2011年9月


1日●派手な三角帽子をかぶった真顔の人々
橋または道路の上。向こうから数人の男女が足早に歩いて来る。彼らは若めのオトナ(20代〜30代ぐらい)で、時間を気にしながらせかせか歩いている感じは、いかにも通勤途中という風情だ。彼らはなぜか一人残らず(パーティーでかぶるような)派手な「三角帽子」をかぶっている。ピンク、青、グリーン、金、銀……さまざまな色合いの三角帽子をかぶった人達が無口に、真顔で通り過ぎてゆくシュールな風景を、私は何ら疑問にも思わず、風景の一部として眺めている。
【解説】 一瞬の夢だった。歩いていた人達の顔は覚えていないのだが、思い出そうとすると『こびとづかん』のミニカワ(醜いけど可愛い)ならぬミニミニ(醜くて醜い)な顔がなぜか脳裏に浮かぶ。



2日●とてつもないテクノロジーの研究
北東の方向にある小さな町。そこに、選抜された優秀な科学者が集められ、とてつもない研究が進められている。(こんなテクノロジーが密かに開発されていたのか)と驚いている自分。いつからこんな研究が進められていたのだろう。私が生まれる前からか。すると自分の誕生も、このテクノロジーの影響を受けているのではないか。見学を終えた私は、気がつくと東京(?)に帰っていた。その町は、北関東または東北地方の山の中にあったような気がする。
【解説】 この夢を見て思い出したのだが、そう言えばアメリカのテネシー州の山の中にオークリッジという町がある。住民の多くが博士号(または最低でも修士号)取得者という町で、要はアメリカ版の「つくば」である(歴史的にはもちろんオークリッジのほうが古い)。日本に落とした原発もオークリッジで造ったものだ。今夜の夢は、そのオークリッジを思い起こさせるような雰囲気だった。しかし、夢の中で何のテクノロジーが研究されていたのかは不明。



3日●……
【解説】 今夜は気分を変えるため、山小屋の中のいつもと違う部屋で寝てみたのだ。そのせいかどうかはわからないが、見たはずの夢を覚えていない(夢を見たような記憶はある)。旅先で見知らぬ部屋に泊まっても夢を覚えているのに、おかしな話だ。



4日●折り紙の奴さんのダイビング

気がつくと私の視線は水平線の高さにあった。ということは、私は鼻のあたりまで海に浸かっていたのかも知れない(ただし息苦しさはないし、水に濡れている感じもない)。数メートル先に白っぽいものが見える。折り紙で折った奴さんだ。あっと思う間もなく、奴さんはザブリと頭から海に潜ってしまった。(紙だから溶けちゃうよ)と私は思ったのだが、奴さんは溶けることなく何度も何度も無言でダイビングを繰り返していた。なんともシュールな雰囲気。
【解説】
ごく短い夢だったが、白い奴さんが何とも印象的だった。そういえば最近、折り紙をしていない。



5日●
案山子
田んぼの匂い。たくさんの案山子。その奥に見え隠れしている「M」の字、あれはおそらくラスボスだ。
【解説】
何か面白い風景を見たように思うのだが、どうしても思い出せない。田んぼの畔に案山子(かかし)がたくさん立っている、その中に「M」の字が見えたと思うのだが、もしやあれは松長製菓(まっちょうせいか)のマッチョメマンだったのでは?(※松長製菓に関するは往年の名作『まことちゃん』をご覧ください)



6日●つらつらつらら

どこかから所ジョージさんの歌声が聞こえてくる。「つーらつらつーらっら、つーらっら、つーらっら」という呪文のような言葉。そして私の目の前にある軒(のき)からは、長いツララが何十本も下がっている。(そういえばこんな歌が確かにあったな)と思い、一緒に口ずさもうとしている私。それにしてもこのツララは石柱のようだ。大昔、高校の地理の授業で習ったカルスト地形に関する知識が頭に浮かぶ。石柱、石筍、ドリーネ、ウバーレ、ポリエなどの単語が脳裏をぐるぐると巡っている。
【解説】
目が醒めてから、(よくもまあ高校時代に習ったカルスト地形について覚えていたものだ)と我ながら感心した。所ジョージさんの歌はよく知らないが、この「ツララ」という歌だけは妙に印象深く思い出す。しかしこの夢の意味はまるきり不明。



7日●……

【解説】
今夜はマジックショーの打ち合わせで仙台のホテルに泊まった。色々と準備があってほとんど寝る暇がなかったせいか、夢を見た記憶がない。



8日●坂道を登れず恥ずかしい思いをする
インドのどこか。目の前は大通りで、何百人という人が道端にたむろしている。私は家族(?)と一緒で、今からどこかへ移動するところらしい。タクシーを拾おうと思うのだが、家族が一人の運転手に目をつけて、"Your face is very good!"とか訳のわからないことを言い、その運転手を雇ってしまった。私の目から見ると、それは唯の気の弱そうなインド人だった。年齢は30歳ぐらい。ところが彼の車はタクシーではなく、なんとオートリキシャ(幌付きの三輪バイク)なのだ。これで長距離を移動するのは実に至難の業である。仕方なく彼のオートリキシャに乗り、いざ走らせてみたところ案の定走れない。坂道を登りきれず、ずるずると下がってしまった。そのあと2度ほどトライしたが、何度やっても坂を登れない。周囲の群衆はそれを見て大笑いしている。私は大変恥ずかしい思いをしている。
【解説】 何度も何度も坂を登ろうとして登れない、実にショボいオートキリシャ。不憫というか恥ずかしいというか腹が立つというか。いかにもインドっぽい夢だった。



9日●「火」という形の生き物
オレンジ色の炎が「火」という字になって、まるで生き物のように歩いている。「火」は身長30センチぐらいで、ちょっと小太り。ダンスでも踊りだしそうな足取りで、いかにも楽しそうだ。私は「火」がほかの物に燃え移らないように見張っている。
【解説】 少し前に、某所で小火(ぼや)を見かけた。そのときに「火ってつくづく恐ろしいな」と思った気持ちが今夜の夢には現れたのかも知れない。半分楽しく半分怖い夢だった。



10日●巨大迷路のような街で
最初に長方形の貯水池が見えた気がする。全体に迷路のようになった街。見知らぬ外国。雰囲気はインドっぽい。私は心のなかで(前にもここで迷ったことがある)と思っている。同じ所を自動車で2周したようだが、結局最後まで迷路から脱出することはできなかったようだ(もっとも、最初から脱出することが目的ではなかったような気もする)
【解説】 一体何の夢だったのか、目が醒めてみるとテーマがわからない。迷路のような街にいたことは確かだが、その他の詳細は思い出せない。自動車を運転していたのが自分なのか他の誰かなのか、そのあたりも不明。



11日●爆発寸前の車輌に取り残されたインド人
気がつくと池の前に立っていた。長い距離を走ったらしく、私の背中は汗でうっすら濡れている。池のほとりにはジープのような自動車が停まっていて、運転席に35歳ぐらいのインド人の男が座っていた。彼は何らかの装置によって肉体を座席に固定されており、自動車には爆破装置が仕掛けられている。一定の時間が経過すると起爆装置が働いてガソリンに引火し、男は車ごと吹き飛ぶのだ。「助けてくれ」と(ヒンディー語で)泣き叫ぶ男。私は助けを呼びにどこかへ走って行くのだが、どう考えてもこの男を助ける手立てがないことは最初からわかっている。大勢のインド人が車に近づいて男を助けようとしている。
【解説】 そういえば今夜の夢に登場した男は8日の夢に登場した運転手とよく似ていたような気がする。この顔、以前にもどこかで見たことがある気がするのだが……一体誰だろう。気になる。



12日●「だからもう大変なんだよう」
聞き覚えのない女の声で、「『だからもう大変なんだよう』って言いましたね。見たくないって」と言っている。早口。金属的な声質。
【解説】 まったく藪から棒な夢だった。この前後にストーリーがあったのかなかったのかも不明。しかも声の主の顔などヴィジュアル面の記憶はない。



13日●幼い娘を探して駆け回る
前後関係はわからないが、ハッと気がついた時は既に夕方で、仕事を終えた私は自分が停めた自動車を探していた。今朝、仕事を始める前にどこかに車を駐車したことは確かなのだが、おかしなことに朝の記憶が全く残っていない。車と一緒に、娘をカバンに入れてそのまま置いてきたのだ。娘は無事だろうか。心配で心配で、私は必死で走ろうとするのだが何故か足が言うことを聞かない。鉛のように重い足を引きずりながら、恐ろしくもどかしい気持ちでイライラしている。刻々と暗くなってゆく見知らぬ街。途中で2人の中年男と何か話をしたような気もするが、彼らからも情報は得られなかったようだ。そのうえ彼らはチンピラ風で、どう見ても善良な人間には見えなかった。私は必死で「娘を置いてきた場所」を思いだそうと努めている。私は娘を大きな半透明(?)のかばんに入れたまま、自動車の運転席と助手席の間あたり(ベンチシート)に置いて来たようなのだが、そのあたりの記憶がひどく曖昧だ。あせり。もどかしさ。夢の最後まで私は娘に逢えない。
【解説】 幼い子をかばんに入れたまま自動車に置いてくるとは、いくら夢の中とは言え穏やかでない。最近はこの手の虐待が実際に存在するようだから全くシャレにもならない。現実の私は、子育てはまあまあキチンとやったほうだと思う。もちろん、娘をかばんに入れて置き去りにするなんて恐ろしいことは考えたこともない。だから、夢の中でなぜ自分がそんな恐ろしいことをしていたのか、理解の域を超えていると言わねばならない。そう言えば昨夜は就寝前に、「娘はシドニーでどうしているかな」と(何に関する事柄であったかは思い出せないが)ふと心配になったのだ。その不安な気持ちが今夜の恐ろしい夢になって現われたのだと仮定すれば、現実世界において娘が無事でいるための代替として、夢のなかの娘が犠牲になったのだとは考えられないだろうか。ちなみに、今夜の夢に現われた娘は1歳ぐらいだった(実際には26歳の元気な人妻です(笑))。



14日●「手品でしょうか?」「いいえ、○○です」
籠の中に「あれ」を入れ、2〜3枚の小さな布を被せただけで、「あれ」は消えてなくなる。手品でしょうか?いいえ、○○です。
【解説】 例の「こだまでしょうか?」というACのコマーシャルのような夢だった。籠の中に入れた「あれ」。は生き物だったと思うのだが、具体的に何の生き物かは全く思い出せない



15日●紐が短すぎて結べずイラつく
気がつくと私は2本の紐を結び合わせようとしていた。ところが、いかんせん紐が短すぎて、どうにもこうにも結ぶことが出来ない。何度もチャレンジしては果たせず、私は次第にイライラしてきている。
【解説】 この夢は、現在の私の「メチャクチャな忙しさ」から来るイライラ感をとてもよく表わしているように思う。今年、私は恐ろしく忙しい。大学院に進学しようとようやく決めた矢先に大震災が起こり(※なんと大震災発生の日が合格発表の日と重なった!)、それらに伴って「どうしても今年のうちにやらなくてはならないこと」の量が例年の2倍ほどに増えてしまったからである。おそらく人は、そんな私を見て「もっとゆっくり生きればいいのに」と思うかも知れないが、人にはそれぞれの宿命というか、巡り合わせのようなものがあるのだ。それを神の意志と呼ぶ人もいるかも知れない。私は「大自然の摂理」と呼んでおくことにする。ともあれ、それは決して抗えない何物かなのだ。大学院に入ることも、震災の復興のためにマジックショーを開催することも、共に私に課せられた今年の宿題なのだと思う。どちらも「私」にしか出来ない、そして「今」を逃したら二度と出来ないことなのだと思う。だから忙しいこと自体は少しも苦にならないのだ、幸いにして体力もあるし。しかしそんな中、昨日は某オッサンの発言にかな〜りカチンと来たのであった(しかも私はそれをオトナの笑顔でニッコリ受け止めた)。これが今夜のイライラ夢の原因なのだろうと思う。要するに、まだまだ修行が足らんってことよね(苦笑)。



16日●ガキデカのように目の大きな文部大臣
目の前に、恰幅のよい(要は肥満体の)中年男性がいる。名前は「森さん」というそうだ。この人が日本の新しい文部大臣だという(※文科大臣ではなく、あくまでも文部大臣)。この人の特徴は、驚くほど大きな瞳である。普通の人の3倍は優にあるだろうか。まるで少女漫画の主人公並みだ。と言って、ハンサムかと言えば決してそんなことはない。むしろガキデカに似ている。この文部大臣はとにかく大声で「わはわは」とよく笑う。口達者というか、弁舌がなめらかだ。そして、人の噂によるとカメラの腕はプロ並みらしい。この人が皆の注目を集めてしまったので、総理大臣とその妻は「森文部大臣と友達になりたい」と思いながら憧れの目で森さんを見つめている。
【解説】 全くわけのわからない夢。物の喩えにしろ「ガキデカ」という昭和の言葉が出てくること自体がおかしい(しかも私はこの漫画を読んだことがないのだ)。文部大臣という呼称も懐かしすぎ!



17日●緑色の三角屋根
夢の画面の右のほうに2階建ての家が建っている。平凡な建物だが、その家の屋根だけは、ちょっと人の目を引くデザインだ。色はビビッドな緑色で、形はやや不安定で幾何学的かつアーティスティックな三角形。巨大な犀の角が付いたような形の家とも言える。その家の前で私は2〜3人の外国人の友人と一緒に誰かを待っていたように思うのだが、詳細は不明。
【解説】 ごく瞬間の夢だった。一緒にいたのはインド人だったかも知れない。



18日●蜘蛛の糸だらけの草原
広々とした青い草原。空が高い。カイザードとメリー(魔法少女ジニアの両親)が一緒だったような気がする。顔のすぐ前に蜘蛛の巣が張り巡らされていて、それが頬に付いた。よくよく見ると、一帯には蜘蛛の巣が張り巡らされている。ところが周囲には蜘蛛を張れる場所(木の枝や建物など)が全くないのだ。見事なほど、何もない草原なのである。ではこの蜘蛛の巣は一体どのようにして張り巡らされているのだろう。不思議に思いつつ(学会で発表しなければ)と思ったところで目が醒めた。
【解説】 空の青さがとても鮮烈で、そこに張り巡らされた蜘蛛の巣がミステリアスだった。この夢は「日印友好マジックツアー2011」の初日に、宿泊先(新宿のお寺)で見た。



19日●曼荼羅が浮かび上がる部屋
直径5〜6メートルの円形の部屋。床の下からぼーっと幻想的な光が漏れていて、そこから曼荼羅が浮かび上がっている。
【解説】 いわゆるストーリーのない、ごく一瞬の夢だった。イメージとしては宇宙船の中にいるような雰囲気の夢だった。この夢も宿泊先(新宿のお寺)で見た。



20日●……
【解説】 今夜は夢を全く見なかったような気がする。ちなみに今夜は仙台のホテルに宿泊中。



21日●……
【解説】 今夜も夢を見た記憶は全くない。昨夜と同じ仙台のホテルにて。



22日●……
【解説】 今夜も夢を見ないまま朝を迎えた。結局、仙台のホテルでは一度も夢を見なかったことになる。毎晩あたりまえのように夢を見る私が3夜連続して夢を見ないとは……どうにも不思議だ。



23日●右目のまわりが黒い小動物
白っぽい小動物が見える。鳩のようだ。鳩は、右目のまわりだけが黒い。そのため、パッと見には片目だけ大きな異様な生物に見える。なぜかわからないが、私は底知れぬ恐怖のようなものを感じている。
【解説】 目下、魔法少女ジニアのマジックツァーを開催中である。そのため常に白い鳩4羽と行動を共にしていることは確かなのだが、4羽のなかに目のまわりが黒い鳩はいない。し目のまわりの黒い小動物がなぜ「恐怖」と結びつくのかも不明。ちなみにこの夢は宿泊先(新宿のお寺)で見た。
【後日談】 この夢から醒めた直後のこと、起床したジニアとその両親が異口同音に「今日は何とも怖い夢を見た」「人生で一番怖いと言えるほど怖い夢だった」「でも、夢の内容はなぜか覚えていない」などと言うのには驚いた。なぜ皆が一斉に怖い夢を見たのだろう。思い当たるフシは全くないのだが。



24日●毎日脳に言葉をインプットしなければ死ぬという奇病
病室らしき部屋。シンプルなベッドに、真っ白なシーツ。入院しているのは知り合いのようだが、それが誰だったのかは思い出せない(そもそもベッドに横たわっている人の顔は最初から最後まで見えなかったのだ)。それは奇妙な病気で、治療法としては、毎日必ず脳に言葉をインプットし続けなければならない。さもないと病人はすぐに死んでしまうというのだ。言葉をインプットする具体的なやり方はよくわからないが、音で聴かせるのではなく、何か特別な医療行為だったと思う。私が何のためにそこにいたのか(見舞いなのかそれ以外の目的なのか)は謎。
【解説】 生きるの死ぬのという物騒なストーリーだったにもかかわらず、なぜか夢自体は淡々としていた。この夢も宿泊先(新宿のお寺)で見た



25日●道を歩いていて神に遭遇する
どんな道を歩いていたのか、風景を思い出せないのだが、とにかく私は道を歩いていた。向こうから(あるいは横から? あるいは後ろから?)神さまがやって来た。(あ、神さまだ)と思う。神さまと私私は橋の欄干(あるいはガードレール?)にもたれて一緒に風に吹かれていたように思うのだが、そのへんのこともハッキリとは覚えていない。どのように夢が終わったのかも定かではない。
【解説】 神に遭遇したという、そのことだけは確かなのだが、それ以上のことは何も思い出せない。おかしな話である。そういえば何年か前に見た夢の中でも、私は橋の上で実に若々しい寿老人(まだ子どもだったと思う)と逢ったことがある。「橋」は私にとって「神と逢う場所」なのかも知れない。この夢も宿泊先(新宿のお寺)で見た



26日●空中に飛び出た小屋から落下する人
木で造られた小さな小屋。大きさは一辺が2〜3メートルぐらい。同じ室内にはジニアの両親もいたような気がする。ふたりのうちのどちらか(どちらだったかはよくわからない)がドアを開けて一歩外に出た瞬間、目の前から消えてなってしまった。驚いてドアから顔を出して見たところ、なんと、ここは空中で、ドアの外に地面はなかったではないか。ずっと下方に村らしきものが見えている。「危険。このドアを開けるべからず」と書いた告知板を出しておかなくては、と思ったところで目が醒めた。
【解説】 あっと言う間の夢。遙か下方に見えた風景は、どこか外国のようだった。この夢も宿泊先(新宿のお寺)で見た
【後日談】 この夢を見たことを私は誰にも話していないのだが、夢から覚めた数時間が経った頃、ジニアの父が何かの話から突然「そういえば昔、空から落ちたことがあるんだよね。パラグライダー、あれは本当に危ないスポーツだ」と言い出したのには驚いた。聞けばジニア父は、まだジニアが生まれる前、オーストラリアでパラグライダーをしていて事故り、あわやあの世行きとなりかかったのだそうである。空から落ちる夢と、その夢を見た直後に唐突に聞かされたパラグライダー落下事故の話。奇妙なシンクロである。



27日●床に障子を敷く
ぼんやり明るい部屋の中。床には障子のようなものが敷き詰められている。ジニアの父が「ムンバイの家の床にも、これと同じように障子を敷き詰めたいなあ」と言っている。
【解説】 ジニアの父は日本に到着するなり、障子が好きになった。「自分の家にも障子が欲しい」と、ずっと言っている(笑)。まさか今夜の夢の中のように床に敷き詰めるとは思えないが……マジシャンだからやりかねないか?
 この夢も宿泊先(新宿のお寺)で見た。


28日●叫んだことが本当になる魔法
何と言ったのかわからないが、カイザード(ジニアの母)が大声で叫んでいる。古代ペルシャ語のような気がするが、私はペルシャ語を知らないので違うかも知れない。いずれにしても聞いたことのない言葉だ。この言葉で何か叫ぶと、叫んだことが現実世界でも起こるのだという。私は「へえー」と思っただけで、特に驚いたりしていない。
【解説】 「叫んだことが本当になる魔法」なるものが仮に本当にあったとしても、おそらく私はその方法を知りたいとは思わないだろう。なぜならば、そのような魔法の力を借りて何かを実現するよりも、自分の力によってまるで魔法のような出来事を実現したほうが人生はどんなにか楽しいと思うからだ。人生の楽しさは結果ではなく、そのプロセスにこそあるんだもんね(笑)。この夢は「日印友好マジックショー2011」を終えて戻った山小屋で見た。



29日●青い帽子と四角いリング
前後関係をさっぱり思い出せないのだが、私のすぐ近くには、人目を引く大きな青い帽子を被った外国人の女性がいた。目の前にはプロレスやボクシングなどに使われる四角いリング。しかし、これから何らかの試合が行なわれる感じはしない。
【解説】 この夢には続き(あるいは前置き?)があったと思うのだが、思い出せない。ブルーの帽子を被っていたのはインド人だったような気もする。



30日●ベアとポチに向かって泣きながら謝罪する
目の前に、むかし飼っていた2匹の犬――ベアとポチ――がいた。私は2匹の首を掻き抱きながら、「もっとちゃんと可愛がってやれなくてゴメンよ、ゴメンよ」と謝りながら泣いている。横でブースケとパンダも見ていたような気がするが、あるいは気のせいかも知れない。
【解説】 ベアが失踪しポチが死んでから早くも20年以上が経つが、いまだに私はふとした拍子に2匹のことを思い出し、どうしてもっとちゃんと可愛がってやれなかったのだろうかと辛い気持ちになる。2匹はそれぞれ人からもらった犬で、最初こそ可愛がっていたが、やがて娘が生まれて育児に忙殺されるようになった私は、犬どころではなくなってしまったのだ。もっと時間をかけて可愛がってあげたかった。ごめんよ、ベアとポチ。





※夢日記の一部または全部を許可なく転載・引用なさることは固くお断りいたします。
©Mami Yamada 2004-2011 All Rights Reserved.