2011年1月


1日(初夢)●麻原将校?
前後関係がまったくわからないのだが、気がつくと目の前をふたりの男が歩いていた。ひとりは麻原彰晃。もうひとりはその側近または警察関係者のようで、麻原にピッタリくっついている。麻原の名前に関して何か発表があった。「彰晃」の文字を「将校」に変えるとか変えないとか、そんな話だったと思う。私は心のなかで「本物の将校に対して無礼だ! 謝れ!」と思いながら、同時に「もしかしてこれが初夢? ひどい夢だなあ(苦笑)」とも思っている。
【解説】 確かにひどい初夢であった。しかも夢の最後で「これは初夢だ」と理解していた自分もおかしい。しかし一体なぜ麻原彰晃が登場したのか。理由がわからない。まあ「夢は逆夢」とも言うし、この夢は見なかったことにしておこう(苦笑)。



2日●母とのお出かけ+お年玉2つ
母とふたりでどこかへ遊びに出かけた。具体的なことは一つも思い出せないが、とても楽しかった記憶が残っている。母は綺麗っぽいスーツ姿だったと思う。夜になってから共通の知り合い(または母の知り合い?)にバッタリ会った。その人との立ち話の中で、母が今朝の4時半に起床したこと、そのあと家庭菜園を耕していたら私が遊びに来たのでそのままの姿で出かけ、それから今までぶっ続けで遊んでいるのだということを初めて聞き知った。私は、(母はなんとタフな人だろう!)(家庭菜園を耕していた割には綺麗な服を着ているな?)という2つのことで驚いている。場面が変わり、目の前に竹筒のような物が見えた。そこに熨斗紙が巻いてあって、竹筒と熨斗紙のあいだにお年玉が入っていた。5万円だったと思う。私は(ラッキー!)と思いながらそのお金を頂いた。そのあと再び場面が変わり、先ほどの5万円よりもずっと嬉しい何かをゲットしたのだが、それが何であったかは思い出せない。
【解説】 この夢をみる直前に母と電話で話したので、それが今夜の夢の原因だろうか。このお正月はどうしても長野に帰れない事情があったため、母を東京に招待したのだが、母は母で長野に用事があったようで東京へ来ることができなかった。そんなわけで現実世界では今年はまだ母に会っていない。夢のなかで先に会ってしまった(笑)。



3日●大爆発
最初に何かストーリーがあって、不意に夢の画面の左側のほうで大爆発が起こったようだ。大きな赤い球形が見える。太陽(日の出)のイメージ。エネルギーの塊のイメージ。
【解説】 今夜の夢には長い物語があったように思うのだが、爆発のショックですべてが消し飛んでしまった。思い出せるのは「赤い球形のエネルギー」の強く明るいイメージだけ。



4日●オレンジ色、現る
最初にかなり長いストーリーがあって、途中でオレンジ色が現われた。「オレンジ色の何か」ではなく「オレンジ色そのもの」が現われたのである。完熟・成熟のイメージ。そのあと大勢の人達に会ったように思うのだが、具体的なことは思い出せない。
【解説】 昨夜と今夜、2夜連続して似たような夢であった。「赤」から「オレンジ」へ、「球形の塊」から「全体に広がる」へと色や形の変化はあったものの、基本的には同じイメージを感じた。そういえば昨年の暮れ、長年慣れ親しんだ黄色い年間スケジュール帳は買わずにオレンジ色の年間スケジュール帳を買った。それまでの10年近くは、毎年のように同じ黄色のスケジュール帳を買っていたのだ。しかし今回はなぜか黄色に少々違和感を感じ、隣に置いてあったオレンジを見て「これからはオレンジが私の色だ」と思ったのであった。そういえば私はダライ・ラマ法王から「ジャムヤン・ラモ」というニックネームを頂いているのだが、これは文殊菩薩を意味し、テーマカラーはオレンジ色なのだそうだ。2011年からはオレンジ色が私の色になるのかも知れない。きっとそうだ。



5日●悲しいお別れ
誰かと別れることが決まった。それが誰だったのか、なぜ別れるのか、詳しいことは全く思い出せないのだが、執事のような雰囲気の代理人の男性がやって来て、別れを予告してくれたのだ。話の内容とは裏腹に、その人はとても穏やかでにこやかで、天使のようにも見える。私はとても悲しい。しかし、この別れは既に決定していることなので、いくら悲しくても撤回することは不可能だ。私はポーカーフェイスのまま、悲しい事実を受け入れようとしている。
【解説】 目が醒めてからどんなに考えても、誰と別れることになったのか思い出せない。もしかするとあれは、実在しない人物の話だったのかも知れない。何か「死」に関する夢だったような気もするのだが……。



6日●アンディ・ウォーホールと鰒(ふぐ)
科学者(理学博士)のAさんの姿が見える。彼はこれから私にアンディ・ウォーホールを紹介してくれるらしい。視角の端に入る中空あたりに、「鰒」と書かれた小さな白い正方形の看板が見えた。
【解説】 今夜の夢には、とても長くて面白いストーリーがあったのだ。そして、科学者のAさんが登場したのは夢の最後だったのである。ところが起床してから思い出せるのは夢の最後部分だけ。残念。Aさんからは家族写真付きの年賀状を頂いており、その印象が強かったために夢に現われたのかも知れない。なお「アンディ・ウォーホール」にも「鰒」にも思い当たる節はない。



7日●白い正方形
たくさんの夢。たくさんの人々。楽しい会話。長い旅をしているイメージ。空中に浮かぶ白い四角形。あれは座布団なのかハンペンなのか。いや、おそらくあの正方形は宇宙船だろう。
【解説】 今夜も長い夢を見たのだ。ほぼ一晩中入れ替わり立ち代わり夢を見ていた気がする。しかし目が醒めた瞬間に具体的なストーリーを忘れてしまった。そういえば昨夜の夢でも小さな白い正方形が中空に現われたのだが……一体どういう意味だろう。



8日●スパイの密談
昔の純喫茶のような薄暗い空間。いちばん隅の席を陣取っている私とふたりの男。男たちの顔はまるで霞がかかったようにぼんやりと見えるだけだが、雰囲気としてはガタイの良い、ゴルゴ13系のスパイのようだ。私たちは声を潜めて何事か相談している。しかし、何の相談をしているのかは自分たちにもよくわからない。
【解説】 このあと私ひとりでどこかへ行き、誰かに会ったような気がするのだが、その詳細は思い出せない。



9日●不思議なパワーを持ったお婆さん
私は長い旅をしている。飛行機などの速い乗り物は使わない、静かな一人旅だ。ヨーロッパらしき古く重厚な町並み。雨に濡れたレンガの建物。そのような建物の中で、私は白っぽい服を着た優しそうなお婆さんに会った。言葉を交わさなくても近づいただけでパワーを感じる、不思議なお婆さんだった。そのあとも私は別の場所へと旅を続けたと思うのだが、詳細は何も覚えていない。
【解説】 今夜の夢に現われたお婆さんは果たしてどんな顔をしていたのか、目が醒めてみるとまったく覚えていない。西洋人なのか東洋人なのか、それすらも覚えていない。イメージとしては上品で優しそうな魔法使いのようだった。



10日●……
【解説】 今朝は(時計のアラーム設定を間違えたために)とんでもない早朝にアラームが鳴って目が醒めてしまった。そのため、残念なことに見た夢をすっかり忘れてしまった。



11日●馬から落ちて落馬して
mixiやFacebookらしきSNSを徘徊している。いろいろな人が書き込んでいるさまざまな文章を読んでいると、いわゆる「馬から落ちて落馬」的な文章をたくさん発見した。たとえば「落雷が落ちる」とか「首を締めて絞殺する」とか「油を給油する」のように、同じ意味の言葉が重複した文章である。私はそれらの書き込みに対して「馬から落ちて落馬ですよ」といちいちコメントしている。一晩中そうやって間違い探しをしていたような気がする。
【解説】 そういえばつい最近、息子と「馬から落ちて落馬」に関するおしゃべりをした気がする。その影響で今夜の夢を見たのだろうか。なお、よく知られた「馬から落ちて落馬して……」の全文は以下のとおりである。いにしえの昔の武士の侍が、馬から落ちて落馬して、女の婦人に笑われて、赤い顔して赤面し、家に帰って帰宅して、自分の妻の細君に、遺書を書いて書き置きし、仏の前の仏前で、小さな刀の短刀で、腹を切って切腹した。



12日●静かな邪気を放つ男
はじめのうちは、何か平凡で穏便なイメージの夢を見ていたのだ。しかしふと気がつくと、さまざまな場面に青白い顔をした男が存在することに気づいた。その男はおそらく白人で、年齢は60〜65歳ぐらい。ひょろりと痩せて、顔も細長い。縁無しのメガネを掛けている。表向きは知的な職業に従事しているような雰囲気だ。男は薄笑いを浮かべ、何やら嫌な感じのオーラを立ち上らせている。何か胸騒ぎのする、“邪気”という言葉がぴったりのオーラだ。私は(この男にはをつけよう)と思っている。
【解説】 実は、夢に現われた男にかなり似た風貌の男性を、現実社会でもひとり知っている。通り一遍の付き合いなので、その人がどんな人物なのか詳細はわからないのだが。気をつけようと思う。



13日●神社でスパイと落ち合う
みなぎる静謐。清浄できりりと引き締まった空気。広いスペース。遠くの方に人影がちらほら見えるほかは、動く物は一切存在しない。ここは素晴らしく霊気のみなぎった神社で、私はその境内をひとり歩いている。この敷地内のどこかで、ふたりの男たちが私を待っているようだ。彼らは――そして私も――スパイなのだと思う。我々はここで何かの受け渡しをする(あるいは既に受け渡しを済ませた)らしい。詳細は思い出せないが、それは繊細かつ世界を揺るがすような仕事だったと思う。
【解説】 8日に引き続き、早くも今年2度目のスパイの夢である。今夜の夢には楽しくも複雑なストーリーがあったのだ。そのことは感覚的に思い出せるのだが、具体的な内容はすっかり忘却の彼方へと消えてしまった。しかしあの清浄で引き締まった神社の空気は、なかなか良かった。



14日●窓の外に見える宇宙の秘密
遊園地らしき場所。バルーン形またはラグビーボール形の巨大な乗り物。この乗り物が地上数メートルのところでグルグル回転するとき、そこに乗っている者たちは、窓越しにとてつもない光景を見ることが出来るという。ただしその光景を見るためには、肉眼ではなく、カメラを使わなければならない。私は興奮しながら全力で駆けて行き、その乗り物に乗ることができた。内部は飛行機のファーストクラス席のような造りになっており、かなりゆったりした座り心地だ。乗員は全部で40〜50人といったところ。世界中の人々が集まっているようで、ターバンを巻いたシーク教徒の姿や、子どもの姿も見える。やがて乗り物がほんの少し宙に浮き、そのままグルグルを回転し始めた。ただちに沸き起こる大歓声。誰もがカメラを手に、窓の外に見える光景を凝視している。そこに何が見えたのか全く思い出せないのだが、それは宇宙の秘密とか生命の起源のような、とてつもなく美しい何かだった気がする。私は恐ろしいほど興奮しながら、その美しさに魅了されている。
【解説】 今夜の夢のなかで、私は一体何を見たのだろう。それはかつて見たことのない美しい光景だったはずなのだ。ところが目が醒めてみると、何を見たのか全く思い出せない。ただ、恐ろしいほどの胸の高鳴りと陶酔感だけが残っている。



15日●スパイとの密会
黒っぽいスーツをビシッと着こなしたふたりの男が後ろから歩いて来る。ふたりともヒョロリと背が高い。そのうちのひとりは黒縁眼鏡をかけており、いかにも知的なイメージ。彼らはスパイで、私の仲間だ。私たちは他人のような素振りで道を歩いているが、これから路上で何かを受け渡すのだと思う。
【解説】 8日、13日に引き続き、またしてもスパイの夢である。一体どういうことだろう。何を受け渡そうと思っていたかは謎。



16日●宝探し中に仲間とはぐれる
私は4〜5人の人々とグループを組んで宝探しをしている。女性は私を入れて2人、残りは男性だった気がするのだが、このあたりは感覚で覚えているだけで、詳細は定かでない。宝探しには時間制限があるため、非常にあわただしい。私たちは手分けをしてあちこち走り回っている。もうひとりの女性と私だけが駅のような場所にやってきた。その女性は、私の母と娘を足して2で割ったようなイメージの人で、年齢不詳。気の置けない、“身内”な感じがする。そこへ電車がやって来たので、私は構わず飛び乗った。しかしその女性は私ほど俊足ではないため、電車に乗りそびれてしまった。駅を出発する電車。プラットフォームに取り残された女性の姿が小さくなってゆく。舌打ちする私。彼女に「次の駅で降りて待っているから、そこで落ち合おう」と伝えたいのだが、なんと携帯電話がない。そのあと夢の場面が切り替わって新しいストーリーになったと思うのだが、その詳細は思い出せない。
【解説】 何日か前、数人の仲間と一緒に「リアル脱出ゲーム」なるものに参加した。男性3人、女性2人のグループで、娘も一緒だった。ゲームの途中、全速力で走らなければならない場面が何度かあったのだが、その際、娘は私より走りが遅いことが露呈した(足の速さと年齢はあまり関係ないのかも?)。今夜の夢には、そのときの印象が現われた感じ。



17日●おませな幼稚園児の求愛
幼稚園の入り口のドアが見える。建物の中から園児の男の子が走り出てきて、1枚の紙を扉の上方に貼り付けた。そこには「天いわく……」で始まる難解な日本語が書かれている。高尚な哲学書の一節、あるいは孔子の教えのようにも見える文章だ。男の子が立ち去ると、続いて園児の女の子が出てきた。彼女は紙に書かれた事柄を読むと、何事もなかったようにその場を立ち去った。このとき女の子が紙を持ち去ったかどうかは不明だが、どうやら紙に書かれたことは男の子から女の子へのメッセージらしい。次の日も、その次の日も、そのまた次の日も、男の子は難しい教訓のような文章を紙に書いては扉の上方に貼り付ける。女の子は毎日その紙をちらっと眺めると、何事もなかったように去っていく。そんな日が続いたあと、ある日、女の子は初めて返事をしたため、扉の上方に貼り付けたのだった。そこには「遠回しにグチャグチャ言ってないで好きなら好きと言えばいいでし」という意味のことが書かれていた。女の子が去ったあと、男の子はその紙を読み、照れたように頭を掻きながら笑った。
【解説】 今夜の夢は、一点にカメラを据えて一連の出来事を観察しているような、映画のような夢だった。つまり私の視点は「幼稚園の扉」から一瞬として移動しないのだが、そのなかで物語はどんどん進行してゆく。男の子が遠回しな方法で告白をし、ついにはその恋が実るまでの数日間の物語だ。それにしても驚くほどオマセな幼稚園児だったこと!



18日●嘘をついて後悔する
大勢の人が次々に現われる。見たことのない人たちだが、いかにもプライドが高くお金持ちといった雰囲気の男女だ。彼らに向かって私はひとりの男性の名前を告げながら、「彼と7年間ほど付き合っていたことがあるんです」と嘘をついた。その男性が誰だったかは思い出せないが、どうやら有名な人だったようで、私の言葉を聞くと誰もが「まあ、あの人と付き合っていらっしゃったの!」と驚いている。しかし、その人と付き合っていたというのは真っ赤な嘘なのである。私は(どうしてこんな嘘を付いてしまったのだろう)と後悔するのだが、口を衝いて出る言葉は何故か「ええ、そうなんです。お付き合いしてたんです」という嘘の上塗りなのだ。話を聞いた人たちは私の言葉を信じたようで、お互いの顔を見合わせ感心したように頷き合っている。私は何度も心のなかで(なぜ付き合ったこともない人と付き合ったって言っちゃったんだろう!)と自分を責めるのだが、既に嘘をついてしまったのだから取り返しがつかない。この話はすぐに世間中の噂になり、私から名指しされた男性の耳にも入るだろう。その人は「付き合ったことなんかありませんよ!」と激怒するに違いない。ああ、私は何故あんな嘘をついたのだろう。とてつもない後悔の念。ところが暫くして私はこれがすべて夢であることに気づき、どっと安堵したのだった。
【解説】 嘘をついてひどく後悔する夢を、2〜3年に1度ぐらいの頻度で見る。夢の中では死ぬほど後悔しているのだが、目が醒めてからよくよく考えると、それほど深刻に悩む必要もない内容だったりするのがおかしい。今夜の夢で私は一体誰の話をしていたのだろう。まったく記憶にない。おそらく実在しない人の話だったのだろうが、それにしては後悔の仕方が尋常ではなかった。これぞまさに「くやみ損」という感じ(苦笑)。



19日●後ろからつけて来るスパイたち
前後関係は思い出せないが、歩いている私の後ろから少なくとも2人のスパイがつけて来る。黒い服を着た男たちだ。先頭のひとりはひょろりと痩せて背が高く、細面の顔で黒縁眼鏡をかけている。彼らは特に何をするでもなく、ただただ私を尾行しているようだ。私は心のなかで冷静に(この人たちは少し前の夢にも現われたのでは。となると、これも夢かも知れないぞ)などと考えている。特に展開があったわけではなく、私もスパイもただ道を歩いていたようだ。
【解説】 今月は8日、13日、15日にもスパイの夢を見た。なかでも特に黒縁眼鏡のスパイは、何度もしつこく夢に現れるようだ。とは言え彼の顔には特徴がない上に眼鏡の印象が強く、具体的な目鼻立ちは思い出せないのだが。スパイ物の夢だというのに、緊張感や切羽詰まった感じが全くなく、ただのんびり歩いているだけなのも奇妙なことだ。



20日●4日目の出来事を思い出せない
私はノートを広げ、日記をつけている。4日分の日記を一挙に付けているのだが、4日目の出来事だけがどうしても思い出せない。(昔のことは覚えているのに最新の出来事が思い出せないとは奇妙だな)と思っている。
【解説】 夢のなかで日記やメモを書き留めることがよくある。必死で長文を書いた末に、目を覚ました瞬間それがすべて水泡に期したときのガッカリ感といったらない(苦笑)。今夜もかなりの長文を書いたはずだが、あれがすべて夢だったとは残念。



21日●自分の夢について語る息子
自宅のリビングルーム。私はテーブルの上に朝食を並べている。そこへドアを開けて入ってきた息子がいきなり、「今夜はたくさん夢を見たような気がする」と言った。私が「どんな夢を見たの」と聞くと、「それが何故か一つも覚えていないんだ」という答えが返ってきた。そのあと全く違う夢をみたように思うのだが、その内容は思い出せない。
【解説】 そう言えば息子は「(自称)あまり夢を見ない人」で、たまに夢を見たときは必ず私に報告してくる。子どもの頃からずっとそうだった。息子と私は同時に似た夢をみることも多く、あるときは金色の龍が登場する凄い夢を同じ夜に別の場所で見た。親子とは不思議なものなり。

【後日談】 この夢を見た直後に、起床してきた息子がいきなり「今夜はなんだか随分たくさん夢を見たぞ。内容は一つも覚えていないけど」と言った。あまりにも夢の内容とビンゴ!


22日●……
【解説】 今日は仕事で徹夜。ゆえに夢も見ていない。



23日●生きたまま少女を焼く
病室らしき殺風景な部屋。目の前には見知らぬ家族。50歳前後の痩せた夫婦と、彼らの娘らしき小学3年生ぐらいの少女。少女の弟や妹たちもいたかも知れない。少女は目がパッチリと可愛らしく、健康そうだが、実は不治の病に冒されているという。今は穏やかに微笑んでいるが、もうすぐ耐えられないほどの痛みが彼女を襲うらしい。みずからの病気を理解している少女は、安楽死を選んだようだ。しかしその方法が強烈で、なんと生きたまま彼女を焼くのだという。ベッドの上方に一辺が2メートルほどの金属製(?)の箱があり、その中が焼き場になっている。私は(こんなむごい安楽死の方法が本当にあっていいのか?)と思うのだが、少女も家族もこの方法を納得しているらしい。やがて少女は自分から箱に入った。スイッチが入れられ、みるみるうちに中が灼熱地獄になったようだ。少女の断末魔の悲鳴が聞こえてきた。両親はほんの少し悲しそうに、しかしあまり表情のない顔で立ち尽くしている。少女の悲鳴は止まらない。私は(なんというむごたらしい安楽死だろう)と思いながら、早く彼女が楽になれるようにと心から祈っている。悲鳴は30秒から1分ほど続き、やがて何も聞こえなくなった。
【解説】 実に恐ろしく、気味の悪い夢だった。そういえば昨夜は就寝前に某SNSで「自分は病気のためもう長くない」という若い男性の書き込みを読んだのだ。その男性は友人の友人で、私は一度も会ったことがない人だが、その書き込みは妙に心に残るものだった。おそらくそのことが今夜の夢に影響しているように思われる。しかし生きたまま人を焼くとは。たとえ夢でも恐ろしい。



24日●ピンクとオレンジの風船
道路を歩いていると、向こうから風船が2つ近づいてきた。風船を持っている人の姿は、人混みにまぎれて見えない。人々の頭の上に2個の風船だけがプカプカと浮かんでいるのだ。風船のうち1個はピンクで、もう1個はオレンジ色。どちらかがハート型で、もうひとつは縦に細長いダイヤ型だったと思う。風船はゆっくりと私についてくるようだ。夢にはもっとストーリーらしいものがあったかも知れないが、この部分しか思い出せない。
【解説】 この夢を見る数日前、娘夫妻が大きな風船を2個持って帰宅した。可愛らしいイルカの形をした風船が2つ向い合ってキスをしているデザインだ。パーティーで人からもらったという。今夜の夢に現われた風船は、おそらくそのイメージの残像だろう。なお、オレンジは今の私がいちばん好きな色。ピンクは昔は嫌いだったけれど今は好きな色である。



25日●危ない吊り橋をスキーで渡る
山深い渓谷のような場所。気がつくと吊り橋の端に立っていた。橋の幅は人一人がようやくひとり通れる程度。両側の手すりは1本1本の感覚が広く、よほど気をつけて歩かないと簡単に隙間から落ちてしまいそうだ。私はスキーを履いている。どうやらこのまま向こう側まで滑らなければならないらしい。これまでの成功者はゼロ。全員が手すりの隙間から真っ逆さまに落ちたという。私は心のなかで(まあ、一か八かやってみるしかないな。それに、こういうことは何も考えず頭を空っぽにしてチャレンジすれば、案外何とかなるものだ)と冷静に思っている。私の左隣には審判のような人が立っていて、無言で(あるいは旗を振ったかも知れない)スタートの合図をした。私は思い切って無心にスタートを切り、猛烈な勢いでその狭い吊り橋を渡りきって、無事に向こう側へ辿り着くことが出来た。
【解説】 状況としては至って危険なのだが、そこにいる私は実に冷静で度胸もすわっていた。子どもの頃だったら、これは明らかに心臓バクバクの恐ろしい夢だったと思うのだが。年齢と経験の積み重ねによって怖いものが減ったということか。



26日●大きな橋の上で無重力歩行
夜の街。すぐ近くに海を感じる。見たことのない街でありながら妙に懐かしい感じ。ここはオーストラリアのシドニーなのだと思う(※但し実際のシドニーとはまるで風景が違っているが)。私は大きな橋の端っこのほうにいる。それはとても立派な、高速道路のようにも見える橋で、何度もゆっくりと蛇行しながら緩やかに下っている。橋の両側には、レンガ造りの5〜6階建てのビルが並んでいる。重厚なイメージ。今は深夜で、ビルの明かりは消えている。あたりには人の姿もなく、1台の車も走っていない。私は橋の右側を駆けている。不思議なことに、普通に走っていても私の体はふわりと大きく空に舞い、10メートルほど先に着地するのである。その「ふわっ」とした感じは、今まで一度も経験したことのない、なんとも言えない快感だ。「無重力」という言葉が脳裏に浮かぶ。あまりにも気持ちがいいので、私はこのままずっと夜の街を跳ねていたいと思う。
【解説】 昨日に引きつづき、二夜連続で「橋を渡る」夢だった。実は、昨夜は胃がキリキリ痛んで夜中に何度も起きてしまったのだ。今夜の夢は、胃痛と胃痛の間に訪れる穏やかな時間に見たのだと思う。なんともファンタスティックで気持ちの良い夢だった。生まれてからこれまでに見たすべての夢のなかで、今夜の夢は間違いなくベスト5に入ると思う。実際には胃痛で調子の悪かった日にこんな素敵な夢をみるなんて、人生は不思議だらけである。



27日●チョコレートに関する報告
若い女の子(娘?)からチョコレートのことで報告を受けた。しかし、それがどんな報告だったかは覚えていない。
【解説】 チョコレートの夢を見たことは確かだが、ストーリーを忘れてしまった。バレンタインデーに関係のある夢だったのかも知れない。



28日●視力検査の結果で女医とモメる
小さな女の子の姿が見える。その子は小学校低学年生で、近眼なのか分厚いレンズの眼鏡を掛けている。彼女に視力検査を受けさせるべく、私たちは大病院に来ているようだ。女の子と私は母と子、または祖母と孫、または保護者と被保護者のような密な関係だ。女の子の視力検査のあと、ツンケンした印象の若い女医が現われて、「このお子さんの視力は眼鏡では回復できないほどひどく低下しています。もうダメですね」というようなことを言った。私は不安に思いながら「『もうダメです』とはどういう意味でしょうか」と尋ねた。すると女医は「手の施しようがないということです」とけんもほろろに答えた。私は暗澹とした気持ちになりながら、「一体、この子の視力はどのぐらいなのですか。具体的な数値を教えてください」と重ねて尋ねた。すると女医はカルテをみながら「0.8しかないんです」と呆れたように言うではないか。私は驚いて、「はあ? 0.8で手の施しようがない? 冗談も休み休み言いなさい。私も小学校2年生のときは視力が0.9しかなかったし、今は0.09あるかないかです。それでも裸眼で普通に暮らしていますよ」と応戦した。女医が驚いたような顔で言葉に詰まったので、私は心の中で(この藪医者!)と呟きながら女の子の手を引いて病院をあとにした。
【解説】 全くわけのわからない夢。現実世界では眼科に行く予定もないし眼鏡が話題にのぼった覚えもない。女の子の顔にも見覚えがない。ただ、夢に現われた女医は、少し前に行ったことのある犬猫病院の女医さんと顔が似ていたようだが。



29日●特殊素材で出来た棒を割る
博物館の部屋のような、あるいは昔の王様の墓の内部のような、広く静かな建物の中にいる。同じ部屋には15〜20人ぐらいの人々がいる。彼らは私と同じグループのメンバーらしい。全員が知的で落ち着いた雰囲気。何かの調査団かも知れない。天井の中央あたりから、細長い棒のようなものが水平に下げられている。この棒は特殊な素材(超ハイテク素材、あるいは未来において開発される予定の素材)で出来ているのだという。カーボンの一種のように見えるが、違うかも知れない。とても軽くて柔らかく、しかしある一定のショックを与えると粉々に分解するそうだ。同じ部屋にいたメンバーのひとり(おそらく夫)がいきなりその場でジャンプしながら、「ほら、こういうふうに壊れるんだよ」と言うなり素手で棒を叩いてみせた。たちまち棒は粉々に割れ、青白い光を放ちながら空中で飛散して消えてしまった。そのあとのことは何も思い出せない。
【解説】 今夜はこの他にも3つ、全部で4つの異なる夢をみたように思うのだが、ストーリーを覚えているのはこの夢だけ。



30日●女友達、バラナシへ引っ越す
岩山を掘って作ったような石の部屋。小さな正方形の窓の外には、美しい山々と森林が広がり、小鳥がさえずっている。その部屋の中で、私は女友達と話している。何の話をしていたのかは思い出せないが、その女性は美容師のTさんとH報堂のAさんを足して2で割ったような可愛らしい風貌だ。気がつくと彼女が去り、代わりに別の女性が目の前に立っていた。彼女は私に向かって、「(最初の子は)先日バラナシへ引っ越したんですよ。向こうで元気にしているようです」と告げた。私は少し驚きながら(元気ならそれで良いのだが、それにしても何故、藪から棒にバラナシへ?)と思っている。
【解説】 バラナシはガンジス川中流域に位置するヒンドゥー教の聖地。日本ではベナレスとも呼ばれる。沐浴風景が有名だが、私は長いこと訪ねていない。また今のところ再訪の予定もない。何故こんな夢をみたのか、まったくの謎



31日●白っぽい正方形
白くてやわらかそうな正方形。おそらくクッションではないかと思うのだが、それがこちらに向かって宙を飛んで来る。受け止めようとしている私。
【解説】 今夜の夢はもっと長く、ストーリーらしきものもあったのだ。が、思い出せるのはこの部分だけ。そういえば昨夜の夢にも正方形の窓が登場した。材質は違うが、両者にはなにか共通するものを感じた





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