2003年8月3日号(第100号) 知には知を（Intelligence for Intelligence） 　「週刊マミ自身」は、今から約3年前の2000年9月9日の創刊号から回を重ねまして、今週ついに第100号をお届けすることができました。 　これもひとえに、いつも温かい目で見守ってくださる皆様のお蔭です♪　本当に本当にありがとう♪ 　100号に至るあいだには、天才魔法少女パールの日本初公演をプロデュースしたり、ヒマラヤの奥地まで子どもたちに日本語を教えに行ったり、炎天下フラフラになりながら火葬場の取材をしたり、胃痙攣を起こして倒れたり、モンキーマンの被害者にインタビューに行ったり、その記事をお読みになった日本テレビのディクターと一緒にスラム街に入りこみモンキーマン情報を求めてさすらったり、取材で出かけたパプア・ニューギニアの海でマジで溺れたり、犬のブースケが家族の一員に加わったりetc. etc. etc.、とまあ、自分でも呆れるほど色々なことがありました。 　ホームページのオリジナルグッズとして特製パンダTシャツを作り、読者プレゼントにしたこともありましたっけね。あれは、第26号のことでした。 　作家としても、初めての小説『夜明けの晩に』を皮切りに、『ブラック・アンブレラ』、『ブースケとパンダの英語でスパイ大作戦』、そして最新刊の『ブースケとパンダの兄をたずねて三千里』の出版まで、本が出るたびに読者の皆様と一緒に一喜一憂しながら、本当に充実した歳月を重ねることができました。 　これからも皆様と一緒にたくさんの「♪」や「！」や「？」を分け合っていきたいと思いますので、どうぞ末永くよろしくお願いいたします♪ 　さて、前々から予告いたしておりました「第26回　日本文化デザイン会議　東京・六本木ヒルズ」（議長：日比野克彦、副議長：香山リカ・山田真美）のスケジュールがほぼ決まりました。 　今日はそちらのご報告をさせていただきたいと思います。 　今回、会議の統一テーマは「What's “what's ART?”?」。 　アートを切り口に、シンポジウム、パネルディスカッション、展示・パフォーマンスなど多彩なプログラムを展開します。 　単に「聴講」するだけの受け身な講演会と違い、今回のイベントには講師との「直接交流」の場がいくつも用意してありますから、ふるってご参加ください。 （全体のプログラムは、次のとおりです。イベントは27日のメトロライブ以外、すべて有料となります） ★8月22日（金） 15：00〜17：00　オープニング・シンポジウム （於・タワーホール） 出演：日比野克彦、宮島達男、村上隆、タナカノリユキ 17：00〜18：15　開会式／大討論会 （於・タワーホール） 司会：香山リカ、山田真美 ※30日の「大討論会」の前哨戦です。私はセコンドをつとめるほか、「穴」というテーマで香山リカさんと討論対決する予定。　　 18：30〜20：30　オープニングパーティー （於・ライブラリーカフェ） ★8月23日（土） 12：00〜14：00　シンポジウム「細かくして見てみよう」 （於・スカイスタジオ） 講師：日比野克彦、伊藤俊二、佐藤卓 15：00〜17：00　シンポジウム「混ぜて見てみよう」 （於・スカイスタジオ） 講師：香山リカ、植島啓司、水野誠一 18：00〜20：00　シンポジウム「縮めたり伸ばしたりして見てみよう」 （於・スカイスタジオ） 講師：山田真美、一色與志子、島袋道浩、巻上公一 ※同じく23日の昼間には、「メトロで遊ぼっ」という特別企画も催されます。今日のために、5輌編成の営団地下鉄列車を特別編成！！電車の中で特別講座を開講するという、日本文化デザイン会議はじまって以来のビックリ企画です。会場となる列車は銀座線の浅草駅を出発し、一路、戦前に8ヶ月間だけ使用された「新橋・幻のホーム」をめざします。ダイヤの都合上、銀座線の車体でありながらナント丸の内線の上も走ることになるこの列車、一見の価値あり！講師は島田雅彦さん、千葉麗子さんなど多彩な顔ぶれ。ちなみに私・山田真美も、サエキけんぞうさんとのトークショー（パリメロでGO！）に参加させていただきます。「メトロで遊ぼっ」の詳細は、営団地下鉄の中吊りなどをご覧ください（とか言って、実は私もまだ見てないんですけど（汗））。 ★8月24日（日） 12：00〜14：00　シンポジウム「重ねて見てみよう」 （於・スカイスタジオ） 講師：山中俊治、逢坂恵理子、しりあがり寿、野田秀樹 15：00〜17：00　シンポジウム「ぼかして見てみよう」 （於・スカイスタジオ） 講師：千住博、稲越功一、中尊寺ゆつこ、寺門孝之 18：00〜20：00　シンポジウム「裏返しにして見てみよう」 （於・スカイスタジオ） 講師：團紀彦、楠見清、佐伯順子、原島博 ★8月25日（月） ★8月26日（火） ★8月27日（水） 15：00〜18：00　メトロライブin六本木（入場無料） 複数の講師が入れ替わり立ち代り登場、次々にトークやミュージックライブを展開します。 出演：日比野克彦、寺門孝之、サエキけんぞう、パトリック・ヌジェ、山田真美、榎本了壱、蜷川有紀ほか。 なお私・山田真美の出演時間は、だいたい15：30〜15：45のあいだを予定しています（ライブだから時間が多少ずれるかも知れないけど、許してね♪）。 場所は六本木ヒルズ「アリーナ」ステージ。お気軽にお立ち寄りください！ ★8月28日（木）　　　　　 ★8月29日（金） ★8月30日（土） 13：00〜19：00 大討論会（知の異種格闘技）「What's “what's art?”?」 （於・タワーホール） 本物そっくりに作られたリングの上で、赤コーナーと青コーナーに分かれて一対一で行なう「知の格闘技」は、ユニークな 討論大会。 会議のパンフレット用に私が書いた「知の異種格闘技の説明」は次のとおりです。 　　↓ 　「全く異なるフィールドで生きる“知のアーティスト”たちが、intelligence（インテリジェンス＝知性）とknowledge （ノレッジ＝知識）とwisdom（ウィズダム＝知恵）を武器に壮絶な戦いに挑みます。知には知を。勝ち残るのは、果たして誰？」 そうです！　知には知を。 どうせやるんだったら、本気で「知の取っ組み合い・つかみ合い」をやろうじゃないか！　という、実に恐ろしい（！）企画です。 知と知がサシで激しくぶつかり合うこの大討論会では、出演者の本音や素顔が丸見えになること間違いなし。 ひょっとすると出演者がマジギレしてステージ上で大喧嘩になる可能性も、なきにしもあらず（笑）。 具体的には、各ラウンドは30分ずつで、計10ラウンド展開。 対戦者は、あらかじめ与えられた漢字一文字（闇、火、水、風など）をテーマに激論を戦わせます。 セコンド（司会進行）：香山リカ（青組）、山田真美（赤組） レフリー：日比野克彦、ほか 出演：決まり次第、日本文化デザインフォーラム公式HP（www.jidf.org）にてお知らせいたします。 ※ちなみに私は22日に「穴」というテーマで香山リカさんと討論対決しますよ〜。お楽しみに♪　 11：00〜13：00　シンポジウム「ちょっとずらして見てみよう」 （於・スカイスタジオ） 講師：榎本了壱、曽我部昌史、高城剛、港千尋　 14：00〜16：00　シンポジウム「入れ替えて見てみよう」 （於・スカイスタジオ） 講師：植草一秀、椿昇、南條史生、八谷和彦 17：00〜19：00　シンポジウム「成り行きに任せて見てみよう」 （於・スカイスタジオ） 講師：河原敏文、佐藤可士和、都築響一、深澤直人 18：00〜21：00　六本木ヒルズナイト （於・ライブラリーカフェ。前半はシンポジウム、後半はパーティーとなります） 講師：小山裕久、根本安人、小山順子 ★8月31日（日） 13：00〜15：00　総括シンポジウム「まとめて見てみよう」 （於・タワーホール） 講師：日比野克彦、香山リカ、山田真美、山中俊治、千住博、團紀彦、榎本了壱、植草一秀、河原敏文 15：00〜17：00　日本文化デザイン賞授賞式／閉会式 （於・タワーホール） 17：30〜19：30　さよならパーティー（於・ライブラリーカフェ） ※なお上の一覧には記しませんでしたが、会期中の毎日、53Fのギャラリーで「ARTISTS BY ARTISTS」と題した展覧会が開かれます。日比野克彦、宮島達男、村上隆、タナカノリユキの4氏による審査によって選ばれた「新進気鋭のアーティスト」たちの作品をズラリ展示。選考方法も展示方法も、従来の公募展とはまるで違う「アーティストがアーティストを発掘する」企画です。現代アートに関心のある方は、ぜひぜひお立ち寄りください。会場では展示のほかに、アーティストによるトークショーも毎日開催されます。 第26回日本文化デザイン会議のチケットは、8月4日からチケットぴあ、ファミリーマート、サンクス、セブンイレブンにて販売されます。 チケットに関する詳細は、日本文化デザインフォーラム公式HP（www.jidf.org）をご参照ください。 　…というわけで今週は、23日に開催されるシンポジウム「縮めたり伸ばしたりして見てみよう」の入場チケットを、「週刊マミ自身」第100号記念読者プレゼントとして5名の方にプレゼントすることに決定！ 　ご希望の方は、 �@お名前（※チケットの郵送に必要です。必ず本名を記してください） �AHPで公開してもOKのハンドルネーム �B年齢 �C職業（学生の場合は学年） �Dご住所（チケットの郵送先です。マンションやアパートの方は部屋番号まで書いてね♪） �E「週刊マミ自身」で今後取り上げて欲しいトピックス 　以上を明記の上、次のメールアドレス宛てに8月15日までにご応募ください。 　boosuke@badboy.co.jp 　当選者にはチケットを即日郵送するほか、「週刊マミ自身」8月17日号でお名前を発表いたします。 　いよいよ本格的な夏到来。暑い日が続きますが、夏バテしないようにしっかり食べて、今週も元気に行きましょう。 　（寝冷えをしないように、おなかの上にだけはちゃんとお布団をかけてネ）。 　ではでは♪ 事事如意 　　　　　　　2003年 8月 3日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年7月18日号(第99号) 今日は土用の丑の日 （食堂 Lee's Eel でウナギ料理を食べなくちゃ） ※お詫び：PCの故障により第99号の記録が消えてしまいました。 というわけで、申し訳ありませんが今回のバックナンバーは ありません。幻の第99号…です。 2003年7月4日号(第98号) すべての道がローマに通じるならば （写真つきオリジナルバージョンはここからご覧になれます） ※ギリシア・イタリア取材から戻ったばかりですが、来週末は国内（信州〜京都）取材のため「週刊マミ自身」の更新をお休みさせていただきます。次の更新は7月19日を予定しております。 ※なお今回の週刊マミ自身は、ギリシア・イタリアからのお土産つきですよ〜♪　どうぞお見逃しなく！ 　6月19日から一昨日までのちょうど2週間、ギリシアとイタリアを取材旅行してきました。 　帰国後は、時差ボケも覚めやらぬまま、『ブースケとパンダ』シリーズ第2弾の出版に向けての最終調整と、8月開催予定の日本文化デザイン会議の準備、それに12月出版予定のミステリー小説の執筆で目のまわるような忙しさが続いております。 ※ちなみに『ブースケとパンダ』シリーズ第2弾は、東京都内では7月25日頃から書店に並び始める予定。タイトルや価格などは、次の週刊マミ自身で発表しますネ。ちなみに表紙の目印は、思いっきりハデハデな赤と黄色と青の色合いと、中身の入ったラーメン丼を皿回ししているブースケ＆パンダです。どなたさまも、お見逃しなく。っていうか、見逃したくても見逃せないハデさですが（笑）。 　…というわけで今週はものすごく忙しく、旅の感想をゆっくり書いている時間がないのだブー（←困ったときだけ、いきなりブースケ口調）。 　ですので今回の「週刊マミ自身」は、旅先で撮った写真を中心に構成させていただきます。 　今回、旅のメインの目的はギリシアの島巡りにありました。 　その中でも特に、ラフカディオ・ハーンの生家があるレフカダ島と、ギリシア神話の中で名工ダイダロス（イカロスの父）がラビュリントスと呼ばれる迷宮を作ったされるクノッソス宮殿をこの目で見ることが、何よりの楽しみでした。 　紺碧のエーゲ海に浮かぶ、純白の島々…。涼やかな風をイメージして出かけた私でしたが、何のことはない、行く先々で日中の気温は連日40℃に迫る勢い。 「これじゃインドと大して変わりな〜い！」 って感じの猛暑でございました。 　なかでも特にインドっぽかったのは、ギリシアの首都アテネ。 　じっとしているだけで汗が噴き出してくるほどの暑気、都市計画ゼロって感じに道路がゴチャゴチャに入り組んだ迷宮ぶり、カラカラに乾いた埃っぽさ、あちこちにゴミが落ちている具合、人々のいい加減さ（3人の人に道を問えば3通りの答えが返ってくる）などなどなど、状況はまさにデリーそっくりなのでした。 　こんな状況で本当に2004年にオリンピックを開催できるの？…な〜んてことを本気で心配しているギリシア人は、おそらくひとりもいないのでありましょう。 　そして、そんないい加減さが、この国の最大の魅力なのかも知れません（ま、そういうことにしておきましょう（笑））。 　それではいよいよ、旅物語の始まり始まり〜。 ★アテネ, ギリシャ（Athens, Greece） 　到着して最初にビックリしたのは、この国には空港での入国審査がない（！）という驚嘆すべき事実。 　これまで、世界中あちこちを旅してきた私ですが、入国審査なしにいきなりタクシー乗り場に行けちゃった国は、ギリシアが初めて。 　いえね、ギリシアにも、入国審査があることはあるらしいんです。でも、到着したのが夜中だったため、係官が全員家に帰ってしまった後で、入国審査する人がいなかったらしいんですよね（凄まじすぎる…）。 ★レフカダ島, ギリシャ（Lefkas Island, Greece） 　島とは言え、レフカダとギリシア本土は橋で繋がっています。 　ちなみに、ラフカディオ・ハーンの生地であるレフカダ島は、ハーンが没した東京都新宿区と姉妹都市を提携しているんですよ。 　メジャーではないけれど、静かな良い島でした。今回の旅の中では、イチオシ！ ★クレタ島, ギリシャ（Crete Island, Greece） 　半人半牛の怪物「ミノタウロス」を閉じ込めたと言われる「ラビュリントス迷宮」がある島です。 　島にはいくつか大きな街がありますが、その中で私が好きになったのはレシムノン（Rethimnon）という港町。古い街並みが保存されていて、ゆっくり寛ぐことができました。 ★サントリーニ島, ギリシャ（Santorini Island, Greece 　「消えたアトランティスはサントリーニ島のことだ」と主張する学者もいるぐらい、非常に神秘的でエキゾティックで、エーゲ海らしい風景の拡がる島。 　昔々、火山の大爆発によって島の大部分が水没してしまったとのことで、サントリーニ島の周囲には、もとは一個だった島の“かけら”が、小島となっていくつも浮かんでいます。 　 ★ヴェニス, イタリア（Venice, Italy） 　空港に着くなり王子様が自家用ボートで出迎えてくれました（笑）。この街では条例により、自動車やバイクや自転車の走行が禁止されているのです（子どもの乗る三輪車だけはOK）。 　ヴェニスで「乗合バス」と言えば「乗合ボート」のこと。どこに行くにも、とにかく舟がなければニッチもサッチも行かない街ですね、ホント。 　ちなみに、前回の週刊マミ自身でも取り上げた“王子様”のお屋敷は、部屋数およそ300室！　ただしヴェニスの街からは電車で1時間半ほどかかってしまうため、今回は王子様の本宅ではなく別宅（それでも総3階建てのゴージャスさ！）のほうにお世話になりました。 　なお、ヴェニスから王子様の本宅に向かう途中には、なんとブースケという名前の街があるんですって（爆）。つづりはBOOSUKEではなくBUSCHEですが、発音はハッキリと「ブースケ」だそうです。 　王子様の話によれば、ブースケは「とりたてて何もない、退屈な街」で、「唯一の特産品は牛乳」だそうです。 　ブースケ牛乳…。話のタネに飲んでみたかった〜！（笑） ★ローマ, イタリア（Rome, Italy） 　すべての道はローマに通ず（All roads lead to Rome）と言いますが、私の座右の銘は、「すべての道がローマに通じるならば、ドン・キホーテよ、でたらめに行け」。 　どのみちローマにたどり着けるなら、くよくよ案じることなんて何もありません。それぞれの行きたい道を、自信を持って進んで行こうじゃありませんか。 　いや〜それにしても今回は、ムチャクチャ暑い旅でした。 　バッチリ日焼け止めクリームを塗って外出していたにもかかわらず、たったの2週間ですっかり焼けちゃいましたよ！ 　あっ、そうだ。たった今思い出したのですが、今回のローマ訪問中には、ヴァチカン市国にも行ったのでした。 　つまり、今回の旅で訪問した先は2カ国ではなく、ギリシア、イタリア、ヴァチカン市国の3カ国だったというわけです。 　面積0.44平方キロメートル、人口わずか770人の世界最小の独立国家ヴァチカン市国への入国に際しては、査証はおろかパスポートも不要。 　ただし宗教上の理由から、ノースリーブやショートパンツなど肌を露出した服装での入国は不可ですので、訪問を予定していらっしゃる方はくれぐれもご注意くださいマセ。 　さてさて、お約束しておいたお土産（読者プレゼント）ですが、今回はギリシアとイタリアから、それぞれ1点ずつご用意しました。 �@2004年アテネ・オリンピックの公式Ｔシャツ。私がヴェネチアで着ていたのとお揃いのデザインです。男女兼用のフリー サイズ。 �Aイタリア産の白ワイン。実は私も飲んでいないので、甘いのか辛いのか不明。いいかげんでゴメンネ（笑） 。 　プレゼントをご希望の方は、 　　�@ご希望の品名 　　�Aお名前（本名でもハンドルネームでも可） 　　�B性別 　　�C年齢 　　�D山田真美の著書のうちで、いちばん好きな作品の名前 　　　（お読みになったことがない場合は、これから真っ先に読んでみたい作品1冊） 　以上の事柄を書いて、7月18日（必着）までにメールにてご応募ください。 　応募先：　mami@yamadas.jp 　たくさんのご応募、お待ちしていま〜す。当選者の発表は週刊マミ自身99号で。 　ではでは♪ 事事如意 　　　　　　　2003年 7月 4日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年6月15日号(第97号) ヴェニスの王子様 ※今週から2週間、取材のためギリシアとイタリアに行って参ります。次の「週刊マミ自身」更新は7月5日を予定しております。お土産（読者プレゼント）にご期待ください♪ 　というわけで、今週はいよいよギリシアです。 　日本からギリシアへは直行便がなく、どこか別の国を経由して行くことになります。可能性としては、 ★KLMオランダ航空を利用してアムステルダム経由アテネ行き ★エールフランス航空を利用してパリ経由アテネ行き ★英国航空（またはバージン・アトランティック航空）を利用してロンドン経由アテネ行き 　 などのルートも考えられたのですが、今回はイタリアのアリタリア航空を利用、東京→ローマ→アテネ→ローマ→東京というルートで旅をすることにしました。 　で、せっかく飛行機がローマに降りるのですから、そのまま日本に帰ってくるのは勿体ない。イタリアにもちょっと寄って来ようかな〜ということに突如なりました。 　もっとも今回の旅はあくまでもギリシア取材がメインですから、イタリアではそれほど時間が取れません。ローマと、せいぜいあと1都市に行くのが限度。 　候補地としては、オシャレの町ミラノ、ルネッサンス文化の中心で街中が全部美術館のようなフィレンツェ、あるいはマフィアで有名（笑）なシチリア島、それに「ナポリを見て死ね」のセリフが有名なナポリなどがパッと頭に浮かびます。 　ちなみに、この「ナポリを見て死ね」（英語では“See Napoli and die.”）ってセリフ、いったい誰が最初に言い出したんでしょうね？　日本にも「日光を見ずして結構と言うな」ってフレーズがありますけど、発想は同じ？？ 　このあいだも日本に遊びに来た外国人が“Nikko Kekko！” とか言って喜んでいましたが、意味わかって言ってるんでしょうか？？？（笑）。 　以上、閑話休題でした。 　さてさて。 　あまたあるイタリアの都市の中で、今回私が選んだのは水の都ヴェニス（イタリア語での呼び名は「ヴェネツィア」）です。 　はいはい、そうです。『ヴェニスの商人』や『ヴェニスに死す』で有名な、あのヴェニスですよ♪ 　ヴェニスを選んだ理由は、ひと言で言うと「運河のある街（いわゆる水郷）が好きだから」。 　私の好きな世界の水郷を挙げますと、たとえば、『夜明けの晩に』にも登場するインドヒマラヤのカシミール、『ブラック・アンブレラ』に登場する南インドのケララ、7月発売の『ブースケとパンダ』シリーズ第2弾に登場する中国の周庄など。 　このように世界の津津裏裏にある水郷の中で、文句なしの知名度ナンバーワンといったら、やっぱりイタリアのヴェニスではないでしょうか。 　なんと言ってもあの、ゴンドラと呼ばれる手漕ぎ舟が超有名。ゴンドラの船尾で白髪の船頭さんが 「オ〜ソ〜レミ〜ヨ〜♪」 とか歌っているところなんて、ホント、絵になります。 　実は、私の友人のひとりが旧ヴェネツィア王国の末裔でして、世が世なら王子様という人。 　今回のヴェニス滞在中は、この王子様のお世話になることになりました（ラッキ〜♪）。 　この王子様は、おっとりしているというか、本当に面白い人なんですよ。 　なにしろ、ある人が「失礼ですけど、部屋数はいくつおありなんですか？」と尋ねたところ、「部屋数ですか。数えたことがないなぁ」。 　「じゃあ、お宅のお写真とかありませんか」という質問には、「航空写真ならあるけど…」というお返事なんですから、も〜、驚くのなんのって…。 　話は変わりますが、何年か前にヒマラヤ山中の旧ラダック王国（現在はインドの一部）に遊びに行ったときは、やはり古い友達のマハラジャのお城に泊めてもらったことがあります。 　この家も、とにかく信じられないほど広い建物で、部屋数は全部で77室。夜中に屋上まで星を見に行き、帰りに廊下で道に迷って部屋に戻れなくなりました（汗）。 　そこはなにしろ標高3500メートルの山中。気温は−20℃まで冷え込み、このときはもうちょっとで廊下で遭難・凍死するところでした。 　…というような経験もあるので「王子様のおうち＝何かトンデモナイ冒険ができる場所」という勝手な思い込みが、私の頭の中にはあるわけですネ（笑）。 　王子様に案内されてヴェニス観光…。う〜ん、何が起こるか、今から楽しみ楽しみ。 　マフィアの抗争にだけは巻き込まれないよう、十分に注意したいと思います（笑）。 　そんなこんなで、留守中は「週刊マミ自身」の更新をお休みさせていただきますが、何卒ヨロシクお願いいたします。7月5日号は、ギリシア＆イタリア土産の読者プレゼントを予定しています。どうぞお見逃しなく！ 　 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 6月 15日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年6月7日号(第96号) ゼウス神の名にかけて 　少し前にギリシャ語の勉強を開始したということは、「週刊マミ自身」でもお伝えしたと思うのですが、その後、なにやら色々と不思議なご縁がありまして、この夏はどうやらギリシャに行くことになりそうです。 　まあ、ギリシャと言えばギリシャ神話、ギリシャ神話といえばオリンポスの山ですからね、長年インド神話を研究してきた人間としては、 「ヒマラヤの次に登るのは、オリンポス山かな？」 などと冗談に言うことはあったのですが、まさかこの夏にオリンポス行きが実現することになろうとは…。 　もっともオリンポス山の標高は2,917メートルだそうですから、ヒマラヤの6,180メートル地点に到達したことのある私には、高度の点でちょっと不満があるのですが、ま、そういう世俗的な数字の比較は置いといて…（笑）。 　 　私がギリシャ神話に初めて興味を持ったのは15歳、高校1年生のときで、これは当時夢中になっていたシェイクスピア劇のお蔭でした。 　シェイクスピアを本格的に読んだことのある方なら、100％どなたでもお気づきのことと思いますが、多くのシェイクスピア作品の中には、ギリシャ・ローマ神話の知識がなければ理解できないフレーズが山ほどあるのです。 　ご存知のように、ギリシャ神話の最高神はゼウス、息子の名前はアポロンです。 （ただしこれがローマ神話に取り入れられたあとは、ゼウスはジュピター、アポロンはアポロの名前で知られるようになるのですが。原形はあくまでも、ゼウスとアポロン） 　こういう神様たちが、シェイクスピア作品のあちらこちらに顔を出すんですよね。 　例えば、シェイクスピア作品で頻繁に見かけるセリフのひとつに、“Now, by Jupiter...”または“Now, by Apollo...”というものがあります。 　これを直訳すると、「ジュピター神（またはアポロ神）にかけて」、日本的に意訳すれば「天地神明に誓って」、もっと超訳すれば「嘘ついたら針千本飲ます」みたいな意味になると思うのですが（ちょっと違うか（笑））、こういうセリフが至るところに、しかもさりげなく散りばめてあるのが、シェイクスピアの面白さというか、深遠なところ。 　一例をあげれば、四大悲劇のひとつ、『リア王』の名場面がそう。 　誰が敵で誰が味方かわからないほど老人ボケの進んだリア王が、最も忠実なケントという名の老臣下と言い争う場面でも、両者は負けじと“Now, by Apollo...”を連発します。 　このあたりのリア王のボケぶり（老醜）は凄まじく、それが、「アポロ神にかけて」と言うたびに、いやがうえにも増幅される感じなんですね。 　このシーンを今読み返してみると、切実で、尚かつ鬼気迫るものがあるというか、ヨーロッパ的な宗教観に根ざした深い意味合いが読み取れます。 　ギリシャ・ローマ神話の神の名を持ち出さなければ、この重苦しく切実でしかも愚かしい雰囲気は、おそらく絶対に表現できなかったことでしょう。 　たとえて言えば、子どもが喧嘩をしたときの決まり文句「先生に言いつけてやる！」をちょっと変えて、老いたリア王が「神様に言いつけてやる！」と言っているような、哀しくも滑稽なニュアンスを、“Now, by Apollo...”の一言の中にシェイクスピアは封じ込めたのじゃないでしょうか。 　そういう意味で、ギリシャ・ローマ神話のエッセンスは、ピリリと辛くホロリと苦い隠し味のスパイスとして、シェイクスピア作品の真髄にまで染み渡っているわけです。 　というわけで、私の初めてのギリシャ体験は、15歳の時に原典で読んだシェイクスピア（の中に垣間見えるギリシャ神話的世界）でした。 　そのあとの私のギリシャ体験は……う〜ん、そうですねえ……（シェイクスピアと比べると話はドーンと下世話になりますが）ギリシャ人の男性からは、これまでに何度か言い寄られたりデートに誘われたり花を贈られたりしましたよ。 　なんせギリシャとイタリアの男は、世界一女にマメ。 　 　いや〜も〜、彼らのマメさは、一種感動モノですよ。断わっても断わっても果敢に追いかけて来る、あの、あっけらかんとして陽気なバイタリティーはスゴイ！ 　同じことを日本の男性にやられたら、間違いなくストーカー行為で110番通報ですが、ギリシャ人やイタリア人だと憎めないところが、またスゴイ！ 　機会がありましたら、死ぬまでに一度は是非どうぞ。ただし、結果については当方は一切関知しませんので、すべて自己責任でお願いします（なんのこっちゃ（笑））。 　もちろん、中には全然マメじゃないギリシャ人（イタリア人）の男性もいらっしゃるのでしょうが、そういう方は、たぶん少数派なんじゃないしょうか。 　いや、これはすべて私の独断と偏見かも知れませんが。っていうか、私のギリシャ体験、前半（シェイクスピア）と後半で落差が大きすぎ（爆）。 　…そういうわけで（どういうわけだ？）、この夏は、シェイクスピアから学んだ神話の醍醐味と、ギリシャ男のマメさから学んだ人間コミュニケーションの妙をじっくりと堪能しながら、「ゼウスの名にかけて」ギリシャ世界にどっぷり浸かってこようと思っています。 　なお、「ギリシャに行ったら、是非○○に行っておいで！」「食べ物は○○がオススメ！」などなど情報がありましたら、ぜひともお知らせください。楽しみにお待ちしております。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 6月 7日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年6月1日号(第95号) タランチュラはお好き？ 　先日、タランチュラのブリーダーをしている知人（日本人）の家に遊びに行って来ました。 　う〜ん。こう書いただけで、どこかから「気持ち悪〜い！」という悲鳴が聞こえてきそうですが…（笑）。 　あるいは、「ええっ。タランチュラをブリーディングしている人なんて、この世に実在するんですか？！」という反応も多いかな？ 　いえいえ、きっとそれ以上に多いのは、「それにしても真美さんは、何のためにタランチュラなんか見に行ったんですか？」という、とっても素朴な疑問かも知れませんね。 　まあ、そのへんは一作家の仕事上のヒミツってことで、あとはノーコメントとさせて頂きます（笑）。 　実は私、少し前から秘密裏（？）に蜘蛛の研究をしておりまして、タランチュラ研究もその一環。 　数日前には、親友でファッション・デザイナーの岡正子さんに頼んで、とうとう「タランチュラの糸で出来た世界初のドレス」を作ってもらう計画を始動したところなのデあります。 　岡正子さんのホームページ→　http://www.oka-masako.com/ 　一般的にタランチュラといえば、世にも恐ろしい猛毒を持ち、噛まれたら即死…というイメージが強いのですが、実際にはタランチュラの毒性は低く、万が一噛まれても命に別状はないんですって。 （でも、八本足で毛むくじゃらなあの姿を見たら、世にも恐しい生きものだと思うほうが自然な人間心理かも。実際には、タランチュラより遥かに小さく可愛らしい蜘蛛の中に、遥かに強い毒を持つ種類がいるのですが） 　タランチュラに噛まれても、アレルギーがひどい場合などを除いては、病院に行く必要すらないみたい。意外でしょ。 　私のアメリカ人の友達で、25年ぐらい前からタランチュラをペットに飼っている女性（『007』に出てきそうなすっごい美女）がいるのですが、彼女いわく、 「タランチュラっていいわよ〜、世話が楽で。肉食生物だから給餌は1ヶ月に2回ぐらいで十分だし、犬みたいに散歩に連れて行く必要がないでしょ。それに犬みたいにうるさくワンワン吠えないし、そのうえ15年も20年も長生きするの。どう？　マミも一度飼ってみたら？」 　これには思わず「ひぇ〜」とのけぞってしまいました。 　私はどちらかと言うと、犬みたいに吠えたりじゃれたり一緒に散歩が出来るような、手間のかかる生き物が好きなんです。 　でも、彼女に限らずタランチュラ好きな人は、「何十年一緒に暮らしても人間にはまったく懐かない、完全に一線を画したクールな他人の関係」が好きみたいなんですね。 　本当に人間の趣味は十人十色です、はい。 　もしも読者の皆さんの中に「タランチュラを飼いたい！」という方がいらっしゃいましたら、山田真美までメールでお問い合わせください。とびきり優良なブリーダーをご紹介いたします（笑）。 　なお、私の蜘蛛研究の成果は、11月末に出版予定の長編ミステリー小説の中で存分にお楽しみいただく予定です。乞うご期待！ 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 6月 1日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年5月25日号(第94号) ロバのパン屋さん 　このところレトロ趣味がマイブームです。 　で、先々週の浅草探検隊（浅草十二階）にひき続き、今日のテーマは「ロバのパン屋さん」！ 　と言っても若い方はまったくご存じないでしょうね、ロバのパン。 　私には4つ年下の弟がいるのですが、少し前に彼に聞いたところ、ロバのパンのことはまったく知らない様子でしたから、世代的には私あたりが、ロバのパン屋さんを知るギリギリの最後世代になるのかも知れません。 　 　ロバのパン屋さんとは、名前の通り、ロバが引っぱってくるパン屋さんのこと。 　はい、生きているホンモノのロバが、パンの入ったケースを引いて、チンカラチンカラという独特のテーマソングを流しながら公道を歩いてくるのです。 　そして、道のところどころで止まっては、お客さんにパンを販売し、そしてまた、チンカラチンカラとどこへともなく去ってゆく。これがロバのパン屋さんです。 　百聞は一見にしかず。まずはロバのパン公式ホームページをご覧ください。 　そうそう、これです。見てくださいよ、トップページにあるイラスト。 　ちょっとうつむき加減に歩く哀愁漂うロバが、パンを満載したケースを引いて歩いてくる当時の様子は、このイラストそのまま。 　子どもの頃は知らずに食べていましたが、ロバのパンを売っているパン屋さんの正式名称は株式会社ビタミンパン連鎖店本部というんですね！ 　しかも、本部が京都にあったとは…。 　私が生まれ育ったのは長野市の中心部。ロバのパン屋さんは、遠く京都を離れて、ずいぶん遠くにまで支部を持っていたようです。 　ホームページに書かれた「会社のなりたち」を読んでみますと、同社の創業は1927年で、当時はおまんじゅうと蒸しパンを売っていたのだとか。 　43年に第二次世界大戦で一旦廃業したものの、51年には営業再開。このときから、馬車と音楽による移動販売がスタートしたようです。 　55年にはキングレコードから「パン売りのロバさん」が発売され、例の「チンカラチンカラ」というセリフが印象的なテーマソングが一世を風靡するわけです。 　が、しかし。 　61年には移動販売用に自動車が採用されはじめ、64年には、馬車による販売はついに全廃されてしまいました。ちなみに私は1960年生まれ。弟は64年生まれ。どうりで弟がロバのパン屋さんのことを知らないわけです。 　ロバの全廃は、当時の日本の高度成長の状況を考えれば、仕方のないことだったと思います。 　1964年といえば東京オリンピックが開催され、日本のいたるところで田畑が住宅地に、デコボコの田舎道が幅の広い舗装道路に変わりはじめた時期ですからね。 　恐ろしい勢いで自動車が増えはじめた道路の上を歩みののろいロバが歩いていたのでは、何かと不便なことがあったでしょう。 　また、今も覚えているのは、大人の中には「パンにロバの毛が混じる」、「路上にフンを落としていくのは不潔だ」と言って、ロバのパンを買ってくれない人もいたこと。 　子ども心に、「ロバの毛ぐらいで人間は死にはしないのに」と思ったことを、今でもよく覚えています。 　東京オリンピックが開かれた1964年という年は、日本にとってはある意味で国際元年と言い換えてもいい年。外国人に見られても恥ずかしくない日本を目指し始めた年だったのではないでしょうか。 　ちなみにお茶の間の文化を振り返ってみれば、皇太子（現・天皇）のご成婚パレードの様子を一目見たさに国民がこぞって白黒テレビを買ったのが、1959年。 　その5年後の1964年には、東京オリンピックをカラーで見たい一心から、多くの日本人が白黒テレビをカラーテレビに買い換えた年なんですね。 　ちなみに我が家もこのパターンでした。 　ですから、60年生まれの私には白黒テレビの想い出があるにもかかわらず、4つ下の弟には、最初からカラーテレビの記憶しかないようです。このへんの4年間の差は大きい！ 　話をロバのパンに戻します。 　私が子どもの頃に食べていたロバのパンは、1個10円のものが主流で、見た目にも地味なフツーのパンは5円、キラキラ・トッピングの乗った、いかにも美味しそう〜なパンは20円だったように記憶しています。 　小さかった頃の“まみちゃん”は、このキラキラ・トッピングのパンのことを心の中で「お姫様も食べている夢のパン」（笑）と呼び、1ヶ月にいっぺんぐらいしか巡回して来ないロバのパン屋さんを心待ちにしていたのでした。 　ちなみに、ケースを引っ張ってくるロバのことを、私は勝手に「ミミちゃん」と名づけていました。 　チンカラチンカラの音楽が遠くから聞こえてくると、 （あ！　ミミちゃんが来た！） と小躍りし、母親からもらった20円を握りしめて、お友達の照子ちゃんや久美子ちゃんと手をつないで、音のするほうへ走って行ったものでした。 　そのとき一緒にパンを食べた照子ちゃんは今ではハワイ永住、久美子ちゃんは学校の音楽の先生になっています。 　というわけで、子どもの頃に食べたパンといえば、ロバのパン。 　あれほどワクワク胸を躍らせながらパンを買いに行くことは、きっと、もう二度とないかも知れません。 　…さて、ここからは後日談です。 　私の担当編集者をしてくださっている芝田暁さんが高校時代から飼っていらっしゃった犬の名前が、偶然にも同じ「ミミちゃん」。こちらのミミちゃんは、残念ながら老衰で2002年にこの世を去りましたが、芝田さんはミミちゃんのことを、それは可愛がっていらっしゃったようです。 　私にとってもミミちゃんは、忘れられないロバの名前。 　そんな理由から、7月に発売される『ブースケとパンダ…』の第2弾には、ミミちゃんという名前のとっても可愛い人間の女の子が登場します。 　私にとってミミという名前は、どこか哀愁の漂う、古き良き想い出の詰まった名前なんですネ。 　本の中でミミちゃんに逢ったら、そのことを思い出して頂ければ幸いです。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 5月 25日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年5月17日号(第93号) インド経済を読み解く 　今週は、母校の明治学院大学で「山田真美と読み解くインド経済 〜10のキーワードから〜」と題した特別講義を行なってきました。 　そうなんです。実は私、もとを正せば経済学科の出身なんですよね。 　もっとも、経済学科を卒業したあと、さらに海洋学、そしてインド哲学と、まるきり畑違いの学問を、それぞれ異なる国の異なる大学で学んだものですから、普段は自分自身でも、経済学科出身であることをすっかり忘れているのですが…（苦笑）。 　今回の特別講義は、アジア経済論を専攻する3年生・4年生約100名を対象に、私が在学した当時はまだ存在しなかった、新しい大教室で行なわれました。 　今回の講義では、（出席した生徒の全員がインドに行ったことがないという事実を踏まえて）、まずはインドの社会構造を大まかに把握してもらうことに力を入れました。 　一般に、学校で教えてくれる経済学は、数字の羅列ばかりでつまらない学問になりがちですが、本来、人間の経済活動は、そこに住む人間の民族、宗教、言語、行動様式や思考形態といったものを軸にして考えない限り、理解できるはずがないのです。 　…というわけで今回は、インドの社会構造からレクチャー。 　まずは、『もしも世界が100人の村だったら』のパロディーで、「もしもインドが100人の村だったら」と題して、宗教による勢力分布を説明しました。 　もしもインドが100人の村だったら、80人がヒンドゥー教徒、15人がイスラム教徒、2人がシーク教徒で、残り3人はキリスト教、ジャイナ教、仏教、ゾロアスター教などの少数派が分け合っていることになります。 　この数字からも歴然としているように、国教は定めていないインドですが、実際には圧倒的にヒンドゥー教が支配的というわけ。 　ちなみにヒンドゥー教は、仏教の基礎になっている宗教です。 　もしも皆さんが仏教のお寺に行かれることがあったら、仏像の名前に注目してみてください。 　大黒天、弁才天（注／「弁」論と「才」能を司る女神なので、弁「財」天と表記するのは本来は誤り）、吉祥天、毘沙門天など、「○○天」と名のつく仏像が多いことに気づかれると思います。 　実は、これら「天」と名のつく仏は、もともとヒンドゥー教の神様だったものが仏教に取り入れられたもの。 　そういう意味では、仏教徒の多い日本人にとって、ヒンドゥー教は比較的わかりやすい宗教と言えるかも知れません。 　宗教に関する概略を説明したあとは、私が実際にこの目で見た生のインドについてお話しました。 　「ガンジス河に死体がドンブラコ」といったインドの定説（笑）から始まって、「ニューデリーでは電気使用料の65〜70％が永久に未払いである」、「乞食の中には“物乞いの小道具”として赤ちゃんを貸し出している母親グループがいる」といった、現地に長く暮らしてみて初めてわかった、インドのトンデモナイ舞台裏を紹介しつつ、さらに、次にあげる10のキーワードに沿ってインド経済を読み解いてみました。 �@人口 　毎年オーストラリアの人口とほぼ同数の人間が増え続ける国。 　インドの人口は2002年現在の推定で10億4767万1000人で、中国に次いで世界第2位。政府の呼びかける産児制限は無視され続け、「一族の繁栄」を祈って、インドの人口はぐんぐん増える一方です。 　なにしろ政府の高官でさえ6人も7人も子どもを持つ人が少なくない国ですからね。国民が政府の言うことを聞くわけないって（笑）。 �A理数系頭脳 　ゼロを発見した民族の末裔・インド人。99×99＝答えはいくつ？ 　日本では「九九」すなわち九の段までの掛け算を暗記させられますが、インドにはなんと九十九の段の掛け算というものがあって、1×1から99×99までスラスラ言えてトーゼンなのです。 　なお、ゼロという概念を発見したのも、私たちが現在使っているアラビア数字を考案したのも、ともにインド人。 　とにかく数字に強い民族なんです、はい。 �B英語力 　英語を含む3つ（或いはそれ以上）の言語を話すことが常識の国。　 　なにしろほら、全員が話せる共通言語がない国なんです、インドというところは。 　公用語のヒンディー語、準公用語の英語のほかに、自分の生まれ育った場所の言葉を話せることが、インドではかなり当たり前。 　英語が使える人が多いということは、すなわち、インドが国際競争力の高い国であることを示唆しています。 �C経済開放政策 　1991年に自由主義経済に転換。残された最後の巨大市場に。　 　約10億5000万人のインド人口のうち、3億人〜3億5000万人が「中流階級」。ここでいう「中流」とは、洗濯機などの家電品を購入する経済力のある人々のこと。 　ちなみに、インドで最も売れている日本製品は、スズキ自動車が現地生産して爆発的に支持されたマルチという名前の軽自動車。インドの道路を走る車の60％以上（！）がスズキのマルチだとさえ言われています。 �D財閥 　インドの財閥、いくつ知っていますか？ 　インドでいちばん大きいのはTATA（タタ）財閥。インドのGDPの3％を占める大財閥で、世界の財閥の中でもトップクラスに数えられています。 　興味深いのは、TATAの経営者一族がゾロアスター教徒であること。 　ゾロアスター教は、拝火教、またはパーシー教とも呼ばれ、火を神聖視することや、死後は土葬でも火葬でもなく鳥葬にされることでも有名な宗教。信者数はインドに約5万人、全世界でも10万人ほどしかいないとされる、超マイノリティー（少数派）の、絶滅危惧種のような宗教です。 　ところが驚いたことに、インドの10代財閥の中には、ゾロアスター教の信者一族が経営する財閥がふたつもあるのです！　（TATAと、もうひとつはGODREJというグループ）。 　世界で最もマイノリティーな人々が、インドの富を支配している事実。これも、インド経済の面白さのひとつでしょうね。 �E印僑 　華僑と並び、世界にネットワークを広げるNRI（非居住インド人＝印僑のこと）の存在。 　これは、今さら言うまでもないでしょう。中国人、インド人、そしてユダヤ人。世界にこれほど広く強大なネットワークを持つ民族は、他にいないのでは？ 　世界中どこに移り住んでも、商売で大成功をおさめ、そして本国への送金も決して怠らない、愛国主義者のインド人。 　彼らにとっては、この地球上のあらゆる場所が、自分の庭みたいなものなんだと思います。 �FIT 　先進国型の情報産業（IT）がインド経済の鍵。 　ITと言えばインド、インドといえばIT。 　ただしインドには、「言ったもん勝ち」の風習があるので、工学部もろくに卒業していないくせに、自分の名刺に勝手に工学博士と印刷し、疑うことを知らない外国人（特に日本人）をだましているような悪徳インド人も、少数ですが実在します。 　同様に、インド人ニセ医者、ニセ弁護士、ニセ大学教授にも何度か逢ったことがあります。くれぐれもお気をつけて（笑）。 �G税制 　日本ではありえない「大富豪」と「大貧民」が共存する国。 　驚いたことに、インドには相続税というものがない（！）のです。 　つまり、親が残してくれた財産は、すべて子ども（一般的には長男）がそっくりそのまま相続し、相続税は1ルピーも払わなくて良いシステム。 　その理由はおそらく、この国の多くの人々（主にヒンドゥー教徒）が信じる、「人は輪廻転生する生きものだ」という考え方と、「家族至上主義」にあるように思います。 　前世を信じるこの国では、「ご先祖様」イコール「自分」なのです。 　つまり、ご先祖様が汗水たらして築いた財産は、イコール、自分が前世で築いた財産ということになるわけですから、「過去の自分が働いて築き上げた財産に対して、なんで税金なんか払わなきゃならないの？」という理屈になるのです。 　このあたり、日本人には理解しがたい感覚では？（笑） �H安い労働力 　近隣諸国からの出稼ぎ労働者を含めた、安く豊富な労働力。 　インド国内だけでも、既におびただしい数の貧しい人々がいるというのに、その近隣諸国（例えばネパールやバングラデシュなど）には、さらに貧しい人々がいて、その人たちがインドの大都会（デリー、カルカッタ、ムンバイ、チェンナイなど）を目指して出稼ぎにやって来るのです。 　いわゆる「肉体労働」は、こうした低所得層の人々が請け負い、その対価は非常に低いものになります。 　例：掃除や皿洗いなどをするお手伝いさんの月給が、場合によりますが、1ヵ月あたり（日本円換算で）数千円程度。 �I宗教心 　宗教・ファミリーで団結する企業原理。 　インドでは、国家の幸福よりも、個人の幸福よりも、まずは「一族の繁栄」が最重要項目。 　「一族」は「宗教」で固く結ばれ、それが多くの場合、企業経営にも大きな力を持っています。 　 　…とまあ、他にも色々とキーワードは考えられるでしょうが、インド経済を語るためには、まずこうしたインドの複雑怪奇な社会構造を大づかみする必要があるわけです（こういうことを抜きにして、いきなりインド経済について語っても、話がチンプンカンプンになってしまいますから）。 　今回、私が生徒たちにいちばん伝えたかったメッセージは、（これは経済学科に限らずすべての学問に共通することでしょうが）、教科書にズラッと並んだGNPやらGDPといった数字をただ漫然と暗記するのではなく、その数字の裏側に隠された意味を考えられる人になって欲しいということ。 　例えばインドの場合なら、この国の65〜70％の人が電気使用料を支払おうとしない理由は何か？ 　貧富の差がこれほど大きいにもかかわらず、この国で暴動やクーデターが起こらないのは何故か？ 　…こうしたことをじっくり考えてみることが、本当に大事だと思うんです。 　日本の学校では、いまだに丸暗記学習が主流で、それさえできれば“偏差値の高い”（←このコトバ自体、意味不明（笑））大学に進めるという、きわめて時代遅れの教育システムが成立しています。 　でもこんなやり方は、ハッキリ言って、世界ではまったく通用しません。 　本当に大切なのは、「何故？」と自問自答し、教科書に頼らずに自力で答えを見つける、そのための考え方や基礎学力を身に付けること。 　そして残念ながら、今の日本の教育は、その部分が完全に欠落していると思うのです。 （日本の教育問題については、いずれキチンとした形で発表したいと思っています。しばしお待ちを♪） 　ところで、少し前にも予告したとおり、今週はパプア・ニューギニアのソマレ首相が来日され、関係者による歓迎パーティーが開かれました。 　ソマレ氏は現在77歳ですが、断続的に、しかも2度ならず3度までも、パプア・ニューギニアの首相を歴任していらっしゃる方。 　「連続して3期」ではなく、「断続的」に、「3度」も首相の座に返り咲いたという人は、世界的に見ても非常に珍しいそうです。 　パーティー当日のスナップ写真を何枚か撮ってきましたので、なにとぞご笑覧くださいマセ。 （少し前の「週刊マミ自身」で、「パプアの首相歓迎パーティーには赤いドレスを着て行きま〜す♪」とか書いておきながら、当日は雨が降って寒かったものですから、予定とは違う長袖のドレスを着て行きました。赤いドレスは、夏に持ち越しですね） 　今週はこのほかにも、ほぼ毎日のように仕事のミーティングが続き、ゆっくりお茶を飲む暇もないほど忙しい1週間でした。 　とは言え、例のシドニー・ミステリーのほうは、着々と書き進めていますよ♪ 　今回のミステリーは、第1章から第9章までの章立てになる予定で、現在はそのうちの第2章の後半を執筆中。予定どおり、すべては順調に進行していますのでご安心を。 　ところで先週も書きましたが、今日は浅草の三社祭です。こうして書斎に座っていても、先刻から御神輿の練り歩く声が盛んに聞こえて、賑やかなこと。 　折角ですから、これから屋台のもんじゃ焼きを食べに出かけて来ます（笑）。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 5月 17日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年5月10日号(第92号) 浅草探検隊 　私の東京宅は、浅草の雷門から歩いて10分ほどの場所にあります。 　近所には、職人さんやら落語家さんやら面白い方が住んでいらっしゃいますし、近所づきあい一つ取ってみても、「これが今どきの東京？！」と吃驚するような人情もまだまだ残っています。 　あと、お寺と仏壇屋さんがメッチャクチャ多いのも、このあたりの特徴（笑）。 　先日、初対面のAさんに、私が浅草界隈に居を構えていると申し上げたところ、 「それは意外だなあ。真美さんと浅草って、全然イメージが合いませんね」 と言われてしまいました。 　確かに私は信州生まれの信州育ちで、江戸っ子じゃありませんからね。浅草とイメージが合っていないと言われれば、「はあ、そうですか」と答えるしかありません。 　ただし地元・信州に帰れば帰ったで、ほとんどの人から「あなたは信州人らしくないね」と言われちゃうんですけどね。 　先日は信濃毎日新聞社の文化部長さんから、 「あれえ？！　山田真美さんってチャキチャキの江戸っ子だとばかり思ってた」 なんて言われるし。ううう、こんな私って、いったい何者？！（爆） 　浅草も信州もダメってことになると、私はどこの街となら合うのでしょう？　Aさんにそう尋ねたところ、 「そりゃあもう、ヒマラヤの奥地かアマゾンの原生林しかないでしょう。アハハ…」 だそうです（汗）。 　ま、そういう有り難いご意見は、ひとまず横に置いといて…。そもそも私が何故、浅草の近くに住んでいるのか。まずはそのへんを簡単に説明しておきましょう。 　これは、講談※に詳しいお年寄りから伺った話なのですが、昔の講談には、浅草の山田薬局なるものがたびたび登場したそうです。 ※講談＝話芸の一。釈台（小卓）を前に座し、張り扇でこれを叩きつつ、朗々と歯切れ良く物語類を聞かせる芸。主に寄席で演じられる。内容は軍記・仇討・武勇伝・侠客伝・世話物など多様。起源は元禄（1688〜1704）頃の「太平記読み」。江戸時代には講釈と呼ばれた。（「広辞苑」より） 　山田薬局というのは、当時の有名な漢方薬局の名前。セスナ機で空からビラをまくという、当時の常識では考えられないほどブッ飛んだ宣伝方法を、日本で最初にやってのけたのが、くだんの浅草の山田薬局だというお話でした。 　で、この山田薬局というのが、ほかでもない、うちの夫の直系のご先祖様なんです。 　ちなみに『浅草人物史』によれば、山田家の先祖は幕府の御用医師だったそうです。 　二代目（1919年没）はかなりのやり手で、当時の山田薬局は「玉晴丸」「咳軟薬」「肝蠢丸」などを全国発売し、浅草本店のほかに本郷5丁目、本所区外手町、浅草区山谷町、下谷町山伏町、本所区吉岡町など、あちこちに支店を持っていたそう。 　商才があるという意味では、今で言うマツキヨみたいなものだったんでしょうネ、たぶん（笑）。 　時代が変わり、既に漢方薬局としての「山田薬局」は畳んでしまいましたが、今でも親戚には医者や学者、薬剤師になる者が少なくありません。 　長年にわたって続いた家風は一朝一夕には変わらないというか、血は争えないなあと思います。 　また、山田家の先祖にはなかなか進取の気に富んだ人材も多かったようで、関東大震災の前には、驚いたことに、早くも鉄筋コンクリートの3階建てのビル（！）を建てちゃってるんですねえ。 　このビルは、かつては山田薬局の店舗として使われ、大震災を生き残り、第二次世界大戦も生き残って、ナントナント、現在もうちの裏手にしっかりと建っています。 　そのほかにも、やはり一族が経営していたのが山田銀行。ご多分に漏れず、昭和の金融恐慌で潰れてしまったようですが、飛行機からビラは撒くわ、銀行は作るわ、とにかく面白い一族ですネ、はい（笑）。 　とまあ、そんなわけで、浅草は私にとって浅からぬご縁のある土地柄なのですが、最近になって新たに関心を寄せていることがあります。 　それは、浅草十二階と呼ばれる幻の建物のこと。 　浅草十二階に興味を持ちはじめたきっかけは、ウェブ上で山田真美ファンクラブを運営してくださっているさくらさんの一言でした。 　さくらさんによれば、浅草にはかつて「十二階」と呼ばれる恐ろしくハイカラな建物があったとのこと。それは今で言う六本木の森アークヒルズのような、あるいはそれ以上に強いインパクトのある高層ビルだったらしい、というのです。 　早速、広辞苑で「十二階」と引いてみると、「東京浅草にあった凌雲閣（りょううんかく）の俗称」とあります。「凌雲閣」については、次のように説明がなされていました。 　東京都台東区浅草公園にあった12階の煉瓦造の建物。 　1890年（明治23）の建造。高さ50メートル。 　1923年（大正12）の大震災に倒壊し、撤去。俗称、十二階。 　この十二階という建物、位置的には浅草寺や花やしき（日本最古の遊園地）のすぐそばにあったようです。 　さくらさんが調べてくださった浅草十二階レポートは、次のURLからご覧になれます。 　http://mami-fan.hp.infoseek.co.jp/i/12kai/12kai.shtml 　かなり内容の濃いレポートです。ご興味のある方は、なにとぞご高覧ください。 　先日、浅草十二階の跡地を見るべく、浅草界隈を一日探検してきたのですが、そのついでにちょっと足を伸ばして、昔の吉原遊郭があったあたり（現在の台東区千束4丁目）にも行ってみました。 　ここは200軒〜300軒ほどのソープランドが軒を連ねる、かなり特別（！）な雰囲気の町。 　お昼ちょっと過ぎに行ったにもかかわらず、町の至る所には、既に客引きのお兄さんがびっしり並び、歌舞伎町なんか全然比較にならないほどの、大変な活気なんです（こんな昼間から、結構お客さんが来ていることにもビックリ）。 　私はと言えば、犬のブースケを抱いて近所の主婦に成りすまし、すました顔で（もちろん普段着で）町を歩き回ったのでした。 　強面の客引きのお兄さん（全身黒ずくめでちょっとコワイ雰囲気）が、 「おっ、可愛いじゃない♪」 とか言ってブースケを見てニコニコしている、そのスキに、町をじっくり見学することができました。 　取材協力ありがとう、ブースケ。次回もヨロシクね（笑）。 　来週からは浅草の三社祭も始まって、いよいよお祭りシーズン到来。そのあとには、ほおずき市、隅田川花火大会とイベントが続きます。 　お祭り大好き人間の私も、モチロンかき氷ともんじゃ焼きを食べに行きますよ（笑）。浅草寺で私の姿を見かけたら、ぜひお声をかけてくださいネ。 　 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 5月 10日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年5月3日号(第91号) 小説を書きたい病 　コミカルタッチの英語学習本『ブースケとパンダ…』シリーズを、2作続けて書き上げた反動でしょうか。このところ、小説らしい小説を書きたい病が急激に悪化。早く小説を書かないと、 「芸術は爆発だ！」（copyright by Taro Okamoto） と叫んで爆発炎上する、その一歩手前まで行っていました（←例によって大袈裟なこと言ってます。気にしないでね（笑））。 　…というわけで、4月30日にブースケ本のゲラ・チェックを一応終了させ、切りの良いところで、月初めの5月1日から、次の長編小説に着手いたしました♪ 　その小説とは、去年の暮れから今年のお正月にかけて取材をしてきた、例の、シドニーが舞台となるミステリーのことです。 　今回は、取材も早いうちに済ませましたし、ストーリーのほうも、去年の暮れまでに9割方が完成していました。 　ところが、ストーリーにぴったり合ったタイトルと主人公の名前がなかなか思い浮かばず、その2点だけは、先週までずっと保留にしてあったのです。 （ちなみに、『夜明けの晩に』と『ブラック・アンブレラ』の場合は、原稿を書き始める前のかなり早い段階から、自分の中でタイトルと主人公たちの名前（満奈と繭子）が決まっていました） 　もちろん、小説を書くに当たって、最初からタイトルを決めておかなくてはいけないなんて法は、どこにもありません。現に、小説を完全に書き終わってからおもむろにタイトルを考える作家もいれば、タイトルは編集者につけてもらう作家もいるようですからネ。 　私自身は、最初にタイトルと、物語全体のプロット（あらすじ）をきちんと組んでおき、取材は綿密に（もちろん自分の足で徹底的に歩いて）済ませ、その上で、一旦書き始めたらあとはもう迷うことなく、寝食を忘れて一気に筆を進めたいタイプ。 　今回の小説も、早いところタイトルを決めて仕事にかかろうと思い、実は今年のお正月頃から、ああでもないこうでもないと、タイトル案を練っておりました。 　が、しかし。 　思い浮かぶタイトルは、どれも帯に短し襷（たすき）に長し。点数をつければ、100点満点中70〜75点ぐらいのものばかりで、「これだっ！」という決定打が、なかなか見つからずにいたのです。 　ところが、です。 　数日前のこと、何の気なしにカレンダーの数字を見ていて、不意に閃（ひらめ）いたんですよ。これ以上考えられないほど、ストーリーにドンピシャリのタイトルを！ 　そうです。カレンダー上の、1から31までの数字を見ていて閃いたぐらいですから、今度のミステリー小説のタイトルは、数字がらみ。かなりディープで意味深長、そして何よりも、「これなら100点満点！」と自分自身が納得できるタイトルを考えつくことができました。 　しかもこのタイトル、ぱっと見には、一文字違いの、かなりエッチな言葉に見間違えてしまう可能性があるんですよね、これが（笑）。 　というわけで、オッチョコチョイな人なら書店で見た瞬間に、全然別のことを期待して本を手に取ってしまうかも知れません。でも、今回の本は官能的な内容ではなく、あくまでもミステリーですから。念のため（笑）。 　なお、今回の作品に登場する主人公（22歳の女性）は、これまで私が書いてきた、どちらかと言うと内向的で、男性に庇護されるタイプの女性たち（満奈や繭子）とは180度打って変わって、非常にアグレッシヴ（攻撃的）で、アクティヴ（行動的）な一匹狼です。私としては、非常に好きなタイプの女性キャラと言えるでしょう。 　…というわけで、あとはもう、一気に書き上げるだけ。クリスマス前には、書店に並べたいと思っていますので、今から期待して待っていてくださいネ。 　ああ、それにしても今年は仕事が目白押しだなぁ。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 5月 3日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年4月26日号(第90号) 春だから、模様替え 　★お知らせ★ 　今週放送を予定しておりました信越放送（SBC）のテレビ番組「Uパレード」は、局のご都合により、4月24日にオンエアいたしました。ご覧になれなかった皆さん、ゴメンナサイ。ご高覧くださった皆さん、どうもありがとうございました♪ 　今週も、人と逢ったり、マスコミの取材を受けたり、次の本のための取材に出かけたり、展覧会を観に行ったりetc.…と、なにかと忙しい1週間でした。 　なにしろ、季節は春。何をするにも足取り軽く、ハミングしながら散歩をしたい、うららかな毎日が続きます。 　そんな春めいた気分のせいでしょうか、先週はトツゼン思い立って、部屋の模様替えなどしてみましたよ〜♪ 　きっかけは、長年使っていた旧式の洗濯機を、全自動洗濯乾燥機（ボタンひとつで洗濯から乾燥までできちゃうアレ）に買い換えたこと。 　お店に置いてあった洗濯機が、うちのビル（注／外壁は、ちょっとグレーがかった水色のタイル。タイル屋さんに頼んで焼いてもらった特色です）とピッタリ合いそうだったので、 「たまには、ブルーの家具もいいかな？」 と、うっかりブルーの洗濯機を買ってしまったのが、事の始まり。 　結局は、身の回り全体をコーディネートしたくなり、カーペットからベッドカバー、クッションカバー、スリッパに至るまで、インテリア全体に手を入れることになってしまって、結構な大仕事でした。 　そんなわけで、東京の書斎はブルーで統一されたすっきりインテリアに変身。春を通り越して、すっかり初夏のムードが漂っています。 　さて先週は、久しぶりに故郷・長野市のメディアに顔を出してきました。 　まずは、拙著が出版されるたびに生出演させて頂いている、FMぜんこうじさんへ。 　ここは、名前のとおり、名刹・善光寺から歩いて3分の至近距離にある放送局。地元に密着した、きめ細やかな情報番組には定評があります。ちなみに隣接のマンションは、ヤッシーこと田中康夫長野県知事が住んでおられることで有名（笑）。 　FMぜんこうじの番組を終えた後は、信濃毎日新聞社にご挨拶、そこからさらに信越放送へと移動。休む間もなく、同局の番組（「Uパレード」）の収録となりました。 　「Uパレード」は主婦向けの番組ということでしたので、「英語を話せるようになりた〜い！　具体的にはどうしたらいいの？」をテーマに、ポイントを次の5つに絞ってお話してきました。 ★英語は声に出して読む。 ★完全に覚えるまで、50回でも100回でも繰り返して読む。 ★完全に覚えたら、最後に文字で書いてみる。 （注／文字で書くのは、あくまでも音読が完成した後。この順番を逆にすると、とたんに英語の勉強が苦痛になります） ★「ダイエット」「好きな食べ物」「男友達」など、興味の持てるテーマを決め、友達と英語でお喋りしてみる。その際、文法などは多少間違ってもいいけれど、日本語の使用は厳禁！ ★英語で日記をつけてみる（たとえ1行でもいいから、毎日休まず続けること！　書いた文章は、英語の上級者に頼んで添削してもらうことをオススメします）。 　また、アナグラムのコーナーでは、即興でこんな新作アナグラムを披露しましたよ♪ 　　 　SHIN'ETSU HOSO　（信越放送） 　　　　　　↓ 　HE'S SO HOT IN U.S.　（彼はアメリカで超ホット＝人気者） 　…というわけで、番組の収録は無事に終了。「せっかく長野まで来たのだから…」ということで、善光寺に戻り、昨日が満開だったという桜を堪能いたしました。 　お花見をした後は、長野市内で私がいちばん気に入っている、山の上の料亭に行き、夕景と旬の料理を堪能いたしました♪　（→詳しくは「Bar Mamilyn〜マミリンのオススメBar」をご参照ください） 　『ブースケとパンダ…』第2弾のほうは、数日前に初校ゲラが上がってまいりました。金之助さんのイラストも絶好調。7月の出版をお楽しみに。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 4月26日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年4月18日号(第89号) 祝☆全国最年少知事 　★長野県在住・在勤の皆さんへのお知らせ★ 　来週22日（火）午後1時05分より、FM善光寺のトーク番組「フリーゾーン」に山田真美が生出演いたします。『ブースケとパンダ…』についてお話しする予定です。ぜひぜひ、お聴きください♪　その翌週は、信越放送（SBC）のテレビ番組にも出演いたします。日時・番組名など詳細は、決まり次第「週刊マミ自身」でお知らせいたします。お楽しみに♪ 　15年来の友達である古川康さんが、このたびの選挙で、佐賀県知事に当選なさいました。 　古い友達が県知事になるなんて事態は、起こりそうで、そうそう起こらないこと。というわけで今回は、番組を大幅に変更し（笑）、「祝・全国最年少知事」のテーマでお送りしています。 　古川さんは、知事としては全国でいちばん若い、44歳。東大法科→自治省というキャリアだけをみれば、典型的なエリート路線を歩いて来た方を想像なさるかも知れません。でも、実際の古川さん（佐賀県生まれ）は、小学生ぐらいのときに、 「九州以外の人に、“九州の県を全部言えますか？”と質問すると、いつもいつも佐賀県だけが忘れられてしまう。そんなの悔しい！　佐賀県を有名にしたい！　そのためには県知事にならなければ！」 と早くも決意。 「そのためには、どうやら自治省に入るのがいいらしい。そのためには、どうやら東大に入るのがいいらしい」 という、驚くべき 逆三段論法 （笑）ともいえる人生の青写真を心に描き、しかも44歳にしてそれを実現してしまったという、今どき珍しい初志貫徹の人。 　言うべきことはキチンと言い、フットワークは誰よりも軽い、有言即実行の人でもあります。 　私は以前、とある官庁で、古川さんのプロデュースにより、「私がクジラの尾の身にこだわる理由」という演目で講演をさせていただいたことがあるのですが、そういう場面での人員の集め方や、司会進行ぶりなども、行政マンというよりは、電通か博報堂の辣腕プロデューサーのような手際のよさ。 　しかも、どんなときでも笑顔を忘れず（この人の怒っている顔って、想像できません）、よく気がきいて（以前うちの山小屋でバーベキュー大会をした時には、古川さんひとりが“焼く係”で、あとの全員は“食べる係”でした（笑））、顔立ちはサンリオの「ケロッピ」風（失礼！）。 　まさに、頭はキレる、仕事もできる、だけどとにかくユーモラスで楽しい人なのです。 　実は古川さん、このホームページにBBSがあった頃には、ときどき書き込みをしてくださっていました。 　バックナンバー「週刊マミ自身」第3号（今日もカレーだ、インドは暑い）には、長崎県・カステラさんのHNで登場してくださってもいるんですよ♪ 　長年の夢かなって県知事になられ、これからはいよいよご多忙を極められることでしょうが、ますます遊び心を一杯にして、天真爛漫に活躍していただきたいと思います。 　…と、ここまで書いてきて、ふと思ったのですが、最近、私の身のまわりでは、（古川さんをはじめ）40代の男女が大活躍しています。 　“人生50年”と言われた昔とは違い、今の40代は、肉体的には親の世代が30代だった頃に匹敵する若さですからね。まさに男盛り、女盛り。 　しかも、既にある程度の人生経験を積んでいるため、「若すぎるがゆえの苦い失敗」からそろそろ卒業し、大事な時間を効率よく使うことを覚える頃でもあります。 　そう言えば、『論語』にもありましたね。四十而不惑（しじゅうにしてまどわず）って言葉が。 　私自身のことを振り返れば、22歳と1ヶ月で大学卒業、それからシドニーに留学し、23歳と11ヶ月で超電撃結婚（初めて言葉を交わしてから2時間後には、仲人さんと結婚式場が決まっていました）。25歳と6ヶ月で第一子を出産（妊娠中は2ヶ月間にわたりアメリカ合衆国を取材）。26歳2ヶ月で某ファッションビルの“夏のイメージウーマン”に選ばれて（ブラウン管を通じて）ウェットスーツ姿で社会復帰…という具合に、何でも早め早めに、前倒しの人生（笑）をひた走ってきました。 　前倒しで頑張ってきた甲斐あって、お蔭さまで娘は今年で18歳（予定では来年から大学生）。息子も今年から中学生。子育てのいちばん大変なところは、ほぼ終了。自分の時間がふんだんに使える今は、毎日が充実しまくっています。 　今になってしみじみ思うのは、10代、20代、30代は、ひたすら“将来のために種を蒔く時期”だったんだなぁ、ということです。私なんか、10代〜30代のときに蒔いておいた種が、最近ようやく花を咲かせ始めたって感じですもの（遅咲きの花？（笑））。 　でも、若いときにやるべきことをキチンとやっておけば、40代ってホント楽しいですよ♪　人生の本当のお楽しみはこれからって感じです。 　あっ、そうそう。先日、『ブースケとパンダ…』シリーズ第2弾を脱稿しまして、久々にのんびり気分でウィンドウ・ショッピング中に、真紅のドレス（総レース使い）を見かけ、即試着。どこも手直しするところがないほど自分のサイズにピッタリだったので、迷わずゲットしましたよ〜ん♪　 　来月、パプア・ニューギニアの総理大臣が日本を公式訪問なさるので、そのときの歓迎パーティーで着てみたいと思っています。 　 　というわけで、今週も元気に GO GO♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 4月18日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年4月12日号(第88号) What's “what's ART?”? 　今週のテーマをお読みになって、 「え？　What's “what's ARTS?”? って、“What's ARTS?” の間違いじゃないんですか？」 と思われた方もいらっしゃるかも知れませんが、いえいえ、間違いではありません。 　今週の「週刊マミ自身」はWhat's “what's ARTS?”?、すなわち、「アーツって何？」って何？という、ちょっと複雑（笑）なテーマでお送りいたしております♪ 　で、What's “what's ARTS?”?というコトバの意味ですが、実はこれ、今年の8月22日〜31日、六本木の新しいランドマーク・森ビルにて開催予定の第26回日本文化デザイン会議の総合テーマなのです。 　…というわけで今週は、その会議について話し合うミーティングがありました。 　ミーティングの参加者は、総合テーマ（What's “what's ARTS?”?）の提案者で、今年の議長でもある日比野克彦さん（アーティスト）を筆頭に、私と一緒に副議長を務める香山リカさん（精神科医）、実行委員の千住博さん（日本画家）、日本文化デザイン会議の母体である日本文化デザインフォーラムの代表幹事を務める團紀彦さん（建築家）、昨年議長を務められた水野誠一さん（IMA代表）、昨年副議長の植草一秀さん（今月から早稲田大学大学院教授）、千葉麗子ちゃん（ウェブデザイン会社社長）、榎本了壱さん（クリエイティブ・ディレクター）などなど。 　メンバーをご覧頂けば一目瞭然のとおり、今年の会議は、とってもHOTでDEEPなものになりそうです。 　今年のテーマを正確にご理解いただくためにも、ここはひとつ、What's “what's ARTS?”? と題して日比野さんがお書きになった一文をご一読ください。 　　What's “what's ARTS?”? 　考えなければ何も生まれない。創らなければ何も始まらない。 　「アーツって何？」 　「アーツって何？」って考えるってどういうこと？ 　アーツを考えてるやつは「何？」 　What's “what's ARTS?”? 　この言葉からいったいどんな風景が頭の中に浮かんでくるのだろうか？ 　そしてそれがどんな姿となって出現してくるのだろうか？ 　What's “what's ARTS?”?は新しいものを探しているわけではない。 　見たことのないものを探しているわけでもない。 　今を感じさせてくれる、「今の次」のものが流れ込んでくるのを受け止めたいのだ。 　全てのもの、これはゼロからは生まれない。 　生まれるきっかけがあるから、振り返れるものがあるから前に進める 　「今」という場所をしっかりと踏みしめた上で見えてくる 　「今の次」を目指して行くということが、 　人にとっても、街にとっても、進化することになるのだ。 　What's “what's ARTS?”? では、この創造行為が、人を含む現代の都市の中において 　重要な役割を果たすと考えている。 　この企画は、ただ単に作品を公募し、新しい才能を発掘するだけではない。 　What's “what's ARTS?”? が実行する社会の中におけるアートプロジェクトと考えている。 　このアートプロジェクトは終わることはないだろう。 　自分のポジションを絶えず確認し、そして次を見つめることを、 　繰り返し繰り返し行なっていくことになる。 　What's “what's ARTS?”? の目指すところは、 　「アートという概念を最大限に有効的に機能させ、 　社会の進化に生かしていくこと」である。　　　 　　　　　　　　―日比野克彦 　以上が、今年のテーマの詳細です。非常に奥の深い、包含するものの多い領域だと思いませんか？ 　ARTS（芸術）という言葉は、もともとはラテン語の “ars” が語源で、意味は「職人芸、匠のわざ」。 　現在では、狭義には、いわゆる「美術」を指す場合が多いのですが、私個人の見解としては、ARTSとは、すなわち、人間の生命活動と、そこに付随するありとあらゆる文化的アクションを包括的に言い表わす言葉であると考えています。 　つまり、美術（Fine Arts）や音楽（Music）、文学（Literature）はもちろんのこと、言語もARTS（注・これに関しては “Language Arts” というカテゴリーが実際に存在します）、政治もARTS、経済もARTS、農業もARTS、工業もARTS、漁業もARTS、商業もARTS…（以下略）…であると、私は考えているわけです。 　ですから六本木の会議では、副議長の私としては、日比野議長のテーマを全面的に支持しつつ、ARTSという言葉の持つ意味を、できる限り多角的、包括的なものとしてとらえ、一般性のある（つまり、ひとりでも多くの一般参加者の方が興味を持ちやすいスタイルの）会議にすべく、全力を尽くしたいと思います。 　…とか何とか言っているうちに、早いもので、4月も半ばとなりました。 　『ブースケとパンダ』のシリーズ第2弾（幻冬舎より、7月出版予定）は、お蔭さまで予定どおり今週末に脱稿！ストーリーの面白さ、英語のレベル、読みやすさなど、前回をグ〜ンと上回る内容になったと自負しております。 　タイトルは、すでに決定しています。 　思わず「プッ」と噴き出してから、「え？　それって一体、どういう意味？」と首をかしげたくなるような、おかしくて、ちょっと不思議なタイトルです。近日中に発表いたしますので、今しばらくお待ちくださいネ。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 4月12日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年4月5日号(第87号) 山の10日間 　原稿執筆のため、10日ほど山ごもりをして参りました。 　これまでにも「週刊マミ自身」に何度か書いているとおり、私は奥信濃に小さな山小屋を持っているのですが、この冬は、　シドニーに行ったり中国に行ったり、何かと忙しく、ついに一度も山に戻ることができずにいたのです。 　で、今回は、実に数ヶ月ぶりの帰省となりました。 　ついてみると、家のまわりは深い雪！（東京では桜の季節だというのに…。つくづく、日本は広い♪） 　さっそく、雪上車の出動となりました。 　今回、山の生活をいちばん喜んだのは、犬のブースケ。 　東京の家にいるときは、いわゆる“おぼっちゃま”風な座敷犬だとばかり思っていたのですが、山に行ったとたん、あっという間に態度が豹変。雪の中を駆け回り、みるみる逞しい野生を取り戻しました。 　お蔭さまで執筆のほうもはかどり、『ブースケとパンダ』シリーズ第2弾は、あと数日中には脱稿予定です。 　7月末（予定）の刊行を、どうぞお楽しみに♪ 　…というわけで、山での10日間を終えて昨日の夜遅く東京に戻り、今日はさっそくお仕事。 　母校・明治学院大学の社会学科新入生オリエンテーションで、新大学生としての心がまえをテーマに、1時間ほど講演してきました。 　 　今日の講演では、おもに私自身の在学時代の体験談を話したのですが、それ以外に、「将来どんな仕事につく人も、仕事にはつかない人も、在学中に、とにかく英語だけはマスターしましょうネ。いずれ、ネイティブと同レベルの英語が必要となる日が、きっとやって来ますよ」と、ちょっとしつこいぐらい（笑）力説してきました。 　面白いもので、講演する相手が母校の後輩たちとなると、ふだんの講演に比べてぐっと力が入ります。 　なんというか、親戚の甥や姪のような肉親に対するときを同じように、がぜん親身、かつ熱くなって喋っている自分が不思議でした。 　これが、愛校心というものなのでしょう。 　大学の4年間って、本当にあっという間ですからね。 　新入生の皆さんには、これからの4年間で、みずからの「ライフ・ワーク」すなわち「一生を賭けることの出来るテーマ」を見つけ、後で悔いることのない有意義な時間をおくって欲しいと、心から思います。 　ちまたでは、また風邪が流行っているようです。暫くは、花粉症の方にもツライ季節ですが、なにとぞ御自愛くださいネ。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 4月5日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年3月27日号(第86号) 学生の達人 ※29日に更新を予定しておりました「週刊マミ自身」第86号は、3月27日〜4月5日まで著者カンヅメ執筆モード（＠信州の書斎）のため、急遽27日に更新させていただきました。何卒ご了承ください。なお次回の更新は、4月5日を予定しております。 　　　★　★　★　★　★ 　今月21日〜23日、神奈川県川崎市の「よみうりランド」で、“ガクタツ2003〜夢の祭典”と銘打った一大アート・イベントが行なわれました。 　同イベントの参加アーティスト総数は、250チーム、約1000名。全員が現役の学生さん（大学生・専門学校生がメイン）です。 　実は、今年の8月末に六本木で開催予定の日本文化デザイン会議も、テーマは“ARTS”。全国の学生からアート作品を公募することも予定しています。 　同会議の副議長を務める私としては、ここはぜひとも、現役学生たちのアート・パワーを研究しておく必要アリ！（しかも「ガクタツ2003」には、娘のLiAも絵画一点を出品すると言っていましたし。なお、LiAの作品は http://www.yamadas.jp/lia/exhibit/gakutatsu2003_mado/ からご覧になれます） 　 　…ってなわけで、行って参りましたよ、ガ、ク、タ、ツ♪　ひと言で印象を言えば、日本中の学生が参加したスーパー学園祭って感じの、楽しいイベントでした。 　ガクタツ期間中、よみうりランドの広〜い敷地内では、絵画をはじめ、写真、イラスト、染物、陶芸、雑貨、音楽（ストリートミュージック、アカペラ、ヒップホップなど）、ダンス、詩、即興劇、手話コーラス、ファッションショー、プロレス、応援団、演舞、ジャグリングなどなどなど、実に多種多様（！）な作品が展示／発表されました。 　同イベントの趣旨を公式パンフレットから抜粋すれば、こんな感じ↓になります。 　ガクタツとは『学生の達人』の略です。 　学生という自由な時間と若さを利用して、自分の好きなこと、やりたいこと、夢を実現させること。 　それらに向かって本気で頑張っている、充実した学生生活を送っている人こそが『ガクタツ』です。 　確かな道なんてなくてもいい。 　大きな壁にぶつかっても、個々に持つ夢を叶えるために、大きな道を築いていこう！！ 　そんな想いがガクタツにこめられています。 　　　（『ガクタツ2003 Official Pamphlet』より抜粋） 　「ガクタツ」の素晴らしいところは、何と言っても、運営から参加まで、すべてのプロセスを学生たちが自分の力で実行・実現していること。 　また、「アート」という言葉の意味を非常に広く解釈している点や、参加者が美大生だけでなくあらゆる学部、あらゆる専攻の学生たちで構成されている点にも、このイベントの将来性を感じました。 　で、会場が「よみうりランド」というのも、意表をついてくれるじゃありませんか。 　よくぞ、こんな場所を使わせてもらえましたよね（オドロキ）。 　「遊園地を借りちゃおう」という発想自体も面白いし、それを実行にうつした学生さんたちの“交渉能力”と“政治力”もたいしたものです。立派！ 　今の世の中、右を向いても左を見ても、「戦争」や「不況」など、ネガティブなキーワードばかりが溢れていますが、もうちょっと視野を広げれば、今回「ガクタツ」を作り上げた1000人の学生たちのように、若くて、真摯で、ポジティブなメッセージの発信者も、あちこちで頑張っているんです。 　彼らがいる限り、まだまだ日本も捨てたもんじゃないゾ〜と、とっても嬉しい気分になった、春の1日でした。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 3月27日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年3月18日号(第85号) マミリン先生、パンダの故郷チャイナを行く ※22日に更新を予定しておりました「週刊マミ自身」第85号は、22日に急な取材が入りましたので、急遽18日に更新させていただきました。何卒ご了承くださいマセマセ。なお次回の更新は、3月29日を予定しております。 　　　★　★　★　★　★ 　13日から16日まで、駆け足で中華人民共和国に行ってまいりました♪　 　今回の旅は、『ブースケとパンダ』シリーズ第2弾執筆のための取材旅行です。3泊4日と時間こそ短いけれど、北京と上海をそれぞれ訪問、見どころ満載の旅になりましたよ〜。 　北京では、初日にまず天安門広場を訪ね、そのあとは周辺の屋台村を散策し、夜は北京雑技団の妙技を鑑賞。 　2日目の朝は、明・清王朝の皇帝の住まいであり、映画『ラスト・エンペラー』の舞台としても世界的に有名な紫禁城（故宮博物館）へ。 　続いて北京動物園で、パンダを見物（実はこれが、今回の旅のメインの目的だったりして（笑））。 　動物園のあとは、北京郊外の万里の長城へ。 　万里の長城は、全長が実に6,000キロにも及びますが、そのうち北京から日帰りで観光できるのは、八達嶺（はったつれい）と呼ばれる場所です。 　八達嶺には、けっこう険しい「男坂」と、わりと緩やかな「女坂」のふたつのコースがあるのですが、私はこのうちの「男坂」のほうを歩いてみました。 　万里の長城のあとは、北京市内に戻って胡同（フートン）地区を散策。ここは、いわゆる町並み保存地区で、少〜し昔の中国にタイムスリップしたような、優しい下町情緒に浸れる一角です。 　3日目は、早朝に中国東方航空のフライトで、北京から上海に移動。上海で車をチャーターし、一路周庄に向かいました。 　周庄は、私が中国で一番好きな水郷（riverside village）。訪れるのは、ほぼ2年半ぶりです。 　周庄から上海に戻り、その夜はホテル内の施設で全身マッサージを受けたあと、いかにもバブルっぽい超高層ビルが立ち並ぶ市街地へ。 　船の形をした “いかにもオノボリさん御用達〜！” って感じの、ネオンピッカピカな超ド派手レストランで、上海蟹と紹興酒を堪能いたしました。 　こういう、絵に描いたように観光客っぽいレストラン選びも、たまには楽しいものです（笑）。 　4日目（最終日）は、雨の中、上海最古の仏教寺院である龍華寺を見学。 　ちなみに、今回の旅で自分用に買ったお土産は、ブタの貯金箱とパンダの人形。無意識にブタとパンダのグッズばかりを選んでしまった自分がコワイ（爆）。 　…で、無事に取材旅行を終えて16日の夜に帰国した私ですが、翌17日の夜にはニッポン放送のインターネット生番組「ブロードバンド！ニッポン」に出演。『ブースケとパンダ』について、熱ぅ〜く語ってきました（笑）。 　トークをリードしてくださったアナウンサーの那須恵理子さんは、とっても気配り上手な素敵な女性。それに、スタッフの方から伺ったところによれば、大変な酒豪でいらっしゃるのだとか（笑）。 　那須さん、番組では本当にお世話になりました。今度、ぜひ一緒に飲みましょうネ♪ 　なお、当日の番組は、ニッポン放送のHP上でバックナンバーをご覧になれるそうです。 　ニッポン放送ホームページURL　http://www.lfx.jp/ ※ホームページ内の、オンデマンド・チャンネル「なすのうた」にアクセスしてください。 　…というわけで今週も、相変わらずドタバタと東奔西走の1週間でした。 　なお、『ブースケとパンダの英語でスパイ大作戦』に関しては、韓国の出版社数社から「韓国語バージョンを出版したい」というオファーが来ております。 　韓国語をしゃべるブースケとパンダって、想像しただけでメッチャ楽しそうじゃありません？　お相手の出版社との話がまとまりましたら、すぐ皆さんにご報告しますね。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 3月18日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年3月9日号(第84号) アナグラムは本性を表わす？ ★お知らせ★ 　ニッポン放送のインターネット生番組「ブロードバンド！ニッポン」に山田真美が生出演します。『ブースケとパンダ』誕生の秘話など、最近の仕事について熱〜く語る予定です。森首相とのツーショット写真の時に一度着たきりのチャイナドレスで出演予定（笑）。どなたさまも何卒ご高覧くださいマセ♪ 出演日時 ： 3月17日（月）19時30分〜20時00分 　番組はニッポン放送のホームページ（www.lfx.jp）よりご覧になれます。 　★　★　★　★　★ 　『ブースケとパンダの英語でスパイ大作戦』の中で、英語のアナグラムをいくつか書きましたところ、 「人名のアナグラムって、不思議ですよねぇ。気のせいかも知れませんけど、アナグラムしたあとの言葉が、その人にピッタリの内容になるみたい」 といった感想を、複数の読者の方からいただきました。 　そこで、今週の週刊マミ自身では、「アナグラムは本性を表わす？」と題して、そのあたりの因果関係について、ちょっと検証してみたいと思います。 　まず、アナグラムが何であるかご存知ない方のために、ごく簡単にご説明します。 　アナグラムとは、文字のつづり替え遊びのこと。 　『ブースケとパンダ…』に登場するアナグラムのうち、人名に関するものは、例えば次のようなものがあります。 �@私の名前Yamada Mamiをいったんバラバラにし、アルファベットを並べ替えると、Ay, I am madam（ええ、私はマダムよ）という、最初とはまったく別の言葉になります。 これを読んだ読者さんの反応：「確かに、真美さんってマダムっぽいですよね」（←え、マジで？（笑）） �Aブースケとパンダを描いてくださったイラストレーターのお名前Kinnosukeをバラバラにし、並べ替えると、One's U.K. ink（ある人の英国製インク）という、まったく別の言葉になります。 これを読んだ読者さんの反応：「イラストレーターといえばインクが必需品でしょう。これも、ドンピシャリのアナグラムじゃないですか？」 �B編集者のお名前Shibata Akiraをバラバラにして並べ替えると、Sikh at Arabia（アラビアのシーク教徒）となります。 これを読んだ読者さんの反応：「イラストで見る限り、芝田さんってかなりヒゲが濃いでしょ？　アラビアのシーク教徒って、言い得て妙ですよね〜」 …などなど。 　確かに、人名と、それをアナグラムしたあとの言葉って、妙に雰囲気が合っているような気がしますよね。 （注・上のアナグラムは、ことさら人名に雰囲気を合わせて作ったわけでは決してありません。「適当にアナグラムしてみたら、結果的には名前にピッタリの言葉が出来上がっていた」というのが、事の真相なのです） 　実はですね、今回に限らず、「人名をアナグラムすると、なぜかその人の本性にピッタリの言葉が作れる」という噂は、前々から囁かれているらしいんですよ。 　その最たるものを、今回はご紹介しましょう。 　まずは、下の英文を読んでください。 　End is a car spin. 　この英文の意味するところは、「最期は車のスピン」。 　つまり、（死ぬときは）車がスピンして死ぬという意味の、恐ろしい文章なのですが、実はこれ、とある超有名人（故人）のお名前をアナグラムしたものなんです。 　さて、それは一体、どなたのアナグラムだと思いますか？ （ヒント：アナグラムしたあとの文章（End is a car spin）が、この人物の身に実際に起こった運命を暗示しています） 　正解は、Princess Diana！ 　そうです、あの衝撃的な自動車事故で亡くなった、英国のダイアナ妃のお名前をアナグラムすると、なんと驚いたことに、「最期は車のスピン」という言葉になるんです。 　「Princess Diana」のアナグラムが「End is a car spin」になるという事実は、欧米のアナグラム研究家たちの間では、かなり広く知られた話だそう（ただし、最初にこのアナグラムを考えた人が誰であるかは、今となってはよくわからないようですが）。 　これと同じぐらい有名で、同じようにショッキングなアナグラムには、次のものがあります。 　He finds interns to copulate. 　英文の意味は、「彼はセックスするためにインターン生を捜す／彼はインターン生をセックスの対象として見る」。 　で、これらのアルファベットをバラバラにしてつづり替えると、なんとなんと、President Clinton of the U.S.A.（アメリカ合衆国のクリントン大統領）になるんです！ 　そうそう、そう言えば、モニカって名前のインターン生がいましたっけね。今頃は、どこでどうしているのでしょう。 　さらに、Statue of Liberty（自由の女神）をアナグラムすると、Built to stay free（自由で居続けるために建てられた）。 　George Bush（ジョージ・ブッシュ）をアナグラムすると、He bugs Gore（彼はゴアを苛立たせる）。 　Margaret Thatcher（マーガレット・サッチャー）をアナグラムすると、That great charmer（あの偉大かつ魅力的な人）。 　これらは皆、有名なアナグラムの例として、研究者の間ではしばしば取り沙汰されているようです。 　…こうなってくると、なにやら不思議な気持ちに襲われませんか？ （もとの言葉と、アナグラムしたあとの言葉、単にアルファベットを並べ替えただけなのに、どうしてこんなにピッタリと雰囲気が合っているの？） 　まさに、アナグラムはもとの言葉の本質を表わすって感じじゃありませんか？ 　ちなみに、ほんの冗談のつもりで、海が大好きで女の子にモテモテなことで知られる、とある有名人のフルネームをつづり替えてみたところ、「よ〜し、ビキニについて徹底的に語り明かそうぜ！」いう爆笑モノのアナグラム（英語）が出来上がりました。 　え？　その有名人が誰なのか知りたいですか？ 　いや〜、それはちょっとマズイですね〜。なにしろその方、うちのホームページを時々お読みくださっているようですので…。 　まあ、ご本人にだけは、あとで直接お知らせいたします（笑）。 　というわけで、意外にも奥の深〜いアナグラム遊び。 　皆さんも、ご自分やお友だちのお名前をつづり替えて、知られざる本性を再発見なさってみてはいかがでしょうか？（笑） 　ではでは♪ ※なお、3月13〜16日まで海外取材のため、次週の「週刊マミ自身」はお休みさせていただきます。次回の更新は3月22日を予定いたしております。 ※「今週のブースケ」写真説明 　ブースケを買ったペットショップの店長さんいわく、「ブースケちゃんがいつも一緒にネンネしていたヌイグルミです」。でも、 温厚でふだんは吠えないブースケが、なぜかこのヌイグルミに対してだけウ〜ウ〜唸るのです。なにかイヤな過去を思い 出す？！ 　かと思えば、これを枕にスヤスヤ眠っていることもあるし…謎です…。ちなみに私はこのヌイグルミを「イカ型 火星人にんじん1号」と呼んでいます（笑）。 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 3月9日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年3月1日号(第83号) “当たり”つづきの1週間 　『ブースケとパンダの英語でスパイ大作戦』は、お蔭さまで今週末、アマゾン書店のベストセラー・ランキング第1位に輝きました。 　それもこれも、ひとえに読者の皆さんのお蔭です。本当にありがとう♪ 　そしてこの結果は、現在は病院でおとなしく寝ている（はず）の金之助さんへの、何よりのお見舞いになったのではないかと思っています。 　『ブースケとパンダ…』のイラストを担当してくださった金之助さんは、ふだんは小さな会社（本人・談）の社長さんで、朝から晩まで現場でお仕事をすることが多いそう。 　その日も、いつものように現場に出てお仕事をしている最中、高いところから落ちて右足のかかとを強打したとのこと。現在はまだ療養中ですが、全身状態は悪くないようです。 　実は、先週は私の周辺で、何かに “当たる”人が続出。ちょっとブキミに思っておりました。 　まずは金之助さんが「右足」を地面に強打。 　次に、山田真美ファンサイトを運営してくださっているさくらさんが誤ってコタツの足を蹴ってしまい、さくらさんの足は無事でしたが、代わりにコタツの足が折れ、上に置いてあったPCが床に激突。PCは大破、ハードディスクを取り替えるハメに…。 　それから、もうひとつのファンサイトを運営してくださっているこじさんが、ご自宅の茶だんすの角に右眉を強打して、いわゆるひとつのベッカム状態に（眉の上を怪我して腫らしたという意味です）。 　さらにさらに、出版社から某所に向けて送られた『ブースケとパンダ…』を配送中のバイク便のお兄さんがこけて、右足を軽ぅく打撲。 　このあたりで、 （一体どうして、こんなに大勢の関係者が “当たる” わけ？？？） と、いぶかしく思っていたのですが、今度は私の目の前で、担当編集者の芝田さんが、たまたま置いてあった台車に右の脛（すね）を強打。 　なぜブースケ関係者ばかりが “当たる” のか。もしやこれは、ツタンカーメンの呪い！？（←なんで？（笑）） 　…とビビッていたところ、最後に私自身が自宅でPC作業中、ちょっと屈んだとたんにプリンターの角で右眉を強打（こじさんとお揃いの場所です）、一晩氷で冷やすハメに陥りました。今も、触れるとちょっと痛いです、ハイ。 　で、私がプリンターに当たったその翌日から、アマゾンの順位が急上昇をはじめ、あれよあれよという間に1位になってしまったというわけなんですよね。 　うーん、不思議なことってあるものです。 　ちなみに、上に登場した関係者のうちのひとりは、一連の出来事のあと、「なんとなく、当たるような気がして…」と、ふだんは買わない宝くじを思わず買ってしまったとか（笑）。 　もしも本当に当たったら、そのときは、美味しいウニとネギトロをおごってくださ〜い♪　 　　 　　　　★　　★　　★　　★　　★ 　と、ここでトツゼン話は変わりますが、先日、日本文化デザイン会議の実行委員会が開かれ、日程やテーマなどについてミーティングが持たれました（日本文化デザイン会議の運営母体である日本文化デザインフォーラムに関する詳細は、こちらをご参照ください）。 　当日の出席者は、今年の議長を務めるアーティストの日比野克彦さん、私と一緒に副議長を努める精神科医の香山リカさん、実行委員で日本画家の千住博さん、作詞家のサエキけんぞうさん、クリエイティブ・ディレクターでパルコの「ご教訓カレンダー」でお馴染みの榎本了壱さん、など。 　ミーティングの結果、今年の日本文化デザイン会議は六本木で8月22日（金）〜24日（日）の3日間開催（予定）という線で合意に達しました。 　今年の議長を務める日比野克彦さんは、朴訥としていて、どこかつかみどころのない、そして根が真面目そうな人。 　飄々（ひょうひょう）としている、と言うよりは、ご本人が風のような存在で、お逢いするたび「涼しい風に吹かれている」ようなイメージがあります。もちろんこれは、あくまでも私個人が受ける印象ですが。 　日比野議長のもと、今年の日本文化デザイン会議はかなりアーティスティックで楽しいイベントになると思いますので、今からカレンダーに赤丸○を付けておいてくださいネ。 　以上、お知らせでした。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 3月1日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年2月22日号(第82号) 『ブースケとパンダ』シリーズ第2弾♪ 　去る1月30日に上梓いたしました『ブースケとパンダの 英語でスパイ大作戦』は、お蔭さまで売れ行き好調だそうで、既に重版が出来たようです。 　これもひとえに、皆さんの変わらぬご声援の賜物です。本当にありがとう〜♪ 　今回は出版当初から、「続編は、いつ出るんですか？」「当然、出るんですよね？　いつです？」などなど、『ブースケとパンダ』がシリーズ化されることを前提にしたご質問も、たくさんいただいています（笑）。 　というわけで、ジャジャジャ〜ン。 　皆さんの熱ぅいご期待に沿うべく、ブースケとパンダの更なる冒険でつづる『ブースケとパンダ』シリーズ第2弾の執筆を、このたびスタートいたしました！ 　今回ブースケたちには、某国で、前作を遥かに凌ぐ大トラブルに巻き込まれてもらう予定。 　来月は私も、その某国に、ちょっと取材に行ってまいります。 　え？　「某国とはどこなのか、もったいぶらずに教えて欲しい」ですか？ 　うーん。でも、今それをネタばらししちゃうと、ワクワク感が損なわれて、もったいないような…。 　今日のところは、「最近なにかと話題になっている国の隣国」とだけ申し上げておきましょう（笑）。 　シリーズ第2弾の出版は、今のままのペースですと、早ければ6月末ぐらいになる見込みです。 　とんでもなく楽しく、とんでもなくハードボイルドな英語攻略本に仕上げる予定です。どうぞご期待くださいネ！ 　なお今週号から、仔犬のブースケの成長を1枚の写真と一言コメントでお伝えする「今週のブースケ」というコーナー↓を新しく設けました。 　犬好きな方も、そうでない方も、なにとぞご笑覧くださいマセ。 　余談ですが、ブースケはシー・ズー（Shih Tzu）という種類。 　シー・ズーの先祖は、チベット原産の「ラサ・アプソ（通称ライオン・ドッグ）」で、中国の西太后が寵愛したことで知られる犬種だそうです。 　小型の室内犬の中では、寒さにも強く（なにしろチベット出身ですから…）、骨太で骨折しにくいのが特徴とか（誠文堂新光社・刊『シー・ズー』参照）。 　ただの一目惚れで飼い始めた仔犬のブースケですが、結果は大当たり。 　顔が可愛いのはもちろんのこと、穏やかで人なつこい性格も最高。今では、ブースケのいない世界が考えられないほどの毎日なのでした。 　あっ、そうそう。 　たいした話ではないのですが、今月の27日は、私メの誕生日です♪ 　30過ぎた頃から「誕生日なんて、今さら楽しくも何ともないわっ」という友人がほとんどになってしまった中、私はいまだに誕生日が大好き。 　何と言ったらいいのかな、人生を山登りに例えると、毎年の誕生日には、「ああ、やっと○合目まで登れた♪」という、達成感のようなものを味わえるんですよ。 　この論法でゆくと、晩年の誕生日には「登頂バンザ〜イ！」って感じになるんでしょうネ、やっぱり（笑）。 　そういうわけで（どういうわけだ？）、バースデー・カード、ただいま絶賛受け付け中です。 　送り先はここ。お待ちしてま〜す♪　→　mami@yamadas.jp 　せっかくの誕生日ですので、カードを送ってくださった方の中から、先着5名様に「粗品」（何になるかは未定）を差し上げます。 　これはまあ、言ってみれば「逆バースデー・プレゼント」と申しますか（笑）、いつもありがとう、次の1年もよろしくお願いしますという、日頃の感謝の気持ちを込めて。　 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 2月22日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年2月15日号(第81号) あたり前田のクリケット！？ 　今日はまず、ニコニコなお知らせがあります。 　このたび我が家に、シーズー犬の赤ちゃんが新しく仲間入りしました。 　2002年12月19日生まれのオスで、名前は、何故か “ブースケ” と付けました（爆）。 　ブースケとの出逢いは、いわゆるひとつの「どうする！？ アイフル状態」と言ったらおわかり頂けるでしょうか？ 　そうです。道を歩いていて、たまたま通りかかったペットショップ。ケースの中にいたブースケと目が合うなり、一目で惚れてしまった私なのです。 　もともと犬好きな私ではありますが、一目でこれほど好きになった犬は、こいつが初めて。一晩悩んだ挙句、思いきって飼うことにしました。 （ちなみに、うちの家族はもともと犬好きが多いので、反対されることは全くなく、むしろ諸手を上げて賛成されました。特に、11歳になる息子は、私以上の犬好きなのです） 　ブースケという名前は、もちろん『ブースケとパンダの 英語でスパイ大作戦』に登場する「あの」ブースケにちなんだものですが、名前だけでなく食欲が旺盛なところも、2匹のブースケはそっくり（笑）。 　犬のブースケは、目下喰っちゃ寝〜、喰っちゃ寝〜の毎日を楽しんでおります（まだ赤ちゃんだから、許してあげてくださいネ）。 　今日はブースケを連れて、代官山にあるDeco's Dog Cafeに行ってきました。 　名前からもおわかりのように、ここは犬を連れて行ってもOKのカフェ（食事＆お酒もあり）。なかなかオシャレで清潔で、ほかのお客さんも皆さん犬連れの和気藹々としたお店でした（→詳しくは「Bar Mamilyn〜マミリンのオススメBar」をご覧ください♪）。 　これからはブースケと一緒に、こんなレストランやカフェも少しずつ開拓してゆこうと思っています。 　以後、仔犬のブースケをよろしくお見知りおきくださいマセ♪ 　ところで、今日のテーマは「あたり前田のクリケット！？」ですが、これ、何のことだかおわかりですか？ 　この言葉を聞いてすぐにピンと来た方は、おそらく私より上の世代か、あるいは関西のご出身ではないでしょうか？ 　若い世代の皆さんには、たぶん何のことやら皆目おわかりにならないのではないかと思います。 　…というわけで、今週の「週刊マミ自身」は、懐かしの昭和30年代CM史に、ほんのちょっとだけ立ち入ってみましょう。 　昭和37年から7年間にわたって放送されていた人気テレビ番組に、『てなもんや三度笠』があります。 　…と言っても、昭和35年生まれの私メは、残念ながらこの番組を観たことが一度もないのですが…（しかも、私が生まれた長野市では、同番組はたしか放送されていなかったと思われます）。 　番組をご覧になったことのある友人たちの話を総合すると、『てなもんや三度笠』は、どうやらコメディータイプのチャンバラ活劇で、藤田まことさんが主役を演じていたとか。 　そして、この番組を提供していたのが、大阪・堺に本社を構える前田製菓だったのです。 　番組の中で毎回、藤田まことさんが口にした台詞「俺がこんなに強いのは、あたり前田のクラッカ〜！」は、当時、関西を中心に日本中で大ブームになったとか。 　以上が、「あたり前田のクラッカー」という言葉に関する簡単なおさらい。で、ここからが今日の本題です。 　既に拙著『ブースケとパンダの 英語でスパイ大作戦』を読んでくださった方はご存知のように、この本の中には、「中学1年で習う450単語の中で、みんなが意味を間違えやすいもの」を並べたコーナーがあります（本をお持ちの方は、42ページあたりをご覧ください）。 　実は、このページを書くために私は、「英語アレルギー」を自称する複数の知り合いに頼んで、実際に「中1で習う450語テスト」を受けてもらったのです。 　その結果、英語が苦手な人が間違いやすい単語は決まっており、間違えるところでは全員がみごとなほど一斉に「コケル」ことを発見。 　その結果を、「日本人が間違いやすい単語」としてまとめたものが、同43〜44ページにあげた単語なのです。 　 　こうして寄せられた回答の中には、いわゆる「珍回答」もいくつかありました。 　そんな珍回答のひとつが、「cricket」を「お菓子の一種」と誤訳したもの。Cricketの正しい訳語は、中学1年生で習う語彙なら「スポーツのクリケット」です。 　もう少し上の学年になると、cricketには「昆虫のコオロギ」という意味もあることを習います。 　さらに、もう少しマニアックな使い方になると、「小さな低いベンチ」とか「小屋根」なんて意味もcricketにはありますが、このあたりは、ほとんどの人にとって一生使うことのない用法。 　「お菓子の一種」という珍回答を目にしたときの、私の正直な感想は、 （ええっ？　クリケットを “お菓子の一種” って答えるなんて、これって本気？　それともウケ狙いなの？？） でした。 　しかし！　です。　 　先日、東京は浅草の某駄菓子屋さんで、私はトンデモナイものを発見してしまったのです。 　それは、ナナナントびっくり、「あたり前田のクラッカー」ならぬ「あたり前田のクリケット」という名前のビスケット菓子！　その証拠画像は、こちらをご覧ください。 　もしかして、「cricket」の日本語訳を「お菓子の一種」とした方は、このお菓子を食べて育った世代とか？ 　 　そんな皆さんに申し上げます。 　お菓子の「クリケット」は、あくまでも前田製菓さんから発売されているお菓子の商品名であって、cricketという英語にお菓子という意味はありません。 　したがいまして、英語のテストで「cricket＝ビスケット」と書いたら、間違いなく×になりますから要注意！（笑） 　 　ともあれ、乗りかかった舟（？）とばかり、私はこの日、前田のクリケットを買って初めて食べてみたのですが、これがなかなか素朴でいいお味。 　よくよく見ると、プレーン味の「クリケット」のパッケージ裏面には、こんな歌詞まで印刷されていました♪ 　♪前田のソフトビスケットの歌 　♪『それそれ、なーに』 坊やが大好き　パパも好き それからそれからママも好き 朝日にお馬のついている 素敵なマークのおやつです それそれなーに　それなーに ラララ前田の前田のソフト ビスケット　ビスケット 　…朝日にお馬？ 　そう言われて改めて見たら、パッケージには「朝日をバックにした馬の雄姿」のロゴマークも付いていました。 　ビスケットなのに、なにゆえに馬？？　ひょっとして、前田製菓の初代社長は午年生まれだった？？？ 　…次々に謎は深まるばかりですが、今回は時間がないので、以下略（爆）。 　もしも読者の方で昭和のお菓子史にご興味のある方がいらっしゃいましたら、この続きは、ぜひ独自に調査研究してみてくださいネ。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 2月15日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年2月8日号(第80号) 人間と言語の相性 　ホームページの「プロフィール」ページを読んでくださった方はご存知のように、私の趣味のひとつに「語学学習」があります。 　何故こういうことになったのか自分でも不思議なのですが、私という人間は、未知の言葉を学ぶことが三度の食事よりも好きなんですよ（な〜んて、ちょっと大袈裟ですね（笑））。 　私が生まれて始めて出逢った外国語は、（大多数の日本人がそうであるように）「英語」でした。 　中1の英語教科書で初めて習ったのは、忘れもしません、“I like English. I study it. I speak it” という、とっても簡潔な文章。外国語に触れるのは、そのときが生まれて初めてだったのですが、何故でしょう、教科書をめくった瞬間に、 （あ。この言葉を、私はきっと好きになる） 　そんな、ひと目惚れに近いような第一印象がありました。 　何と言ったらいいのかな。人間と言語のあいだにも、相性のようなものがあって、それが私と英語の間では、抜群に良かったのかも知れません。 　そして、初対面のときから私は英語を好きになり、英語のほうでも私を慕って、どんどん私の中に入って来てくれた。まるで、相思相愛の恋人同士のように。 　おかしな言い方かも知れませんが、それが私と英語の「長く、親しいお付き合い」の始まりだったんです。 　英語の次に勉強したのは、大学時代に第二外国語（必須科目）として選択したドイツ語でしたが、この言葉と私の相性は、必ずしも◎とは言えませんでした。 　その理由は、今だからわかるのですが、ドイツ語は非常に論理的・規則的にできた言語で、少しも曖昧な部分がないのです。そして、ドイツ語を勉強してみて初めて私は、（ドイツ語との比較で）英語が意外にも曖昧で不規則な言語であると知りました。 　例えば英語の場合、過去形（および過去分詞形）は「現在形＋ed」ということに「一応は」なっていますけれど、実際には、そうは問屋が卸しません。 　壊れる（break-broke-broken）、走る（run-ran-run）、切る（cut-cut-cut）などは、「現在-過去-過去分詞」がとんでもなく自由奔放に変化しています。このような「不規則動詞」がわんさと存在する、という一事を見ても、英語は「かなり不規則な言語」だということがわかります。 （ああ、そうか。この、英語の持つ少し “不規則” で “いい加減” な部分が、私の性格にピッタリ合っていたのネ？） 　ドイツ語という理路整然とした言語を勉強してみて、私は初めてそのことに気づいたわけです。 　余談ながらこのとき大学では、ドイツ語以外にもフランス語または中国語を選択することが可能でしたが、当時の経済学科生にとっては、ドイツ語という選択が一番「真っ当」でした。 　世界経済情勢が大きく変化した2003年現在ならば、中国語を選ぶ経済学科生がかなり多いのではないかと思いますが、私が大学生だった当時は、同級生で中国語を専攻していたのは、麻雀好きな男子学生ぐらいなもの。まだまだ、経済学のために中国語を勉強するという時代ではなかったんですね。 　ドイツ語の次に勉強したのは、やはり大学の教養課程で習ったロシア語（自由選択科目）でした。 　そのあとは、香港人の友達が多かったために流れで勉強することになった広東語、長野オリンピックの通訳養成講座で勉強したフランス語、そのまた延長線で習ったスペイン語、インドの文献を読むために学んだサンスクリット語と続き、さらには、南インドのローカル言語であるマラヤラム語、『夜明けの晩に』を書くために勉強したヘブライ語、パプア・ニューギニアに行くために習ったピジン語…という具合に、私の語学学習歴は果てなく続くことになるわけです（笑）。 　まったく、これまでにいくつの外国語を勉強したのやら、自分でもすぐには思い出せないほど、いろいろな言葉を勉強してきたと言えますネ。 　では、それらすべての言語を楽しみながら学んだかと聞かれれば、正直なところ、そうとも言いきれません。 　外国語のなかには、私と相性の良かった言語もあれば、あまり相性の良くなかった言語もあります。人間関係と同じことで、言語と人とのあいだにも、間違いなく「相性」というものが存在するみたい。 　ちなみに私の知人にも、英語はぺらぺらなのにドイツ語はさっぱり頭に入らない人とか、フランス語が流暢なのに英語はからきしダメな人、さらに英語は赤点をとっていたのに中国語は半年でマスターできた人など、実にさまざまなタイプのバイリンガルがいます。 　その中でかなりハッキリしていることは、心から「好き」になった言語は、苦しまなくてもマスターできる可能性が高いということ。 　それが心から好きな言葉なら、学習中にたとえ一時的にスランプに陥るような事態があったとしても、途中で投げ出してしまわず、最後まできちんと向き合えますし…ネ（このへんは、なんとなく恋人との関係と似ています（笑））。 　…というわけで、外国語をマスターするための最上の方法は、 ★中学生・高校生など、課題として与えられた言語（英語など）をどうしても勉強しなくてはならない人の場合は→　その言葉の面白いところをひとつでも発見し、ともかく好きになることが先決です。 ★ある言語を、自由意志で選択・学習できる場合には→　自分と相性の良い言語（簡単に言えば「好きなタイプの言語」）を選ぶことです。「相性の悪い言葉を無理やり勉強しても、達成感以上にストレスがたまるだけ」というのが、私の率直な意見。 　大切なのは、心の垣根（例：「難しそう」とか「私には出来ないかも知れない」といったネガティブな先入観）を取り払い、その言葉を完全に受容し、熱烈歓迎すること。 　人間関係と同じで、言葉というものも、こちらから主体的に心を開いてしまえば、あとは案外すんなりと向こうから入って来てくれるものだと思うんです。 　非常〜にシンプルではありますが、これが、30年にわたる試行錯誤の外国語学習歴の末に、私自身が導いた結論なのです。 　実はですね、ごく最近になって、私はまたしても新しい言語を齧りはじめているのですが、その言語とは……ずばり、ギリシャ語。 　ギリシャ語と私の相性は、今のところまだ未知数ですが、これまでの言語とはまた一味も二味も違ったキャラの持ち主みたい。ギリシャ語くんと私の、今後のホットな展開にご期待ください！　（←最後は芸能週刊誌的に、ミーハーに決めてみました（笑）） 　ではでは♪　 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 2月8日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年2月1日号(第79号) 黄金の糸 　紅茶に詳しい人ならご存知と思いますが、インド東北部、ヒマラヤの麓に、アッサム（Assam）という名前の街があります。 　首都ニューデリーから見たアッサムは、ネパールを越え、ブータンを越えた、さらにその東方。世界史に詳しい人には、「第二次世界大戦末期の日本軍敗退の地・インパールの近く」と言ったほうが、より分かり易いかも知れません。 　そのアッサムに、「黄金色の糸を吐く幻の蚕」がいることをご存知でしょうか。 「世界広しといえども、金の糸を吐く蚕は、アッサムの原生林だけに棲息するんだよ」 　私にそう教えてくれたのは、アッサムとはネパール・ヒマラヤを挟んだ反対側（西側）に位置する旧ラダック王国の、第37代マハラジャ、ジグメット・ワンチュック・ナムギャルさんでした。 「その糸で織った布は “ムガ” と呼ばれて、稀少価値がおそろしく高いことから、インドはもとより世界中の貴族たちに持て囃されてきたんだ。ただし、なにしろこの種の蚕は養殖が出来ないから、ムガの生産量は極端に少なくて、最近では手に入れることが極めて難しいんだよ」 　ナムギャルさんのお話によれば、その蚕は、アッサムの奥地に広がる原生林に住んでいるとのこと。 　食べるものは、お馴染みの桑の葉ではなく、ジャングルに密生するある特殊な木の葉らしいのです。 　考えてみると、私達がふだん「絹織物」と呼んでいるファブリック（布）は、養蚕、すなわち人間の手で飼われた蚕から取れた糸を織ったもの。 　ところが、この「黄金の糸を吐く蚕」は、養殖することの不可能な、野生の蚕だと言うんですね。 　それにしても何故 “ムガ” だけが、口から黄金色の糸を吐けるのか。 　そのあたりのメカニズムについては、多くの繊維関係者に質問してみましたが、いまだ納得のゆく説明を聞くことができていません。 　ただ、私の故郷・長野県にも、黄金ならぬ “緑色の糸を吐く” たいへん珍しい蚕 がいるそうですから、世界は広いと言うべきでしょう。 　いずれにしても、ムガは「超高級」「レア物」と聞かされていましたから、つい最近まで「私とは死ぬまで縁のないもの」と決めてかかっていたのです。 　ところが先日、予想外な展開が…。 　私の友人のひとりに、加納寛二さんがいらっしゃいます。 　加納さんは、京都・西陣を拠点に着物や帯のデザインを手がける若手の和装クリエイターで、パリのヴォーグ誌やニューヨークのメトロポリタン美術館にも作品を認められるほどの実力派。 　その加納さんが「仕事の相談に乗って欲しい」とおっしゃるので、先日、ほんのちょっとだけお仕事にお供しました。 　私としては、友達として喜んでお手伝いさせて頂いただけだったのですが、翌日、「昨日はどうもありがとう」というお手紙と共に加納さんから届いたものは、なんとなんと！　あの、伝説の “ムガ” のストールだったじゃありませんか！！ 　手にした途端、惜しげもなくこぼれ落ちる雫（しずく）のような輝きと、薄手でありながら “ほっこり” とした温かな風合いに、あっと言う間に “黄金の絹糸” の虜になってしまった私です。 　とは言え、日本に於ける（目が飛び出しそうなほど高価な）ムガの市場価格を知っているだけに、 （ええっ？　こんな立派なプレゼント、本当に頂いてしまっていいのかしら？） と、一瞬はためらいましたヨ。でも誘惑には勝てず、結局は頂いてしまいましたけど（笑）。 ※加納さん、本当にありがとう。大事に使って家宝にしますから♪ 　なお、今日の午後、このストールを巻いて銀座4丁目から7丁目に向かって歩いていたところ、まったく知らない女性2人から「素敵なストールですね」と別々に声をかけられました。それぐらい、パッと見ただけでも艶と光沢が違うということだと思います。 　それにしても、世界中の蚕の中でアッサムの蚕だけが、何故金の糸を吐くのでしょう？　この点について、どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら、是非ともご教示くださいマセ。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 2月1日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年1月25日号(第78号) ブースケの手も借りたい 　今週も、まさに「あっ」と言う間の1週間でした。 　『ブースケとパンダの英語でスパイ大作戦』の発売日と、夫の個展（於・銀座の兜屋画廊）が重なったことに加え、仕事のミーティング（於・インド政府観光局、外国人記者クラブ、その他）、高崎へのプチ出張などなど、イベントも盛りだくさんで、猫どころか豚（ブースケ）やパンダの手も借りたい忙しさ。 　そのなかで一番体力を必要とするのは、何と言っても夫の個展の手伝いでしょう。 　なにしろ、ハイヒールを履いて朝から晩まで画廊に立っているわけですから、夕方6時半の閉店時刻までには、ちょっとした低山に登って来たのと同じかそれ以上に脚が疲れます。 （会場には、椅子もあることはあるのですが、基本的には立っていることがほとんど） 　もっとも、私は日頃から少林寺拳法でからだを鍛えていますし、特に右脚の上段回し蹴りの威力には定評がありますから（笑）、疲れたと言っても、翌朝までにはすっかり疲労回復しているのが常ですけど…ネ。 　ところで、これは今唐突に思ったことなのですが、「画家の妻」にはいくつかのタイプがあるように思います。 　そのうち、おそらく圧倒的に一番多いであろうと思われるのが、夫の使った絵の具皿を洗ったり、アトリエを掃除したり、食事を作ったりと、いわば黙々と画家の身の回りの世話に徹する「黒子タイプ」。 　次に多いのが、夫をアトリエに閉じ込めて（笑）絵を描かせ、みずから営業＝絵の販促に歩き回る「渉外タイプ」。 　および、自分自身が美大の出身で、絵心があり、夫の絵の下図などを描いている「アシスタント・タイプ」。 　私は、以上のどのタイプにも全然当てはまりません。 　ときどきフラッとアトリエに顔を出しては、「その青、いいんじゃない？」とか、「この絵にはチークの額よりもステンレス額のほうが絶対に合うと思う」などと意見や感想をハッキリ言い、個展のときには進んでお客様の接客をする、いわば「気ままなホステスタイプ」（謎）といったところでしょうか。 　さて冒頭にも書きましたが、このところ私の毎日は、忙しさに拍車がかかってきています。 　今年は本の出版（取材〜執筆）のほか、日本文化デザイン会議の副議長、マジックショーのプロデュース、それに、某大学に於けるアジア経済原論の連続講演など、仕事は増える一方。 　そろそろ私にも、フルタイムで働いてくださる秘書の方が必要なのかも知れません。 　マジで、どなたか私の秘書になってくださいませんか？ 　秘書の条件は、まず第一に、日本語と英語の両方に堪能であること（会話・読み書きとも）。 　本当は、そのほかにヘブライ語も出来る方だとメチャメチャ助かるのですが、そんなことを言い出したら1人も応募者がいなくなってしまうことは火を見るよりも明らかなので（笑）、とりあえずの条件は日本語と英語ってことで…。 　次に、ちょっと危なめの地域（砂漠、ジャングル、海抜6,000メートル級の高地、戦争地域など）への海外出張も厭わず、奥信濃の山小屋にいるときは、井戸さらいや畑仕事もやってくださる方。 　畑仕事中にアオダイショウやヤマカガシが出ても、いちいち騒がない逞しさも条件のうちです。 　さらに欲を言えば、性格は満奈のマネージャー・鳥居さん（『夜明けの晩に』を参照のこと）のように控え目で、よく気が回り、清潔感あふれる人だと最ッ高！なんですが―。 　私がこう言うと、友人たちは呆れ顔で、 「…あのねぇマミちゃん。そんなトンデモナイ条件を全部満たす人なんて、99.999…％、この世に存在するわけないって」 と言うのですが…。 　ま、気長に捜すことにします。それまでは、とりあえずブースケでガマンってことで（笑）。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 1月25日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年1月18日号(第77号) いよいよスパイ大作戦！ 　新年会も一段落。子ども達の学校も再開して、毎朝5時半起きの“恐怖のお弁当づくり”（笑）が復活し、相変わらず、なにかと忙しい今日この頃です。 　今週はパリのユネスコ本部から、事務局長補のアブデュル・カーンさん（尊敬する友人です）が、世界情報通信サミット出席のため来日していらっしゃったのですが、そのカーンさんを連れて立ち寄ったお店で、ふと隣の席を見れば、そこに座っていたのは、ナントあのボブ・サップ！ 　先週の第九十九番おみくじ（「週刊マミ自身」第76号参照）に引き続き、今週はピッカピカに輝いてる旬の人ボブ・サップも拝めるなんて、2週連続して大吉って感じですネ（笑）。 （カーンさんと行ったお店は、「Bar Mamilyn〜マミリンのオススメBar」でご紹介しています） 　さて、今日は嬉しいお知らせがあります。 　『ブースケとパンダの 英語でスパイ大作戦』の見本が、ついに出来上がってまいりました！ 　期待していた以上の出来栄えに、思わず「ムフフ〜♪」と口元が緩みっぱなしの私です。 　最初の計画では、出版の前日ぐらいまで表紙の画像を公開しないつもりでいたのですが、見本を目の当たりにした途端、 （可愛〜い♪　ホームページ読者の皆さんには、1日も早く表紙をお見せしたいなぁ〜！） という気持ちが、むらむらと湧いてまいりました（笑）。 　担当編集者の芝田さんに、画像を公開してもいいかどうか尋ねましたところ、 「Oh, yes！ もちろん no problem です！」 とのお返事。 （この本を編集したせいで、最近の芝田さんの会話には、ところどころに英語が混じるんです。思ってもみなかったブースケ効果にビックリ（笑）） 　…というわけで、ジャジャ〜ン！　本邦初公開！　これが『ブースケとパンダの 英語でスパイ大作戦』の表紙で〜す♪　（→注・表紙写真は「作品」ページをご参照ください） 　どうです？　可愛い上に、なかなかインパクトがあるでしょう？ 　イラストを描いてくださったのは、「Bar Mamilyn〜ザ・金之助劇場」でお馴染みの金之助さん。 　え？ 　「溺れながらワニに食べられそうになっているブースケとパンダは、このあとどうなっちゃうのか」、ですって？ 　さて、どうなりますことやら。皆さんは、ブースケとパンダが、このあと一体どうなると思います？ �@ブースケもパンダも、ワニに飲み込まれてあの世行きとなる。 �Aブースケの毒に当たったワニは、ひどい腹痛を起こして病院にかつぎ込まれる。 �B運良く通りかかった狩人さんに助けてもらう。 �Cその他 　…正解は、「�Cその他」です。 　まあ、答えは発売までのお楽しみってことで。読んでくだされば分かりますから。とか何とか言って、じらす私（笑）。 　『ブースケとパンダ…』は英語の攻略本ですが、難しい文法の解説は一切登場しません。 　ブースケとパンダという、「学校の英語の授業で落ちこぼれたままオトナになっちゃった」グータラなふたりが、お金欲しさに、ついつい危ない仕事に手を出してしまい、気がつくと英語でスパイをするハメに陥っていた…（笑）。 　そんな抱腹絶倒のストーリーを読み進むうち、読者の皆さんも、笑いながら英語を好きになってゆく。 　「よ〜し、今日から英語を勉強するぞぉ〜！」という気分にさせられる。 　本当は英語をやらなくちゃいけないって分かってるんだけど、なんだかんだと理由をつけて、今日までやらずにきちゃった人たちの「やる気」と「眠っている才能」を爆発させるきっかけを作るための本、それが本書なのです。 　書店さんには1月27日頃から並び始めますが、東京23区内の大きな書店などでは、場合によっては1月25日頃に店頭に並ぶ可能性もあるそうです。チェキラ！ 　また、小さな本屋さんですと、配本にならない（あるいは配本部数が少ない）可能性もありますから、確実にゲットなさりたい場合は、今のうちに予約していただいたほうが安全かも知れません。 　お手数ですが、どうぞヨロシクお願いします♪ 　また、『ブースケとパンダ…』発売に先駆け、本日1月18日、「山田真美ファンクラブサイト」がオープンしました。（→注・サイトへは「リンク」コーナーから飛べます） 　このサイトを作ってくださっているのは、ネットを通じて親しくさせていただいているSさん。 　「フォト・ギャラリー」や「山田真美への50の質問」、「『夜明けの晩に』に登場する地名のリンク集」などユニークな企画が盛りだくさんな各コーナーのほか、誰でも気軽に立ち寄っていただけるBBSもあります。 　ぜひブックマークして、じゃんじゃん利用してくださいネ♪ 　今日は、もうひとつお知らせがあります。 　夫で日本画家の山田真巳（やまだ・まさみ）の個展が、1月22日から、銀座の兜屋（かぶとや）画廊で開催されます。個展タイトルは「山田真巳展 ― 月光と梟」。 　タイトルどおり、出品作は一点残らず「梟のいる月夜の風景」です。約30点の新作に加え、南米の梟をモチーフとした屏風（1969年日本美術院展入選作品）も展示いたしますので、ご興味がおありの方は、お気軽にお運びください（入場無料）。 　山田真巳展 ―月光と梟― ・会期：2003年1月22日（水）〜2月2日（日） ・時間：10：30A.M.〜6：30P.M. 　（ただし最終日のみ6：00P.M.で終了します） ・場所：東京都中央区銀座8丁目8-7　兜屋画廊 　（電話：03-3571-6331） 　中央通り沿い、博品館と資生堂THE GINZAの間 　最寄り駅は、JRまたは地下鉄銀座線の新橋駅（1番出口） ・画家略歴／1938年東京に生まれる。 　1969年、東京芸術大学日本画科大学院終了。 　1975年より、海外個展25回及び国内個展10回 　（後援：外務省、国際交流基金、各開催国大使館等）。 　収蔵先：駐オーストラリア、駐インド、駐ネパール日本大使館、 　パプア・ニューギニア国会議事堂、N.S.W.州立美術館（シドニー）等。 　 　ちまたでは、インフルエンザが猛威をふるっているようですネ。うがいをしっかり励行して、緑黄野菜をたくさん食べて、元気にこの冬を乗り越えましょう。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 1月18日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年1月11日号(第76号) 10,000分の1の確率 ※今週の「週刊マミ自身」には、読者プレゼント（シドニー土産）当選者の発表があります。 　ちょっぴり不思議なお正月でした。 　不思議の発端となったのは、担当編集者・芝田暁さんの一言です。 「先日、浅草寺へ初詣に行っておみくじを引いたら、みごと大吉でしたよ」 　そう言いながら嬉しそうに見せてくださったおみくじには、「第九十九 大吉」とあります。 　常日頃から「9」をラッキー・ナンバーとして愛用している私は、「大吉」もさることながら、なによりもまず「第九十九」という番号のほうに興味を惹かれました。 「99って、とっても縁起のいい数字なんですって。ニューメロロジー（numerology＝数秘学）でも、9は古代から最強の数字とされているらしいし。…9のゾロ目でしかも大吉とは、最高のおみくじを引きましたね！」 　芝田さんから渡されたおみくじを読みながら、私はそんな感想を述べていました。 　以前、友人の数学者から聞いた話によれば、昔の人は「9」という数字の中に、「最も強く、ミステリアスなイメージ」を見出していたとのこと。これは、ヨーロッパ、インド、中国など、広く世界的な傾向だったようです。 　では、何故「9」だけが、「ミステリアス」で「強い」数字と考えられたのか？ 　わかりやすい例を上げます。9の倍数を思い浮かべてみてください。9をX倍して得た答えの、全ての位の数字の和は、再び9になりますよね？　 （和が2桁以上になった場合は、答えが1桁になるまで数字を足してください） 　例：　9×8＝72　7＋2＝9 　例：　9×25＝225　2＋2＋5＝9 　例：　9×641＝5769　5＋7＋6＋9＝27　2＋7＝9 　…このことから、昔の人は「9」に「永劫回帰」「不滅」のイメージを重ね合わせ、「最もミステリアスで強い数字」と考えたというのです。 「浅草寺のおみくじは、第一から第百まで、全部で100種類あるようでしたよ。そのなかから第九十九を引くのは、100分の1、つまり1％の確率ですからね。これは春から縁起がいいな」 　嬉しそうな芝田さんの言葉に、私も心から楽しい気持ちになりました。 　一昨年の6月から1年7ヶ月、ずっと一緒に仕事をしてきたパートナー。その芝田さんが、100分の1の確率で「第九十九」のおみくじを引いた。 　それだけでもう、十分におめでたい話だったのです。ところが、この話はそこで終わりませんでした。 　芝田さんから「第九十九」のおみくじを見せられた翌日のこと。私は唐突に、浅草寺へ初詣に出かけることを思い立っていました。 　が、そもそも私は無宗教。お正月にきちんと初詣をすること自体が、実に10年ぶりぐらいだったでしょうか。 （ま、どうせここまで来たんだから、私もおみくじを引いてみようかなぁ） 　そんなことを思いついたのも、もちろん芝田さんから見せられたおみくじのせい。 　自分がおみくじを引いたら、いったい何番を引くのかしら。果たしてそれは大吉？　中吉？　小吉？　それとも凶？ 　まるっきりの興味本位から、運試しのような気分でくじを引いてみた私。 　引き当てたおみくじの番号を見た瞬間、私は、自分自身の目が信じられませんでした。 （うっそ〜！　私まで“第九十九 大吉”を引いちゃった！） 　そうなんです。 　第一から第百まで、100種類もあるおみくじのなかから、私が引いたのもやっぱり、第九十九番！ 　あまりの偶然に思わず、 （浅草寺のおみくじって、もしかしたら“第九十九 大吉”しか入ってないんじゃないの？？？） なんて非現実的なことを想像して、一瞬、お寺さんを疑っちゃいました（笑）。 　でも、周囲の人たちがおみくじを引いている様子を見ていると、そんなことはないということがすぐに判明。 「やっだぁー、お正月早々、凶なんか引いちゃった。どうしよう！」 「マジ〜？　私は…あっ、私も凶！」 　私の直後におみくじを引いた若い女性2人組が、そろって「凶」を引いているんです。 　その後も、大勢の人がおみくじを引いていましたが、引き当てている数字は、それこそ百人百様。 　考えてもみてください。 　芝田さんと私が、100種類のおみくじの中から2人揃って同じ番号を引き当てる確率は、（100分の1）×（100分の1）＝10,000分の1、つまり、たったの0.01％なんですよ！ 　しかもそれが、ニューメロロジーが言うところの「最強の数字」だとは…。 　こういう事態を、ある人は 「すごい偶然だね」 と言い、またある人は 「それは偶然じゃなくて、必然だよ」 と評するのでしょうが…。 　皆さんは、どう思われますか？　これは偶然？　それとも必然（運命）？ 　引いた本人である私は、驚きながらも （ああ、やっぱり） という気持ちかな。 　おみくじを引く直前、何故だかわかりませんが、（私も第九十九を引くんじゃないかな） という予感が、ほんの一瞬ですが脳裏をよぎったんですよね。 　そして予想どおり、私は「第九十九 大吉」を引き当てていました。 　 　う〜ん、今年は春からとんでもなく縁起が良いかも♪♪♪ 　おみくじの裏側には書いてあった、詳しいご宣託とは… ・朝日が輝いて門前を照らし、明るくなるように、天の恵みによる良い事があるでしょう。 ・今までの闇夜に月が再び満月となり、周囲を照り渡すことでしょう。 ・珍しい財宝を得られることでしょう。 ・名が有名となり、心叶うようになるでしょう。 　 　…さてさて、前号で告知したシドニー土産には、たくさんの方からご応募を頂きました。 　応募してくださった皆さま、どうもありがとうございました。 　テディ・ベアのオージーくんと、ハンター・ヴァレーの白ワイン、それぞれにほぼ同数の応募がありましたが、興味深いことに、男性は何故かひとり残らず「テディ・ベア」を希望。 　…うちのホムペの男性読者さまって、ひょっとしてお酒に弱いのかなぁ？？？（笑） 　そう言えば、近々「山田真美ファンサイト」が2つオープンされる予定なのですが、これらのサイトを作ってくださっている方たち（お2人とも男性です）も、まったくお酒を受け付けない体質と伺っておりますし――。 　あっ、『ブースケとパンダの 英語でスパイ大作戦』のイラストを描いてくださった金之助さんも、ビールをグラスに3分の1ほど飲んだだけで酔っ払ってしまうし――。 　「マミリンのオススメBar」なんてモノを書いている私は、ただただ恐縮するのみです、はい…。 　 　シドニー土産は、山田真美事務所使い走り代表・ブースケによる厳正なる抽選の結果、次のお二方がゲットなさいました。 　♪テディ・ベアのAussie（オージー）くん：　Narendraさん（男性、44歳） 　♪ハンター・ヴァレー産 白ワイン（シャルドネ）：　加藤恵理子さん（女性、24歳） 　当選者のNarendraさんと加藤さん、おめでとうございます♪　さっそく宅配便にて発送いたします。 　今回は残念ながら外れちゃった皆さん、ごめんなさい。これに懲りず、次のチャンスにまた応募してくださいね。 　…というわけで、『ブースケとパンダの 英語でスパイ大作戦』発売まで、あと半月！　 　今回の本は、とびきり笑えて、しかも頭も良くなる一挙両得の本ですから、う〜んと期待していてくださいネ。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 1月11日 　　　　　　　　　　　山田 真美