2011年7月


1日●巨大津波で全世界が沈没
気がつくと目の前がすべて水だった。大きな波。右から左へ、左から右へ、上から下へ、下から上へ。天地がひっくり返ったような凄まじい波、波、波。水の塊。私は特に苦しみもせず、濡れることもなく水の中にいる。波間に何かがそびえ立っているのが見えた。よく見るとそれは富士山の頂上付近ではないか。どうやらこの世界は3000メートル以上、水没してしまったらしいのだ。(どうやらヒマラヤを除く全世界は沈没したんだな)と思ったところで目が醒めた。
【解説】
なんとも恐ろしい内容の夢だが、全体の雰囲気はなぜか穏やかで美しく、一幅の絵でも見ているようだった。それにしても3月11日以降、この手の夢をよく見る。見なくなる日は、いつになったら訪れるのだろう。


2日●誰かの心臓が痛い
夢の中で誰かの左胸が痛いと感じる。心臓だろうか。一体、誰の心臓が痛いのだろう。黄色い花のイメージ。
【解説】 最後の「黄色い花」が意味不明な夢だが、目醒めると一瞬、心臓のあたりがズキッと痛かった。もしや問題があるのは私の心臓? あるいはそのあたりの筋肉痛?



3日●座敷わらしに出会う
上へ上へと伸びてゆくスパイラル状の物が見えた、と思う間もなく、不思議な雰囲気の女の子と遭遇した気がする。言葉を交わしたわけではないが、ひと目見るなり「この子は座敷わらしだな」と思った。しかしそれ以外のことは何も思い出せない。
【解説】 目が醒めてみると女の子の顔も思い出せない。まるで形のない「雰囲気座敷わらし」に逢ったみたいだ。



4日●知り合いの女性の急な老け込み
駅のような雰囲気の場所。前方から、どこかで見たことのある女性が足早に歩いて来た。ほんの少し丸まった背中。白髪のひっつめ髪。よくよく顔を見たところ、その人は知人のE子さんではないか。E子さんは50代の女性だ。しかし今ここにいるのは、どう見ても70代の女性である。E子さんはちょっと微笑んだ顔で通りすぎて行った。その表情からだけでは、私がいることに気づいたのか気づかなかったのか判然としない。私は(E子さんは何故急に老け込んでしまったのだろう)と思っている。
【解説】 E子さんという人は、普段からあまりオシャレに気を使わない人で(あるいは彼女なりに気を使っているのかも知れないが、いかんせんセンスがよろしくない)、そのせいか若々しさがないと言うか実年齢よりも老けて見える。しかしそれにしても今夜の夢に現れたE子さんは、背を丸めた白髪のお婆さんになってしまっていた。いくらなんでも、これはヒドすぎる。現実世界ではここ暫くお目にかかっていないだけに、E子さんのことがちょっと心配になった。



5日●空母「飛龍」の艦上で豊島一を探す
前後関係が思い出せないのだが、気がつくと私は船の甲板上にいた。巨大な船。しかしそこに人の姿はない。何やら異次元を漂っているような不思議な静寂。ふと艦橋を見ると、端のほうにピストルが落ちていた。それを見て、(あ、どうやらここは第ニ次世界大戦の現場らしい)と気がついた。巨大な船・艦橋・ピストル。これらのキーワードが頭の中でぐるぐる回り、私は自分が乗っている船が空母「飛龍」であることにようやく気づいた。落ちているピストルは山口中将の持ち物だろう。私は無意識にピストルを拾い上げていた。予想外にずっしりと重い。(そうだ、今すぐ豊島一を探し出してインタビューを始めなければ)と思い、手当たり次第に走りながら豊島を探すうちに目が醒めてしまった。
【解説】 なんともカオスな夢だった。この船はどうやら旧日本海軍の空母「飛龍」で、艦橋に落ちていたピストルはミッドウェー海戦中に艦と共に沈んだ山口多聞海軍中将の持ち物だったらしい。そして、私が探そうとしていた豊島一(とよしま・はじめ)は飛龍所属の零戦パイロットである。彼はダーウィン攻撃の直後にオーストラリア軍の捕虜となり、南忠男(みなみただお)の偽名で知られるようになった男である。カウラ事件発生のとき、彼は突撃ラッパを吹いて死んだ。今夜の夢の中で私は豊島一を探し出そうとしていたが、それはもちろんカウラ事件に関するインタビューを行なうためだ。しかしよく考えてみれば、ダーウィン攻撃(1942年2月19日)はミッドウェー海戦(1942年6月5〜7日)より4か月ほど早く行なわれてしまっているので、この船の上に豊島がいるはずはない。そのことに気づかず、夢のなかの私は必死で豊島を探していた。彼をインタビューしたい(彼の話が聞ければカウラ事件の研究が一気に進むから)という現実の叶わぬ夢が、こんなところに現れたようである。



6日●「う」で始まる歌のメドレー
最初に誰かから、「『う』で始まる歌を思い出せる限りたくさん歌ってください」と言われた気がする。詳しい状況はわからないが、ここはクイズ大会の会場なのかも知れない。最初に思い出したのが『上を向いて歩こう』だったので、それを歌いながら心の中で、(私はなぜ『上を向いて歩こう』を歌っているのだろう。大震災の後だからか。普段は歌わない歌なのに、なぜこの歌を選んだのだろう)と自問自答している。歌いながら、次は歌詞が「牛」で始まる歌を歌いたいと思った。しかし「牛」で始まる歌がどうしても思いつかない。そうこうしているうちに『上を向いて歩こう』の歌唱が終わりかけてきた。これを歌い終えたら即座に2曲目を歌い始めないと失格となるのだ。どうしても「牛」で始まる歌が思いつかなかったので、私は代わりに「馬」で始まる歌をうたうことにした。
【解説】 このあと夢がどうなったのか、どうしても思い出せない。しかも「馬」で始まる歌なんて一つも知らないし。むしろ無難に『ふるさと』(うさぎ追いしかの山……)とか、『津軽海峡冬景色』(上野発の夜行列車降りた時から……)とか、『海』(海は広いな大きいな……)あたりを歌っておけば良かったと思うのだが、夢の中では思いつかなかったようだ。



7日●……
【解説】 今夜は仕事で1時間ほどしか寝られなかった。そのためか、夢を見た記憶はない。



8日●……
【解説】 今夜も仕事でほぼ徹夜。夢は見たような見なかったような。よく覚えていない。



9日●論文を書き直す
一生懸命に論文を書き直している。書いているうちに興が乗って、どんどん筆が走り始めてしまうので、むしろそれをセーブするのが大変だ。原稿用紙にして100枚ぐらい一気に書いてから、「さて、このうちの80%は捨てなければ。どこを捨てようか」と思っている。
【解説】 なんとも“もったいない”夢だった(苦笑)。夢の中で費やした時間と努力、あれは何だったのだ。誰か、夢の中で書いた原稿を現実世界へ持ち帰る方法を確立してくれないか。それができればノーベル賞受賞決定(笑)。



10日●水羊羹を食べながら論文を書き直す
昨夜の夢のつづきのような場面。昨夜書いた原稿がどうも気に入らないので、再び一から原稿を書き直している私。再び恐ろしい勢いで筆が進む。なぜパソコンを使わず手書きなのか、その理由は不明。執筆途中でS社の編集者さんがやって来て、水羊羹とペットボトルに入った冷たいお茶を差し入れてくれたような気がする。その水羊羹がとても美味しかったので、どこへ行けば買えるのか電話で問い合わせようとしているところで目が醒めた。
【解説】 昨夜に引き続き、またしても恐ろしい勢いで論文を書いている夢だった。それにしてもあの水羊羹は美味しかったな。現実ではあり得ないほどの美味であった。目が醒める前にもう1個食べておけばよかった。



11日●ビキニに着替えて宇宙遊泳の準備
小さなカプセルの中。よくわからないが、どうやら私は大気圏外にいるらしい。これから宇宙遊泳をすることになったので、その準備をしなくてはならない。狭いカプセルの中で派手な水着(ビキニ)に着替えたような気がする。そのときに見えた自分の体は、中学生ぐらいの痩せっぽちな女の子に戻っていたようだが、それ以上に詳しいことは思い出せない。
【解説】 時間にして1秒ぐらいの短い夢だった。ビキニで宇宙遊泳ができたら楽しいだろうか。いや、特に楽しくはないような気がする。ビキニといったら、やはり海だろう。それにしてもビキニなんて中学生のとき以来、一度も着たことがない。西洋のご婦人を見ると、おばあさんになっても堂々とビキニを着ていらっしゃる。たまには私もマネしてみようか(笑)。



12日●ブースケと列車で旅をする
列車の窓からブースケが首を出している。窓の外には、森や畑がどこまでも広がっている。田舎の風景。土と木々のやさしい色合い。胸一杯に吹いこみたくなる香り。ブースケは一生懸命に身を乗り出して景色を眺めている。私はブースケをしっかりと抱きしめて守っている。
【解説】 特にストーリーのない、ただ静かな時間が流れてゆくような夢だった。そういえばブースケも今年の暮れで9歳になる。ブースケを見ていると、(うちにやって来て、この子は本当に幸せなのかな。もっと幸せにしてやる方法があるんじゃないだろうか)と思うことがある。おそらくそれは考えすぎなのかも知れないが、ともかく、どんなに可愛がっても可愛がり過ぎることはない感じがするのだ。どうしてブースケは犬なんだろう。もしも人間の子どもなら一緒に色々なところへも行けるのに。……などということを日頃から考えているので、こんな夢を見るのだろう。ああ、それにしてもブースケと列車の旅がしてみたい(笑)。



13日●……
【解説】 今夜は仕事のために鳥取へ車で移動。ほとんど寝なかったので、夢らしき夢を見ていない(と思う)



14日●カウラの幻影
突撃ラッパの吹き方を研究している。なかなか難しい。「たかがラッパ」と思っていたが、これほど難しいものとは知らなかった。今回のラッパは歴史に残るものになるから、どうしても完璧に吹かなければいけないのだ。のちの世の作家たちがこぞって、このラッパのことを書くことになるのだから。ラッパを練習しているのが南忠男(カウラ事件で実際に突撃ラッパを吹いて亡くなった元零戦乗り)なのか、あるいは私自身なのか、そのあたりのことは、実はよくわからない。
【解説】 この夢は鳥取市内のホテルで見た。昨日からカウラ事件の関係者を取材して歩いている。そのため、夢もすっかりカウラモードになってしまったようだ。南忠男と自分が一心同体になったような不思議な感覚の夢だった。



15日●ある女優のB級犯罪疑惑
たまにテレビで見かける、某女優さんの姿が見える。名前はわからないが、イメージとしては二流かニ流半ぐらいの女優さんだ。前後関係はハッキリしないが、どうやら彼女は犯罪を犯したらしい。それも、とても陳腐なB級犯罪だ。(どうせなら女優らしい華やかな事件を起こせば良かったのに。プロとしてB級な人は犯罪を犯してもB級だな)と私は冷ややかに思っている。そのうちに、ふと、(この女優は知人の奥さんではないだろうか)と思い至った。仮にそうだとすれば、彼女の犯罪が露見すれば知人の社会的地位も失墜するだろう。私は知人のことを少しだけ心配している。その後、実は彼女が犯罪に加担していないことが判明した。私は知人のために喜んでいる。
【解説】 そういえば、何年か前にもこの女優さんは私の夢に現れたことがある。そのときも何か陳腐な役どころだったような記憶がある。もっとも、この人をテレビや映画で観ることは昨今ほとんどないので、今この人がどうしているのかは知る由もないのだが……。彼女のように、親しくないにもかかわらず何度も夢に現れる人がいる。不思議なことだ。



16日●「ス」はスイカの「ス」
気がつくと何か歌を歌っていた。まったく聞いたことのないメロディーと歌詞なのだが、夢の中ではそれは大変“有名な曲”とされているようで、私は迷わずよどみなく歌っている。しかしその歌詞がかなりヘンで、「スーはスイカのスー」という感じなのだ。歌いながら私は(スイカって西瓜だろうか、それとも酢イカ、あるいはJRのSuica?)などと思っている。
【解説】 わけのわからない夢。少し前に「酢イカ」が食べたくなってコンビニで買い、それを精算する段になってレジで「Suicaでお願いします」と言ってから、自分で自分の言葉に笑い出しそうになったことがある。そのイメージが夢になったのかも知れない。



17日●虫刺されで唇が腫れる夢
気がつくと娘が目の前に立っていて、笑いながら「上唇を虫に刺されてね、どんどん腫れ上がってタラコ唇みたいになっちゃった」と言った。ところが、見たところ唇は腫れていない。「全然、どこも腫れてないよ」と告げると、「いや、そういう夢を見たのよ」との答えである。ふーんと思ったところで目が醒めた。
【後日談】 この夢をみた直後にmixiを開くと、友人の日記に「昔、寝ている間に虫に唇を刺され、どんどん腫れ上がってアマゾン奥地の部族の人のように上唇だけが腫れていたことがある」と書かれていた。なんというシンクロニシティ(苦笑)。



18日●ビルから飛び降りて死ぬ人達
見知らぬ街。大きくカーブした広い道路。道の片側には高いビルが建ち並んでいる。反対側には海が見えたような気がするが、気のせいかも知れない。ビルの上からひとりの女性が身を投げた。ぐちゃぐちゃになった死体が道路を汚している。何人かの人が近寄って、眉をひそめて何か囁き合っている。私も近寄って死体を見た。30歳前後の白人女性だ。髪の辺りまで伸ばしたカーリーな金髪。身なりも良く、貧しい人ではないらしい。それにしても死体の破損状態がひどい。私はそれを詳しく検証している。その直後に、別のビルからも誰かが身を投げた。今度も30代ぐらいの白人だ(性別はよくわからなかった)。死体の傷み具合は最初の人ほどひどくないが、ともあれ即死である。私は心のなかで(やはり、こういうことは続くんだな。死のうかどうしようか迷っていた人が、最初の自殺者に背中を押されるような形で飛び降りてしまうんだろう)と思う。このあとも、きっと何人か飛び降り自殺が続くだろうと思い、私は(空から降ってくる人の巻き添えになるのは真っ平御免なので)外出を控えることにした。
【解説】 死体、しかもぐちゃぐちゃに破損した死体が登場するという、なんとも不気味な夢……のはずなのだが、意外にも夢全体の雰囲気は整然としており、特に気持ちの悪さは感じさせなかった。それにしてもシュールである。こんな夢を見るのも「3.11ショック」の後遺症だろうか。



19日●床の上に飛び散ったガラスの破片
何がどうしたのか思い出せないが、気がつくと床の上でガラスが割れて飛び散っていた。「危ないから気をつけて」という誰かの声。割ったのは私かも知れないし、ほかの誰かかも知れない。また、最初にガラスだと思ったものは、厳密には陶器だったような気もする。そのように、いくつかの不確定要素はあるものの、ともあれガラスが砕け散っていることだけは確かだ。私は怪我をしないよう慎重に歩いている。
【解説】 目が醒めた瞬間、これは夢なのか現実なのか一瞬わからず、そのへんにガラスが落ちているのではないかとキョロキョロ見回してしまった(苦笑)。何かの警告だといけないので、ガラスや陶器には気をつけようと思う。



20日●一卵性双生児
教室のような部屋。室内には、そっくりな顔のふたりの人間がいる。一卵性双生児だろう。そのとき誰かが私に「本物はどっちだと思いますか」と聞いた。私は急に自分の顔を見たくなった。なぜならば、もしかしたら私も彼らと同じ顔のクローンかも知れないからだ。「鏡、ありませんか」と言おうとしたところで急に場面が変わり、夢は有耶無耶になってしまった。
【後日談】 この夢を見た直後にHさん夫妻と朝食をご一緒のだが、そのとき彼らがいきなり始めた会話というのが、「東大附属高校には一卵性双生児がたくさん入学しているんですよ」という話だった(注/Hさんは東大出身の研究者さん)。要は、遺伝に関する研究(?)のために一卵性双生児をたくさん入学させているらしいのだが、「教室」「一卵性双生児」というキーワードは今夜の夢とまさにビンゴである。フ・シ・ギ。


21日●教壇に立つ20数年後の義理の息子
大学の教室。教壇に立って講義をしている50歳ぐらいの教授は、よくよく見るとうちの娘の旦那さん(※実際の年齢は20代なかば)ではないか。顔立ちは今のままで、適度に年を取り、頭には少し白髪が混ざっている。(あれっ、すると今は西暦何年だろう?)と思って日記帳を見ようとしたところで目が醒めた。
【解説】 短い夢だった。娘の旦那さんは美術史の研究者。将来的には、きっと教壇に立つだろう。その瞬間を「先取り」してきたような、おかしな夢だった。そういえば何年か前には、実の息子が少し年を取った姿も夢に見た。自分自身の老後は……チラッと見てみたいような、見たくないような(笑)。



22日●……
【解説】 今夜は夜中に蚊に刺された。痒みで何度も起きてしまい、夢は見たはずだが内容を覚えていない。



23日●ピアノがいきなり倒れてきた!
山小屋の書斎。親戚の人(?)が2〜3人いたような気もするが、具体的に誰だったかは思い出せない。地震があったのか、なかったのか、そのあたりの記憶も定かではないが、アップライトピアノがいきなり大きく前傾し、倒れてきた。幸い誰にも当たらなかったが、私は夢の中で(これは正夢かも知れないから、ピアノのそばで昼寝をするのはやめよう)と思っている。
【解説】 夢の中で、(これは夢だ)と理解していることは、私の場合あまり珍しくない。夢の中でもすこぶる客観的な視線を持っていたりする。こんな夢をみた日には、自分はちゃんと眠っているのだろうかと疑わしく思う(苦笑)。いずれにしても、ピアノには気をつけたい(最近はさっぱりピアノを弾いてあげないから、今となっては倒れるぐらいしか能がないのかも知れない)。



24日●長いロープウェイの乗り場にて
山の中。レトロな感じの二人乗りロープウェイが、ゆっくりと動いている。私は2〜3人の日本人と一緒で、ロープウェイの順番を待っているらしい。その人達は、知らない顔でありながら、夢の中では「気心の知れた人達」という設定のようだ。この先には山と渓谷の大自然が広がっていて、ロープウェイはどこまでも続いているようだ。何時間も乗るのかも知れない。ともかく想像もつかないほど大規模で、しかもユニークな地形らしいのだ。私はとても幸せな気持ちで順番を待っている。
【解説】 少し前に鳥取砂丘でロープウェイに乗った。非常に短いものだったが、なにしろロープウェイに乗るなど数十年ぶり(?)のことで、胸がわくわくしたものだ。そのわくわく感が大規模になって今夜の夢になったのだろう。ハッピーな夢だった。



25日●前方後円墳形の何かがついて来る
それが何であるかはわからないが、前方後円墳のように円と正方形が合体した形の何かが見える。鍵穴を巨大化した形にも見える。夢の中で私はずっとその形のことを考えている。というのも、私がさまざまな場所へ移動するたびに、例の前方後円墳もピッタリとついて来るからなのだ。それは、何かとても神聖で大切な物に思われる(実際、そうなのだと思う)。不意にユダヤの失われた十部族について思い出した私は、(秘密はヒマラヤの中に封じ込められているんだよね)と思う。
【解説】 なんとも怪しい夢だった。前方後円墳の形は、実際、古代ユダヤ関係のさまざまな場面に現われるのだが、それが何を意味するかは古墳を調査してみない限りわからない。古墳を公開すれば驚くような発見があるだろう。ま、知らないほうが幸せということもあるけれど……(意味深長な書き方でスミマセン(笑))。



26日●肉の塊
驚くほど大きな顔の人があらわれた。顔の長さだけで1メートルはありそうだ。まったく現実感のない、漫画の中からそのまま抜け出てきたような面相。風船のように大きく膨らんだ肉の塊。色白なデブ。いろいろな言葉が頭に浮かんでは消えるが、なかでは「肉の塊」がいちばんピッタリな気がする。そういえばこんな漫画があったけど、あれは誰の作品だったっけ。(地獄のミサワか?)と思った瞬間に目が醒めてしまった。
【解説】 目が醒めてから冷静に考えたら、あれは間違いなく地獄のミサワの登場人物のうちの誰かだったと思う。なぜあらわれたのかは、全くの謎。



27日●柔らかい枕
お店らしき建物。天井まで届く高い棚に、さまざまな寝具がたくさん積まれている。私はそこに頬をすり寄せて(気持ちがいいなあ)と思っている。そのなかにビックリするほど柔らかで、うっとりするほど私好みの枕があった。それを抱きかかえてレジの方へ歩いてゆく。このときお店全体の様子が初めて見えたのだが、どうやらそこはオーストラリアだったような気がする。
【解説】 私は枕が苦手である。特に、ホテルや旅館で出してくれるような厚い枕はお手上げだ。低い枕ならどうにか使えるので、枕を買う時は赤ちゃんコーナーで探すことにしている(笑)。今夜の夢で見つけた枕は、ありえないほど柔らかな肌触りだった。あれは地球外マテリアルだったのかも知れない。。



27日●種を蒔く
気がつくと一生懸命に種を蒔いていた。麦わら帽子の後ろに布が付いて首をすっぽり覆うタイプの、何という名前かは知らないが農家のおばさん達がかぶっているような帽子をかぶり、なぜかモンペを履いて、私は畝(うね)の中に種を蒔いている。今は戦時中の食糧難の時代なのかも知れない。
【解説】 起床してから、(あの帽子は戦時中にはまだなかったはずでは? この夢は時代考証がおかしい)と不意に思った。まあ、それはさておき、現実世界でも少し前に庭に数種類の種を植えた。また、今は戦争中の論文を書き進めている。それらのイメージがごっちゃになった夢だったようだ。また例の帽子は、現実世界でも買いたいと思っている(なにしろ山小屋で使えそうなので)。



27日●……
【解説】 今夜の夢をメモしたはずなのだが、その紙をなくしてしまった。残念ながら、もう内容を思い出せない。



30日●アントニオ猪木さん(?)出演の可愛いCM
大滝詠一の『カナリア諸島にて』が爽やかに流れている。目の前にジャングルらしきワイルドな風景が広がっており、その上にはボートが浮かんでいる。乗っているのは、ちょっとワイルドで可愛い感じの25歳ぐらいの男性だ。どこかで見たことがある懐かしい顔立ち。そうだ、この人はアントニオ猪木さんではないか。しかし目の前にいる人は、実際の猪木さんよりずっと若く、甘くかわいい顔立ちで、アゴもそれほど出ていないが。そのアントン似の男性が目の前に大写しになっていて、その手前には、彼の口元にお菓子(プリッツのように細長い棒状のスナック)を運び食べさせようとする女性の手だけが写る。男性はちょっと困惑したような顔をしている。この映像、どうやらお菓子のCMらしい。そして、この男性は期待の新人的な立ち位置の俳優さんらしい。「へえ! 猪木さんは俳優業もしてたんだ?」と思ったところで目覚ましが鳴り、目が醒めてしまった。
【解説】 夢に現れた猪木さん(もどきの男性?)も可愛かったが、なんといっても大滝詠一のクラシックがさわやかで、夢見の良い夢だった。ちなみに『カナリア諸島にて』はこんな曲です(私の大学時代の定番ソング)。





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