「野良牛の謎」「パンダTシャツ完成記念クイズ大会」参照） 　金之助さんのプロフィールも、なんだかフフフと笑えちゃう内容なのですが、それは「ザ・金之助劇場」のページ内にアップしましたので、そちらをご照覧ください。 　なお、去年のちょうど今頃、21世紀の到来を祝って製作し、お蔭さまでご好評を頂きました当HPのオリジナルTシャツにも、金之助さんの描いたパンダが刺繍されています。 　現在、『夜明けの晩に』の読後感想文をお寄せいただいた方の中から、抽選で毎月1名様にこのTシャツを差し上げておりますので、パンダを着て歩きたい方は、どうぞふるってご応募ください。 （詳しい応募方法は「作品」内、『夜明けの晩に』コーナーでご覧になれます） 　余談ながら、3月分の感想文当選者の方は、なんとビックリ、私と同姓同名の「山田真美さん」という方でした。 　景品のTシャツには、パンダのほかに、英文で The World of Mami Yamada という刺繍が施してあるため、当選者の山田真美さんには特に喜んでいただけたようで、私としても本当に嬉しく思います。 　この次は、『ロシヤの殺し屋、おそろしや』に登場するキャラを使って、新しいオリジナルグッズを作りたいなぁと、早くも目論んでいます。 　今のところ、候補に上がっているのは、マミリン人形つきキーホルダー、マミリン・パンダ・ブースケが勢揃いの絵柄を印刷したマグカップ、バンダナなど。 　完成の暁には、これらのグッズもTシャツの時と同様、HPの景品用に使わせていただく予定です。 　読者の方からは、稀に、 「真美さん、あんな高価そうなTシャツを、どうしてタダでプレゼントしちゃうんですか？　どうせなら売って一儲けすればいいのに」 という現実的なご意見も頂くのですが（笑）、私がここ（HP）を開いているのは、あくまでも大人の遊び。 　ですから、たとえパンダグッズで一儲けできるとしても（笑）、ＨＰ上でショップを開く予定はありません。その点、悪しからずご了承くださいね。 　オリジナルグッズをゲットなさりたい方は、まずは読後感想文をお寄せください。 　運が良ければ（＝抽選に当たれば）、パンダはアナタのもの♪ 　なお、以前何度か開催して大好評だった「クイズ大会」も、また近いうちに催したいと思います。その時も、グッズ獲得の絶好のチャンスですから、みなさん奮ってご参加くださいね。 　　　事事如意 　　　　　　　2002年 5月 16日 　　　　　　　　　　　山田 真美