2007年2月


1日●忘れ物ばかりしている客室乗務員
東京のどこかにある国際空港の建物(但し、見た目はかなり狭くて地味)。周囲には航空会社のユニフォームを身に着けた男女が7〜8人いて、機内持ち込み用の小さなトランクを引きながら出国ゲートに向かってゆっくり歩いている。私たちはこれから海外へ行くところだ。成り行きは不明だが、どうやら私は突然任命されて、今この瞬間から客室乗務員になったらしい。パーサー(?)らしいドングリ眼の男性が、笑いながら私に大きな紙袋を寄こした。よれよれの紙袋だったため、私はそれをゴミと思い、空港内の適当な場所に置いた。ほかにも何か荷物が置いてあるのが見えたが、誰からも何の説明もなかったので、私はそれらを空港に放置したまま飛行機に乗った。いざ飛行機が上空に達した頃になって、ドングリ眼の男が例の紙袋をくれと言い出した。私は驚いて「ゴミと思い捨ててしまった」と答える。すると男は大げさなジェスチャーで頭を抱えながら、「困ったな。あれを捨てちゃったのか」と大笑いし始めた。他の客室乗務員たちも「あれを忘れちゃったの?」と驚きながら笑っている。その後、飛行機はヨーロッパのどこかに降りたはずなのだが、ホテルに着いてみるとそこはインドで、しかも宿泊先はホテルではなく一般家庭へのホームステイだった。宿に着いてからも、同僚たちが次々にやって来ては「預けた荷物をくれ」と言う。私はその都度、「何も頼まれなかったので東京に置いて来てしまった」と答え続け、相手からは「えーっ、忘れたの?」という驚きの声と大笑いが返ってくるのだ。そんなことが繰り返され、私は大変な忘れん棒として有名になってしまった。しかし、皆の様子から察するに、本気で怒っている人はひとりもいないようだ。そのあと皆で外に散歩に出たところ、街はやはりヨーロッパだ。散歩中も私は忘れ物を指摘され続ける。散歩の途中で何かドラマティックな出来事があったような気もするのだが、その内容は思い出せない。部屋に戻り、壁面に作りつけられた大きなクローゼットを開けてみたところ、中身は大量の打ち上げ花火だった。ダイナマイトなどの爆弾も含まれている。ディワリ(ヒンドゥー教最大の光の祭り)のために用意したものらしい。なかには、私が前回インドへ来たときに日本から持ち込んだ和風の花火も混じっていた。あのときは、お土産にしようと思い持って来たのだが、この家には既に大量の花見が備蓄されている。土産に花火を上げても喜ばれないだろうと思う。ここにある花火の一部を帰りの飛行機に持ち込まなくてはならないのだが、テロ対策にやかましい昨今、どう考えてもこんな危険なモノを機内に持ち込めるはずはないと思う。そこへインド人ジャーナリストのMさんが現われて、「トランクに入れて外から見えないようにすればノープロブレムで持ち込めるよ」と真面目な顔で言い放った。私は(さすがはインド。いいかげんな国だ)と思いながら、引き出しの中の花火の整理をしている。

【解説】 今夜の夢の中で私は、忘れ物ばかりして人々に迷惑をかけるのだが、人々は特に怒っているわけでもなく、むしろ私の失敗を笑いながら楽しんでいる風でもあった。なお、同僚の客室乗務員の役で登場したドングリ眼の男は、現実世界で先月知り合ったアメリカ人(職業不明だが色々なパーティーに出没する怪しいおじさん)に似ていた。これとは別に先月は、日本航空の客室乗務員をしているTさんという女性と友達になったのだが、その彼女も夢の中にときどき現われたような気がする。最後に登場したジャーナリストのMさんとは、現実世界でも先週一緒に仕事をした。少なからずいいかげんなところのある人で、仕事のパートナーとしては最後まで気が抜けなかった。そのようなことが満載された今夜の夢であった。なお、『夢の事典』(日本文芸社)によれば、「打ち上げ花火」の意味は「刹那的な恋」。「爆弾」の意味は「今の環境を破壊して一から新しい世界を作りたいという願望の現われ」だそうである。



2日●チョコレートがいっぱい
バレンタインデー用のチョコレート売り場らしきところ。部屋の中心には、人間の背丈より高いチョコの噴水がマグマのように噴き上げていて、その周囲にはチョコと一緒に、中南米を思わせる色とりどりの花や鳥の飾りが置いてある。笑いさざめいている人々。お祭りのような雰囲気。私はチョコレートを買うべきかどうかで迷っている。

【解説】 チョコレートだらけの部屋の中心でマグマのように噴き上げていた、豪華なチョコレート・ファウンテンが印象に残る夢だった。そう言えばここ何年か、バレンタインデーと言えばチョコレートをもらうばかりで、自分から贈った記憶がない。宝塚歌劇団ではあるまいし、これはマズイと思う(笑)。



3日●たくさんのヌイグルミの顔が並んだ空間
美術館のインスタレーション会場なのだろうか、白い壁が続き、広大な空間の中にさまざまなアートが浮かんでは消えてゆく。突然、目の前に15〜20個ほどの可愛らしいヌイグルミの頭部が並んだ空間が現われた。その瞬間、私はマーブルチョコレートを食べたいと思った。

【解説】 そう言えばこれとよく似た夢を最近見たように思い、調べたところ、果たして先月の28日にも「異次元にあるオモチャの国からやって来たたくさんのぬいぐるみがガラスケースの中に飾ってある」夢を見たが、どういう意味があるのだろう。今夜の夢にも昨夜に引き続きチョコレートが現われたが、こちらの意味も全くわからない。



4日●3つの約束
私は誰かと向き合っている。その人はお爺さんのようだが、顔はハッキリとは見えない。私は何かを約束しているようだ。約束は3つあって、それぞれの内容をお爺さんが口頭で伝えてくれる。それは一種の儀式なのかも知れない。お爺さんの頭には白と青のターバンのようなものが巻かれていたようだ。私は約束と引き換えに、古代から伝わる或る不思議な力を得たのだと思う。

【解説】 時間にして1秒にも満たない短い夢。ほんの一瞬、夢の中の私は時間も空間も遠く離れた不思議な世界に飛んでいたような気がする。御爺さんと交わした3つの約束が何だったのかは残念ながら思い出せない。



5日●黄金の竹林
気がつくと私は竹林の中にいた。竹林は広大で、どこまで続いているやら見当もつかない。何にも増して不思議なのは、竹がすべて黄金色に輝いていることだ。不意に「豊穣」という言葉が心に浮かんだ。やさしい風が吹いている。私は「あの人」が乗った宇宙船の到着を待っているのかも知れない。

【解説】 今夜の夢は幻想的で詩的で、まさに夢のような夢だった。現実世界でも竹という植物が大好きだが、今夜は広大な竹林、それも緑色ではなく黄金色の竹林を目の当たりにして、何か非常に特別なバイブレーションを受けたような気がする。最後に心に去来した「あの人」が誰なのかは不明。



6日●顔のほくろの数だけ爪に宝石を貼る
娘が息子の手をいじっている。よく見ると、娘は小学校2〜3年生、息子は2〜3歳の姿に戻ってしまっている。本当に幼い感じのする息子の手を取ると、娘は小さな弟の爪の上に丸いプチ宝石のようなものを貼りだした。何をしているのかと聞いたところ、「顔にほくろがあったら、それと同じ数だけ爪に印を貼ってあげているの」と娘は答えた。宝石は1個の直径が3ミリ程度で、ごく薄いピンク色をしている。私は娘に、弟の爪に宝石を貼らないように頼んだ。

【解説】 まるきり意味不明な夢。これまで私の夢の中では、息子が幼い姿に戻ることはあっても、娘はいつも現実の姿のままだった。ところが今夜の夢では娘までが幼い姿に逆戻りしていた。不思議なことである。なお現実世界では娘は21歳(大学生)、息子は15歳(高校生)だ。



7日●夢で逢えたら
大滝詠一さんが「夢でもし逢えたら素敵なことね あなたに逢えるまで眠り続けたい」と歌う声がリフレインしている。私は夢の中にいるようだ。ふわふわと気持ちの良い感触。どこかで誰かが私を待っているらしい。私もその人に逢いたいと願っている。ここが夢の世界で、その先に現実が続いていることを私は知っている。夢の向こう側にある現実に向かって、私はひとり歩いている。

【解説】 具体的なストーリーらしきものがないにもかかわらず、何やら心の弾む夢だった。大滝詠一さんの『夢で逢えたら』は大好きな曲。この曲が聞けただけでも、今夜の夢はハッピームード一杯だったと思う。



8日●何かしでかしてニュース沙汰になる
私は何か「とんでもないこと」をしでかしたようだ。具体的に何をしたのかは思い出せないのだが、それは犯罪の類ではなく、しかし何やら世間を騒がせるような突拍子もないことだったらしい。ニュースはすぐにテレビを通じて配信された。ニュース番組のキャスターは、何故か友達で俳優の滝田栄さんだ。滝田さんが朗々とニュース原稿を読み上げる様子を、私はどこか遠く離れたお茶の間で眺めている。そこは日本ではなく、ブラジルかメキシコあたりの燦燦と陽光が降る場所だった気がする。

【解説】 今夜の夢の中で、私は一体何をしでかしたのだろう。最後の場面で、まるで他人事のように落ち着き払って異国でニュースを眺めていた自分が印象的だった。



9日●2枚のカーペットを重ね合わせる
見たことのない部屋。アラベスク模様の高級そうなカーペットが2枚、私の目の前に置いてある。この部屋ではカーペットは必ず2枚重ね、四方の隅をある一定の作法で結ばなくてはならないという。結び方は、片方のカーペットを三角形に折ってもう一方のカーペットの角を入れるような感じなのだが、その方法だと驚くほど簡単かつキレイに結べる。私は誰か(アラブ人男性だったような気がするが定かではない)の指示を受けて、カーペットの隅を結んでいる。

【解説】 体感時間にしてほんの1秒ほどの、意味のわからない夢。現実世界で最近カーペットにまつわる出来事があったわけでもなく、何故このような夢を見たのかも不明。なお、『夢の事典』(日本文芸社)によれば、「カーペット」の意味は「(夢を見た本人の)包容力/寛容さ/愛の深さ」とのことである。



10日●やさしい肌の感触
温かくてやさしい肌の感覚。ほんのり甘い素敵な匂い。目を瞑っているので、自分がどこにいるのかはわからない。そこはとても幸せで安全な世界で、私はもう目を醒ましたくないと思う。

【解説】 今夜の夢は、ストーリーらしいストーリーがないにもかかわらず、同じ感触が延々と続く長い夢だったように思う。桃源郷へ行って来たような気分の夢だった。



11日●発電所でサバイバル訓練
どこか人里離れた山の中。フェンスで仰々しく囲まれた敷地の中には、工場のような巨大な建物が聳えている。どうやらここは発電所のようだ。今は夜で、あたりには一種異様な雰囲気が立ち込めている。今夜ここで、選抜された兵士によるサバイバル訓練が行なわれるらしい。しかし、途中で何か小さなアクシデントがあったようで、あらかじめ決められていた兵士の代わりに私がサバイバル訓練を受けることになった。(これも運命だから仕方ない)と、状況をそのまま受け入れる私。直ちに訓練が開始され、ヘルメットと命綱を着けた私は鋼鉄ワイヤーに吊られた小さな椅子(簡易リフト)に座り、上官(?)に見守られながら下り坂を滑り降り始めた。その私を、別の場所からもうひとりの私が静かに見つめている。ここで目覚まし時計が鳴り、夢は中断されてしまった。

【解説】 今夜の夢も前後の脈略のない、かなり突拍子のない内容だった。「発電所」が一体何を意味しているのか気になるが、いつもお世話になっている『夢の事典』には、残念ながら発電所の意味は載っていなかった。



12日●鏡を運ぶ
どことなく見覚えのある薄暗い小さな部屋。室内には2人の男の姿が見える。出入り口に近いほうにいた男が、一抱えもある大きな鏡を運んで来た。「落としたら大変だぞ。慎重に運べ」ともうひとりの男が言っている。この鏡は、何かとてつもなく重大なもの(人生とか人命とか?)を象徴するものらしい。鏡は細長い楕円形で、縁のところに古典的で優雅な飾りが施されている。男が鏡を運ぶ光景を、私は部屋の隅から静かに見守っている。

【解説】 今夜の夢は非常に短く、ストーリーと呼べるものはほとんどなかった。その中で、楕円形の大きな「鏡」がひときわ印象深かった。『夢の事典』(日本文芸社)によると、「鏡」の意味は「ありのままの自分を見つめようとする心の表われ」だそうである。



13日●正義の味方に協力する
薄暗く小さな部屋。室内には、私のほかに消防士(?)のユニフォームを着た“正義の味方”的な職業の男性がふたりいて、私は彼らに何らかの情報を提供している。何を聞かれ、何を答えたのか定かではないが、私は落ち着いた声で淡々と話している。自分が提供した情報によって祖国が救われることを祈りながら。

【解説】 今夜の夢に登場した小部屋は、昨夜の夢に登場したものと同じ部屋ではなかったか。目が醒めた瞬間、そんな想いが胸に去来した。なお『夢の事典』によれば「消防士」の意味は、「怒りや情熱を抑制している状態の表われ」とのことである。



14日●ない「鹿」は振れない?
「ない袖は振れない」という日本語が、今日から「ない鹿は振れない」に変わったらしい。国語審議会のような秘密組織(?)が決めたのだという。私は大学の研究室のようなところにいて、友達のYさんと資料整理をしている。Yさんは工学系の博士で、国語審議会とは何の関係もない。そのYさんに向かって私は、「“ない鹿は振れない”の反対語は“ある鹿は振れる”で正しいんでしょうかね」と質問した。Yさんは小さな声で「その話、人に聞かれたら大変だよ。たぶん、その言い方で正しいとは思うけど」と答えた。どうやら国語審議会に服従しない者には罰が与えられるらしい。私はさらに小さな声で「でも、どうして“羊”ではなくて“鹿”になっちゃったんでしょうね。“ない羊は振れない”のほうが私は好きだけど」と言った。Yさんは一瞬言葉に詰まったように沈黙したあと、聞き取れないほど小さな声で「それだと字余りになってしまうじゃないか。それに、ここで羊の話は危険だよ」と言った。私はおとなしく「はーい」と答えて、資料整理に戻った。

【解説】 今夜の夢は、国語審議会が秘密組織になって自由な言論を統制しているという物騒な内容なのだが、イメージ的にはとても静かで穏やかな夢だった。「羊」が登場したことには、実は心当たりがあるのだが、理由あってここには書けない。悪しからずお許しください(笑)。「鹿」が登場した理由は全くの謎だが、『夢の事典』によれば「鹿」の意味は、「ひらめき/将来の可能性/千に一つの可能性に期待する心の表われ」だという。



15日●紳士協定
目の前で嫣然と微笑むA先生(女性)の姿が見える。A先生と私には、何か共通の秘密があるらしい(但し、それが何であるかは夢の中でも明らかにされない)。A先生はふっと笑いながら「このことは山田さんと私だけの秘密にしましょう」と言った。私も笑いながら頷いて、「それがよろしいですね。こう見えても私、口は堅いですよ。たとえ拷問されても秘密は喋りません。紳士協定を結びましょう」と答えた。こうしてA先生と私は紳士協定を結んだ。

【解説】 何のことやらわけのわからない夢だった。A先生は現実世界でも親しくさせている、芸能の或る分野におけるエキスパートでいらっしゃる。女性同士で紳士協定を結ぶというのもおかしな話だが、一体私たちは何を“秘密”にしようとしたのだろう。そのへんのことを思い出せないのが残念だ。



16日●細かく分かれた部屋の中でバトルする
大きな部屋。部屋の内部は細胞のセルのように細かく分かれている。おそらく天井がないのだろう、私はその全体図を上空から見下ろしている(但し私の肉体それ自体は部屋の中のどこかにいるらしい)。ひとつひとつのセルは小さく、人間の肉体との相対的な比較で言うと2畳ほどの部屋に相当する。私は部屋のひとつに潜んで、何かと闘っている。その闘いに勝つと、次のセルに進むことが出来る。そこでも次の闘いが待っており、それに勝つと更に次のセルへと進むことが出来るのだ。そのようにして、私は次第に勝ち進みながらセルからセルへと進んでゆくのだが、不思議なことに敵の姿は一度も見えた試しがない。つまり私は姿の見えない何者かと闘っているのである。ほかに人がいるのかいないのか、それも定かではない。孤独な闘いを勝ち進みながら、(私は一体何と闘っているのだろう)と思う。しかしここでは闘いを中断することは出来ない。闘いを止めることは即ち「死」を意味するからだ。私は黙ってセルを進み続けた。

【解説】 闘いの夢でありながら、とても静かで、流血もなく、しかし何か避けることの出来ない「決然とした運命」を感じさせるような夢だった。よくわからないが、今夜の夢は「人生」を連想させる内容だった。



17日●巨大なルービックキューブ
暖炉のある暖かい部屋。私はルービックキューブに挑戦してしている。それはあり得ないほど大きなキューブで、大きさは1辺が50センチほどの立方体。マス目は各面ともに30×30ほどある。私は一生懸命そのルービックキューブに挑戦しているのだが、なかなか色が揃わない。

【解説】 現実世界でも最近、ルービックキューブ(最もベーシック?な3×3)をする人が身辺に大量発生している(笑)。今夜の夢を見たのはそのためだろう。



18日●トンネルを塞ぐ巨象
ブースケを連れてトンネルの中を散歩している。すぐ近くには夫もいたかも知れない。そのトンネルは驚くほど天井が高いものの、奥行きは短く、ほんの数メートル先に大きな出口が見えている。私たちがトンネルから出ようとしていると、トンネルの外に巨大な象が1頭現われた。それが実に奇妙な象で、まるで“象を見たことのない人が描いた絵”のようにユニークな風貌なのだ。身の丈は10メートル以上あっただろうか。顔をくしゃくしゃにして笑った顔は、おかしくもあり、どこか空恐ろしくもある。ブースケがトンネルから飛び出そうとするのを、私は必死で止めている。飛び出したが最後、象に踏み潰されてしまうかも知れないからだ。ブースケを守りながら、私は巨象が立ち去るのをじっと待っている。

【解説】 トンネルの外に驚くほど大きな象が現れたので、私はブースケを必死で守っている。それだけの単純なストーリーなのだが、象を見たとき、私は軽い畏怖に似た感情を覚えていた。ちなみに『夢の事典』(日本文芸社)によれば、「象」の意味は「力強さ/パワー/男性や父親/仏教的なもの」とのこと。ちなみに「象に追われる」の意味は「父親の影や権力を持つ人に怯えている証拠」、「象が暴れる」の意味は「強いプレッシャーの反映」。「トンネルの向こうに光が見える」の意味は「先々に希望が見える兆候」だそうである。



19日●ヒマラヤ某所で変化するメールの件名
ヒマラヤの峠で石ころ(または木の切り株?)に座って休んでいる。ほかに2人、知らない日本人男性がいたようだ。2人とも40歳前後のハンサムで知的なビジネスマンだ。私は携帯で次々にメールを受けている。ところが不思議なことに、受け取った全てのメールの件名が、たちどころに○○○○という件名に変わってしまうのである。首をかしげているとビジネスマンの1人が「ご存知なかったのですか? この地域で受けたメールは、件名がすべて○○○○に変わるんですよ。この現象が観測されているのは、地球上でここだけです」と言った。私は少なからず驚きながら、(この事実は機密事項に属するのだろうか)と考えている。

【解説】 このあと別の場所で別の人と逢ったような気がするのだが、何故かこの場面しか思い出せない。○○○○に入る文字は、夢の中ではハッキリと見えたのだが目が醒めると同時に忘れてしまった。それは何か暗号のような言葉だったと思うのだが……。



20日●……

【解説】 今夜は間違いなく夢を見て、しかもその内容をどこかに軽くメモしておいたのだが、その紙がどこにも見つからない(ゴミと間違って捨ててしまったのだろうか?)。そうこうするうち、残念なことに夢の内容を忘れてしまった。後日もしもメモが見つかった場合には、夢の内容をアップしたいと思う。



21日●馴染みの店を避けて通る
フランスを想わせる街並み。あまり幅の広くない1本の道が長く伸びていて、その両側には洒落たレストランや商店が軒を連ねている。トリコロールの庇(ひさし)があちらこちらに見える。私は道の右側を走っている。すぐ目の前を、もうひとりの誰かが走っている。その人の姿はよく見えないが、私の味方らしい。走っていくと前方右側に馴染みの商店が見えてきた。その店の前を通ることを回避するように、前を走っている人は道路を横切り道の反対側に渡った。私も同じように道の反対側に渡った。あの馴染みの店の前を通りたくないからだ。あの店は、今の私にはもう不要の場所なのだ。ふたりの走りはしなやかで、まるで2頭の豹かピューマのようだと思う。

【解説】 体感時間にして5〜6秒ほどの短い夢。フランス風の店が立ち並ぶ道を誰かと駆けて行く、ただそれだけの内容なのだが、起床した瞬間に思ったことは、(あれはこれからの人生を示唆していた夢なのではないか?)ということだった。未来予知のような不思議な感覚が残る夢だった。



22日●白い鳩を探して
マジシャンのSteveと一緒に白い鳩を探している。鳩の大きさや管理方法について、私たちは真剣に話し合っている。

【解説】 今夜の夢にはもう少し具体的なストーリーがあったような気もするのだが、目が醒めてみると、「Steveと一緒に鳩を探していた」ことしか思い出せない。なお、Steveは実在するアメリカ人マジシャン(友達)。現実世界でも最近、この夏マジックで使用する予定の白い鳩についてSteveと話したばかりなので、その記憶の残像が夢に現れたものと思われる。



23日●未来を見せてくれる箱
これからの自分の人生。すべてが見える。大きな箱(タイムマシン?)あるいは劇場のような場所。大勢の人々。私はそこで、みずからの未来を見たようだ。しかし、箱の中で見たことの記憶を現実世界に持ち帰ることは禁止されてらしい。あとには“予感”のようなものだけが残った。結局、すべてはなるようにしかならないのだと思う。

【解説】 今夜は確かにストーリーのある長い夢を見たのだが、その記憶は、夢の中に現われた箱のようなものの中にすべて残して来てしまったらしい。そのようなわけで、目が醒めてみると、夢の内容は(自分が箱に入って行ったこと以外には)何ひとつ思い出せないのである。箱の中で見たものは、私自身の未来だった気がする。それが具体的にどのような内容だったかはわからないものの、「結局なるようにしかならないのだから、この道を進むしかないのだ」というメッセージだけが残っている。



24日●言葉不足による大いなる誤解
私はヨーロッパのどこかで開催中の国際会議(?)に出席している。共通言語が英語なので、ここでは誰もが最初から最後まで英語だけで話している。具体的な会議の場面は登場しないのだが、既に何日かが経過したようだ。気がつくと私は会議場から食堂へと続く細い通路(さんさんと陽光が降っていたので屋外だったと思う)を歩いていた。歩きながら、私は居合わせた人々を相手に何かジョークを言った。それは英語の言葉遊びを踏まえたきわどいジョークで、よくよく聞いていないとトンデモナイ誤解を受けかねない。幸いにも、そこに居合わせたほぼ全員がネイティブのEnglish speakersだったため、私のジョークは大受けに受けて、皆から拍手喝采してもらえた。そうこうしているうちに食堂のような場所に辿り着いた。そこは木造の小さな部屋で、築100年以上は経っているだろう。細長いテーブルの両側に硬い木の椅子が並べられており、私はそのうちの1つに座った。向かい側にはアメリカ南部から来たらしい、田舎訛りのある米語を話す学者が2人(彼らは年老いた父親と中年の息子らしい)と、中南米のインディオに見える女性の学者が1人座っている。室内には他にも何人か関係者がいるようだが、私にはこの3人の姿だけが見えている。インディオの女性は先程の私のジョークを聞いていたらしい。彼女はそれをそっくり真似てジョークを披露しようとしたのだが、英語の発音がたどたどしい上に語彙に乏しく、トンデモナイ結果を引き起こしてしまった。なんと彼女は「私は売春婦をしていました」という意味に取れる言葉を口にしてしまったのだ。彼女の隣に座っていた親子の学者は、汚いものを見るような目で彼女を見はじめた。私は心の中で(人真似などするからこういう結果になるのだ。気の毒だけれど、一度発言してしまったものは今さら取り返しが付かないだろう)と思っている。しかし、彼女自身は自分が犯した言葉の間違いにすら気づいていないようで、平気な顔でランチを食べ続けている。このとき彼らの背後の壁を見た私は、円形の模様が入った飾り(日の丸に似ているが中心の円は真紅ではなくモノトーンだったと思う)が掲げられたいることに気づいた。

【解説】 今夜の夢で印象的だったのは、食堂のテーブルで一緒になった3人の顔である。男性2人は親子という設定なのだが、目が醒めてから考えてみると、あれは親子ではなく1人の学者の中年時代と老年時代が並んでいたのではないかという気がする。女性の学者は、髪や眉が黒々として、顎の線ががっしり逞しく、眼光鋭く、全体に強い生命力を感じさせる顔立ちだった。夢のストーリー以上に、今夜の夢では彼らの顔が何よりも気になった。但し、その理由はわからない。真紅の部分がモノトーンになった日の丸のようなものが現われた理由もわからない。



25日●虫を食べようとする犬たち
見知らぬ部屋。ドアを開けて室内に入ってみると、そこは閑散とした白っぽい部屋で、ゴキブリではないがゴキブリと似たような色と大きさの虫が数匹、床を這っている。気がつくと愛犬のブースケとパンダが私の傍らにいて、興味深げに虫の匂いを嗅ごうとしている。私は一生懸命に彼らを止めている。最初は夫がいたような気がするが、途中から姿が消えてしまった。

【解説】 私の頭の片隅には、常に愛犬(特にシーズーのブースケ)のことがある。泊まりで外出する時などは特に、(餌はちゃんと食べているだろうか)とか(水は替えてもらっただろうか)とブースケを思い出すことが少なくない。今夜の夢で犬たちが虫を食べようとし、それを私が止めようとしていたのも、普段のそうした気持ちが表われたものと思われる。



26日●理解し合えている
小さい箱のような部屋。アナウンサーを思わせる雰囲気の2人の男性。この世界では、すべてが理解し合えている。ノープロブレム。何も心配することはない。誰かの横顔の笑顔がそう告げている。

【解説】 時間にして1秒にも満たない短い夢だった。登場したアナウンサーの顔に見覚えはなく、特に声が聞こえてきた記憶もないにもかかわらず、何かメッセージ性の感じられる夢だった。



27日●栓抜きのようなモノと不必要な再確認
目の前に人影が見える。人影は片手を挙げて何かを見せている。人影が手にしているモノは黒っぽい物体で、大きさと言い形と言い栓抜きに似ているが、栓抜きではないようだ。人影は、それが何であるかを私たちに再確認させるために(?)、何度か手を高く挙げては物体を示している。私は心の中で(そういう再確認は必要がないのに)と思っている。

【解説】 何のことやら意味不明な夢だった。人影が持っていたモノは、栓抜きに似ているが栓抜きではない何かだった。あれは一体何だったのだろう。気になる。



28日●自分の結婚式から逃走する
私は若い女の子で、純白のウェディングドレスを着て外国の教会にいる。スラリとした体型のハンサムな白人の男性が目の前で微笑んでいる。私はこの人と結婚式を挙げようとしているようだ。不意に、遠くのほうに1人の日本人男性の姿が見えた。その人こそは、私が心から慕っている相手だ。私は何もかも忘れて教会を飛び出すと、愛する人めがけて全力で駆け出した。心は翼が生えたように爽快だ。ここまでの一部始終を、私は第三者の目で見ている。

【解説】 ウェディングドレスをまとった20歳そこそこの若い女性(それは私自身らしい)が全力で教会の外へ駆けて行く、その幸福そうな横顔がハッキリと見えて、奇妙な気分にさせられる夢だった。遠くのほうにいる日本人男性の顔は、残念ながら遠すぎて見ることが出来なかった。





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