2008年9月


1日●教育基本法に抵触する新しい法律
気がつくと目の前にA4版程度の大きさの資料があった。そこには新しい法律(または条例)が印刷されているのだが、資料を読みながら私は(この内容は間違いなく教育基本法に抵触するはずだ)と思っている。
【解説】 今夜の夢は唐突に始まり、終わり方も唐突だった。教育基本法に抵触する新しい法律とやらがどんなものだったか、その詳細は夢のなかでも触れられなかったようだ。


2日●力士と四股名
どこか知らない建物の中を歩いている。歩きながら、何故か相撲のことを考えている。脳裏に力士の名前が浮かんだ。最初に浮かんだ名前は「かいおう」。次にもうひとつ別の四股名(しこな)が浮かんだのだが、そちらはすぐに忘れてしまった。私はこれから相撲に関することで誰かに逢うのかも知れない。(2つ目の四股名は漢字2文字だった気がするが、さて、何という名前だったかな?)と思いながら歩いている。

【解説】 相撲の夢を見るのは珍しい。何故なら私は相撲に全く興味がないからだ。ネットで調べてみたところ「魁皇」と書いて「かいおう」と読む四股名の力士は実在するようだが、調べてみるまではどんな力士か知らなかった。というわけで今夜の夢は、自分でも意味がわからない。



3日●原宿でロケット打ち上げ
東京のどこかでロケットが打ち上げられるという噂を小耳にはさんだ。しかしそれは極秘情報のようで、一般人がアクセスできる内容ではない。私はひょんなことから、打ち上げ場所が原宿駅近辺であることを知ってしまった。しかも、今すぐ現場に駆け付ければ、運が良ければ自分もロケットに搭乗出来るかも知れないという。確固たる情報がないまま、ほとんど直観に任せて原宿駅周辺を徘徊していた私は、JR原宿駅から竹下通りに入って一つ目の交差点を曲がった先に打ち上げ基地があることをついに突き止めた。急いで現場に急行してみると、問題の交差点からは左右両方に曲がる道があり、どちらが正解かわからない。私は心の中で(ここは右折だ)と判断し、小走りに右へ曲がろうとしている。そこで急に目が醒めてしまった。

【解説】 昨日は、11月にお台場の日本科学未来館で開催が予定される「第1回宇宙エレベーター会議」のことを色々と調べていた。今夜の夢はどうやらその延長線上にあったらしい。それにしても原宿でロケット打ち上げとはシュールな設定だ。できることならこの先(つまり打ち上げの情景)まで夢で見たかったのだが……。



4日●魚型の爆弾
ここは日本なのだろうか。私は見知らぬ風景の中に佇んでいる。近くに知人がいたような気もするが、勘違いかも知れない。目の前には川が流れていて、左斜め前には橋が架かっている。ふと右のほうを見ると、魚の形をした爆弾が音もなくゆっくりと低空を飛んでくるのが見えた。それはとてもブキミな兵器だ。特に魚の目つきが薄気味悪い。スローモーション映像のように緩慢な動きではあるが、この爆弾が橋の欄干にぶつかれば、辺り一帯は木端微塵だ。爆弾が橋に命中するまで、残り50cmほど。危機的状況であるにもかかわらず、私はじっとその場に佇んでいるのだった。

【解説】 まず疑問なのは、「なぜ爆弾の夢など見たのか」ということ。次の疑問は「しかも、爆弾の形はなぜ魚型なのか」である。理由はわからない。全体にどこか世紀末的な空気の漂う夢だった。



5日●意外な人
私は意外な人と一緒にいる。その人と一緒にいることが自分でも不思議でならない。しかも私たちは、一緒に何かのプロジェクトをしているようだ。だが、おかしなことに夢は最初からサイレントモードだ。つまり音がないのである。意外な人と私は、先刻から真剣な話し合いをしている(但しサイレントモードのため何を話し合っているのかは自分にもわからない)。私はきちんとしたスーツを着て、素足にパンプスを履き、髪を結い上げていたようだ。
【解説】 意外な人と一緒に仕事をしている夢を見たことはハッキリ覚えているのだが、相手が誰だったのかは全く思い出せない。しかも今回の夢には一切の音がなかった。これまた奇妙なことだが、今になってよくよく考えてみると、私は普段からときどきサイレントモードの夢を見ている気もする。



6日●ロケット打ち上げの間違い探し
目の前にロケット打ち上げの絵があった。超リアルで、写真と見間違えそうな絵画である。しかもそれは普通の絵ではなく、間違い探しなのだという。(打ち上げの秒読みが始まってしまう前に間違いを探さなければ)と思い、絵を見始めたところでアッサリ目が醒めてしまった。
【解説】 3日の夢に引き続き、またしてもロケット打ち上げ関連の夢である。日頃から宇宙作家クラブの仲間や天文関係の友人とロケットについて話す機会は多いが、そのことが夢にまで現われるのは珍しい。ともあれ今夜の夢の中で私は「間違い」を探したのだろうか? 夢の結末部分が全く思い出せないのが、ちょっと口惜しい。



7日●南の島へご招待
娘と私は旅に招待されたようだ。誰が招いてくれたのかはわからない。懸賞に当たったのかも知れない。行き先はハワイか沖縄のような「海に囲まれた南の島」だったかも知れない。私たちは空港のような場所で出発の時を待っている。そのあと全く別の夢を見たような気もするが、その内容は思い出せない。
【解説】 この夢を見て思ったのだが、そう言えば最近娘と二人旅をしていない。最後の二人旅は一昨年12月の台湾旅行だろうか。正直なところ南のリゾートにはあまり興味のない私だが、娘と一緒なら楽しそうだ。考えてみようかな。



8日●懐かしいマグカップが壊れる
前後関係は思い出せないが、私はキッチンで皿洗いをしていた。ふと手が滑り、マグカップがシンクに落ちて割れてしまった。「あっ」と思った時にはもう遅い。しかし、よくよく見るとそのカップは25年前に留学先のシドニーで愛用していた品ではないか。広い海の中をクジラが何頭も泳いでいるイラストが付いた、とても可愛らしいカップだ。あのカップは20年ほど前に失くしたものとばかり思っていたが、こんなところにあったのか。割れたカップを前にして、私は(全ての形ある物はいずれ壊れるにせよ、やはり陶器は弱いな)などと思っている。
【解説】 この夢を見るまで、シドニーで購入したクジラ柄のマグカップのことなど忘れていた。あのカップは、確か20年前の山小屋の改築工事の際にどこかへしまい込んだきり失くしてしまったのだ。そんな昔に使っていたカップが今さら夢に登場するとは、なんとも奇妙なことである。
【後日談】 この夢を見た数時間後、朝食の後片付けをしていたところ、不意に手が滑ってマグカップをシンクに落とし、取っ手の部分を見事に割ってしまった。(しまった!)と思うと同時に、それが夢と同じ展開であることに気づき愕然とした。しかも驚いたことに、現実世界で割れたカップは、25年前にシドニーで購入した物とは全く別物であるにもかかわらず、やはりクジラのイラスト入りカップなのである。どうやら今夜の夢は「皿洗い中にクジラのカップを割りそうだから気をつけなさい」と予告してくれていたようだ。にもかかわらず細心の注意を払わずに食器を洗っていた私はバカだなと思う。せっかく予知夢を見てもそれを活かせないのでは、あまり意味がない。



9日●階段から転げ落ちるブースケ
足もとを見降ろすと、下方向に向かって階段が長く伸びていた。今からこの階段を降りようと思うのだが、そばにブースケがいることが気がかりだ。何故ならば、短足の彼は階段の上り下りが非常に苦手で、これまでにも下り階段で何度か滑落事故を起こしているからだ。そんなことを思いながら1歩踏み出したところ、途端に階段の勾配が急になった。さらにもう1歩進むと、勾配もさらに急になり、3歩目には、階段はほとんど垂直と言って良いほどの急勾配になってしまったではないか。私の脳裏には、丸々と太ったブースケが階段を踏み外して落ちて行く姿が浮かんでいる。恐ろしくなった私は、急いでブースケを小脇に抱えると、この階段以外のルートで下の階に降りる算段を始めた。
【解説】 ブースケは5歳のシーズー犬。足が短い犬種であるため、これまで何度か階段を踏みはずしている。幸い今までのところ怪我がなかったから良いものの、骨折でもしたら大変だ。今夜はこんな夢を見たことだから、今後はブースケの階段使用を禁止しようと思う。



10日●岩を探して野球選手を当てよう
だだっ広い場所。ここはロケットの打ち上げ基地として使えそうなほど平坦だ。私は大きな岩を探している。普通は灰色の岩だが、赤い岩ならさらに良い。岩を見つけることが出来た者には、オマケに漏れなくプロ野球選手が付いて来るという。私はどうやら岩をゲットしたようだ。巨人軍の選手たちの横顔が一瞬見えたところで、急に目が醒めてしまった。
【解説】 またしてもロケットの打ち上げ関係の夢である。今月はこれで3回目。一体どうなっているのか?



11日●赤信号を浴びて肉体が透明になる
夕暮れの街。雨が降っていたかも知れない。私は信号を渡ろうとしている。しかしこの世界では、道路横断中に赤信号に変わると肉体が透明になり、やがて死んでしまうのだという。私は走って道路を横切った。しかし最後の1歩というところで信号は青から赤に変わった。タイミング的に青か赤か、判定が難しいところだ。急いで自分の体を見たが、幸いにも透明になっていない。どうやら死を免れたらしい。そう思ってホッと胸をなでおろした。しかしそれは束の間の安心だった。数秒後、私の肉体は見る見るうちに透明になって消滅し始めたではないか。それを見た私はすぐに諦めの境地に到り、(もう十分に生きたのだし、これが運命ならば仕方ない)と思って、悲嘆に暮れている周囲の人々にお別れの言葉を告げ始めた。
【解説】 自分が死ぬ夢なのだが、それにしては落ち着き払っていた。“体が透明になって誰かが死ぬ夢”は、以前にも見たことがある。中学生ぐらいのときに見た夢では、地球から酸素が失われて次々に人が死んで行き、ついには母も透明になって消えてしまった。それは本当に悲しい夢で、消えてしまった母を探して私は(夢の中で)ほうぼうを走り回っていた。それに比べ、今夜の夢はなんと明るかったことか。「死=透明になって消滅するもの」という発想が中学生のときから変わっていないのが興味深い。



12日●みずからの運命を変えられない父と娘
道の向こうから見知らぬ父娘が歩いて来た。彼らは平凡な毎日を送っているが、心のどこかで(もっと素敵な人生がどこかにあるのではないか?)と漠然と思っているらしい。私には彼らの心が少し読める。彼らは道の右端を歩いているが、実は、今この瞬間に反対側に渡りさえすれば、大きなクリスタルの球体を手に入れることによって彼らの運命は逆転し、今とは比較にならない幸福を手に入れることができるのだ。しかし彼らには“道の反対側に渡る”という発想が全くない。私は心の中で(この人たちには自分の運命を変えるだけの才能も強さもないのだ)と思っている。
【解説】 今夜の夢で印象的だったのは、“クリスタルの球体”だ。私の夢にはときどき球形の物が登場する。それは常に霊的で孤高で大きなエネルギーを秘めたものだ。ところが今夜の夢に登場した父娘は、道を渡らなかったがために、せっかくのクリスタルを手に入れることができなかった。幸福と不幸の差は紙一重だということを、この夢は知らせてくれたのかも知れない。



13日●地下鉄でラーメンを啜る人
地下鉄に乗っていると、同じ車輛のどこかからラーメンをずるずると啜(すす)る大きな音が聞こえた。吃驚するほど大きな音だ。にもかかわらず、その音が聞こえているのは私だけらしく、ほかの乗客たちは意にも介していないようなのだ。音の正体を確かめようと車輛を見まわしたが、犯人を突き止めることは遂にできなかった。
【解説】 地下鉄の車輛の中でラーメンを啜るという、現実にいたらトンデモナイ人物の登場である。そう言えば不思議なことに、今夜の夢でラーメンの音はしたが匂いは皆無だったようだ。何故だろう?



14日●赤ちゃんの手の中の飴
赤ちゃんを抱いた若いお母さんが、まるで敵から逃げているような必死の形相で駆けて来た。悪者に勝つためには小さな飴玉が必要だと思う。飴玉は、実は赤ちゃんの手の中にしっかりと握られているのだ。しかし誰もそのことに気づいていない。
【解説】 なにやら謎な夢だった。「赤ちゃん」と「飴」の組み合わせも、今一つ意味がわからない。とりあえず「悪者に勝つためには飴玉が必要」という夢のお告げ(?)だけは覚えておこうと思う。



15日●地下鉄で牛が鳴く
地下鉄に乗っていると、車輛のどこかからモーモーという牛の鳴き声が聞こえてきた。驚いた私が周囲を見回しても、牛の姿は見当たらない。しかも満員電車の乗客はひとりとして牛の声を気にしていない。この世の中は狂っていると思う。
【解説】 一昨日の夢に引き続き、またしても地下鉄の車輛内でおかしな音がする夢である。一昨日はラーメンを啜る音、そして今日は牛の鳴き声。異常性がアップしているように思えるのは、私の気のせいだろうか?(苦笑)



16日●……
【解説】 愛犬のブースケ(♂のシーズー、5歳9か月)に盛りがついてしまい、今夜はパンダ(♀のチン、4歳9か月)のお尻を追いかけ回して一晩中ドタバタやかましく、私はまるで眠れなかった。というわけで夢は見ていない。



17日●大きなボールを獲得する神聖なゲーム
平坦で広大な土地。異国の牧場かも知れない。ひと気はなく、気がつくと私は風に吹かれながら大地に立っていた。フェンスで囲まれた広い区画が目の前にあったので、私は躊躇せずにその中へ入って行った。ここで自分がすべきことは、ボールを獲得することだ。それは直径1メートルほどの大きなボールで、地面に転がっているのではなく、地上1.5〜2メートルのあたりをフワフワと浮遊しているらしい。ボールは軽く、柔らかで、色は綺麗なパステルカラー。見ているだけで何故かホッとするボールだ。私は短時間に難なく数個のボールを獲得した。その次に向かった先は、こことは別の場所にある広大な区画。そこもやはりフェンスで囲まれている。ここで再びボールを獲得することが私の任務なのだが、今回は後ろ向きに歩かなくてはいけないルールで、その分だけボールの獲得は難しいという。しかしここでも私はすぐに数個のボールを獲得できた。このとき、少し先の草むらの中に立って私を観察しているAさんの姿が映った。私は心の中で、(なるほど、Aさんはこのゲームの試験官なのだな)と思う。Aさんが関わっているからには、これは何か壮大なエンターテインメントに違いない。このあと何か楽しくて不思議な出来事があったように思うのだが、その部分は何故か少しも思い出せない。
【解説】 今夜の夢には大きな球形の物が登場した。今月12日の夢の解説にも書いたように、私の夢にはしばしば“球形の物”が登場する。そしてそれは“霊的で孤高で大きなエネルギー”の象徴らしい。今夜の夢は、全体に厳(おごそ)かで、どこか神聖な感じすら漂う夢だった。なお、Aさんは大手広告代理店Hに勤務する仕事のデキる男。数年来の顔見知りである。



18日●馴れ馴れしくやかましい女性
適度に賑やかな場所。シーズンオフの遊園地、またはカーニヴァルの会場だろうか。オーストラリアの田舎町のような気もするが、違うかも知れない。私の腕にひとりの女性が馴れ馴れしくまとわりついている。目一杯若づくりをした30歳前後の日本人だったように思う。彼女は常にキャピキャピとやかましく、孤独で平和な時間を何よりも好む私はかなり辟易している。彼女には何か買いたい物があって、その代金を私に支払わせようという魂胆のようだ。(特に親しくもない関係なのに、こういうときだけ親しい振りを装うのはヤメてくれないかしら)と思ったところで目が醒めた。
【解説】 夢の中で私の腕にまとわりついていた女性……あれは誰だったのだろう。確かに実在する女性だったような気がするのだが、目醒めてみると誰だったのか思い出せない。そもそも私の知人にこんな図々しい女性はいないはずだが。おかしな夢だ。



19日●喪服の女友達
気がつくと友人のN子さんと談笑しながら歩いていた。私たちは喪服姿だ(着物ではなく洋装)。しかし切羽詰まった感じがしないので、お葬式ではなく、何年か前に亡くなった人の法事に出席するところなのかも知れない。N子さんはご自分のお仕事のことを真剣に説明している。後方に見える紅葉の朱色が綺麗だ。
【解説】 黒川紀章先生の一周忌のご案内が昨日届いた。今夜の夢はその影響に間違いない。N子さんは年下の女友達で、やはり黒川先生の薫陶を受けている。
喪服と紅葉のコンビネーションが美しい夢だった。



20日●遠くから群衆をチェックする
体育館のように見える大きな建物。私はバルコニーのようなところにいて、遠くから群衆の様子をチェックしている。秘密警察またはスパイのような仕事だ。しかし自分が何をチェックしていたのかは全く思い出せない。
【解説】 今夜の夢には前後関係があった気がする。しかし思い出せるのはこの部分だけ。



21日●2階にある大きなボール
見知らぬ建物の中。そこは大きな体育館のような場所で、私がいるのは2階だ。1階にいるのは初心者で、2階には上級者と少数のプロがいる。私はプロのひとりらしい(但し何のプロであるかは不明)。ここには大きなボールがたくさんある。このボールには何か深い意味があるらしい。しかし、いくらボールが見たくても、2階へ来るための権利を得るのは至難の業だ。そのためか、1階がひどく混雑しているのに対して、2階は人口密度が低くゆったりしている。私は2階でゆっくり寛いでいる。
【解説】 昨夜と同じような体育館の登場、しかも、またしても大きなボールの夢である。これを書いていて急に思ったのだが、「球」は「円」に通じ、「円」は「縁」なのではないか。我ながら高野山大学の院生らしい発想だと思うが(笑)、球形は縁起が良いように思う。こういう夢が続くのは、心が安定している証かも知れない。



22日●ブースケとの二人旅
見覚えのない、ひなびた駅舎。私はブースケを抱いて列車を待っている。綿入れのような古風な上着でブースケを包んでいたようだから、季節は冬なのかも知れない。私たちはどこかへ物見遊山の旅に出るようだ。わくわくするような幸福感。
【解説】 ブースケと列車で旅に出る夢は、ずっと前にも見たことがあると思う。前回の夢では、ブースケは人間の子どもになりかかっていた。今回のブースケは犬のままだったように思うが、私との旅を楽しんでいるような顔をしていた。この秋は現実世界でもブースケを連れて旅に出てみたい。



23日●「これよ、これ!」と壁を向かって騒ぐ女
大きな壁。その壁に向かって、ひとりの見知らぬ女が「これよ、これ!」と叫んでいる。とても騒々しく、ハタ迷惑な人だ。しかし、これだけ騒いでいるからには、この壁には何か秘密が隠されているのかも知れない。私はじっと女を観察している。
【解説】 今夜の夢は、このほかにもストーリーがあったような気がする。しかし壁に向かって騒ぐ女のインパクトが強すぎたためか、これ以外の場面は少しも思い出せない。



24日●彼女の名前を忘れまいと努力する
私は誰かに頼まれて、ある女性の名前を記憶させられている。その名前は「黒木瞳」だったような気がするが、違うかも知れない。いたずら好きな連中が次々にやって来て、私の耳もとで別の女性の名前を告げ、記憶を鈍らせようとする。私は心の中で(やかましい連中だな)と思いながら、黙ってそこに座っている。
【解説】 このあと全く別の夢を見たと思うのだが、覚えているのは最初の夢だけ。誰から頼まれて何のために名前を記憶していたのか、そのあたりの経緯は全くわからない。



25日●寿老人になったウルトラマン
東京の街を踏みつぶして怪獣が暴れているらしいが、これは映画撮影用のセットかCGだから心配することはないと思う。ウルトラマンの頭がひょろ長く、寿老人のようになっている。それを見た私はお腹を抱えて大笑いしている。
【解説】 つい最近、誰かがmixiにウルトラマン映画のことを書いていた。そこで「ウルトラマンは身長40メートル、体重35,000トン、ということはBMIが21,875でとんでもないメタボではないか?」と私が書き込んだところ、科学者のマイミクさんが「比重45の物質でできていることになります」「比重45の物質は多分まだ発見されてません」「近いのはブラックホールか」などと書き込み、暫くウルトラマンネタで盛り上がったのだった。今夜の夢ではウルトラマンがなんと七福神の仲間になっていた。「いい物を見せてもらいました」という感じである(笑)。



26日●風に乗って飛ぶダライ・ラマ
私はスコットランドの王様を追いかけている。追いかけているうちに自分の身体がどんどん軽くなって、風のような存在になってゆくのを感じる。そのあと、もっと速い風が私を追い越して行った。その風に乗っていたのはダライ・ラマ14世だった。
【解説】 今夜の夢は、何とも言えない不思議な透明感に満たされていた。それにしても、夢の中で自分の身体が軽くなる感覚を味わうのは珍しい。爽やかで厳粛な想いが残っている。



27日●……
【解説】 今夜はスコットランド行きの飛行機に乗っていたため、レギュラーな睡眠を取っていない。夢も見なかったようだ。



28日●非難と言い訳
大きな鉄道駅。どうやらここはグラスゴー駅らしい。列車が停まり、いきなりRさんが降りて来た。彼女は非難と諦観が入り混じったような複雑な表情で私を見つめながら、「やっぱり、そういうことだったのね」という意味のことを言った。彼女の薄い唇に浮かんだ微笑みには、一体どんな感情が含まれているのだろうか。私は盛んに何か言い訳をしている。しかしRさんは私を信じていないようだ。私は心の中で(Rさんは善人だが、生真面目過ぎて心に“遊び”がないのが玉に瑕だ)と思っている。
【解説】 現実世界では、昨日からスコットランド最大の都市グラスゴーに来ている。それで早速、今夜の夢にもグラスゴー駅が現われたわけが、夢の内容はと言うと、何やらチンプンカンプンなものだった。ちなみにRさんは年下の女性である。



29日●失望と絶体絶命
気がつくと、昨日の夢に登場したのと瓜二つな風景の中に立っていた。ここもやはりグラスゴー駅なのだと思う。またしても列車が入線した。列車から降りて来たのは郵便配達員(あるいはそれと似た堅い職業)の男性だったと思うのだが、彼の顔立ちや肌色などは何故か全く思い出せない。彼の発言(あるいは行動)は、私を失望させるに足るものだった。次に、また別の列車が入線した。貨物列車なのだろう、人間は乗っておらず、代わりに何か小さな物が載っていた。載っていたのは「栓」だったかも知れない。「栓」は何かを示唆しているようだ。それを見た私は(絶体絶命だ)と思う。
【解説】 昨夜に引き続き、またしてもグラスゴー駅の夢である。それにしても昨日の夢では若い女性に非難され、今夜の夢では郵便配達員に失望させられ、「栓」を見て絶体絶命を感じるなど、全体に切羽詰まった感のある夢だった。旅の緊張感がこういう夢を見せるのかも知れないが、「栓」の夢は良くないと思う。突破口というか、溜まった水が流れてゆく先が必要だ。そんなことを考えさせてくれる夢だった。この夢もグラスゴーのホテルで見た。



30日●口の中に糸ミミズ
知人のMさんの姿が見える。Mさんは、口の中(上前歯の裏側あたり)にたくさんの糸ミミズがいると訴えている。それにしても何故、口の中に糸ミミズが入ったのか。それとも糸ミミズは外部から入ったのではなく、Mさん自身から発生したものなのか。(たぶん正解は後者だ)と私は心の中で思っている。
【解説】 この夢もグラスゴーのホテルで見た。それにしても口の中に糸ミミズとは、なんともシュールで不気味な状況設定ではないか。Mさんは年上の男性。体調が悪いという話は聞かないが、こんな夢を見てしまうとちょっと心配である。





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