2012年2月


1日●振り向けば妖精
山小屋の近くの森の中を歩いている。ふと視線を感じて振り向くと、誰かがサッと木の陰に隠れた。一瞬見えたその姿は、大人なのか子どもなのか、女なのか男なのか全くわからない小さな人影である。(ははあ、さてはあれが妖精か)と思う。さらに暫く歩いてからパッと振り向くと、やはり同じ人影がサッと木の陰に隠れた。気恥ずかしいのかも知れない。そんなことが4回か5回、繰り返されたと思う。私は心の中で(本当にあれを「妖精」と呼んでいいのだろうか。それとも何か別の生命体だろうか)と思案しているが、本人に声をかけようとは思わない。
【解説】 目が醒めてから(なぜ本人に声をかけなかったのだろう)と思い、少し後悔した。あの、性別も年齢もわからない不思議な風貌は、なんとなく懐かしかった。つまり、昔いつかどこかで見たことがあるような気がするのだ。単に私の気のせいかも知れないが。


2日●ネットに中傷文を書かれる
誰かがネット上に私への中傷文を書き込んだようだ。書いたのは〇〇大学の卒業生らしい。(ああ、あの人か)と一人の男の顔が浮かんだ。彼はいつも私の邪魔をしようと必死だった。卒業して何年も経つというのに、いまだに汚い手を使って私を陥れようとしているのだろうか。この落とし前をどうつけてやろうかと思いながら、先ほど読んだばかりの中傷文をもう一度よくよく読み直してみたところ、なぜか普通の文章に変わっていた(あるいは文章自体が消えていたような気もする)。私は「えっ」と驚きながらホッとし、気が軽くなった途端に目が醒めた。
【解説】 最近、親しい知人がネット上に書かれた文章のことで悩んでいた。そのイメージが、今夜の夢では自分自身のことになって現われたようである。〇〇大学出身の「男」は実在の人物で、いわゆる勘違い男。よく連絡してきて結構しつこい(苦笑)。だから夢の中でも悪役を演じていたというわけだ。


3日●結婚詐欺未遂
誰かが私に「A子ちゃんを騙そうとしている悪い男がいるから、気をつけてください」と密告してくれた(密告者が誰だったかは全く覚えていない)。それによれば詐欺師は貧しく醜い男で、この世で成り上がるためにA子ちゃんの実家の財産を狙っており、そのための方策としてA子ちゃんと結婚しようと企んでいるというのだ。密告者が撮影したビデオが回り始めた。最初に映ったのは詐欺師の「Before」。それは正視できないほど卑しく醜い顔立ちで、しかも汗と泥で汚れている(労働した後のさわやかな汗と泥ではなく、何か良くないことをしたための汗と泥のように私は感じた)。男の上の前歯の間にはひどい隙間があって、それが彼をとんでもなくバカっぽく見せている。次に彼の「After」の写真が映し出された。骨格や顔立ち、歯の隙間などは以前のままだが、髪をびしっと梳かし、スーツを着て、まあまあ見られるようになっている(しかしまだまだ十人並みには入らない)。次にビデオに映し出されたのは、詐欺師がA子ちゃんの家にあらかじめ仕掛けておいた盗撮用のカメラだ。それは意外なところに仕掛けられていた。洗面所の手洗いシンクの中になみなみと水が張ってあり、そこになぜか「栓抜き」が沈んでいるのだが、その栓抜きが盗撮用カメラなのだという。誰かが洗面所に近づいて来た。詐欺師はA子ちゃんの姿が映ることを期待して(おそらくどこかにある彼のアジトで)カメラから送られてくる動画をチェックしている。ところがそこに映ったのはA子ちゃんではなく、インド人のMさんのゴツイおじさん顔だったではないか。ガッカリする詐欺師。その顔を見て私は(この男は最初は詐欺のために近づいたのかも知れないが、今となっては本気でA子ちゃんに惚れているのではあるまいか)ということに気づき、ほんの少しだけ男が気の毒になった。その後、何がどうなったのか詳細は不明だが、詐欺師は排除されたようだ(彼が自分から身を引いたような気もする)。気がつくと、私は高級マンションの一室っぽい場所にいた。どうやらここが自宅らしい。間接照明が素敵な洗面台の前に立っていると、そこへあたふたとA子ちゃんが走って来て、「今からB君と一緒に遊園地に行って来ます!」と言う。おそらくその後には「だからお小遣いちょうだい」という意味が含まれているのだろうと思う。私は心の中で(そうそう、貴女の旦那様はB君だものね)と思い、嬉しくなった。A子ちゃんに小遣いを渡したのかどうかは不明。
【解説】 「詐欺師」が登場する割には、全体に何となくコミカルな雰囲気の漂う夢だった。インド人のMさんは実在の人物。先日が彼の誕生日で、バースデーメッセージを送ったばかりだ。その印象が残っていたために、彼が夢に登場したのかも知れない。詐欺師の顔に心当たりはない。A子ちゃんとB君(ふたりとも実在する人物)が誰であるかは想像にお任せします。


4日●……
【解説】 今夜は東京から大阪まで深夜に移動。ゆえに夢は見ていない。


5日●宇宙船っぽい部屋の中で煌(きら)めく光
天井ぐらいの高さのところに細いレールのようなものが敷かれている。そこを何か未来的な感じのする光が走って行き、ときどきキラッキラッと強く発光する。私は(この光景は前にも何度か見たことがある)と思っている。そこは宇宙船の中かも知れないが、よくわからない。
【解説】 そういえばこんなふうに「光が煌めく夢」をときどき見ることがある。それらの夢にストーリーらしいストーリーはないのだが、もしかすると、あの光り方には何か意味があるのではないか……と、今朝は目が醒めてすぐに思った。例えば、光り方の周期がモールス信号になっているとか、そういう可能性があるような気が俄かにしてきた。なぜモールス信号かというと、私が研究を続けている「カウラ事件」の関係者の中に、モールス信号を得意とする軍人が何人かいるからである。次回は注意深く光の点滅を観察することにしよう。この夢は取材先の岡山のホテルで見た。


6日●グチャグチャに破壊される「非人間」
大勢の人が歩いている。精神系の映画でも見ているような、どこかが奇妙で非現実的な感じ。それらの人々の中に、ひとりだけ「非人間」が混ざっている。それは人間そっくりな形を与えられたロボットのような存在らしいのだが、中身は金属の枠のような物だ。時々照射されるレーザービームにさらされると、金属のスケルトンが透けて見えるため、「非人間」であることが一目瞭然になる。正体がばれた「非人間」は、すぐさま機械にかけられミンチにされる。目玉が絞り出され、体の中身もすべて徹底的に絞り出されてしまうのだ。しかし脇を通っている人々は「非人間」に目を向けようともせず、能面のような表情のまま通り過ぎてゆく。私は(人間って本当に恐ろしいな)と思いながら一部始終を見ている。
【解説】 夢を見ている最中は割と淡々としていたのだが、こうして文章に書いてみると何とも不気味な夢である。この夢は取材先の岡山県内にある療養所の面会者宿泊施設で見た。


7日●「プンチン園」で遊ぶ
気がつくと遊園地らしき場所にいた。そこはディズニーランドという設定なのだが、現実のディズニーランドとは似ても似つかない。辺り一面、何もない原っぱだった気もする(しかし夢の中では遊園地という設定)。その場所の名前は「プンチン園」とか「チンプン園」とか、確かなところは思い出せないが「チンプンカンプン」と「チンプイ」を足して2で割ったようなニュアンスである。この遊園地にいるミッキー、ミニー、ドナルド、グーフィーらも本物と似ても似つかぬニセ物で、しかも彼らの名前はカタカナ2文字と決まっている。およそ人名らしくない、単に2つのカタカナをランダムに並べた言葉ばかりだ。私は少しも面白くはなかったが、ともあれ園の名前だけは忘れないようにしなければと思い、メモっておいた。
【解説】 意味のわからない夢。一応「遊園地」に行ったというのに少しも楽しいことはなかったし。この夢は取材先の岡山のホテルで見た。


8日●……

【解説】 今夜は鳥取から東京まで深夜に移動。ゆえに夢は見ていない。


9日●空飛ぶ餅
最初、(太った白い蝶々が空を飛んでいるなあ)と思いながらぼんやり見ていたのだが、どうやらそれは蝶ではなく餅らしい。気がついたときには、庭の上に手の平サイズの餅がたくさん降り積もっていた。その庭は、昔どこかで見たことのある懐かしい庭だと思うのだが、その割には細部がよく見えない。とてもぼんやりした記憶の中を手探りしているような感覚。私の近くには髪の長い30〜35歳ぐらいの綺麗なおばさんがいて、私はこれからこの家のお風呂に入るのだと思う。
【解説】 今夜の夢に映った風景は、子どもの頃に見た光景の断片だったかも知れない。綺麗なおばさんは実在の人物。餅が空を飛んできた理由はわからないが、このおばさんと餅つき大会に出かけたことがあったような気もする。


10日●ユニークで素晴らしい結婚式
最初、私は雑誌を読んでいたようだ。そこにブライダルに関するとても面白い記事が載っていて、「へー、最近はこんな変わった結婚式があるんだ」と感心している。ふと道を隔てた向こう側を見ると、そこに小さなチャペルがあった。扉や窓の隙間、それに屋根の上などから真っ白な煙(または水蒸気?)がもくもくと立ちのぼっている。なるほどここで例の新しいタイプの結婚式が行なわれているのだなと思い、中に入ってみることにした。扉を押してチャペルの中に入ると、新郎新婦のほかに30〜40人ほどのゲストの姿が見えた。おそらく全員がヨーロッパの人だ。新郎新婦は雪のように肌の白い北欧の人達だったと思う。そこにいる人達の大半は私の昔からの知り合いらしい(しかし彼らの顔に見覚えはない)。結婚式は既に終わってしまっていて、彼らは口々に、それがどんなにユニークで面白くて素晴らしい式だったかを褒め称えている。私はその光景を見たくてたまらない。ゲスト達に「撮った写真を見せて」と頼むのだが、皆、そっけなく「写真は撮っていない」「写真はここにない」等という。動画を撮った人が見つかったので見せてくれるよう頼んだところ、「Youtubeへのアップの仕方がわからないから見せられない」という。こうして結局私は「ユニークで面白くて素晴らしかった結婚式」を見ることが出来ずじまいだった。
【解説】 少し前から、昨年入籍した娘の結婚披露パーティーをどこでやろうかという話をしている。その気持ちが今夜の夢には現われているような気がする。それとは別に、最近、ある動画をYoutubeにアップしようとしていたインド人に対して「それはコピーライトの侵害になる可能性があるから絶対にやめなさい」と忠告したことがあり、そのイメージも今夜の夢に繋がっているのだと思う。北欧のカップルが登場した理由はよくわからないが、娘は半年ほどスウェーデンに留学したことがあるので、そのイメージも重なっているのだろう。


11日●みずからの黒歴史を総括する
学校の校舎っぽい建物。そこは私が卒業した明治学院大学という設定らしいのだが、現実の明治学院とはまるで似ていない。部室のような狭い部屋。そこは真新しい部屋で、ほとんど物が置かれておらず、全体に殺風景というか情緒がない。私はそこで数人の先輩達(全員男性)に逢った。彼らの姿は学生時代のままだ。おそらく私も学生時代の姿なのだろう。先輩の一人が何か過去を回想するような発言をした。具体的に何と言われたのかは覚えていないが、要は「あのときは君も若気の至りだったよね」とか「君も思い通りにならなくて不本意だっただろう」というニュアンスのことを言われたのだと思う。それを聞いている私の精神状態は2012年現在のそれだ。私は心のなかで(この先輩はなかなか素敵な人だと思っていたけど、実際にはこの程度だったのか。当時の私は本当に人を見る目がなかったのだな)と思い、10代の頃の自分がまるで赤の他人のように感じられてきた。目の前にいる先輩達には微塵も懐かしさを感じないし、それどころか(こんな人達が先輩だなんて残念だ)とさえ思う。きっと、今、私はみずからの黒歴史を総括しているのだなと思う。次に気がつくと先輩達は消えており、代わりにA子さんが目の前に立っていた。A子さんは、かつて私が「ニガテ」と感じていた同年輩の女性だ。世の中的にはプチ有名人である。A子さんから話しかけられたので、私はそれに応じる形で言葉を交わした。これまで私はこのA子さんという人に一種の「胡散くさい詐欺師臭」を感じつづけてきたのだが、今こうして話してみると、実際には驚くほど平凡な人ではないか。しかも考え方が浅いというか、すべて人真似のようなことばかり言う。(なんだ、A子さんはこんなに平凡な人間だったのか)と思う。同じ部屋にはA子さんの親戚の人達がいて、「世界のA子と親戚であることを誇りに思っています」と胸を張っている。私はそれには何も答えず、心の中で(A子さん程度を「世界の」と呼んで憚らないとは、なんともおめでたい人達だなあ)と思っている。そして、これも私の黒歴史の総括なのだろうと思い、心の中で(A子さん、さようなら)と呟いていた。
【解説】 今夜の夢にはもう一つ別のエピソードがあったように思うのだが、思い出せない。目が醒めてからふと思ったことは、(私の大学時代は、現在の自分の人生と比べたら、たいして面白くなかったなあ)ということだ。あの頃は、思ったことの10分の1も現実化できなかったし、理解者も少なかった。夢に登場した「先輩達」も、いま思えばずいぶんと人の足を引っ張ることの得意な、ネガティブな人達だったし(苦笑)。後半に登場するA子さんは、まさに詐欺師的なやり口で、あるジャンルでプチ有名になった女性である。当然、現実世界では一度も逢ったことはない。


12日●建物の左端
お休み。家族との旅。左右に長い平屋の建物の、向かって左端のほう。
【解説】 今夜の夢には何か具体的なストーリーがあったのだが、目が醒めた瞬間には既に内容がわからなくなっており、辛うじて思い出せるのは上記のキーワードだけだった。これらのキーワードのうちで最も大事なポイントは「建物の左端」だったような気がするので、それをもって今夜の夢日記のタイトルとする。


13日●ロシア系の美女2人に襲われかかる
近未来的なイメージの建物の3〜4階あたりのフロア(外が見えたわけではないが、それぐらいの高度であることが何となく直感できる)。本館から別館へとつながる空中の通路の脇に小さな円形(正しくは円形の一部が欠けた形?)の踊り場がある。私はそこに立っている。自動回転扉が開き、本館から背の高い2人の美女が入ってきた。2人とも腰に届くほど長い黒髪の持ち主で、何となく眼光が鋭い。ロシア周辺の経済的に破綻しかかった国からやって来たスパイだと思う。彼女達は数秒後に私を殴ろうとしている。その心の動きが私には何となく読み取れる。先手を打って私はある言葉を発した。何語で何と言ったのかはわからないが、その言葉を聞くやいなや2人は途端に従順になり、先ほどは虎のようだった顔つきが仔猫のようになった。私が本館へ戻り始めると、彼女達もまるで僕(しもべ)のような従順さで後に着いて来た。
【解説】 私はこの手のスパイチックな夢をよく見るが、実際に乱闘になったことはいまだかつて一度もない(少なくとも記憶している限りは)。それは常に私が何か強みを握っているからだったと思う。今、これを書きながら突如として「先手必勝」という言葉が頭に浮かんだ。今夜の夢のテーマはそれだったのかも知れない。


14日●……

【解説】 今日は何か「過去の想い出」に関する夢を見たような気がする。しかも夢の中で私はその内容をしっかりメモしていたのだ。ところが目が醒めてみると中身を完全に忘れてしまっている。おそらく、忘れても構わない種類の夢だったのだと思う。


15日●A子さんに関して探りを入れるX氏
気がつくと目の前にX氏(年上の男性)がいて、A子さん(若い女性)の最近の素行について探りを入れてきた。X氏はA子さんを頭から疑ってかかっているようだ。私は疑り深いX氏から自分までが疑われないよう出来る限り自然に振舞いながら、「A子さんは元気ですよ。特に変わったところはありませんねえ」と答えている。しかし本当のところ、A子さんはX氏の知らないところでトンデモないことを色々とやらかしているのだ。私はそのことを絶対に口外しない。何故ならば、私はX氏の人間性が好きではないからである。
【解説】 目が醒めてから、(今のは現実? それとも夢?)と一瞬わからなかった。というのは、夢の内容が現実で起こっても全く不思議ないことだったからだ。ストーリー的には平凡だが、リアルさにおいては最高にリアルな夢だった。


16日●……

【解説】 今朝は米軍基地からあまり遠くない場所にいたため、朝早くから戦闘機が飛び回り、凄さまじい轟音。おかげで夢を忘れてしまった。


17日●探し物を求めて知らない人の家に潜入
知らない街。イギリスに似ているがイギリスではない。道行く人々の姿すらハッキリとは見えないので、ここがヨーロッパなのかそれ以外の場所なのか、そんな基本的なこともよくわからない。私は何かを探しているようだ。それが何なのか、夢の中ではわかっていた「はず」なのだが、それの名前は一度も登場しなかったので、本当にわかっていたかどうかも謎である。私の横には、一緒に探し物をしているもう一人の女性がいたようにも思うが、彼女は空気のように存在感が薄く、また親しい感じもしなかった。大きな2階建てのバスに乗ったような気がする(あるいは見ただけかも知れない)。次に気づいたときは見知らぬ家の入り口にいた。それは2階建ての白い洋館で、前庭がちょっと「閉じた感じ」になっているのが印象的だ。「閉じた感じ」というのは、周囲を垣根か塀で囲まれ、さらには鬱蒼とした木々を植えて外から見えにくい造りになっているという意味である。私は、この家の中にこそ探している物がある(あるいは探し物に通じる手掛かりがある)ことを知っている。勝手に人の家に入ることには抵抗があったが、崇高な目的のためには多少の罪を犯すことは許されるだろう。私(と、もう一人の女性)は黙って外階段を上り、その家に入って行ったのだが、たちまち家の人に見つけられてしまった。彼らは、年老いた女性と中年の娘だった気がする。その家族の男性もいたかも知れないが、いずれにしても皆とても静かな人達で、私が探し物をしていることを説明するとすぐに納得してくれたようだ。ここで私は探し物に関する重大な手掛かりを得たと思うのだが、ここで夢は終わってしまったようで、自分が探していた物には遂に巡り会えずじまいだった。
【解説】 軽くフラストレーションが残る類の夢だった。そもそも私は何を探していたのだろうか。手掛かりは見つかったようだが、それが何なのか最後までわからずじまいだし、なんとも中途半端な内容である。ただ、2階建てのバスと「閉じた感じの前庭」がある白い洋館は印象的だったので、何か深い意味があるのかも知れない。


18日●X子さんのファッションショーにて
薄暗い大きな部屋。どうやらここはファッションショーの会場らしい。デザイナーは友達のX子さんだ。すぐ近くには、やはりX子さんの友達である2人の女性が立っていて、2人とも涙を流している。ショーはまだ始まっていない。2人は一体何に心を動かされて泣いているのだろうか。私は2人に取り残されたような、一種の違和感を感じている。そこへX子さんがやって来た。彼女は大量のチケットを手に持っており、それを2人の女性に半分ずつ渡した。(私にはくれないのかな)と思い、ますます違和感を募らせる私。X子さんが部屋の隅のほうへ行ったので、私はそこへ行き、「あなたと知り合ってから今年で12年だね」と言い、「よく頑張ってここまで来たね」という意味のことを口にした。それはお世辞ではなく、心からの賛辞だったと思う。するとX子さんがポロポロ涙をこぼし始めたではないか。私は少し驚きながらX子さんの頭を撫でてあげた。涙でX子さんのアイシャドーが取れて流れ始めた。それは、ごく薄いブルーと薄いグリーンの混ざった綺麗な色だった。
【解説】 わかったようなわからないような夢だった。X子さんは実在の人物で(夢の中では12年と言っていたが)実際には20数年前からの女友達。彼女があんな色のアイシャドーを着けているところは見たことがないが、とてもよく似合っていたので、今度会ったらそう告げておこう(笑)。


19日●虎のぬいぐるみを抱いた男性
誰かが両手に虎のぬいぐるみを抱え、こちらに向かって突き出すようにして持っている。持っている人の顔は見えなかったが、黒っぽいおしゃれな服を着た男性だったと思う。その虎はあまり怖くなく、愛嬌のある顔をしていた。
【後日談】 夢から醒めた直後にFacebookに行ったところ、なんと一番上(最新のポスト)に、ある男性が虎のぬいぐるみを前方に突き出すようにして抱え、笑っている写真が上がっていたではないか! しかも、虎を持っていた男性は昨日の夢に現われたX子さんの旦那さんである。一体どういうことだろう。X子さん御夫妻にはかれこれ1年以上会っていないが、2日連続で夢を見たことだし(しかも、そのうちの1つは正夢!)、そろそろ連絡を取ってみようか。


20日●掘っては捨てる
何かを掘っている。掘っては捨て、掘っては捨て、掘っては捨てている私。「3回」という回数がそこには関係していたようだが、何がどう「3回」なのかはわからない。
【解説】 まったく意味のわからない夢。確か夢の中でこの出来事をメモし、それをどこかにしまったような気がするのだが、そのあたりの経緯も不明。


21日●「助けてください」と訴える木
一面の雪原。誰かがしきりに「苦しい、助けてください」と訴えている(但し、そのメッセージは「言語」としてではなく「感性」として伝わってきたような気がするのだが)。その声を頼りに雪の中を歩いている私。雪が深いので腰のあたりまで埋まってしまう。長靴の中まで雪で一杯だ。やがて大きな桑の木が目の前に現われた。桑の木の枝のうち、1本が完全に雪の下に埋没しており、とても痛々しい。強く雪に引っ張られて、今にも折れてしまいそうだ。私はそのへんにあったスコップを手に取り、死に物狂いで雪を片づけ始めた。表面はふわふわした新雪だが、下のほうは氷結しており信じられないほど固い。スコップを振るう手がみるみる赤く腫れ上がった。しかし、そうこうするうちに雪が全部取り除かれ、桑の木の枝はようやく正常な状態に戻ることができた。
【後日談】 目が醒めてから、気になったので庭の隅にある桑の木のところまで(腰まで雪に埋まりながら)近づいてみたところ、夢に見たのと同じ枝が雪に埋まってしまっており、今にも折れそうな状態だったではないか。急いでスコップを取り出し、(今朝の夢とまったく同じだ!)と思いながら1時間ほど雪と格闘。ようやく枝を救出することができた。おかげで手の平はマメだらけ。これも夢と同じである。完全な正夢。そういえば昨夜は「掘って捨てる」夢を見たが、あのとき私が掘っていたのは雪で、もしや今夜の夢へと続いていたのではないだろうか。ちなみに、雪を取り除いた後で桑の木をそっと抱きかかえてみたら、驚くほど温かく、そして柔らかだった。かなりの老木だが、この木は確かに生きているんだ。当たり前のことだが、その温もりと柔らかさに虚を突かれた。こうやって生きているのだから、眠っている私の意識(夢)に入り込んで「助けてください」と言うことも、この木には可能だったのではないだろうか。……という、少しばかり怪しい想いに今朝は囚われた私であった。


22日●右折に失敗しワゴン車と接触
動いている自動車。誰が運転しているのかは不明だが、見えている風景から推察して私は助手席にいるようだ。T字路の突き当たり、もっと大きな道路(本線)と交差する部分。信号機はない。自動車は右折して本線に入ろうとしている。しかしタイミングが悪く、本線の左方向からやって来たワゴン車と接触してしまった。ワゴン車はクリーム色だったと思う。ワゴン車が道路の左側に弾かれたため、さらにその左後方から走ってきたバイクが転倒。私は一部始終を自動車の助手席で(どこも痛くなかったので自分はおそらく無傷のまま)見ている。
【解説】 ずいぶんと具体的な夢だった。正夢になるといけないので、誰かが運転する自動車の助手席に乗るときはT字路から本線に合流する時によくよく気をつけてもらうことにしよう(特にクリーム色のワゴン車には要注意)。
【後日談】 この夢を見た3日後、人が運転する車に乗って出かけた先で、夢で見た風景とよく似たT字路に差し掛かった。(あれ、この景色は?)と思った瞬間に左側の路地から突然薄いクリーム色のワゴン車が少しもスピードを落とさずに侵入してきた。こちらが急ブレーキをかけたから事なきを得たものの、一歩間違えば完全にぶつかっていたところである(怒)。夢の中で見たような風景、クリーム色のワゴン車。とてもよく似た状況。ただ違っていたのは、本線を走っていたのが当方で、相手(ワゴン車)が脇道から飛び出してきたということだが。危ない危ない!


23日●松代群発地震
最初に長いストーリーがあって、そこで何か感動的な人間ドラマが繰り広げられた気がするのだが、その部分は深い霧に包まれたような感じで、はっきりと思い出せない。気づいた時には自動車に乗っており、馴染みのない風景のなかを走っていた。ここは長野市の松代という町らしい。このへんに皆神山という山があって、昔「松代群発地震」と呼ばれる一連の地震が毎日のように起こった。そのことを私は思い出している。
【解説】 そういえば私が幼稚園児だった頃、松代町(現在の長野市松代)を震源とするいわゆる「松代群発地震」というものが起こり、当時5歳ぐらいだった私の暮らしはほぼ毎日のように揺れていた。最近はすっかり忘れていたが、今朝の夢でそのことを思い出した次第。今の日本を見ていると、いつどこがグラリと揺れても不思議はない。気をつけよっと。


24日●読んだ部分の色が変わる地図
前後関係はわからないが、目の前に地図が見える。読み終わった部分は黒く、まだ読んでいない部分は白い(あるいは、色はその逆だったかも知れない)。紙媒体ではなく、かといってタブレット型コンピュータでもない。ちょうどその中間のようなテクノロジーである。(ということは今は何年頃なのだろう。1980年代または90年代初頭?)などと思いながら地図を眺めている私。ただし画面上には道路は見えても文字が表示されないので、それがどこの地図であるかは全くわからない。
【解説】 何のことやらわからない夢。昨日は娘のLiAがFacebookにアップした昔の写真に、1枚1枚ていねいに解説を付けてあげた。ほとんどが1980年代後半の写真で、写っている風景に時の流れを感じた。そのことが今夜の夢に繋がっているのか?


25日●畳とブースケの足
最初に黒い画面が続いて、突然、映画が始まるような感じで画面の中心部分が黄色く灯った。その黄色は派手な色調ではなく、むしろ枯葉色と言うかセピアに近く、古く懐かしい感じ。時代でいうと昭和中期を髣髴させる色だ。よく見ると黄色い色の中に畳が写っており、その上に犬の前足らしきものが写った。(あっ、あれはブーの足では?)と思い、じっと目を凝らして見ている私。場面はそのまま変わらず、ずっとブースケの足らしきものが写し出されていた。
【解説】 一瞬写ったたった一つの光景。そこには音声もなく、ストーリー展開もなかったにもかかわらず、何か心を打つ奥深いものを感じる夢だった。懐かしい色合いの中に、現在ここにいる愛犬(の前足のみ)が入り込んでいたのは不思議なことだ。愛犬ブースケも既に9歳。私はそろそろブースケがいなくなった後の世界を覚悟し始めているのかも知れない。


26日●5台並んだシングルベッド
最初に何か面白いストーリーがあったのだが、その部分はどうしても思い出せない。次に気づいた時には、私は見たことのない部屋の中に入り込んでいた。そこはだだっ広い部屋で、広さは(畳の数に換算すれば)30〜40畳ぐらいだろうか。ただし床は畳ではなく、いわゆるフローリング。そこは姪のK子ちゃんが新築した家(の一部屋)なのだという。そこにK子ちゃんの姿が見えたかも知れない。不思議なことに、部屋には同じデザインの5台のシングルベッドが、一定間隔を置いて理路整然と並べられていた。(K子ちゃんは4人家族なのに、なぜベッドは5台なのだろう)と不思議に思ったが、そのことを口に出したりはしなかった。ベッドとベッドの間の仕切りとして、ピラピラした薄い布が天井から下げられている。夏用のサリーのような生地だ。色は濃いピンク。私はベッドのひとつに座り、その布に触っている。
【解説】 なんとも意味不明な夢だった。K子ちゃんは私より7歳年下の姪で、今は某有名大学で教えている。とても理知的な女性だ。彼女のところは4人家族なので、ベッドが5台も並んでいた理由に思い当たる節はない。


27日●3本のウェーブ
3本のウェーブ(波型の線)が、それぞれ異なった動きをしながら蛇のようにのた打ち回っている。3本のウェーブはそれぞれ灰色と赤と黒だ。その色には何か深い意味が隠されているような気がする。
【解説】 現在使っている携帯は、ネットに繋ぐ際に3本のウェーブが画面上にあらわれる。それが今夜の夢に登場した波線の正体だろうか。


28日●5匹のくまさん
「5匹のくまさん」という歌が流れている。目の前には、5匹のくまさんがズラリと横に並んだイラストが見える。くまさんの横におかっぱ髪の女の子もいたかも知れない。何か日本では見かけない種類の木と、ギザギザの葉っぱがたくさん生えている。
【解説】 何のことやらサッパリわからない夢。肝心の「5匹のくまさん」がどんな歌であったかも思い出せない。


29日●……

【解説】 今夜は遅く寝たためか、その分、非常に深く眠りこけたようだ(苦笑)。夢は見なかったか、あるいは忘れてしまった。




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