2013年8月


1日
●宙に浮いた緑色の何か
緑色の何かが宙に浮いている。3~4本の横長の布のようなもの(縦横の比率は縦1:横7~8ぐらい)。変わった形の旗にも見えるが、何かのシンボルのようでもある。
【解説】 一瞬の夢。宙に浮いていたものは、旗にしては細長すぎるし、支柱もないのに浮いていること自体がそもそも奇妙だし、全体に謎めいた夢であった。


2日●高校生の死
灰色っぽい、立派な大ホールのような部屋。お洒落にカーブした壁。ここは高校らしいが、それにしては驚くほどお金がかかった建物だ。お金持ちの子女が集まる特別な学校(おそらく美術系)に違いない。私の手には1冊の冊子が乗っていた。この高校の文集のようだ。その中の一つの文章を私は読んでいる。厳密にいうと、誰かに言われてその箇所を読まされているらしいのだが、そうするようにと私に告げた人(教師と思われる)の姿は見えない。近くにいるのかも知れないが、その気配がするだけである。冊子に印刷されていたのは、一人の女子高生が書いたと思われる文章だ。(何と書いてあったか夢から醒めた今は思い出せないが)分量にして600文字程度の短い文章で、特に印象的な事柄は何一つ書かれていなかった。教師が遠まわしに言ったところによると、その学生は最近亡くなったらしい。そして、この文章は彼女が遺した唯一の「遺品」なのだという。私は3度ほどその文章を読み、(これだけしか残さずに亡くなったとは、なんと空しいことだろう)と思いながら、会ったこともない女学生を心の中で追悼している。
【解説】 全く意味のわからない夢だが、なにやら心にしみじみと残るものがあった。「死」に関する夢は「再生」に通じると聞いたことがあるが、だとすれば、この夢は誰のどのような再生に係わっているのだろうか。


3日●落ちてゆく直前のジェットコースター
ジェットコースターのいちばん上の部分。落ちてゆく直前の緊張する一瞬。私の席は前から2列目で、最前列には見知らぬ2人の女性が乗っていた。2人の女性はおそらく母親とその娘だ。母親は少し派手目の綺麗な人(私ぐらいの年齢)で、娘の顔は私の位置からはよく見えないが、可愛らしい雰囲気だ。(年齢は25歳ぐらい)。眼下には海と、遊園地が見えていたような気がする。(この風景はいつも夢で見る場面だ)と思ったところで夢の記憶が途切れてしまった。
【解説】 この場面を夢でよく見る。その前後には何もなく、ただ、この切り取られた場面だけが突如として現われるのだ。もとよりジェットコースター好きの私であるから、最高地点から落ちてゆく直前のジェットコースター(=ドキドキワクワクの頂点)を夢に見るのは少しも不思議ないが、不思議に思うのは、いつも最前列に同じ親子が乗っているような気がすることだ(そのことに、いま初めて気づいた)。彼らは誰だろう。娘と私自身の投影だろうか。それとも見知らぬ他人なのだろうか(だとしたら、誰?)。


4日●潜水艦のようなバスの2階席
気がつくとバスの2階席に座っていた。と言っても、それは現実にはありえない不思議な形のバスで、2階席が1つだけ上空に飛び出している。そこからずっと階段で垂直に下りて行った下部にバスの「底」に当たる部分があり、そこまで降りてゆくのは窮屈な船底に潜るような作業だ。うまく表現できないのだが、これはバスであってバスでない。しいて言えば潜水艦とバスを合体させたような奇妙な乗り物だ。私は時々バスの底まで下りて行き、そこで誰かと密談をし(相手は2人いたような気がする)、それから狭い階段を垂直に登って、上空に飛び出した2階席まで戻る。2階席は吹きさらしで、階段の途中には奈落の底へ落ちそうな箇所もあり、不安定でスリリングである。バスの底にいた2人(密談の相手)は、子どもとおばさん、あるいは若い男子学生とおばさんだったように記憶しているが、そのあたりのことは定かではない。彼らはおそらくスパイで、私もスパイ活動をしていたのかも知れない。
【解説】 なんとなくスパイ映画のような夢だったのだが、何のために何をスパイしていたのかは全く不明。目が醒めてみると一番印象に残っているのは「上空に飛び出した吹きさらしの2階席」の場面である。ひと言でいうとそれは「不安定なスリリングさ」だが、そこには何とも言えない恍惚感も綯交ぜになっていて、ストーリーらしいストーリーがないにもかかわらず、なかなか印象的な夢ではあった。


5日●……

【解説】 今夜は夢を見た記憶がない。


6日●フロントグラスが異次元的な自動車
誰かが駐車場に車を泊めようとしている。私は自動車から数メートルほど離れた脇に立って、静かにその様子を見ている。自動車は軽自動車で、フロントグラス部分が非常に変わったデザインだ。グラスが単純なひとつの「面」ではなく、5つか6つ、あるいはそれ以上の「クリスタルのような面」が組み合わさって出来ているのだ。うまく表現できないのだが、その部分だけが別次元または別の宇宙に属しているようなイメージである(ただしフロントグラス以外はごく普通の軽自動車)。その車が、先程からバックで駐車場に停めようとしている。しかし何度やっても上手にパーキング・ロットに入ることができない。私は運転を手伝うわけでも同情するわけでもなく、最後まで静かにその様子を見ている。
【解説】 夢から醒めて思ったのは、(この車を運転していたのは誰だろう)ということだった。そしておかしな気分になった。確か、夢の中で軽自動車を運転していたのは私だったはずなのだ。にもかかわらず、私は車の脇に立って出来事の一部始終を冷静に傍観してもいたのだ。どうもわからないことだらけである。


7日●ばあちゃんが起きてる
不意に男の声がして、「ばあちゃんが起きてる、ばあちゃんが起きてる」と同じことを二度繰り返して言った。次いで女の笑い声が起こった。そこにいたのは私を含めて3人だけだ。3人は向き合って立っていたような気がするが、あたりが薄暗かったので相手の顔は見えていない。
【解説】 何やら呪文のような、暗号のような、不思議で、ちょっと不気味な夢だった。「ばあちゃん」とは誰のことを指すのか、意味はまるで分からない。


8●海軍士官
画面の左上のほう。雲のように見える、しかし雲ではない何か。赤と青と白のトリコロール。海軍士官のイメージ。
【解説】 何のことやらわからない夢。目が醒めた直後はとても楽しい気持ちがしていたので、今夜の夢には何か楽しいストーリーがあったのだろう。しかし目が醒めると同時に忘れてしまった。残念。


9日●……

【解説】 今夜は夢を見たのかどうか、よくわからない。


10日●……

【解説】 今夜も夢らしい夢を見たような気がしない。


11日●絶世の美女(?)に見惚れる
前後関係はわからないが、私は家族を相手に「絶世の美女」について噂している。誰のことかはわからないが、相手は目鼻立ちの整ったスタイル抜群の美女で、、少し背が高すぎるのが気になるが、それ以外は文句のつけようがない。誰かが不意に「女形をやらせたら似合いそうだね」と言い、それを聞いた私は初めてその人が男であることに気づいたのだった。
【解説】 今夜の夢にはこの前後にもストーリーがあったのだが、思い出せない。美女がどんな顔であったかも、残念ながら思い出せない。


12日●「川床料理を食べたい」とメールする
気がつくと川床料理のお店にいた。ここは以前も来たことのある、京都・嵯峨野の奥のほうにある「N」という料理屋だ。私はこれが夢であることを半分知っている。食事が運ばれてきているのだが、現実感が全くないので箸を取ろうともしない。これが夢であることに半分気づいていたような気もする。代わりに私は携帯を取り出し、「川床料理が食べたい」と友達にメールを打ち始めた。
【解説】 せっかくの食事を前に手を出さないとは、何とも残念な夢である。夢の中でそれが夢であると理解していることは時々ある。今夜の場合は、そのことを半分理解しているような、半分理解していないような、夢の中で夢を見ているような中途半端な立ち位置の夢であった。この夢を見たら急に川床料理が食べたくなってきたのは事実。


13日●着物姿の男が水槽に落ちる
目の前に3~4人の男性が立っていた。そのうち顔がはっきり見えているのは1人だけだ。仕事上で付き合いのあるAさんである。年齢は60代後半ぐらい。Aさんは着物姿で笑っている。Aさんの着物姿は初めて見るが、正直なところあまり似合っていない。粋ではないというか、要は涼やかでないのだ。Aさん達は何か打ち合わせをしているようだ。その前に小さなテーブルがあり、上には何故か水槽が置いてあった。水槽の中は水で一杯だが、魚が入っていたわけではない。なんとなくマジックショーのような雰囲気だなと思ったその瞬間、何の前触れもなしにAさんがいきなり頭から水槽の中にどっぷりと落ち込んだ。私は特に驚きもせず、心の中で(こうきたか)と思っている。
【解説】 おかしな夢だった。Aさんは水槽よりも低い位置におり、また水槽の大きさと言えば横40~50cm×縦30~40cm×奥行30cm程度の小さなもので、その中へ大の大人がどっぷりハマってしまうという状況設定自体がいかにも不自然である。そもそもAさんは着物を着るようなタイプの人ではないし、あらゆる点でおかしな組み合わせの夢としか言いようがない。ただし、最近私はメダカを飼っており毎日のように水槽の水替えをしているので、水槽がが身近なアイテムであることだけは間違いないのだが。


14日●軍人に贔屓される
目の前に見知らぬ白人男性が立っていた。軍人のようだ。米兵のような感じだが、全体に色が褪めているというか古色蒼然とした感じで、GHQの将校を髣髴させる。彼(あるいは「彼ら」だったかも知れない)は、なぜか私を贔屓してくれる。私はこれからどこかへ行かねばならないのだが、幾つかあるルートのうちの「敵からひどい目に合わないほうのルート」をこっそり教えてくれたのだ。このとき私の魂だけ肉体から抜け出したように、客観的に自分の肉体を見ることが出来るようになった。そこにいたのは高校生ぐらいの私だった。しかしそれは本当の私とは顔つきが違う。つるつるっとした茹で卵のような顔が印象的だ。そのあと私が軍人から教えられたとおりに先へ進んだのかどうかは定かではない。
【解説】 敗戦記念日が近いのでこのような夢を見たのだろう。少し前に劇場で観た『敗戦のエンペラー』(マッカーサー役がトミー・リー・ジョーンズ)の影響もあるかも知れない。


15日~21日●……

【解説】 この間、何か夢を見たという記憶はあるのだが、その内容は全く覚えていない。論文執筆に集中していたからだろうか。博論を書き始めてからというもの、どうも夢の内容を思い出せない日が多い。


22日●パワハラで21,000円の食事を奢らされる
道を歩いてゆくと、路傍に立ってこちらを見ている和服姿のX子さんに遭遇した。X子さんは私にとって「先生筋」に当たる人だ。X子さんは、どうやら私を待ち伏せていたらしい。「一緒に歩きましょうか」と誘われ、私はあまり乗り気ではないのだがX子さんと並んで歩きはじめた。X子さんが新しく出来たレストンについて何やら喋りだした。「1人7,000円のコースが美味しいんですって」と最初に言われたことは覚えているのだが、そのあと何と言われたのか思い出せない。気がつくと、最終的には「私に奢らせてください」と言わなければならない状況になっていた。X子さんは当たり前のような顔で「あら、そう。それじゃご馳走になります」と言った。実際にはシャンパン代が別にあるので、私は7,000円×2名分+シャンパン代7,000円=合計21,000円を支払うことになり、心の中で(X子さんは悪質な人だから、もう付き合うのは止めよう)と想った。
【解説】 おかしな夢だった。X子さんは実在の人物だが私の先生ではない。また、今夜の夢で起こったような悪質なことをするような人でもない。「7,000円」とか「21,000円」という金額にも思い当たる節はないし、何のことやらサッパリわからない夢だった。


23日●鶏小屋に黒っぽい仔猫
鶏小屋の中を覗いたところ、中にいた鶏たちが元気に外へ飛び出してきた。ところが1羽だけ右端のほうでうずくまってグッタリしている鶏がいる。病気だろうか。あるいは死んでしまったのだろうか。手に取ってみると、なんとそれは鶏ではなく黒っぽい子猫だった。まだ息がある。外傷はない。この仔猫をどうしようかと一瞬ためらったところで目が醒めた。
【解説】 この夏からニワトリを飼い始めたところである。庭の片隅の畳30畳分ほどのスペースをゴルフ場用のネットで囲い、そこで5羽の鶏を飼っている(メス4羽、オス1羽)。そのような次第なので鶏が夢に現れるのは誠に理に叶っているのだが、その鶏が元気のない仔猫に変わっていたというストーリー展開には納得できない。そもそも私は猫を飼ったことがないので彼らには感情移入が出来ないのだ。今夜の夢にどんな意味があるのか(あるいは特に意味はないのか)、猫の気持ちがわかる人がいたら教えて欲しい。


24日●接触事故
軽自動車で時速60キロ程度のスピードで走っている(但し、運転しているのが自分なのか、別の誰かなのは不明。また、自分がその車に乗っているのか、あるいは第三者が乗っている自動車のことを客観的に見ているのかも不明)。反対車線では車が数珠つなぎになって渋滞が始まっているが、こちらの車線はこの軽自動車1台しか走っていない。反対車線の車の1台が、こちらの車線にはみ出して一時停止している。「危ない!」と思ったその瞬間、軽自動車ははみ出した自動車と接触して火花を散らせた。
【解説】 火花を見た瞬間に目が醒めたような気がする。私は過去30年間に唯の一度も交通事故を起こしたことはないが、こういう夢を見たからには更に細心の注意を払おうと思う。


25日●4個の卵に希望を見る
前後関係はわからないのだが、鶏小屋のあたり(?)に行ってみると、そこに4個の大きな卵があった。どうやら鶏が産んだばかりらしい。卵を見た瞬間、素晴らしい希望を感じた。何かとても良いことが起こる気がする。私は誰かにそのことを告げに行こうとしている。
【解説】 今飼っている鶏はまだ卵を産まないが、しかしこの秋には生み始めるだろう。今夜の夢に登場した卵は、普通にお店で売っている卵に比べて一回り大きく、色は綺麗なクリーム色で、いかにも「吉兆」という感じだった。


26日~31日●……

【解説】 この間、夢を見た記憶は一切なし。




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