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2003年7月4日号(第98号)
今週のテーマ
すべての道がローマに通じるならば
 6月19日から一昨日までのちょうど2週間、ギリシアとイタリアを取材旅行してきました。

 帰国後は、時差ボケも覚めやらぬまま、
『ブースケとパンダ』シリーズ第2弾の出版に向けての最終調整と、8月開催予定の日本文化デザイン会議の準備、それに12月出版予定のミステリー小説の執筆で目のまわるような忙しさが続いております。

※ちなみに『ブースケとパンダ』シリーズ第2弾は、東京都内では7月25日頃から書店に並び始める予定。タイトルや価格などは、次の週刊マミ自身で発表しますネ。ちなみに表紙の目印は、思いっきりハデハデな黄色
の色合いと、中身の入ったラーメン丼を皿回ししているブースケ&パンダです。どなたさまも、お見逃しなく。っていうか、見逃したくても見逃せないハデさですが(笑)。

 …というわけで今週はものすごく忙しく、旅の感想をゆっくり書いている時間がないのだブー(←困ったときだけ、いきなりブースケ口調)。
 ですので今回の「週刊マミ自身」は、旅先で撮った写真を中心に構成させていただきます。


 今回、旅のメインの目的はギリシアの島巡りにありました。
 その中でも特に、ラフカディオ・ハーンの生家があるレフカダ島と、ギリシア神話の中で名工ダイダロス(イカロスの父)がラビュリントスと呼ばれる迷宮を作ったされる
クノッソス宮殿をこの目で見ることが、何よりの楽しみでした。

 紺碧のエーゲ海に浮かぶ、純白の島々…。涼やかな風をイメージして出かけた私でしたが、何のことはない、行く先々で日中の気温は連日40℃に迫る勢い。

「これじゃインドと大して変わりな〜い!」

って感じの猛暑でございました。

 なかでも特にインドっぽかったのは、ギリシアの首都アテネ。
 じっとしているだけで汗が噴き出してくるほどの暑気、都市計画ゼロって感じに道路がゴチャゴチャに入り組んだ迷宮ぶり、カラカラに乾いた埃っぽさ、あちこちに
ゴミが落ちている具合、人々のいい加減さ(3人の人に道を問えば3通りの答えが返ってくる)などなどなど、状況はまさにデリーそっくりなのでした。

 こんな状況で本当に2004年にオリンピックを開催できるの?…な〜んてことを本気で心配しているギリシア人は、おそらくひとりもいないのでありましょう。
 そして、そんないい加減さが、この国の最大の魅力なのかも知れません(ま、そういうことにしておきましょう(笑))。

 それではいよいよ、旅物語の始まり始まり〜。

アテネ, ギリシャ(Athens, Greece)

 到着して最初にビックリしたのは、この国には空港での入国審査がない(!)という驚嘆すべき事実。
 これまで、世界中あちこちを旅してきた私ですが、入国審査なしにいきなりタクシー乗り場に行けちゃった国は、ギリシアが初めて。
 いえね、ギリシアにも、入国審査があることはあるらしいんです。でも、到着したのが夜中だったため、係官が全員家に帰ってしまった後で、入国審査する人がいなかったらしいんですよね(凄まじすぎる…)。

アクロポリスのエレクティオン神殿にて。後方に見
える柱は全部で6本。すべて女性の姿をしています





2004年開催予定のアテネ・オリンピックに備えて
改装中のパルテノン神殿。ずいぶんのんびり働
いていたけど、本当に来年までに間に合うのかな





お昼を食べたタベルナ(ギリシア語で「レストラン」
の意味)で食事の前に出されたパンとオリーブ・ペ
ースト。ペーストの味はお味噌によく似てます!

レフカダ島, ギリシャ(Lefkas Island, Greece)

 島とは言え、レフカダとギリシア本土は橋で繋がっています。
 ちなみに、ラフカディオ・ハーンの生地であるレフカダ島は、ハーンが没した東京都新宿区と姉妹都市を提携しているんですよ。
 メジャーではないけれど、静かな良い島でした。今回の旅の中では、イチオシ!

ラフカディオ・ハーン(日本名・小泉八雲)
の生家前にて。こんなに光眩しい南国に
生まれて、ハーンは何ゆえ「怪談」などに
心惹かれたのでしょうね?





同じくラフカディオ・ハーンの生家(2階部分)。この
あたりは質素な漁村。ハーンの一家も魚捕りを生
業にしているとのことでした




平凡な、しかし写真を撮らずにいられ
ないほど南国的な海岸線が続きます




断崖絶壁の下にあるビーチ。陸に接し
ていることが信じられないほどの透明
度でした




地元の人がみんな飲んでいたアルファ
・ビールは、海産物との相性バツグン

クレタ島, ギリシャ(Crete Island, Greece)

 半人半牛の怪物「ミノタウロス」を閉じ込めたと言われる「ラビュリントス迷宮」がある島です。
 島にはいくつか大きな街がありますが、その中で私が好きになったのはレシムノン(Rethimnon)という港町。古い街並みが保存されていて、ゆっくり寛ぐことができました。

オリンピック航空の機内に預けたスーツ
ケースを乱暴に投げられた結果、いちば
ん上の部分を壊されてしまいました。「弁
償しま〜す」と保証書(もどき)を書いて
くれたけれど、「ごめんなさい」の一言は
ついにありませんでした(苦笑)




ところでそのオリンピック航空のロゴマークですが、
オリンピックなのに、五輪ではなく何故か六輪!




島のいたるところで見かけたパイナッ
プルのお化けのような植物。どなたか
名前をご存知でしたら、山田真美まで
お知らせください♪




クノッソス宮殿の有名な“百合の王
子”の絵の前で




魚介類が美味しくて頬っぺたが落ち
そう。これはイカ料理♪





食事を注文すると必ず付いてくるのが、オリーブ(右
下)、オリーブオイル(左下)、魚のすり身がたっぷり
入ったペースト(上)。パンに塗って「頂きま〜す♪」





街角の本屋さんで見かけた爆笑モノの一冊。なん
と、イスラム教徒になったブッシュが表紙!





「100円ショップ」を真似た「1ユーロショップ」にて。
発想は良いんですけど、置いてある品物はイマイ
チ。ここで買った電池をカメラに入れたところ、写真
を3枚撮っただけで切れちゃいました
サントリーニ島, ギリシャ(Santorini Island, Greece)

 「消えたアトランティスはサントリーニ島のことだ」と主張する学者もいるぐらい、非常に神秘的でエキゾティックで、エーゲ海らしい風景の拡がる島。
 昔々、火山の大爆発によって島の大部分が水没してしまったとのことで、サントリーニ島の周囲には、もとは一個だった島の“かけら”が、小島となっていくつも浮かんでいます。
 

絵に描いたようにエーゲ海らしい風景。サントリーニ
島ならでは風景。ただし島自体は非常に小さく、1日
あれば全部観光できます




ギリシアの国旗をバックに、はいポー
ズ♪ ギリシアの国旗が青と白である
ように、
この島のシンボルも紺碧の海と
空、それに真っ白な家




サントリーニ島では、人や荷物を運搬
するためにロバたちが大活躍!

ヴェニス, イタリア(Venice, Italy)

 空港に着くなり王子様が自家用ボートで出迎えてくれました(笑)。この街では条例により、自動車やバイクや自転車の走行が禁止されているのです(子どもの乗る三輪車だけはOK)。
 ヴェニスで「乗合バス」と言えば「乗合ボート」のこと。どこに行くにも、とにかく舟がなければニッチもサッチも行かない街ですね、ホント。
 ちなみに、前回の週刊マミ自身でも取り上げた“王子様”のお屋敷は、部屋数およそ300室! ただしヴェニスの街からは電車で1時間半ほどかかってしまうため、今回は王子様の本宅ではなく別宅(それでも総3階建てのゴージャスさ!)のほうにお世話になりました。

 なお、ヴェニスから王子様の本宅に向かう途中には、なんとブースケという名前の街があるんですって(爆)。つづりはBOOSUKEではなくBUSCHEですが、発音はハッキリと「ブースケ」だそうです。
 王子様の話によれば、ブースケは「とりたてて何もない、退屈な街」で、「唯一の特産品は牛乳」だそうです。
 ブースケ牛乳…。話のタネに飲んでみたかった〜!(笑)

ヴェニスの王子様こと、ステファノ・ヴィ
タレさんと、ヴェネチア・ビエンナーレ会
場入り口にて。王子様は、実は「ニュー
ヨーク・タイムズ」や「ビジネス・ウィーク」
からイラストを依頼されるほど国際的な
アーティストなのでございます♪




今年のヴェネチア・ビエンナーレの公式
ポスターを描いたのは、 日本人アーテ
ィストの村上隆さん。ちなみに村上さん
と私は、 8月22日〜31日まで六本木ヒ
ルズで開催の日本文化デザイン会議
でご一緒にお仕事する予定です





微動だにしないから「胸像かな?」と
思ったら、全身に白いドーランを塗っ
たパフォーマーでした!




かつて多くのユダヤ人が強制収容されたゲットーに
て。ちなみにゲットーとはイタリア語(ヴェニスの方
言)で、「コンクリートの一塗り」という意味





ニューヨークの出版社でアート・ディレクターとして
活躍中のパメラさんとヴェニスで密会(笑)。実は
この会見も、今回私がヴェニスを訪問した大きな
目的だったのであります。ムフフ♪ (ちなみに、
後方のブタはブースケではなく、ヴェネチア・ビエ
ンナーレの出品作のひとつ)




ヴェニスの人たちがよく食べる、イワシの酢漬け。
かなり美味です。日本人の舌にも合います!

ローマ, イタリア(Rome, Italy)

 すべての道はローマに通ず(All roads lead to Rome)と言いますが、私の座右の銘は、「すべての道がローマに通じるならば、ドン・キホーテよ、でたらめに行け」。
 どのみちローマにたどり着けるなら、くよくよ案じることなんて何もありません。それぞれの行きたい道を、自信を持って進んで行こうじゃありませんか。

 いや〜それにしても今回は、ムチャクチャ暑い旅でした。
 バッチリ日焼け止めクリームを塗って外出していたにもかかわらず、たったの2週間ですっかり焼けちゃいましたよ!

コロセウムの遺跡にて。この日のロー
マは、日中の気温が40℃を突破! 暑
くて暑くて、インド人もビックリって感じ





トレヴィの泉にて。この池に背中を向け
て水の中にコインを放ると、もう一度ロー
マに来ることができるという伝説がありま
す。…私はやりませんでしたけど(笑)






どう見たって地下鉄の入り口にしか見
えないこの通路、実はスーパーマーケ
ットへの入り口なんです(嘘だと思うな
ら、右手前の手押し車を見よ!)
 あっ、そうだ。たった今思い出したのですが、今回のローマ訪問中には、ヴァチカン市国にも行ったのでした。

 つまり、今回の旅で訪問した先は2カ国ではなく、ギリシア、イタリア、ヴァチカン市国の3カ国だったというわけです。
 面積0.44平方キロメートル、人口わずか770人世界最小の独立国家ヴァチカン市国への入国に際しては、査証はおろかパスポートも不要。
 ただし宗教上の理由から、ノースリーブやショートパンツなど肌を露出した服装での入国は不可ですので、訪問を予定していらっしゃる方はくれぐれもご注意くださいマセ。

ヴァチカン市国の入り口に立っていた
服装規制に関する看板





ヴァチカンの中央広場にて




ヴァチカン市国で見かけたキリスト教(ローマン・カ
トリック)の尼僧たち




オリーブオイルとパスタばかりで過ごし
た2週間。最後の最後についに耐えられ
なくなって、中華料理店に
飛び込んでし
まいました。ううう。哀れな仔羊(私)をお
許しくださ〜い♪
 さてさて、お約束しておいたお土産(読者プレゼント)ですが、今回はギリシアとイタリアから、それぞれ1点ずつご用意しました。

2004年アテネ・オリンピックの公式Tシャ
ツ。私がヴェネチアで着ていたのとお揃
いのデザインです。男女兼用のフリー
サイズ





イタリア産の白ワイン。実は私も飲んで
いないので、甘いのか辛いのか不明。
いいかげんでゴメンネ(笑)
 プレゼントをご希望の方は、

  @ご希望の品名
  Aお名前(本名でもハンドルネームでも可)
  B性別
  C年齢
  D山田真美の著書のうちで、いちばん好きな作品の名前
   (お読みになったことがない場合は、これから真っ先に読んでみたい作品1冊)

 以上の事柄を書いて、7月18日(必着)までにメールにてご応募ください。

 応募先: mami@yamadas.jp

 たくさんのご応募、お待ちしていま〜す。当選者の発表は週刊マミ自身99号で。
 ではでは♪
事事如意
2003年 7月4日
山田 真美