2010年1月


1日(初夢)●宇宙エレベーター
気がつくと私は、金属の缶のようなものが無数につながったロープにつかまり、宇宙のどこかでユラユラと揺れていた。これが話題の宇宙エレベーターなのだと思う。見渡す限りの暗い空間。ところどころに星が散りばめられていて、まるで金平糖のようだ。私は宇宙服も着ず、普段どおりの姿。すぐ横には娘と息子もいる。私たちはロープを攀(よ)じ登り、少しずつ上昇している。つまりこのエレベーターは、自力で登らない限り上へ進めないらしい。ロープに使われている金属は、地球では見たことのない不思議な色に輝いており、未来的でたいへん美しい。私たちは無言のまま、静かに上昇を続けている。
【解説】 今夜の夢でいちばん印象的だったのは、見たこともない金属の美しさだ。金色でも銀色でもない、何とも言えない深みを持った色彩と、重厚で頼もしい質感。その未知のマテリアルでつくられた宇宙エレベーター(という名のロープ)につかまり、上昇してゆくイメージは、新しい時代の幕開けを予想させるものだった。幸先の良さそうな初夢である。



2日●トンネル型移動装置
前後関係は思い出せないが、直径1メートルほどのトンネルのような場所にいて、上へ上へと浮遊していた。特徴的なのは、そのトンネルが一種の移動装置になっていて、私の体を(自分から進んで歩いていないにもかかわらず)絶えず上に向かって移動させていることだ。トンネル内部は無重力状態、外部は宇宙空間だったかも知れない。視界に入るところには、おびただしい数のビーズが浮かんでいる。夢のように美しい輝き。私は(ダイヤに匹敵するほど美しいビーズだ)と思っている。

【解説】 今夜の夢には、前後に何か具体的なストーリーがあったのだが、思い出せるのはこの場面だけ。全体に、昨夜の夢と実によく似た内容だった。「エレベーター」が「トンネル」、「金属の美しさ」が「ビーズの美しさ」に変わったことを除けば、テーマ的には二日連続ほぼ同じ夢と言えるだろう。



3日●「卵」の付く四字熟語
知らない家族から年賀状が届いた。Tさん(友人)の弟さん一家らしいが、会ったことのない人たちだ。挨拶文のなかに、見たことのない四字熟語が印刷されていた。どんな漢字だったかは思い出せないが、「けいらんそうじゅ」とか「そうらんけいじゅ」と読める文字の並びだったと思う。「らん」は「卵」だったかも知れない。辞書で意味を調べようとしていて目が醒めた。
【解説】 見たこともない文字や言葉が登場する夢を、ときどき見る。今回の夢では、それが知らない人(厳密に言うと「存在だけは知っているが会ったことのない人」)からの年賀状に印刷されていた。ちなみに、辞書で調べても「そうらんけいじゅ/けいらんそうじゅ」という四字熟語はなかった。音的にいちばん似ているのは「鶏卵素麺(けいらんそうめん)」だが、これはまったく違う(笑)。



4日●長距離バスの旅
ぽかぽか陽気のなか、私は気分がいい。ここは知らない外国(おそらくヨーロッパのどこか)で、私は長距離バスに乗っているようだ。とても楽しかったということ以外は残念ながらすべて忘れてしまったが、途中で「目のパッチリした5〜6歳の男の子の顔」と「土管のようなもの」を見た。男の子は真っ黒に日に焼けた上半身に、真っ白なランニングシャツを着ている。子どもの頃に同じ街に住んでいた“トモちゃん”とどこか似ていたような気がする。
【解説】 今夜の夢のなかで、私は何度もバスから途中下車し、色々なところへ行っては楽しいことをしたのだが、その内容はまるで思い出せない。“トモちゃん”は幼馴染の男の子で、私が自転車に乗る練習をしたときにつきっきりで教えてくれた子だ。もう35年ぐらい逢っていないが、今頃はどうしているだろうか。



5日●急な宇宙階段を昇る
宇宙ステーションのような場所。巨大なガラス窓から外を覗くと、そこは真っ暗な宇宙だった。私は急な階段の踊り場に立っている。全体の斜度が45度かそれ以上ありそうな、とんでもなく急な階段で、私が立っているところは全体のちょうど中心のあたりだ。下を見下ろすと、30段ぐらい下に息子が、上を見上げると30段ぐらい上に娘がそれぞれ立っていて、私のほうを見ながら「ガンバレ」と声には出さずに声援を送ってくれている。私は階段を昇り始めた。すると全体の斜度が徐々に急になって、立っていることが難しくなってきた。ほとんど直角に近いほど傾斜が急になったところで目が醒めた。
【解説】 そう言えば、私はときどき坂道を昇る夢を見る。坂道を下る夢は見たことがないので、これは私の上昇志向と関係しているのかも知れない。それにしても、まだ2010年になってから5日し経たないというのに、既に3度も似たような夢を見た(「宇宙エレベーターで上昇する夢」「トンネルで上昇する夢」「宇宙階段を上昇する夢」)。しかもそのうちの2度は娘と息子が一緒だった。なにやら意味深長である。



6日●瞬間移動する母と子
詳細はまったく思い出せないのだが、夢の画面の左から右に向かって、何かが高速で移動した。画面の中央あたりに達したとき、それはほんの一瞬(0.1秒ぐらい?)停止したのだが、そこに現われたのは若い母親と幼い息子だったような気がする。
【解説】 何のことやらわからない、残像のような夢だった。一瞬だけ見えた母親は、戦時中の人のような服装(もんぺ姿)だったようだが、あるいは見間違いかも知れない。



7日●宇宙の薔薇ガーデン
気がつくと私は宇宙ステーションらしき場所にいた。近くに恒星がないので周囲は暗いが、ここでは人間が(防護服や酸素マスクなしで)室外で普通に生存できるようだ。広い庭園で、ひとりの日本人女性が薔薇を育てている。彼女は30歳前後で、化粧っ気がなく、白っぽい半袖のTシャツにジーンズ、髪はポニーテールといういでたちで、終始無言だ。彼女が育てる薔薇は透明なブルーで、クリスタルのような、いや、それとも違う、地球では見たことのないマテリアル感。見わたす限りに一種独特の宗教的な崇高さというか、厳粛なムードが漂っている。私はここにいるだけで、何とも言えない安堵感と深い幸福感を味わっている。それにしてもこの女性は、宇宙の果てにたったひとりで淋しくはないのだろうか。家族や友達はいないのだろうか。人間離れした、精神的に超越した女性なのだと思う。彼女が両手に薔薇を抱えて歩きだしたので、後に着いて行ってみると、料亭のようにも旅館のようにも見える広い日本家屋があって、10〜20人ほどの日本人従業員の姿が見えた。私は心のなかで(なんだ、ここにも人がいたのか)と思い、軽い失望を感じると同時に、彼女が孤独ではないことを知ってホッとしている。
【解説】 なんと今夜も宇宙ステーションの夢である。一体どういう理由でこれほど頻繁に宇宙ステーションの夢を見るのか、理由はわからない。そう言えば今夜の夢にも、それ以前の宇宙の夢にも、音声というものが全くなかった。宇宙と静寂。なかなか素晴らしい組み合わせだ。こんな夢なら毎晩でも見たいと思う。



8日●二階建ての家
閑静な住宅街。道路の片側だけ、土が盛ってあるのか少し高くなっている。その小高い丘の上に、同じデザインの二階建ての家が2棟か3棟、並んで建っている。屋根がトンガリ三角の、アルプスあたりにありそうなファンタジックな家だ(しかし松など植生の様子からして、ここは間違いなく日本らしい)。私は何らかの形でこの家に関係することになるのかも知れない。
【解説】 時間にして1秒にも満たない、まさに一瞬の夢だった。登場した二階建ての家は、特に暮らしてみたいと思うほど魅力的な建物だったわけではないが……いずれ現実世界で何らかの係わりが生じるのだろうか?



9日●蝶々と金剛杵
何かが右側の胸の上に乗っている。蝶々か玉虫か、ハッキリしたことはわからないが、美しくて甘美な生き物だ。私は片手で何かを握っている。金剛杵(お遍路さんが持つ杖)だったと思うが、目で見たわけではないので感覚のみ。老師のような男性の姿が一瞬見えた。(誰かに似ている!)と思う。友人で東大元教授のSさんだと気がついたところで目が醒めた。
【解説】 今夜の夢はアイテムの羅列だけで、いわゆる具体的なストーリーがなかったような気がする。しかし全体に仏教的というか、一種の崇高な空気がピンと張り詰めていた。Sさんは鉱物学者さん。年齢は私より遥かに上だが、親しく友達づきあいをさせていただいている。私にとってはまさに「知恵袋」的な存在。実生活では今年もお世話になることだろう。



10日●3つのマグカップ
3つのマグカップが見える。愛らしいイラストが描かれ、なんとも平凡かつ少女趣味だ。しかしそれは仮の姿で、カップには大事なことが隠されているという。(なるほど。三種の神器はこうして保管されているのか)と思ったところで目が醒めた。
【解説】 ごく一瞬の夢。起床してみると何のことやらわけがわからない内容だ。夢のなかでは自分の考えに妙に納得していた自分が(あとから考えると)奇妙である。



11日●最初の月はアンマンと教えられる
大学教授のような男(白人)が英語訛りの日本語で、「1年の最初の月を“アンマン”といいます」と言った。私は咄嗟に(それは違うでしょう)と思い、大学教授に強い拒否感を抱いた。反論しようと思うのだが、次の瞬間、彼はもう飛行機に乗って本国(おそらくアメリカ合衆国)に向かっていた。
【解説】 目が醒めてから思ったのは、(夢のなかで男が言っていた“アンマン”は、果たしてどんな字を当てるのだろう)ということだ。夢のなかではうっかり「餡饅」のことかと思ったのだが、それは男の発音が悪かったためで、本当はヨルダンの首都アンマン(Amman)のことを言っていたのかも知れない。いずれにしても奇妙な夢だったことに違いはないが。



12日●魔女のような老婆とスパイ
私は黒塗りの乗用車の助手席に座っている。助手席と運転席のあいだのスペースには(そこに座席はないにもかかわらず)ひとりの老婆が座っている。老婆は小柄で、身長は130センチぐらい。おそらく白人と思われるが定かではない。年齢は200歳か300歳、あるいはもっと上なのかも知れない。大きなスカーフをかぶり(アゴのところで縛っている)、古臭いロングスカートを履いて、鼻は鷲鼻。子どもの頃に愛読した『小さな魔女』に出てくる魔女のような風貌だが、少しも怖くはないし、むしろ善良な人のように思える。車が停まっているあいだに運転席側のドアが開き、いきなり西洋人のスパイ(男)が自動車に乗り込んできた。私は助手席側のドアを開けて猛ダッシュで逃げ出し、老婆も老婆とは思えない身のこなしで私に続いた。
【解説】 目が醒めてからふと思ったのだが、この老婆は私の守護神のような存在なのかも知れない。そう思ったことに理由はないのだが、この老婆に任せておけばすべて大丈夫だという気がした。



13日●爆弾テロ
気がつくと私は研究室のような部屋の中にいた。デスクの上のコンピューターに赤いランプが点滅している。(まずい!)と思った次の瞬間、コンピューターを中心に部屋は大爆発。間一髪のところで私はその場から逃げだし、何を逃れた。
【解説】 夢日記をつけながら思ったのは、ここ3日間にみた夢は一種の「連続夢」だったのではないかということだ。11日の夢に登場した大学教授と、12日の夢のスパイ、そして今夜の夢でコンピューターを爆発させた犯人はすべて同一人物ではないか。突拍子もない話だが、そんな気がした。最近ちょっとスパイ小説を書きたくなって構想を練っているところなので、それでこんな馬鹿げた夢を見るのかも知れないが。



14日●指がはさまって動けない
左手の人差し指の先がファスナーか何かに挟(はさ)まってしまい、どうしても抜くことができない。少しも痛くはないのだが、このまま抜けないのも困るし、一体どうしたものかと思案に暮れている。
【解説】 目が醒めてみると、現実世界でも左手の人差し指がブースケ(体重5.5キロのシーズー)の下敷きになって動かなくなっていた。人の指を枕代わりにしないでくれブースケくん(苦笑)。



15日●「○ん△ん」の○と△を埋めよ
前後関係は全く思い出せないのだが、「○ん△ん」という言葉の○と△に入る文字が何か考えている。これはクイズなのかも知れない。とてもおかしな言葉が頭に浮かび、それを口にしたところ、まわりにいた数人が笑いだした。私も笑っている。しかし正解は別の言葉らしい。言葉を探しながら私は旅をしている(ただし旅先で見た風景がどんなだったとか、誰に逢ったというようなことは覚えていないのだが)。夢の最後に正解が見つかったらしいが、目が醒めた瞬間にすっかり忘れていた。
【解説】 私は「言葉遊び」のような夢をよく見る。これもその種類の夢だが、一体何という言葉を探していたのか、肝腎の答えを思い出せないのが残念だ。「あんのん」とか「いんぎん」といった、すぐに思いつくような言葉ではなく、何だかややこしい日本語(平安時代あたりの言葉?)だった気がするのだが。



16日●国会議員と庭爺
何かとてつもなく重要な案件があって、私は知り合いの国会議員に働きかけている。どうやら不動産に関する事柄らしい。どこかの土地を大至急移動させなければならないので、国家権力を動員しようというのだ。しかしその土地というのが、どうやらmixiアプリの「庭爺」の庭のことらしい。超大物の国会議員(誰なのかは不明)に電話しているところで目が醒めた。
【解説】 「庭爺」のことで超大物国会議員に働きかけるとは、私の「庭爺」好きも病的である(苦笑)。ちなみに「庭爺」とは、爺さんの庭に松やら桜やら灯篭やら石像やらを増やして庭をつくってゆくネット上のゲーム(アプリケーション)のこと。リアル世界の私には転がせる土地などありませんので、念のため(笑)。



17日●花火を見るための特等席
私は見知らぬ会社にいる。どうやら私はここの社員のようだ。同じ部署には30人ほどの人がいる。そのなかの5〜6人が急に立ち上がって「外回りに行ってきます。今夜は直帰します」という意味のことを言いながら外へ出て行った。私も当たり前のように彼らと一緒に外へ出た。私たちはあらかじめ示し合わせて、今夜の花火大会を見ることにしていたのだ。グループには、私以外に女性がもうひとり。あとは男性。全員が25〜35歳ぐらい。私もそれぐらいの年齢に戻っているのかも知れない。私以外の全員は、この会社のことをよく知っているようだ。私は短期バイト社員なのだろうか、この会社に特別な感情はないし、一緒に部屋を出てきた人たちの顔にも全く見覚えがない。(どこで花火を見るのかな)と思っていると、女性が「私、すごくいい特等席を知っているんです」と言って、社屋の片隅にある部屋へと皆を誘導して行った。細い階段やトンネル(?)のような裏道を通って行くと、その先に、煤(すす)だらけの小さな部屋があった。確かに花火の打ち上げ現場が真正面だ。男性陣は大喜びしている。私は心のなかで(煤と埃がすごいな。それに、部屋の半分は段ボール箱に占領されていて視界をふさいでいるから、この荷物は横へどかしたほうがいい)と思っている。皆がこのまま部屋に居座る気配なので時計を見ると、まだ夕方の4時半ぐらいだ。私が「花火大会開始まで2時間以上ありますよ。今のうちに、お酒とかおつまみを買い出しに行きませんか」と提案すると、皆が「おお! いい考えだ」と言いながら買い物に行くためにドアのほうへ向かい始めた。そこで目が醒めた。
【解説】 私はアルバイト以外で会社勤めをしたことがない。だからだろうか、今夜の夢は私にとっては何とも異質で、居心地の悪いものだった。(なぜ私がここにいるのだろう)と思いながら、仕方なくほかの人々と行動を共にしていたような気がする。花火うんぬんよりも、そのことのほうが強く印象に残っている。



18日●謎とき
夢の最初の部分を思い出せないので、誰が何のために行動しているのかは一切わからないのだが、私は見知らぬ人たちと一緒に謎ときをしている。解こうとしているのは人類史上一、二を争うような、とてつもなく深遠な謎らしい。大きな建物のあちらこちらの部屋に手がかりが残されているので、皆で手分けをし、それらの手がかりを集めては情報交換をしている。淡々と進む作業。最後に1通の手紙が見つかった。そこには、すべての謎の解答が記されているらしい。封筒から紙を取り出す。中身は1枚の便箋で、そこには4〜5行の日本語が縦書きされているようだ。読みだしたところで、いきなり目覚まし時計が鳴り、夢は唐突に終わってしまった。
【解説】 とても口惜しい終わり方の夢。封筒からあらわれた便箋には、何か物凄いことが書かれていたはずなのだ。私の眼は一瞬とはいえそれを見ているはず。断片的にでも内容を思い出せると良いのだが、残念ながら何も思い出せない。



19日●噴水式水飲み器
駅、または学校、またはそれ以外の場所(つまり、そこがどこなのかよくわからないのである)。そこに1台の噴水式水飲み器が置いてあって、七色のアフロヘア(おそらくカツラ)の女性が水を飲んでいる。
【後日談】 この夢には前後にもストーリーがあったような気がするが、思い出せない。実は、目が醒めたとき私は夢の内容を完全に忘れていたのだが、夢を見た数時間後、地下鉄の構内で水を飲んでいる女性の姿を見て俄かに夢の内容を思い出したのだ。ちなみに、地下鉄構内の噴水式水飲み器で水を飲んでいた女性も、とびきり大きく膨らませたアフロヘアで、(髪は一色だったものの)洋服は虹のような七色の縞模様だった。これも一種の(軽い)予知夢だろうか?



20日●学校の廊下
長い長い廊下。おそらくここは古びた学校で、今は放課後または休日なのだと思う。自分以外には人っ子ひとりいない廊下に立っている。廊下のずっと向こうのほうから誰かがやってくる予感。その人は私にとって間違いなく「福の神」だ。
【解説】 何やらぼんやりとして取り留めのない、“夢のような夢”だった。最後に誰かが来ることを私は予想していたが、相手は普通の人間ではなく、七福神の誰か(寿老人?)だったような気がする。



21日●……
【解説】 今夜は何か短い夢を見たのだが、目が醒めてすぐにメモしなかったため内容を忘れてしまった。しかし、さほど重要な内容の夢ではなかった気がする。



22日●ダライ・ラマ法王、空海を語る
まったく前後関係を思い出せないのだが、ふと気がつけば私のすぐ左側にダライ・ラマ法王がいらっしゃった。法王が何か話しておられる、その横顔を私はじっと見つめている。音声はなく、したがって法王が何をおっしゃっているのか耳には聞こえてこない。しかし私には法王のお言葉の内容がわかる。法王は、空海の意識について語っていらっしゃるのだ。
【解説】 弘法大師空海(の意識)と第14世ダライ・ラマ法王が登場するという、私にとってはお正月と誕生日が一緒に来たようなお芽出たい夢。空海の意識について語る法王のお声は「耳」には聞こえなかったが、おそらく私の「潜在意識」の中に静かに刻まれたのだろうと思う。ありがたいことだ(合掌)。



23日●……
【解説】 今夜はひどい腰の凝りで熟睡できなかった。それというのも、ブースケ(犬)とパンダ(犬)がトンデモなく邪魔な位置に寝ていたため、私は腰をひねったような体勢で、腕と脚をそれぞれ明後日の方向に曲げたまま寝なければならなかったのだ。結局、ひどく腰が凝って夜中に何度も目が醒めてしまい、夢を見るどころではなかった。


24日●書記役を務める
前後関係はまったく思い出せないのだが、私は筆記具を持ち、恐ろしい勢いで何かを書いている。そこは国会またはそれに類似した議会場で、おそらく私は書記役を務めているのだと思う。平仮名の混ざらない、漢字だらけの文章を書いていたようだから、もしかしたら今は空海の時代の日本、または唐かも知れない。しかし、私が持っていたのは筆ではなく万年筆だったような気がする。(時代考証がおかしいではないか?)と思いながらも、私は黙って書記の仕事をこなしている。
【解説】 夢のなかで時代考証を気にするなど、何やらおかしな夢だった。印象的だったのは、私が恐ろしい勢いでペンを走らせていたこと。最近はもっぱらパソコンばかり使っているし、パソコンが普及する前もワープロを使っていたから、現実世界にはペンを使って長文を書くことなど絶えてないのだが……。
【後日談】 この夢を見た2日後、宅配便を出すために近くのセブンイレブンに寄り、送り状をもらって宛名を書いていたところ、コンビニ店員の中年男性から「すごいスピード。書記みたいですね。ゆっくりで結構ですよ」と声をかけられた。そもそも東京のど真ん中でコンビニ店員から必要なこと以外を話しかけられるのは極めて稀な事態だし、しかも「書記みたい」という珍しい表現をされたことにビックリしながら、(そう言えば夢の中でも書記役を務めていたっけ)と思い、ちょっと妙な気分だった。



25日●たくさんの部屋を歩く
どっしりと重厚な日本家屋。高級旅館、または武家屋敷かも知れない。あたりは暗く、わずかに窓から入ってくる自然光だけが足もとを照らしている。この建物のどこかに私以外にも客人がいるような気配がするが、話し声はおろか、吐息すら聞こえない。完全な静寂があたりを支配している。私は足音も立てずに、部屋から部屋へと歩いている。いくつもの部屋。いかにも価値のありそうなアンティーク家具。何か事件が起きるわけでもなく、私はただその古い建物のなかを無言で歩いている。
【解説】 夢の最後に私はどうなったのか。この夢に「落ち」はあったのか。そのへんのことは全く覚えていない。覚えていないということは、おそらく何の「落ち」もなかったということだろう。重厚で落ち着いたイメージの夢だった。



26日●みかんの生(な)る箱
見わたす限り一面に「箱」のようなものが並んでいる。すべて同じサイズの立方体だ。小さな部屋、または倉庫だろうか。どの箱も、6面のうちの上の面だけが無いので、上空から見ると箱の中を見ることができる。どの箱の中にもみかんの木が茂っており、たくさんの実が生っている。葉の緑と実のオレンジ色の対比が美しいと思う。
【解説】 この夢には前後にもストーリーがあった気がするが、なぜか思い出せない。現実世界でも最近は毎日のようにみかんを食べているうえ、「庭爺」というmixiアプリでも爺さんの庭にたくさんみかんの木を植えている(笑)。それでみかんの夢を見たことは想像に難くないのだが、そう言えば昨夜の夢にもたくさんの部屋が並んでいる光景が現われた。これは一体どういう意味だろう。



27日●水鉄砲で水を飛ばす
大きな建物から出たすぐ外側に、コンクリートで地面を固めた細長い水場のような施設があった。そこはプールに入る前の足洗い場に似た場所で、長さ5〜6メートル、幅は1メートルぐらい。途中にいくつかビニール製の衝立(ついたて)のようなものがある。それらの衝立はランダムに開いたり閉じたりする。私は水鉄砲で5〜6メートル先にある標的を撃とうとしている。衝立がすべて開いた瞬間を狙って水を発射するが、なかなか命中しない。それを繰り返しているうちに目が醒めた
【解説】 ただただ水鉄砲で水を飛ばしているだけの、単調な夢だった。そういえば昨日は、買い物へ行ったついでにポケモン水鉄砲(大安売りになっていた)を手に入れた。そのためにこんな夢を見たのだろう。



28日●たくさんのタイヤ
目の前でスポーツカーが斜めに(つまりタイヤ一つで)立っている。その上にはキムタクがバランスを保ちながら立っており、「俺って凄いでしょ」と冗談めかして言いながら笑っている。その光景を見ながら足早に歩いていると、急に場面が変わり、キムタクではない別の誰かが自分のことを「キレイ」「まじめ」「???」の3つの形容詞で自画自賛している場面に遭遇した。最後の形容詞だけどうしても思い出せないのだが、その言葉だけがヘンだと違和感を感じる。そのあと再び場面が飛んで、私は古代遺跡のような場所にいた(ガイドの日本人女性がいたような気がするが、その点はハッキリしない)。辺り一面に、ドーナッツ状の物が一面に広がっている。それは夥しい数の古代のタイヤ(石製)だったと思う。
【解説】 目が醒めてみれば、「タイヤ」ばかりが印象に残っている。そういえばつい最近、友人とスタッドレスタイヤの性能について話したので、その会話の印象が夢に現れたのかも知れない。キムタクが登場した理由はわからない。



29日●ボート乗り
異国的な風景。目の前に水が広がっている。それは大海原ではなく、湾または湖(つまり川ではない水たまり)だったと思う。私は5〜6人乗りの小さな手漕ぎボートに乗っている。船頭は太った初老の男性。どうもイタリア人のようだ。ということは、ここはヴェネチアあたりなのかも知れない。私は何も考えず、何も話さず、ただボートに揺られている。同行者はいない。そのあと、ボートとは関係のない出来事が起こった気がする(そしてそれは「黄色」に関係していたようだ)。しかし詳細は思い出せない。
【解説】 現実世界で最後にボートに乗ったのはいつだろう。まるで思い出せない。そう言えば少し前、母に「この春は矢切りの渡し(舟)に乗ってみない?」と誘ったところ、とても喜んでいた。もう少し暖かくなったら母と一緒に乗ってみようと思う。



30日●不快な女
知らない家。何の変哲もない一軒家。ここは私の家かも知れないし、別の人の家かも知れない。ドアが開き、一組の男女が家に入って来た。女の顔を見た途端、私はとても嫌な気分になった。この女には前にも逢ったことがある。年は40ぐらい。十人並みの顔形だが、どうやら本人は「私って可愛い」と思っているらしい。仕事はしておらず、子どももおらず、夫は朝から晩まで会社で働いているので、女は毎日遊んでいる。口八丁手八丁で男達をたぶらかし、うまいこと世の中を渡ってきた女のようだ。このとき女が、連れの若い男の名前を呼び捨てにした。その声を聞いた瞬間、私はさらに嫌な気持ちになって、早いところこの家から出たいと思った。そこでパッと目が醒めた。
【解説】 夢から醒めたとき、なんとも言えない不快な気持ちと、「絶対にこの女に関わってはいけない。彼女は性質(たち)の悪い女だ」という警告のような言葉が耳の奥に残っていた(それが誰の言葉なのかはわからないが)。こういうネガティブな夢は久々だ。ちなみに、今夜の夢に登場した女性は実在する。と言っても彼女には2度しか逢ったことがないし、それも大勢のなかのひとりだったので、どんな人なのか本当のところはわからないが。こんな夢を見たからには用心しようと思う。



31日●次々に顔を変える不気味な幽霊
見知らぬ家。昨夜の夢に登場した家と何となく雰囲気が似ているが、別の家だと思う。目の前にひとりの痩せた女性が現われた。それが幽霊のように不気味な風貌の女性で、白いロングガウンを纏(まと)い、顔色は紙のように白い。腰まで垂れた髪は半分以上抜け落ちて、額のあたりが禿げている。あっと思ったとき、女の顔はまったく別の男に変わっていた。その男も死体のように痩せて青白く、髪はほとんど抜け落ちている。そうやって、目の前にいる幽霊のような存在は首から上(つまり顔)だけが3秒に1度ぐらいの頻度で別人に変わるのである。私は(何これ? 私に何か調べて欲しいの?)と思いながら、彼らのどう見てもアンハッピーな顔を見つめている。
【解説】 昨日は、友人に誘われて『パラノーマル・アクティビティ』というインディーズ映画を観たのだが、それが実に薄気味の悪い悪霊退治映画で、この数年で私が観たすべての映画のなかでワースト3に入るヒドイ出来だった(※あくまでも個人的評価です)。映画の後味があまりにも悪かったので、夢にまで幽霊が現われたのだろう。





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