2004年3月7日号(第125号) アブラカダブラ 　ゴールデン・ウィーク中に都内の某所でマジック・ショーを開催しないかというお話が急遽持ち上がり、先週からその準備でバタバタしています。今日もこれからその件でミーティングです。 　このマジック・ショーは、前々から親しくしている魔法少女パールと妹のジニアちゃんによる姉妹マジックを日本の子どもたちに見せたい一心で私が企画しているもの。 　 ※魔法少女パール 　インド人の女の子で、全米マジック大会「ＳＡＭ」のジュニア部門で優勝経験ありの実力派。 　現在、ムンバイの名門私立中学校に通う3年生。 ※ジニアちゃん 　魔法少女パールの妹で、ただいま6歳。すでにステージ歴2年！ 　鳩を出すマジックが得意。 　このショーを、できることなら連休の子どもの日あたりに実現させたいな〜と思いまして、目下、関係各所に根回しをしているところです。 　ちょっと準備時間が少ないのがネックなのですが、もしも開催が本決まりになりましたら、このページで告知しますのでお楽しみに♪ 　…というわけで、ごめんなさい、もうミーティングに出かけなければならないので、今週は「週刊マミ自身」をゆっくり更新している時間がありません。 　詳しいご報告はまた来週ということで、今週はせめてバリカンで爪先を刈って風通しが良くなったブースケ写真だけでもお楽しみくださいませ。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2004年 3月 7日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2004年2月29日号(第124号) 浅草寺伝法院にて ※お詫び：またしても当方のミスで、第124号を紛失してしまいました（涙）。 度重なる不手際、平にご容赦ください。 2004年2月21日号(第123号) 夢日記への反響 　「夢日記」を付け始めてから1ヶ月と20日が経ちました。この間、多くの皆さまから予想を上回る反響を頂き、驚いております。 　特に、パーティーなどに出かけて見知らぬ方から、 「真美さんの夢日記、毎日欠かさず読ませて頂いていますよ」 などと声をかけられたりすると、吃驚するやら嬉しいやら。 　うちのホームページで現在いちばん人気のあるコンテンツは、1位「夢日記」、2位「今週のブースケ」ってところでしょうかね（笑）。 　それはともかく、夢日記をお読みくださった方から一番多く聞かされる感想は、 「よくもまあ、あんなに克明に夢の内容を記憶していられますね！」 「真美さんは毎日のように夢を見るようですが、私は夢なんて全然見ないですよ」 　…大体、この2つですね。そのほかには、 「黄色や赤のカラフルな夢で羨ましい。私の夢はいつもモノクロです」 という少数意見もありますが、これは興味深いことに男性だけのご意見ですね。 　それにしても、「夢を全然見ない人」なんて、本当にいるのかしら？ 　おそらく、本当は誰でも夢は見ているのだけれど、起きた瞬間に忘れてしまうのではないかという気がしますが、いかがでしょう？ 　ただし、そうやってとりあえず忘れてしまっている夢も、潜在意識には当然残ってゆくはず。それが、あるとき唐突に思い出されて、 「あ！　この場面、以前にも見たことがあるわ！」 といったデジャビュ（既視感）になって現われたりするのではないでしょうか。 　夢は、とにかくゾクゾクするほど奥が深い。 　現実世界でモヤモヤしていたことが、夢の中で急にハッキリしたり、自分でも気づいていなかったことに夢の中で気づかされたり。 　まだきちんと数字をまとめていませんが、この1ヶ月20日（＝51夜）のうち、私が夢を見たのは51夜。つまり、毎晩パーフェクトに夢を見ていたわけです。 　ただし、そのうちどうしても思い出せない夢がひとつだけあったので、実際に記録できた夢の数は「50」。 　私が見る夢の特徴は、「円（球）」「数字の3」「黄色」が何度も繰り返し現れていることと、「外国」が舞台だったり「外国語」を話している場面が多いことなどですね。 　「夢日記」を毎日のようにチェックしてくださっている読者さんが、 「この本は、夢の意味を読み解くときの参考になりますよ」 というメッセージとともに送ってくださった『夢の事典』（鞭羊子・著、日本文芸社・刊）という本によれば、「円」の意味するところは「何億年も前から地球上で繰り返される生命のサイクルの象徴」「完全」「身心のバランスがとれていること」なのだそうです。 　同様に、「数字の3」の意味するところは、「創造性」。 　「黄色」は、「太陽のイメージ」「幸福や喜びの象徴」「希望やエネルギー、躍動感」を表わしているとのこと。 　また、夢に現われた人物に注目してみると、一番多く現われたのは「息子」で、計7回。次点は「娘」の5回。 　夢の中に現われる「息子」の意味は、「自分が表現したいと思っていることの代行者」。「娘」の意味は、「自分自身の感受性のあり方」なのだそう。う〜ん、意味深長です。 　ちなみに愛犬「ブースケ」は、一度も夢に出て来ませんでした。ごめんね、ブースケ（汗）。 　50回の夢のうち、正夢になった夢（または現実と何らかの形でリンクした夢）は8回。 　確率で言うと16パーセント、つまり約6回に1回は何らかの形で夢が現実になったわけですから、こうなってくると、やはり夢というものを軽視できませんよね。 　いずれは一流の研究者と組んで、自分の夢日記を徹底的に分析してみたいと思っています。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2004年 2月 21日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2004年2月15日号(第122号) 「愛してる」を○○語で言うと… 　ふと暦を見たら、あらら、昨日はヴァレンタインデーだったんですね！ 　先週は、前インド観光大臣が来日なさり、その関係の仕事で恐ろしく忙しい1週間だったものですから、ヴァレンタインデーのことは完璧に忘れていました。 　万が一、私からチョコレートを貰えるのではないかと密かに期待していた方がいらっしゃるようでしたら、本当〜にゴメンナサイ。この場をお借りして、深くお詫び申し上げます（笑）。 　あるいは万が一、私にチョコレートを渡しそびれている方がいらっしゃいましたら、今からでも決して遅くはありません。ためらわずに、じゃんじゃん贈ってください（笑）。 　そう言えばつい最近、若い女性読者さんから「ヘブライ語で“愛してる”は何と言うのですか？」という質問を受けました。 　そのときは（藪から棒な質問だな）と思ったのですが、あれはひょっとすると、ヴァレンタインデーのために必要だったのかも知れません。 　私も高校生ぐらいのとき、世界中の言葉で「愛してる」とラブレターに書いてみたいと思ったことがありますから。思っただけで、結局そんなことはしませんでしたけど（笑）。 　ヘブライ語で「愛してる」と言う機会なんて、おそらく生涯に一度も無いだろうとは思いますが、でも、そういう雑学がいつの日か急に役に立つってことも、絶対にないとは言い切れませんしね（笑）。 　折角ですから今週は、ヘブライ語を始めとする外国語で「愛してる」を何と言うか、「週刊マミ自身」にも書いておきましょうか。 　まずはスタンダードな外国語から。 　英語はいわずと知れた“I love you”（アイ　ラヴ　ユー）。フランス語は“Je t'aime.”（ジュ　テーム）、ドイツ語は“Ich liebe dich.”（イッヒ　リーベ　ディッヒ）、イタリア語は“　Ti amo.”（ティ　アモ）、マンダリン（標準中国語）は「ウォー　アイ　ニー」。 　…このへんまでは、たぶん多くの方がご存知なのでは？ 　続いて、ちょっとレアな外国語。ここから先は、文字化けしてしまう恐れがありますので、特殊文字は使わずにすべてカタカナ表記にしますね。 　ヘブライ語の「愛してる」は、相手が男性の場合は「アニ　オヘーヴ　エトゥ　オタ」、相手が女性の場合は「アニ　オヘーヴ　オター」と言います。 　相手の性別によって言葉が変わるのはアラビア語も同じこと。相手が男性なら「アナ　ベヒバック」、相手が女性なら「アナ　ベヒベック」と動詞変化します。 　私はタイ語には詳しくないのですが、どうやらタイ語でも相手の性別によって言葉が変わるらしいですね。男性に対しては「チャン　ラック　クーン」、女性には「フォム　ラック　クーン」だそうです（これは私も最近知りました）。 　インドの公用語ヒンディー語では、「フーム　トゥムヘ　ピャール　カルテ　ヘー」。…『カーマ・スートラ』の国にしては、ちっとも艶っぽい感じの音じゃないでしょ（笑）。 　ラテン語では「テ　アモ」、ギリシア語は「サガポ」。 　ラテン語をそのまま素直に継承しているのが、スペイン語の「テ　アモ」。 　フィリピンのタガログ語では「マハール　キタ」。ハワイ語では「アロハ　ワウ　イア　オイ」。韓国語では「サランヘヨ」。アイスランド語では「エグ　エルスカ　ティーグ」。フィンランド語では「ミナ　ラカスタン　シヌア」。アフリカ語では「エク　ヘットゥ　ジョウ　リーフ」。セルビア語では「ヴォリム　テ」。 　もひとつオマケに、世界共通語エスペラント語では「ミ　アマス　ヴィン」。 　ちなみに、私は仕事でもプライベートでも日常的に英語を使っていますが、LOVEという言葉は、もう日本語の「愛」とは比較にならないほど頻繁に口にしますねぇ。 　多くの場合は、「愛している」という深い意味ではなく、むしろ、「大好き♪」みたいな軽いノリですけどね。 　例えば、“I love chocolate.”（私、チョコレートが大好き）とか、“I love your personality.”（私、あなたの性格が大好きだわ）といった具合に、LOVEはとにかく多用します。 　どっちにしても、「愛」という言葉は強力な爆弾ですからね。使いすぎると自爆してしまう恐れがあるし、かと言って全然使わないでいると、別の人に先を越されて何かを失ってしまうことも。 　皆さんも、ぜひTPOを見極めて、愛という言葉を有効に使ってくださいマセ（笑）。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2004年 2月 15日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2004年2月7日号(第121号) タロットカード教室 ※お詫び：当方のミスで、第121号を保存し忘れてしまいました（汗）。 せっかくタロットカードの不思議を紹介したのに…う〜ん残念。 2004年1月31日号(第120号) 猫のいない人生 　昨日、ある人から藪から棒に「真美さん、猫はお好き？」と聞かれて、思わず「私は犬が好きです」と即答した私は、昔からどうも猫は苦手です。 　いえ、決して「嫌い」と言うわけではないのですが、私の人生の中で猫の登場する場面は至って少ないと言うか、そもそも縁が薄いというか…。 　そうは言っても、捨て猫を拾ってきて飼おうとしたことはあるんですよ。しかも、一度ならず三度まで。 　そのことが、私が猫を敬遠するようになった大きな原因なのかも知れませんが…。 　最初は、私が3歳ぐらいのときでした。雨の降る日、捨てられて路傍でミュウミュウ鳴いていた仔猫を拾い、家に連れ帰ったのです。 　泥だらけの仔猫を胸のところに抱いてみると、湿って暖かく、ドクドクと音をたてて心臓が動いているのがわかりました（こういう生理的な感覚って、40年経っても忘れられないんですよね）。 　しかし、息せき切って家に飛び込んだ私を待っていたのは、「もとの場所に戻していらっしゃい」という母の言葉だったのです。 　私は、胸が張り裂けそうな想いでワァワァ泣きながら、雨の中を歩いて、もとの場所に仔猫を捨てに行きました。 　二度も捨てられなければならなかった仔猫は、このとき一体どんな気持ちだったでしょうね。いま思い出しても胸が痛みます。 　二度目は、今から20年ほど前のこと。 　ある日、うちの軒先に勝手に仔猫を生んだノラ猫がいまして、しかもそいつったら育児放棄をして、そのままどこかに雲隠れしてしまったんです。 　残されたのは、まだ目も開いていない6匹の赤ちゃん猫。その姿があまりに不憫だったので、私は一も二もなくこの仔猫たちを育てようと決めていました。 　それ以前にも、オーストラリアでカンガルーの赤ちゃんを無事に育て上げた経験があったので、あまり自信はないけれど、ともかくやれるところまでやってみようと思ったんですね。 　6匹の仔猫を、ふかふかの綿を敷き詰めたカゴに入れ、スポイトで2時間おきに暖かいミルクを飲ませました。 　夜中も目覚し時計をかけておいて、2時間ごとに起きて授乳。 　一生懸命、やれるだけのことはやったのですが、母猫から母乳をもらえなかった仔猫たちは無事に育つことができず、1匹死に、2匹死に、とうとう最後に残ったのは、私が密かに「まこと」と名づけていたオス猫だけになってしまいました。 　そいつは頭の上半分が黒く下半分が真っ白で、どこからどう見ても楳図かずお氏の漫画「まことちゃん」の主人公に瓜二つだったのです。 「まこと、死んじゃダメ。兄弟の分まで頑張って！」 　そう声をかけ、何とか助けようとしたのですが、ダメでした。数日後の朝、カゴのところへ行ってみると、まことはもう冷たくなっていたのです。 　三度目は、今から13年前。 　本屋さんの軒下で、やはり雨に濡れてミャアミャア泣いていた仔猫を見つけ、たまらなくなって家に連れ帰ったのでした。 　まことより一回り大きな猫で、当時5歳だった娘が「リリー」と名づけると、すぐに懐いてどこへでもついて来るようになりました。 　今度こそは大丈夫。そう思った矢先、リリーは近所の大きな黒猫に襲われ、あっけなく死んでしまったのです。 　そんな悲しい出来事が三度もあったので、（きっと私は猫との縁が薄いのだろう）と思うようになり、最近はもう、猫を飼おうとは思いません。 　ところが、これとは対照的に、私の三味線のお師匠様は大の猫好きで、本当に猫とのご縁が深い方なんです。 　お宅の中には、おびただしい数の猫グッズが置かれ、ペットももちろん可愛い猫。 　その上、三味線の胴の部分に張られているのは、ご存知のとおり猫（の腹部）の皮ですからね。 　余談ながら、三味線に張られている皮がすべて猫皮かと言えば、実はそうではないのですよ。 　練習用の三味線には、猫の代わりに犬（の背中）の皮が張られる場合があるんです。犬皮（けんぴ）は猫の皮に比べて値段が安く、そのうえ厚くて破れにくい。 　初心者は無闇に撥（ばち）を振り回して皮を破いてしまうことがあるため、最初のうちだけ犬皮を使うこともあるのだとか。 　ああ。犬のブースケがこの事実を知ったら、どれほどショックを受けることでしょう（T_T）。 　ちなみに私の三味線に張ってあるのは、猫皮です（猫の皆さん、ごめんなさい）。 　世に「男運」「女運」という言葉がありますが、それと同じように「猫運」「犬運」があるとしたら、三味線の先生はきっととびきり「猫運が良い」方なのでしょう。 　私は「猫運」こそ悪いけれど「犬運が良い」ので、それだけでもう十分に満足です。 　 　今週は別のことを書こうと思っていたのに、何故だか猫の話題に終始してしまいました。 　長生きできなかった猫たちへの、せめてもの鎮魂に…。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2004年 1月 31日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2004年1月24日号(第119号) 温座秘法陀羅尼会 ※近日発売の次の各誌に拙文が掲載されます。機会がありましたら何卒ご高覧ください♪ ●「MAGAZINE ALC」（3月号） 出版社：アルク　発売日：2月1日 内容：オーストラリアの最新アート事情（パトリシア・ピッチニーニ氏へのインタビューなど）　→会員制英語学習雑誌のため、店頭販売はしていません。基本的には定期購読誌ですが、1号だけの購読も可能だそうですので、ご希望の方は 03-3327-1101（株式会社アルク　カスタマーサービス部）までお申込みください。予価550円です。 ●「クロワッサン」（3月10日号） 出版社：マガジンハウス　発売日：2月25日 内容：音楽エッセイ「最近、心震える音楽聴きましたか」（山田真美が推薦する4枚のCD） 　今週のテーマの意味を理解できなかった方も、読むことすら出来なかった方も、どうぞご心配なく。 　この言葉を一発で理解できるのは、おそらくお坊さんか仏教学者、あるいはそれに準じるぐらい仏教に詳しい人だけでしょうから…（笑）。 　温座秘法陀羅尼会。 　わかりやすく区切って読むと、おんざ・ひほう・だらに・え。 　なにやら妖しげな響きの言葉ですが、言葉そのものを大雑把に説明すると、「座布団が冷えないよう、お坊さんたちが交代で朝から晩まで座り続けながら、善を身に付け悪を退けるための秘密の呪文（陀羅尼）を延々と読み上げる祭事」のことです。 　この温座秘法陀羅尼会が、去る1月12日〜18日までの1週間、浅草寺の本堂で行なわれました。 　最終日（18日）は、ちょうど茶道のお稽古日に当たっていたのですが、前にも書いたとおり、教室のある場所というのが、ほかならぬ浅草寺の敷地の中（お坊さんのお住まい）。 「お稽古が終わったら、皆で御本堂に行ってみましょうか」 　先生がそう提案してくださったので、一同大喜び。稽古が終わるや否や、すぐさま本堂に向かって走り出していました（まるで子どもですね（笑））。 　私たちが本堂に到着したときは、7日間にわたって続けられた温座秘法陀羅尼会の結願（けちがん）、つまり最終日の、いちばん最後のクライマックスの儀式が行なわれている真っ最中。 　本堂の畳が敷かれた部分は、お経と数珠を携えた善男善女で既にいっぱいで、足の踏み場もありません。私たちは、その先の、固い木の通路の隅にどうにか座らせて頂くことが出来ました。 　床下から這い上がって来る冷気で、腰から下が一気に冷えてゆくのが分かります。 　と言って、座布団代わりに敷ける物も持ち合わせがなく、大勢のお坊さんたちの読経に耳を傾けている間には、やがて全身がすっかり冷えて、手指の感覚さえなくなってしまいました。 　ヒマラヤの仏教寺院を髣髴させる、驚くほどの冷え込みようです。 （お寺は昔ながらの日本建築ですからね。修行の場ゆえに暖房もありませんし、冬場はとにかく寒い寒い。お坊さん業は大変です！　この夜はそのことを思い知らされました） 　そうやって、お坊さんたちが読誦するダラニ（呪文）を聴きながら、1時間ほど過ぎた頃でしょうか。突如として室内の明かりが消え、奥のほうで物が崩れ落ちる大きな音が…。 （これは破壇作法といって、壇上の仏器を音を立てて崩す儀式なのだそうです） 　次いで、「うぉ〜っ」という勇ましい掛け声とともに奥から走り出てきたのは、松明を持った赤鬼と青鬼。ふたりとも、歌舞伎の悪役を思わせるおどろおどろしいメーキャップを施しています。 （鬼の役は、若いお坊さんが演じているのだとか） 　鬼が建物の外に向かって走り出してしまうと、それまで高段に座っていらっしゃったお坊さんたちが一斉に降りて来て、たったいま鬼が駆け抜けて行ったばかりの場所に座りなおし、新たに読経を始めました。 （これはおそらく施餓鬼供養＝飢餓の苦しみがもとで悪さをする鬼や無縁仏に食べ物・飲み物を施す追善供養のこと＝の一種なのだろうと思います） 　鬼の走り出して行った通路というのは、私たちがぶるぶる震えながら座っている、まさにその通路だったものですから、そのあとのお経は幸運にも居並ぶお坊さんのすぐお隣で聞かせていただくことが出来ました。 　しかし、お経の持つ力とは凄まじいものですね。 　聞いたこともない、つまり意味のわからない言葉であるにもかかわらず、お坊さんの口をついて出た言葉は確かに鬼気迫るエネルギーとなって、堂内の至るところを飛び交い、震動し、増幅しているように感じました。 　そう言えば今まですっかり忘れていたのですが、以前ヒマラヤを旅したときにもチベット仏教の寺院で、複数のお坊さんが交代で一日中座布団の上に座り続け、読経を続ける儀式を拝見したことがありました。 　そのときは、それが何という儀式であるか質問するチャンスがなかったのですが、今にして思えば、あれはまさしく温座秘法陀羅尼会だったのかも知れませんね。 　ちなみに「陀羅尼（だらに）」という言葉は、魔除けの呪文を意味するサンスクリット語「ダラニ」から来ています。 　「言霊」という言葉がありますが、それと同じで、ダラニには言葉そのものに力があるとされているんですね。 　ですから、お坊さんが読誦するダラニは、翻訳していないサンスクリット語の原音そのままなんですよ。 　もうひとつ、ダラニと似たものにマントラ（真言）があります。 　ダラニもマントラも、ともに呪文であることに違いはないのですが、一般にマントラは一息で言えるほどの短文。これに対してダラニのほうは、かなりの長文であることが多いようです。 　かの有名な魔除けの呪文、「オーム・マニ・ペメ・フーム」は、このうちの「マントラ」に分類されます。 　インドやネパールを旅してみると、普通の人たちが「オーム・マニ・ペメ・フーム」と呟くような場面に時々遭遇するのですが、これは日本人が「南無阿弥陀仏」または「くわばら、くわばら」と呟くのと似た感覚と思って良いのではないでしょうか。 　…以上、温座秘法陀羅尼会にまつわるトリビアでした（笑）。 　というわけで、今年は新年早々に珍しい温座秘法陀羅尼会を、しかも特等席で拝見することが出来て感無量です。 　お坊さんたちのありがたい読経は聞けたし、最近はプチ予知夢も連発だし（※「夢日記」参照）、いよいよ勘が冴えてきたのかな？ 　そろそろエンジンを全開にして、今年の仕事に全力投球したいと思います。 　今週は原稿執筆の合間に、芝の増上寺で上妻宏光さんの三味線ライブを聴いてきます。そのご報告は、次号の「週刊マミ自身」で。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2004年 1月 24日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2004年1月17日号(第118号) 筋肉痛の快感 　ここ数日、両腕、手首のまわり、肩、腿の後ろなどがひどい筋肉痛です。 　理由は簡単で、三味線の稽古のたびに、これまで使ったことのない筋肉を使いまくっているから。 　ちょっと見には、三味線はおしとやかで女性的な楽器に見えるかも知れません。けれども実際にやってみると、全然そうではありませんでした。 　三味線は、むしろ肉体派の芸術です。こう言うと大袈裟に聞こえるかも知れませんが、ある意味、ジム通いより過酷かも。 　たとえば糸を張るのもかなりの重労働で、一の糸から三の糸まで3本の糸を張り終える頃には、汗だくになってしまいます。 　正直な話、初めて糸を張り替えたときは、（これは音楽じゃなく地引網の勉強だ！）って思いましたから（笑）。 　次に、撥（ばち）の持ち方ですが、これがまたなんともサディスティック。 　まず、親指はピンと伸ばし、拇印を押すときのように指紋のある部分で撥の先を押さえます。人さし指・中指・薬指は、第二関節できちんと曲げて、表側から撥を支えます。 　小指だけは、人さし指・中指・薬指とは逆の方向、つまり撥の裏側へ回さなければなりません（薬指と小指の間が広く開くので、最初はちょっと痛かったですよ）。 　この、世にも奇妙な指のポジションのまま、ベベンベンベン♪と弦をかき鳴らすのですから、慣れない私は今にも指が攣（つ）ってしまいそう。 　まったくもって、誰がこんな難しい持ち方を考えたやら？　私が知る限り、指をこんな風に不自然な形に使うのは、三味線の撥の持ち方だけですね。 　さらにその上に、正座がまた一苦労です。 　お稽古の最中は、自宅でももちろん正座ですが、先生のところでは、前の生徒さんたちの練習を待つあいだも足を崩すわけにいきません。 　つまりですね、待ち時間を含めると身動き一つせずに3時間ぶっ続けで正座ということになります。 　私は正座は得意なほうなんですが、それにしても、3時間ぶっ続けは結構キツイですよ。幸い、足が痺れて立ち上がれないという悲惨な事態には一度も陥っていませんが…。 　スポーツならば、流れ出る汗を素手でぐいぐい拭っても、苦しそうに顔を歪めても、肩でハァハァと息をしても全く問題ないでしょう。観客にとっては、むしろそのほうが感動的かも知れません。 　しかし三味線の場合は、実際は重労働でも冷静を装い、あくまでもポーカーフェイスを貫かなくてはいけません（だって、そうしなければ美しくありませんものね）。 　この、実際は苦しいのにちっとも苦しそうな素振りを見せないところが、「秘すれば花」とか「武士は食わねど高楊枝」といった教えにも通じる、伝統的な日本の美学なのかも知れません。 　…そんなこんなで、これまでになかった筋肉痛にこそ苦しめられていますが、それでも三味線のお稽古はとっても楽しいですヨ♪ 　何が楽しいかって、それは、昨日までは出せなかった音を今日は出せるようになる快感であり、毎日しっかりとおさらいをする快感であり、畳の上できちんと正座をする快感であり、きちんと手をつき深々と頭を下げて挨拶をする快感なわけです。 　そういう規則正しさ、礼儀正しさの快感を、しみじみ堪能する今日この頃なのであります。 　ところで先週は、三味線や茶道のお稽古の合間に出版関係の大事なミーティングもいくつかありまして、今年の仕事計画を立ててきました。 　今年は、前半は例の「死」をテーマとしたノンフィクション、後半は去年から執筆しているミステリー小説（既に8割方出来上がっています）に力を入れることになりそうです。 　海外取材はインドに2回、オーストラリアに2回（あるいはそれ以上）といったところでしょう。夏にはブータンにも行きたいのですが、時間的にちょっと厳しいかな。 　いずれにしても、今年もやっぱり出たり入ったりの1年（笑）になりそうです。 　話は変わりますが、ホームページの新企画「夢日記」は、1月1日のスタートから数えて半月。今のところ順調に続いております。 　この間には、完全な予知夢と呼べるほどクリアーなものではありませんが、現実世界と不思議にリンクする夢を既にふたつも見ましたよ。 　特に不思議だったのは、1月6日の夢。 　知人から夢の中で渡された熨斗袋の上に書かれていた文字が、知人の（現実世界における）転勤先の部署の名称だったんです！ 　やはりこれも軽度の予知夢（または不完全な正夢）と呼べるのでしょうね。う〜ん、不思議、不思議。 　何と言っても、夢はまだまだ未開の分野ですからね。 　起きているときには気づかずにいる発見や、現実世界に応用可能な素晴らしい知恵が、夢の中には想像以上にふんだんに隠されているのかも知れません。 （夢から作品のヒントを得た芸術家や、どうしても解けなかった難問を夢の中で解いてしまった数学者など、夢からインスピレーションを得た偉人も多いようですし） 　そういう意味で、一度「夢日記」をつけてみることは悪くありませんよ。自己再発見のためにも、オススメします。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2004年 1月 17日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2004年1月10日号(第117号) 原始人のように 　もうお気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、今月から当ホームページ上に夢日記の掲載をスタートしました。 　実は私、20代の頃にも夢日記を付けていたことがあるのですが、それらは今読み返してみると色々な意味で示唆に富み、考えさせられるところの多い内容になっているんですね（なかには、未来をズバリ予想していた夢もありましたし…）。 　その当時、私が夢日記を付けていた理由は、一言で言えば「人生に惑い、迷っていたから」。 　不惑を過ぎた現在の私は、少なくとも当時のように人生に惑ったり迷ったりしてはいません。今はむしろ、人生という広大な宇宙の見知らぬ場所で泳ぐことに喜びを感じ、それを楽しめるだけの余裕を持てるようになったようです。 　ほら、マーフィーの法則に、「自分がどこにいるのか気にしなければ、道に迷うことはない」という言葉がありますよね。段々と、あの心境に近づいてきたということだと思います。 　今週からは「週刊マミ自身」を表日記（または山田真美の光の部分）、「夢日記」を裏日記（または山田真美の影の部分）として読み分けていただければ幸いです。 　…というわけで、いよいよ2004年の到来です。 　例年のお正月なら大麻雀大会に興じているところですが、今年はのっけから三味線のお稽古が始まり、いつもの「ポン、チー、ツモ」とは打って変わって、「チン、トン、シャン」な幕明けとなりました。 　明後日は初釜（1年の始まりのお茶会）もあることですし、今年は私の中に眠っている日本人の本能を徹底的に磨かなければ（笑）。 　昨年の暮れにもちょっと書きましたように、三味線の先生を引き受けてくださったのは、東京芸術大学音楽学部邦楽科教授の藤原睦子先生です。 　本来は、私のようなずぶの素人に教えてくださるはずもない雲の上の先生なのですが、おそらく、あまりにも下手な私を可哀想に思ってくださったのでしょう、ご親切にも基礎から教えて頂けることになりました。 　本当にありがたいことです。 　最初のお稽古のとき、慣れない三味線と格闘している私におっしゃった藤原先生の一言は、実に印象的なものでした。 　師いわく、 「頭で考えようとせず、原始人のように勘で弾いてご覧なさい」。 　これには思わず目から鱗が落ちる思いでした。「頭で考えようとせず、原始人のようになれ」。―なんと含蓄のあるお言葉でしょう。 　すぐに頭で考える癖のある私にとって、これはまさに急所を突かれた感じでした。 　お師匠さまからお墨付きも頂きましたので、今年の私は原始人のように思っきりワイルドに生きてみようと思っております。 （「そんなことを言われるまでもなく、おまえはもう十分思いっきりワイルドに生きているではないか」というご指摘は、とりあえず聞こえなかったことにしてと…（笑）） 　ところで、2004年の大願成就と七福即生を祈願して、昨日は浅草名所（などころ）七福神のうちの、待乳山聖天（毘沙門天）と今戸神社（福禄寿）を参拝してきました。 　今日はこれから三味線のお稽古に行き、その帰りに浅草寺（大黒天）と浅草神社（恵比寿）に行って参ります。 　残る弁才天、布袋、寿老人のところへも、松の内の1月15日までにはご挨拶しに行ってきますよ。 　「週刊マミ自身」読者の皆さまの大吉を祈願して参りますから、忙しくてまだ初詣を済ませていらっしゃらない方も、安心してドーンとお任せください（笑）。 　それでは皆さん、今年も何卒よろしくお願い申し上げます♪ ※前号でお知らせしました「信州名産品プレゼント」当選者は、厳正なる抽選の結果、むっちゃん様、新井陶子様、やっぴ様に決定しました。おめでとうございます♪　プレゼントの中身は、信州蕎麦です。週明けには発送しますので、何卒ご賞味ください。　 　 　事事如意 　　　　　2004年 1月 10日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年12月27日号(第116号) 生前葬 　暮れも押し迫ったある日、ちょっと変わったお店に行ってきました。 　お客さんの生前葬をあげてくれるという非常識きわまるコンセプトのダイニング、その名もズバリ「FUNERAL（お葬式）」です。 　前にも書きましたが、私は2004年中に「死」をテーマとするノンフィクションを書き下ろす予定で準備を進めています。 　だからという訳でもないのですが、「葬」をコンセプトに据えたレストランが存在するという事実には、非常に興味をそそられました。 　こんなヘンなお店（失礼！）が商売として成り立つという世相にも関心がありましたしね。 　わざわざお金を払ってまで葬儀場もどきの場所で食事をしたい人がいるなんて、少し前の常識は考えられなかったことでは？ 　元来が好奇心の塊の私ですから、こんな興味深いお店を見て見ぬ振りはできません。 　…というわけで、大晦日も間近に迫ったある日、この種のジョークをわかってくれそうな年下のお友達（イギリス留学中で一時帰国中のジュンスケさん、カナダ留学中で同じく一時帰国中のケンタロウさん）と娘のLiAを引き連れて、葬儀ダイニングめざし、いざ出陣と相成ったのであります♪ 　当日、私が若い彼らに課したドレスコードは「黒っぽい服装」。やっぱり、店の雰囲気を台無しにしないためにも、赤や黄色の服はNGじゃないかと思いまして（笑）。 　この手のエンタメ系orアミューズメント系ダイニングは、私の知る限り新宿・池袋・渋谷に多いのですが、「FUNERAL」のある場所は銀座。 　新聞社やテレビ局のオフィスが入った、飲食業とは一見何の関係もなさそうなビル（長野放送が入っていたのには驚き！）をエレベーターで最上階まで上がると、めざすお店は忽然と姿を現わしました。 　入り口でまず私たちを待っていたのは、「生前葬」の文字が書かれた白い堤燈とドクロ、それに何故か思いっきり季節ハズレなハロウィーン・パンプキンの飾り（笑）―。 　次に、白装束に身を包んだ出棺係の女性（普通の店で言うところの案内係さんですね）が、どこからともなく現われました。 　彼女は、私たちを三途の川の向こう岸に送ってくれるのだそうです。 「どなたかお一人、代表で白装束をお召しください」 　そう言われちゃったら、一番年上の私が死者の役を務めるしかありません（笑）。 　いやいやながら、というのは嘘で、本当はうきうきしながら白装束を身につけ、額には例の三角の布を付けられて、そのまま棺桶の中に入れられてしまいました。 　この間、ほかの人たちは「プッ」と吹き出したくなるのを堪えながら、合掌、黙祷。 　やがて、ポクポクポクと木魚の音がリズミカルに鳴り響き、怪しいお経が流れて、めでたく生前葬は終了。この間、写真撮影も含めて1分ほど。実にインスタントな葬儀でございました（笑）。 　このあと、大きな仏壇に飾られた遺影（注／FUNERALの社長の写真だそうです。本当は元気でピンピンしていらっしゃるとか）に向かって手を合わせ、お焼香を済ませたところで、ようやくダイニング・ルームに通された山田家生前葬御一行様（笑）。 　そこでわれわれが目にしたものは、店の真ん中に置かれた霊柩車、白黒の幕、盆堤燈、紫色の祭壇型・カウンター席、真っ黒な棺桶などなど。 　次に、配られたメニューを開いてみると、その内容もやっぱりヘン。 　飲み物の名前が「冷凍人間ベム」だったり「目玉のオヤジ」だったり、食べ物も「骨壷」「天国と地獄」「男子禁制」「カッパ人」と、これまたわけのわからない名前揃い。 　「大火葬」と命名された焼肉料理に至っては、テーブルの上で高さ50センチほどの大きな炎を吹き上げて見せるショー付き。 　ウェイトレスさんの制服が、白とピンクのレースがフリフリの○ンナ○ラーズ風なのは頂けませんでしたけれど…ね（この場合の制服はやっぱり、喪服に限るでしょう（笑））。 　このお店には、お客さんを巻き込んで行なわれるショータイムもあって、これまた盛況。 　ちょっぴり健康エッチな内容なので詳細はここに記しませんが（笑）、生贄にされたお客さんも、そのほかのお客さんも、大笑いしながらショーを楽しんでいるんですね。 　それにしても驚いたのは、お客さんの入りの良さ。 　7時を過ぎる頃から混み出した店内はあっと言う間に満席に。お店の人に聞いたところ、こんな賑わいが翌朝の5時（！）まで続くのだとか…。 　いやはや、わざわざお金を払ってまで葬儀場もどきの場所で食事をしたがる人（しかも、自分で自分のお葬式をジョークで出してみるような人）が、銀座界隈だけでこんなに大勢いたとは！ 　ところでこのお店、会計のことを「お布施」と呼び、帰ってゆくお客さんには「よみがえり、おめでとうございま〜す！」と元気に挨拶してくれます。 　出口にはお浄めの塩が置いてあるので、自分で自分に塩をまいてから店を出るようにしましょう（笑）。 　どことなく落語の八っつぁん熊さんの世界を思わせる、そこはかとないおかしさに、 （こんな洒脱な笑いがわかる人が大勢いるうちは、日本もまだまだ大丈夫♪） 　そんな想いが、ふと胸をよぎった私なのでした。 　…というわけで、「古い上着よさようなら」と、新しい明日に向かって歩み出して行きたい人には、生前葬ダイニングはとっておきの気分転換スポットと言えるかも。 　お蔭さまで私も、生まれ変わったような気分で新しい年に向かって驀進して行けそうです♪ 　2004年が、皆さまにとりまして明るく実り多い1年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。 ※次号のお知らせ 年末年始は信州の山小屋で過ごしますので、次回の「週刊マミ自身」更新は1月10日（土）を予定いたしております。なお、日頃このページをご愛読くださっている皆さまへのお年玉プレゼントとして、今回は信州の名産品を3名様にプレゼントさせていただきます。ご希望の方は、�@ご本名、�Aホームページに掲載可能なハンドルネーム、�Bご住所、�C電話番号、�D年齢、�E性別、�F職業（学年）を明記の上、boosuke@badboy.co.jp までメールでご応募ください（件名は「お年玉プレゼント」としてくださるよう、お願い申し上げます）。当選者の発表は1月10日発行の「週刊マミ自身」第117号で行ないます。 　 　事事如意 　　　　　2003年 12月 27日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年12月20日号(第115号) 今年を漢字一文字で表わすと… 　今年も残すところ約10日となってしまいました。 　今年はまだ、忙しさのあまり年賀状の発注すらしていません。 　年賀状を発送し、ブリタニカ年鑑のインドの政治経済の記事を書き上げて編集部に送らないことには、私は枕を高くしてお正月を迎えることが出来ないのでありんす（汗）。 　忙しい忙しいと言いながらも、先日は、浅草寺の1年の締め行事である羽子板市に行ってきました。 　藤娘をはじめとする伝統的な羽子板が並ぶなか、今年いちばん目立っていたのは、星野監督と抱き合う原監督の姿を描いた「感」と題された作品や、チワワのくぅ〜ちゃんがタキシードで正装する「癒」という作品（その年いちばん印象的だった出来事を羽子板に表現するというのが、最近の羽子板市の特長みたいですね）。 　その横で何故モナリザが微笑んでいるのかは謎ですが、この人はもともと謎の多い女性ですから、まあ許してあげましょう（笑）。 　「感」や「癒」もそうですが、1年のしめくくりに、その年の世相などを漢字1文字で表わしてみるのは、これはもう日本人のお家芸みたいなもの。 　2003年を表わす漢字を公募したところ、1位に「虎」、2位に「戦」、3位に「乱」が選ばれたということですが、さて、皆さんのプライベートな1年を漢字1文字で表わすとしたら、どんな文字でしょう？ 　私自身の2003年を漢字1文字に表わすと、「開」でしょうか。 　今年は次々に新しい扉に行き当たり、それらの扉を無我夢中で開け、扉の向こう側に拡がっている新しい世界を開拓しているうちに1年が終わったという感じでした。 　来年は、今年開けた扉の向こう側の世界で、大きな冒険をしようと思っています。 　ところで12月19日は、犬のブースケの満1歳の誕生日でした。 　思えばブースケが我が家にやってきた日から数えて、早10ヶ月。小型犬、しかも室内で飼う犬は初めてだったので、最初は戸惑うことが多かったのですが、その分、可愛さもひとしおです。 　最初は1キロしかなかった体重も、今では5キロ。最近では女の子を見ただけでそわそわしたりして、すっかり一人前の少年という感じ。 　（誕生会でのブースケの様子は、「ブースケ写真館　http://www.yamadas.jp/mami/shashinkan_boosuke.htm」でご覧ください） （本当は、年末を締めくくるイベントとしてクリスマス・プレゼント企画を考えていたのですが、今週はとても時間的余裕がありません。そのかわり、2004年最初の「週刊マミ自身」にはお年玉プレゼントを付けますから、どなたさまもそちらをお見逃しなく♪） 　それでは皆さんも、お風邪などに気をつけて素敵なクリスマスをお過ごしください。 　I wish you all a warm and happy Christmas♪ 　事事如意 　　　　　2003年 12月 20日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年12月14日号(第114号) 初稽古 　四十の手習い（←3歳サバ読んでいますが（笑））というわけで、いよいよお茶の稽古が始まりました。 　前号にも書きましたが、先生は表千家不白流の荒井宗羅先生。教室のある場所は、浅草寺の敷地内（お坊さんのお住まい）です。 　きちんとお茶を習いたいというのは、これはもう、私にとっては積年の夢だったんです。 　叔母（故人）が裏千家の師範だったため、子どもの頃から叔母を通して茶道を身近に感じていたということも、何か影響しているかも知れません。 　これまでにも色々な教室を覗いて見たことは見たのですが、正直なところ、「この人だ！」と思える師匠には巡り会えずにおりました。 　私が捜していた先生とは、一言で言えば「気風がよく、竹を割ったように凛々しくて、しかもユーモアのセンスもある、視野の広い教養人」。 　そこへ彗星の如く（？）現われてくださったのが、荒井先生というわけなのでした。 　実は、荒井先生と私は、6年前の同じ日に同じ出版社から本を出版したことがありまして、そのご縁で、お互いに名前ぐらいは知っていたのです。 　その荒井先生と、つい先日バッタリ遭遇。場所はなんと、フェアレディーＺ新車発表パーティーの席上でした（出逢った場所が、ちっとも茶道と関係ないのが面白いでしょ？（笑））。 　このときは短い言葉を交わしただけでしたが、すぐに「この方こそ、私が長年捜し求めてきた理想の師匠」と感じたのですから、ご縁があったということでしょうね。 　そんなこんなで、晴れて入門を許され、どうやら無事に初稽古を済ませてきました♪ 　初稽古を通じて実感したのは、日本の美は非対称の美、またはアンバランスの美であるということですね。 　たとえばイスラム建築では、基本的にすべてが左右対称に造られます。ところが茶室では、（物だけでなく、立ち居振る舞いなども含めて）すべてのことが基本的に左右非対称に作られている。 　 　畳が正方形ではなく、縦横二対一の比率で作られている理由は何か。 　たとえばタイルのように、ひとつひとつの部品を正方形にしておいたほうが、あとの組み合わせが楽ですよね。にもかかわらず、畳は正方形ではなくわざわざ二対一の長方形を基本としている。 　そのことが、非常に日本的だと思ったわけです。 　それから、洋服の作りが曲線・立体であるのに対し、着物のつくりが直線・平面なのは何故か。 　こうしたことの意味が、茶室で3〜4時間ほど座っているあいだに、かなりハッキリと見えてきたような気がします。 　おそらくこれは、西洋、そしてインドでの生活を経験した現在の私だからこそ見えるのであって、そうした経験を積む前の若い頃なら、お手前（茶道の作法）を頭に入れるのが精一杯で、とても美の本質にまで想いをめぐらす余裕などなかったかも知れません。 　そう考えると、この年齢になってからお茶を始めるのも、決して悪くなかったということでしょう。 　ところで荒井先生の教室には、たいへん楽しい生徒さんたちが通っていらっしゃいます。 　武士を先祖に持つ企業経営者、テレビ局のディレクター（海外番組担当）、稽古のたびに船に乗って大島から通って来る方（ただし、この日は海がシケて船が欠航になったためご欠席でしたが）、それに江戸川乱歩賞受賞作家など、まさに多士済々。 　お茶の作法だけでなく、色々と学ぶことの多い教室になりそうです。 　初稽古のほかにも、先週はスケジュールがいっぱいでしたよ。 　東京藝術大学で行なわれたパトリシア・ピッチニーニさんによる講演会聴講、小学館「和楽」の蔵編集長とのミーティング、日本ブータン芸術委員会理事として野沢太三法務大臣と会見（＠法務大臣室）、そして、来年のお正月から三味線を教えていただくことになった藤原睦子先生（東京藝大音楽学部教授）へのご挨拶、などなどなど。 　それから、金曜日と土曜日は久しぶりに京都を歩いてきました。 　それにしても12月の京都は好いですね、修学旅行生もいないし、どこを歩いても閑散としていて。 　南禅寺の庭を観たあとは、雲龍院で写経をしたり、嵐山の竹林を抜け、落柿舎から常寂光寺あたりをそぞろ歩いたり。 　都会の喧騒と目まぐるしい日常を離れて過ごす2日間は、身心をほっと解きほぐしてくれました。 　今日はこれから、第2回目のお茶の稽古です。先週教わったことを、ちゃんと思い出せると良いのですが…。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2003年 12月 14日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年12月6日号(第113号) 疾風怒濤週間 山田真美の書いたもの／関連記事が掲載されます。何卒ご高覧ください♪ ●小学館『和楽』 　2004年1月号（2003年12月7日発売） 　内容：アーユルヴェーダの源流を訪ねる旅 　　（※森川昇さん撮影の写真も満載） ●マガジンハウス『ダカーポ』 　第529号（2003年12月17日発売） 　内容：英語の花道〜HOW TO STUDY ENGLISH 　前回のカッコ〜ン（←静謐をイメージした効果音（笑））が嘘のように忙しい、疾風怒濤の1週間でした。 　まず、月曜日。 　この日は「ダカーポ」のライターさんが拙宅にいらっしゃり、英語の勉強法について色々と質問を受けました。「ダカーポ」には、英語を使って仕事をしている人の英語上達法を紹介する「英語の花道」というコーナーがあって、私は13人目のゲストなんですって。 　インタビューの内容は12月17日発売の「ダカーポ」に掲載されるそうですので、ご興味のある方はぜひご一読ください。 　火曜日は、明治42年生まれの伯母（当年とって94歳）の家を訪ね、浅草の昔話を聞かせてもらいました。 　前にも書きましたが、山田家は昔から浅草にゆかりが深く、かつては幕府御用達の医者、その後は講談にも登場する有名な漢方薬局として知られていました（ちなみに私が現在住んでいる家も、浅草の雷門から徒歩10分の場所）。 　伯母は子どもの頃、浅草寺のすぐ裏手にあった山田家の屋敷に住んでおり、当時日本でいちばん高い建物だった浅草十二階の周囲が遊び場だったんですって。 　そこでこの日は、浅草十二階が関東大震災で倒壊したときの様子や、当時の暮らしぶりについて、伯母を質問ぜめにしてしまったというわけ（笑）。 　おかげさまで、セピア色に褪色したお宝写真（府立第一高女＝※当時、東京は「都」ではなく「府」でした＝に通っていた頃の伯母の写真など）がザックザックと発掘できましたし、当時の浅草について色々なことがわかりましたよ。 　浅草のことは、近い将来（2005年頃？）小説にするつもりですから、そちらも気長に待っていてください。 　続く水曜日は、朝から晩まで家にこもって原稿執筆。 　木曜日は、サンスクリット語で書かれた古い文献に出てくる難解な文章の意味を教わるために、逗子にある日本ヴェーダンタ教会を訪ねて、ヒンドゥー教のお坊さんと質疑応答（笑）。 　そして金曜日は、北品川の原美術館で行なわれた「パトリシア・ピッチニーニ展オープニング・レセプション」に出席。 　パトリシア・ピッチニーニはオーストラリアを代表する現代アーティストで、絵画、彫刻、インスタレーションなど、さまざまな手法で自由自在に思想を表現することのできる、数少ない本物のアーティストの一人です。 　私はこの夏イタリアを訪れたときに、友人の王子さま（笑）に連れられてヴェネチア・ビエンナーレに行ってきましたが（→詳細はこちら）、すべての展示品の中で圧倒的に力強いオーラを放っていたのが、ピッチニーニの作品でした。 　遺伝子組み替え、クローン生物といったモチーフを用いて、「進化」というテーマを追及し続けるピッチニーニの作品は、グロテスクでありながら同時に極めて温かく、不思議な癒しと慈愛にあふれています。私はそこに、近未来への警鐘と同時に、人類愛の無限の可能性を感じ取ったのでした。 　今回、彼女の個展が原美術館で開催され、しかもオープニングには作者本人が出席するというので、オーストラリア大使館から招待状をいただいた私は、喜び勇んで駆けつけたというわけです。 　パーティー会場で初めて逢ったピッチニーニさんと私は、ほんの二言三言話しただけで、あっという間に意気投合。まるで昔からの友達のように話が弾んだのですから、きっと何か通じるものがあるのかも知れません。 　なお、パトリシア・ピッチニーニ展は2004年2月1日まで、原美術館（東京都品川区北品川4の7の25　電話03-3445-0651）にて開催中です。 　パーティーが終了した後は、銀座に移動。お友達でカルチャー・スクール経営者の神藤さんと合流しました。神藤さんは文化人のパトロンとしても有名で、自称「ニューハーフ評論家」（笑）。 　その神藤さんに連れられて、今日がオープン初日のニューハーフ・パブ「こんぱる座」に行ってきちゃいましたよ〜。 （それにしても、今年はよくニューハーフ・パブに行ったなあ。確か、これで4回目） 　こんぱる座の所在地は、銀座の金春通り。銀座で初めてのニューハーフ・パブということで、初日のお客さんの入りは上々でした。 　こんぱる座には、カレンちゃんというニューハーフがいます。カレンちゃんは本名を「宗太郎」といって、背が高く、かなりのハンサム。男のままでも絶対にモテたはずなのに、何故か好き好んで男を廃業してしまったという不思議なヒト（笑）。 　頭の回転が早く、話が面白い子（しかも『ブースケとパンダ…』を読んでくれています！）なので、皆さんもこんぱる座に行く機会がありましたら、どうぞカレンちゃんを指名してあげてくださいね（笑）。 　…というわけで、師走も本番。 　明日はいよいよ、お茶の稽古初日です。私が通うことになった教室は、浅草寺の敷地内にある坊（僧侶の住居）の茶室で行なわれるんですよ。 　師匠は荒井宗羅先生とおっしゃって、それはもう立派な方（しかも、すごい美人）。 　お弟子さんたちも錚々たる顔ぶれのようなのですが、そんな格式の高そうなお稽古で、果たしてビギナーの私はサバイバルできるのでしょうか？？？ 　お茶の稽古の様子は、次号で報告します（サバイバルできたら、ネ）。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2003年 12月 6日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年11月29日号(第112号) 静謐週間 　珍しく、家の中でじっとしているうちに1週間が過ぎてしまいました。 　ですから、今週はあまり書くことがありません（笑）。 　外出らしい外出といったら、小学館「ドマーニ」編集長の花塚久美子さんらと打ち合わせを兼ねた食事会をしたぐらい（→詳細は「Bar Mamilyn〜マミリンのオススメBar」をご覧ください）で、あとはもっぱら執筆、調べもの、それに読書。さらには、長くご無沙汰している知人に長文の手紙をしたためたり。 　来月からお茶を習うことになったので、道具を準備したり。 　同じく来年の1月から習う予定の三味線を準備をしたり（なかなか渋いでしょ♪）。 　三味線は、7年前に亡くなった姑が良いものを二棹も遺してくれたので、皮を張り替えて使おうと思います。着物は、茶道の師範をしていた叔母が上等な小紋を何枚か遺してくれたので、これを大切に着ます。 　今にも「カッコ〜ン」と鹿威しの効果音が聞こえてきそうな、静謐週間（笑）と名づけたいぐらい静かな1週間でした。 　先週はそんな感じで落ち着いた毎日でしたから、ゆっくりと机に向かい、この次に書く予定になっているノンフィクションの最終プロットを練っていました。 　今度のノンフィクションのテーマは、「死」―。2年半前に日本に帰って以来、ずっと心の中で温め続けてきたテーマです。 　誰も避けて通ることの出来ない「死」というテーマに圧倒的なリアリティーを持たせるため、今回は小説ではなく、敢えてノンフィクションという切り口で挑むことにしました。 　この本を書くに当たっては、何と言ってもインドという極限の地で暮らした過酷な経験が、フルに生かされることになるでしょう。 　私自身が実際に九死に一生を得たときの恐怖の体験や、まだ温かい570数人分の死体の山を歩いたときの衝撃など、「現実としての死」に真正面から挑んでみます。 　出版時期については、決まり次第ホームページで発表しますゆえ、しばしお待ちを♪ 　それから先週は、単発の原稿を2本書きました。 　1本は、英語教育で有名なアルク社の「Magazine ALC」に寄稿するオーストラリア留学に関するコラム（邦文）で、もう1本は、インドの英字月刊誌「New Millennium」に掲載される日本人の宗教観をテーマとするコラム（英文）です。　 　…というわけで、原稿を書いたりプロットを練ったりしているうちに、気がつけば今日はもう土曜日。 　朝から雨が小止みなく降りつづけて、今さら外に出る気にもならないので、今夜は人から送って頂いたまま手つかずで置いてある本（著者献本）をまとめ読みすることにします。 　中国人の友達から頂いた二十五年物の紹興酒があるので、これをゆっくりと飲みながら…。 　あっ、その前に、今夜はバレーボール男子イタリアvs.日本戦をテレビ観戦しなければ。 　がんばれ！ニッポン！（笑） 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2003年 11月 29日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年11月22日号(第111号) パーティーに始まりパーティーに終わる 　先日、歩道橋を渡りながら、ふと脇の雑居ビルに目をやったところ、そこに思わずプププ〜ッと吹き出したくなるような看板を発見！　速攻で写真に収めました。 　なんと、「ニュー プ〜助」ですって。 　ブースケじゃなく、プ、プ〜助？ 　どうやらバーらしいんですが…。一体どんな店なんでしょう…。「ニュー」が付くってことは、以前はただのプ〜助だったのでしょうか？ 　プ〜助って、助兵衛なプ〜タロ〜の略じゃないですよね？！（まさかね） 　入ってみたいけど、まわりはラブホテルやサラ金ばかりで、ちと入りづらい。 　もしも入ったら、そのときはマミリンのオススメBarで紹介しますから、ま、期待しないで待っててください（って言うか、一緒に入ってくれる人、ただいま大募集中（爆））♪ 　さてさて。 　先週も、何やらバタバタと忙しい1週間でした。 　まずは、月曜日。 　この日は、お台場のTFTで日産のフェアレディＺロードスター新車発表パーティーがあったのですが、このパーティー、なんと東京コレクション（ファッションショー）と、天才ギタリスト・チャー（Char）のミニコンサートが合体したユニークなもの。 　新車発表パーティー＋ファッション・ショー＋音楽コンサートというコラボレーションは、イベントとしてはかなり珍しいそうです。 　私自身は、車にはまるっきり興味がないのですが、チャーのギターテクニックを確かめたい一心で出かけてみました♪ 　パーティー会場に着いてみると、驚いたことに、ファッションショーに作品を発表なさっていたのは、15年来の友達でデザイナーの白浜利司子さん（通称リッツ）じゃありませんか。 「あれ〜！　なんでマミがフェアレディの発表会にいるわけ？！」 　リッツは目を丸くして驚いていましたが、そう言えば私、どうして招待されたんでしょう。確かに謎ですネ（笑）。 　リッツと私がああでもない、こうでもないと騒いでいるところへ、タイミング良く友人のミュージシャン・サエキけんぞうさんが到着。みんな一緒にチャーを聴くことになりました。 　しかしまあ、チャーという人は本当に凄いですね。ギターの腕は、既に「わび」「さび」「巧い」といった段階を通りこして、その上にある軽みの境地に至ってます。 　それから外見のほうも、52歳という年齢が絶対に信じられない、頭の先から爪先までカッコつけまくりの最高のダテ男。 　これぞホンモノのスターって感じ。機会があったら「ライブで」聴かれることを強くオススメします。 （チャーは25年ぐらい前、テレビに露出していた時期があって、「薔っ薇を投げるなっら〜♪」なんて歌ってました。当時は、世良正則（←字、これで良かったかな？）や原田真二（松田聖子のピアノ伴奏をしている人）とセットで、わりとアイドルっぽく扱われていましたが…、う〜ん、今となっては懐かしい…） 　パーティーから一夜明けた火曜日は、幻冬舎の芝田さんと築地で天麩羅を食べながら仕事の打ち合わせ。 　正直なところ私は天麩羅があまり好きではないのですが、年にたった1度だけ、なぜか突如としてアツアツの天麩羅を外食したくなるのです。今年は11月18日がその日に当たったというわけ（笑）。 　水曜日はPTAの仕事で、娘が通うインターナショナル・スクールへ。 　木曜日は、仕事のミーティングで青山のワタリウム美術館に寄ったあと、夜は友達のデザイナー・岡正子さんのファッションショーにお呼ばれしてきました。 　 　ショーの会場は、新宿の小笠原伯爵邸。 　「お友達も誘って来てね」という岡さんのリクエストに応え、中国人の友達（北京出身の経済学者・宋立水先生と、上海でアパレルメーカーを経営する肖菊芳さん）を誘って出かけました。 　ちなみに、今回のショーが催された小笠原伯爵邸は、1年前からスペイン料理店として一般に開放されていますから、ご興味のある方はランチかディナータイムにちょっとオシャレをして出かけてみては？ （小笠原伯爵邸に関する詳細は、「Bar Mamilyn〜マミリンのオススメBar」をご参照ください） 　金曜日は、上智大学の先生がたとサンスクリット文献の研究会をしたあと、赤坂のインド料理店「The Taj」でミニ・パーティー。 　メンバーがメンバーなだけに、テーブルの上を英語とサンスクリット語とヒンディー語、さらにはベンガル語や南インドのマラヤラム語までが飛び交い、最初から最後までインド哲学〜な雰囲気のパーティーでしたけど、ね。 　…というわけで、またしてもあっという間の1週間でした。 　先週走りまわった分、今週は落ち着いて執筆に専念したいと思います（←あくまでも希望的観測ですが（笑））。 　今日（土曜日）は、文句なしの秋晴れ。これからブースケを連れて浅草界隈を散歩してきます。皆さんも、楽しい1週間をお過ごしください。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2003年 11月 22日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年11月15日号(第110号) ちょっとお先に年の瀬気分 　早いもので、今年も残すところ1ヵ月半となりました。せっかちな私は、早くも年末の準備に余念がありません。 　1996年以来、毎年のようにブリタニカ年鑑のインドの政治経済記事を担当しているのですが、この依頼が編集部から届くのが、いつも年末。 　ですから、ブリタニカから原稿依頼があると、 「たいへん、たいへん！　今年も残りわずか！」 という感じで、年の瀬気分が一挙に高まる私なのです。一種の条件反射ですね、はい。 　ブリタニカ年鑑のほかにも、今月末は英語教育月刊誌「マガジン・アルク」に寄稿するオーストラリア留学に関するコラムの執筆など、締め切り間近の仕事が数件。 　それらを書き終えたら、急いで年賀状の準備にかからなくては…（どんなに忙しくても宛名は手書きと決めているので、準備に結構な時間がかかってしまうのです）。 　先週からは書斎に炬燵が登場しましたし、そんなこんなで、急速に年の瀬気分が高まりつつある今日この頃であります。 （ところで、考えてみると「年の瀬」って面白い言葉ですね。「瀬」は、川の流れが急になっているところという意味ですから、「年の瀬」は1年でいちばん時間の流れが速く感じられる時期のことでしょうか？） 　さて先週は、ブースケの散歩のついでに浅草の鷲神社（これで「おおとりじんじゃ」と読みます）に行って来ました。 　ここは天日鷲命（あめのひわしのみこと）を祀った神社で、毎年11月には、初春を迎えるための神事・酉の市が行なわれます。 　ほら、例の、熊手（地元では「かっこめ（＝掻き込めが訛った言葉）」と呼んでますが）の形をしたお守りで有名なお祭りですよ。 　酉の市には一の酉、二の酉があって、年によっては（暦の関係で）三の酉が開かれる年もあります。 　昔から、「三の酉のある年は火事が多い」なんて物騒な言い伝えがありますが、今年は11月8日の一の酉と、11月20日の二の酉の、合わせて2日間だけの開催です。 　私が行ったのはこのうちの一の酉ですが、実は、その日が酉の市だと最初から知っていて出かけたのではなく、（今日はずいぶんと人出が多いのね）なんて思いながら無心に歩いて行ったところ、気がついたら鷲神社の前に立っていたのです。 　「人並に　押されてくるや　酉の市」という高浜虚子の句どおり、まさに人波に押し流されるうちに自然に辿り着いていたという感じでした。 　折角ですから、今年は二の酉にも行きたかったのですが、その日は小笠原伯爵邸でのファッション・ショーを兼ねたパーティーに招待されているため、酉の市は断念。 　今週はこのほかにも、フェアレディＺ Roadster新車発表パーティー（芸能人がたくさん出席するハデハデなパーティーのようです）や、上智大学の先生たちとの夕食会（こちらは真面目なサンスクリット文献の研究会）などが予定されていて、年末に向けてお座敷かかりまくりのマミ奴にございますぅ〜（爆）。 　そちらの様子は、また来週号でお伝えしますので…。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2003年 11月 15日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年11月8日号(第109号) 赤色の研究 　浅草寺の脇で営業している手相見のおじさんから赤い物を身につけるように進言されたことは前号でお伝えしましたが、それ以来どうにもこうにも気になって（笑）、赤という色について色々と考えをめぐらしております。 　…というわけで今週のテーマは、シャーロック・ホームズの『緋色の研究』（A Study in Scarlet）の向こうを張って、「赤色の研究」（A Study in Red）。 　そもそも「赤」って何でしょう？ 　辞書で「赤」と引くと、「七色の一。血のような色。また、緋色、紅色、朱色、茶色などの総称」とあります。 （ちなみに七色とは赤、橙、黄、緑、青、藍、紫のこと） 　今の私たちは、上記の七色をはじめ、それこそおびただしい種類の「色の名前」を知っていますが、私たちの先祖はそうではありませんでした。 　古代の日本において、固有の色は赤、黒、白、青の、たった4色しかなかったと言われています。 　語源的には、赤は「明」に由来するそうで、太陽、明るさ、美しさ、晴れやかさ、公明正大さ、楽観性などの象徴だったとか。 　同様に、黒の語源は「暗」。白は「顕」、青は「漠」に、それぞれ由来するようです（ただし当時の青は、今と違って灰色がかった白だったようですが）。 　こうやって赤の語源を知ってみると、非常にポジティブな意味を伴っていることがわかります。 　余談ながら、南インドのケララ州の公用語であるマラヤラム語や、そのすぐお隣のタミール・ナドゥー州で話されているタミール語など南インド諸語は、日本語や朝鮮語との共通項が多いことで知られます（ちなみに言語学者の大野晋先生などは、「タミール語は日本語のルーツ」と断言しておられるほど）。 　私自身も、一時期真剣にマラヤラム語を学んだ経験から、南インドの言葉と日本語とのあいだに驚くべき共通性を感じている一人なのですが、例えば「赤」に関係する言葉としては、南インドで「アキラ」を語幹とする言葉の多くは、「明るい・明白な」という意味。 　まさに、日本語の「あきら」と音も意味も同じ！なのです。 　私たちが日常的に使っている日本語の中には、「真っ赤な嘘」「赤の他人」「赤恥」「赤裸」「赤下手」（非常にへたくそなこと）のように、赤のつく言葉が少なくありませんが、これらの言葉の中で使われている「赤」は、「まるっきりの・完全な」といった意味。 　そうです。赤は「嘘」「他人」「恥」「下手」を強めるために使われる、既にある言葉の意味をより強くするための、最強のスパイスなんじゃないでしょうか。 　また、柔道で「赤帯」と言えば、九段・十段取得者だけが使用を許された帯のことで、黒帯よりも格が上。 　江戸時代には、赤い色には病魔を退散させる力があると信じられ、疱瘡などの流行り病から子どもを守るためのおまじないとして、子どもには赤いオモチャを持たせたようです。 　さらに赤は、「赤信号」にも使われますし、最終電車や最終バスの行き先表示も赤色。つまり赤は、ほかの色に比べて強く注意を喚起する色だということでしょうね。 　以前、『屋外広告物の将来 ― 景観との共生』という論文で総合報道賞の二席を受賞したことがあるのですが（1996年）、このなかで私は、「日本国内でも、地域によって広告に使われる色に差異がある」ことに言及しました。 　つまり、広告に関して言えば、北海道など気温の低い地域では赤色は好まれず、南国に行くほど赤色が好まれるという傾向があるのです。 　考えてみれば、ハワイやバリなど熱帯に行くほど、赤をはじめとする原色の服を着た人を多く見かけますが、寒い地域では、人々の服装は地味な色合いになるような気がしませんか？ 　熱帯では、花や鳥など自然のなかにも原色が多く含まれていますから、そうした色彩感覚の中で育った南国の人たちが原色を好むのは、当然といえば当然のことなのかも知れません。 　しかし（これは単に私の憶測に過ぎませんが）、熱帯に住む人たちは、むしろ体温を下げるために寒色を着たほうが理に叶っているような気がしますし、同様に寒い地域に住む人たちは、体温を上げるために暖色を着るべきなのでは…？　（赤い下着を身につけると冷え性が治るというのは有名な話ですよね） 　ところで、「色は光の波長で決まる」とよく言われますが、本当はもっと細かな条件があって、色相（光の波長）、彩度、明度の三要素によって、それが何色であるかが初めて決まります。 　こうなってくると、赤の秘密に迫るには、色相、彩度、明度について詳しく論じる必要がありそうですが…、話がおそろしくややこしくなるので、今日はひとまず省略（笑）。 　いずれにしても、最近の私は、赤い色を全身のどこかにちょっとだけコーディネートするよう心がけています。縁起の良さそうなことは、とりあえず全採用ってことで（笑）。 　さてさて。 　先週の「週刊マミ自身」でオーストラリア土産のお知らせをしましたところ、今回もまた山のようにたくさんのご応募を頂き、ありがとうございました。 　ワインは人気があって、激戦でした。カンガルーのボールペンは倍率2倍で、狙いやすかったかも。 　厳正なる抽選の結果、当選者は次の皆さんに決定！　おめでとうございます。さっそく賞品を発送いたしますので、お楽しみに♪ 【ワイン当選者】　塚田由美子さま、Salsaさま 【カンガルーのボールペン当選者】　佐々本純さま、怪人男爵さま、ハッブルさま、やっぴさま 　今回当たらなかった人、本当にゴメンなさい。これに懲りず、また次のチャンスを狙ってください。 　なお、これとは別に、「山田真美ファンクラブ」のほうでキリバン（山田真美的ラッキーナンバー9999）をゲットなさったribuさまにも、記念品として、ブースケ特選ムフフセットをお贈りいたします。おめでとうございました！ 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2003年 11月 8日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年10月11日 2003年11月1日号(第108号) インド→シンガポール→日本→オーストラリア （写真つきオリジナルバージョンはここからご覧になれます） 　10月16日に成田を出発し、インド（6日間）→シンガポール（17時間）→日本（大事なミーティング出席のため2日間だけ帰国）→オーストラリア（1週間）と旅して、つい今しがた、再びお江戸に帰ってまいりました。 　周囲の皆さんからは、 「一体何なの、その強行スケジュールは？！」 と驚かれたり呆れられたりしましたが、まぁ、もともと旅慣れているほうですし、それに今回の行き先は日本との時差が少なかった（インド−3時間半、シンガポール−1時間、オーストラリアは夏時間のため＋2時間）ということもあって、最初から最後まで疲れ知らず。 　なかなかどうして、予想していたよりも遥かに快適な旅でしたよ♪ 　今回のインド訪問は、小学館の月刊誌「和楽」の取材が目的でした。テーマはズバリ、最近世界中で注目を集めているインドの伝統医学「アーユル・ヴェーダ」による健康法とリラクセーションの紹介です。 　アーユル・ヴェーダの源流は、南インドのケララ州にあります。ケララと言えば、拙著『マンゴーの木』と『ブラック・アンブレラ』の舞台となった場所。 　私にとっては、インドの中でいちばん想い出深く、馴染み（土地勘）のある地域です。 「ケララに行けば久しぶりにマラヤラム語も話せるし、仕事とは言えオイル・マッサージぐらいは受けられるだろうし、う〜ん、楽しみ楽しみ」 　…というわけで希望に胸ふくらませ（笑）、ルンルン行って来ましたよ、ケララ。 　今回の取材クルーは、カメラマンの森川昇さん、カメラマン助手の木内さん、編集者の梅原典子さん、そして私の総勢4人。取材先（イコール宿泊先でもあります）は、私が4年ほど前から贔屓にしているリゾート型のアーユル・ヴェーダ治療院、ソーマティーラムに決まりました。 　東京からケララへの行き方は、成田→ムンバイ→トリバンドラム、または、成田→キャンディ（スリランカ）→トリバンドラム、といったルートも考えられたのですが、今回は飛行機の便との兼ね合いで、成田→シンガポール→トリバンドラムというルートに決定！ 　成田・シンガポール間はシンガポール航空で6時間強、シンガポールから先はシルク・エア（シンガポール航空の別会社で、アジアの小さな都市に向けて飛行機を飛ばしています）で4時間弱。 　私が昔からシンガポール航空のファンということもあって、たいへん快適な空の旅でした。例によってスッチーのお姉さんとお友達になり、色々なグッズも貰っちゃったし（笑）。 　笑っちゃったのは、ダルマラジャ博士が占ってくれた私の運勢です。博士いわく、 「男っぽい性格。エネルギーが人より極端に大きく、他人とのコミュニケーション能力が非常に高い。集中力が抜群。お金が入ってもどんどん出て行く運勢。しかし次々に入って来るので問題はない。火星に支配されたピッタ（火）体質なので、皮膚のトラブルに注意。とても行動的でありながら、非常に非行動的でもある。何の世界に生きてもいずれ必ずナンバーワンになれる。常に人を助けるが、人からは助けられない運命。他人と組んではいけない。必ず独りで仕事をすること。作家なら成功する。政府との交渉が巧い。スパイになったとしても大成功するだろう」 　最後の一言で、カメラマンも編集者も大爆笑。 「スパイに“なったとしても”大成功？　もしも〜し、私は既にスパイ・マミリンなんですけど…」 ってのは冗談ですが、そんな感じで、とっても楽しい占いタイムでありました。 　しかもダルマラジャ博士ったら、私に「弟子になって占星術を学んでみないか」ですって。スパイになれと言ってみたり、占星術師になれと言ったり、もう〜、博士はお茶目なんだから〜（爆）。 　なお、アーユル・ヴェーダ治療に関する詳細は、12月初旬に発売される「和楽」2004年1月号をご参照ください。 ※「和楽」は残念ながら店頭販売はしていませんが、大きな書店には見本誌がありますし、メジャーな美容院などにも置いてあるようです。読み応えのある雑誌ですので、ご興味のある方はこれを機会にご購読ください♪　（とか言って宣伝してますけど、私は小学館からマージンをもらったりしていませんからね（笑））。 　インドでの取材を終えたあと、日本に直接帰国するクルーとシンガポールで別れた私は、空港から友達の家にGO！ 　彼女はテレサ・ハービンガーさんと言って、ひょんなことからインド時代に知り合い、魂の触れ合うような付き合いをした大切な女友達です。 　アルゼンチン生まれのテレサは、私と同じ2月27日生まれ。彼女も作家で、目下、第二次世界大戦を舞台とした歴史小説を（スペイン語で）書いています。 　旦那さんが外交官のため、3年に1度ぐらいのペースで家族と共に世界中を移動しているテレサは、どこか流浪の民的なメンタリティーを持っているという点でも、シンパシーを感じずにはいられない存在。 　今回は、多くの作家が集ったことで知られるラッフルズ・ホテルのバーで、色んなことを語り合いました。 　さて。シンガポールから一瞬帰国した私は、東京で大事な仕事のミーティングに出席。 　そのあと、犬のブースケの散歩でちょこっと通りかかった浅草寺の横手で、今度は初老の手相見のおじさんから声をかけられました。 　手相と星占いをミックスした占い方をするそうで、「見料＝総合運2000円」とあります。 （2000円なら、悪くないかも） 　…ってなわけで、またまた占って貰うことにしました。う〜ん。ダルマラジャ博士以来、突発的に占いフリークになってしまった私です。 　実はここでもハッとするようなことを色々言われたのですが、長くなるので省略。印象的だったのは、 「あなたは、生まれながらに太陽の影響を強く受けた太陽の人なので、太陽の色である赤いものを身に付け、赤いものを食べるようにしなさい。そうすることで運気はますます上昇するでしょう」 というご宣託です。それを聞いて、ちょっと思い当たることが。 　実は私、大学を卒業した1982年から1日も欠かさずに日記代わりのスケジュール帳を付けているのですが、ノートの表紙の色は、毎年のように黒または紫でした。 　それが今から3年前のこと、突如として、黄色い表紙のスケジュール帳を使いたくなったんです。 　ハッキリ言って黄色は（当時も今も）好きな色ではないのですが、そのとき私は、なぜかどうしても黄色のエネルギーが欲しくなったんですね。 　そして、黄色い表紙のスケジュール帳を使い始めた途端、私の運勢はどんどんラッキーな方向に向かいはじめ、心のなかも目に見えて楽しくなっていったんです。 　これを理論的に説明することは非常に難しいのですが、いつも机の上やバッグの中など最も身近な場所に置いているノートの黄色が、私に“連続的に”エネルギーを与えてくれている気がして仕方がないんですよ。 　もしそうだとしたら、今回の「赤い色を身に付けなさい」というご宣託も、ひょっとして信憑性があるのでは？ 　…ということで、浅草で手相見のおじさんに逢ってからというもの、必ず赤いものを身に付け、毎食赤いものを食べるようにしております。 　あ〜、私って、なんて素直な人間なんでしょう（笑）。 　さてさて、たった2日間の“一瞬帰国”の後、10月25日には娘とふたりシドニーへ。私にとっては10ヶ月ぶり、娘にとっては7年ぶりのオーストラリアです。 　今回のオーストラリアは、大学関係者やジャーナリストとのミーティングなどなど仕事が山積みだったのですが、そこはそれ、忙中閑あり。仕事の合間にお気に入りの街を散策したり、毎晩のように古い友達に逢ったり、たっぷりエンジョイすることができました。 　「和楽」に掲載されるインドの原稿も、シドニー滞在中にささっと書き上げ、ぱぱっとメールで送りました。 　これがほんの一昔前までは、旅先から日本に原稿を送るたびにファックスを探したり、国際宅急便（FEDEXとか…）の営業所を探して走り回ったものですが…。 　思えば便利な時代になったものです（しみじみ）。 　…というわけでオーストラリアでの仕事も終えて、無事帰国。 　これから年末にかけては、しばらく日本で大人しく原稿を書いていようと思います（と言っても、来年1月には再び海外取材の予定が入っているのですが）。 　今回のインド、シンガポール滞在中は、ショッピングをする暇もなく飛び回っていたため、読者プレゼントはオーストラリア土産です。 　プレゼント希望の方は、�@希望の品名（ワインまたはボールペン）、�Aお名前（本名およびハンドルネーム）、�Bご住所・電話番号を明記の上、boosuke@badboy.co.jp までご応募ください。 　締め切りは11月7日、発表は11月8日更新の「週刊マミ自身」第109号にて行ないます。ふるってご応募ください。 　では、どなたさまも楽しい1週間を♪ 　 　事事如意 　　　　　　　2003年 11月 1日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年10月11日号(第107号) 南の国に行って来ま〜す♪ 　来週は取材でインドだというのに、まだまだ何の準備も始めていない私であります。 　それどころか、この夏ギリシア旅行中に壊されたスーツケースの替りの品も、まだ買ってないし。インドの知人にお土産を持っていきたいけれど、その買い物もまだ。 　…でもまぁ、出発の瞬間までには何とかなるでしょう（笑）。 　今週は、先週にも増して忙しい1週間でした。例によって仕事のミーティングが重なりまくり。 　まずは月曜日、小学館「和楽」編集部の梅原さんと一緒に、友人のデザイナー・岡正子さんの仕事場を訪ねました。 　岡さんと私は、何を隠そう同じ高校（花の女子高♪）で先輩後輩同志なのですが、学生時代から天使のように乙女チックだった彼女が作る作品は、やっぱり天使チックなテイスト。 　原料はすべてシルクやとうもろこしでんぷんといったナチュラル素材。 　布を染めるための染料も、化学染料ではなく天然染料（あんず、バナナ、ラピスラズリの粉などなど）を使っていらっしゃるんですよ。果物や宝石の色素で染めた洋服って、それだけで夢があると思いませんか？ 　今回、「和楽」のインド取材は、自然の摂理に基づいた代替医療「アユール・ヴェーダ」がテーマですから、岡さんの作る自然素材のドレスは、まさに取材のコンセプトにピッタリ。 　そんなわけで今回のインド取材中、私は岡正子ブランドのドレスを着て過ごし、その様子を写真に撮って頂くことになったというわけなのです。 （ちなみに同行してくださるフォトグラファーは、かの広末涼子さんの写真集を出版なさったこともある森川昇さん。どんなショットを撮ってくださるんでしょう。楽しみ！です） 　さて、続く火曜日は、サンシャイン60コンベンション・センター次長の大島さん、サンシャイン水族館の高原さんとミーティングをしたあと、幻冬舎の芝田さんと仕事の打ち合わせ。 　芝田さんからは、『ブースケとパンダ…』に関するグッド・ニュースを聞かせていただきました。ブースケとパンダのファンの方が聞いたら、大喜びしてくれそうなニュースなのですが…そのことは、本決まりになったらすぐにお知らせしますから、ちょっと待ってくださいネ♪ 　水曜日は、ジンドー学園の神藤隆良さん、空間デザイナーの星埜恵子さんと打ち合わせをし、そのあと3人で六本木の有名なショーパブ「金魚」にてニューハーフ・ショーを鑑賞。 　…ここ2ヶ月のあいだに、なんと3回もニューハーフ・ショーを観てしまった私（笑）。 　その中で今回の「金魚」はマスコミでよく取り上げられる有名店だけに、いかにもバスツァーで来ているらしい団体のオジサン・オバサン客がメッチャクチャ多く、客席の雰囲気はかなりガヤガヤした感じでした。オノボリサン御用達っぽい雰囲気が好きな人にはオススメかも知れませんけど、ね。 　ちなみに、一緒にショーを観に行った星埜さんは、さまざまなイベントなどの空間演出を手がけるかたわら、複数の美大や専門学校で教鞭をとっていらっしゃる空間演出のプロ。また、「四万十川」「地球（テラ）へ…」など数々の名作で知られる映画監督・恩地日出夫さんの奥様でもあります。 　その翌日、木曜日はダイナソーデザイン＆エンカウンター展（主催／東京デザイナーズブロック、オーストラリア大使館）のオープニング・パーティーに出席しました。 　ダイナソーデザインは、このところ世界的に注目を集めているオーストラリアのデザインブランドで、大胆な色使いのジュエリーや食器、雑貨に定評があります。 　展覧会は青山のスパイラルで今月13日まで開催中ですから、お近くを通りかかることがあったら立ち寄られてみては？　ダイナソーデザインの公式HPはここです→　www.dinosaurdesigns.com.au 　スパイラルでのパーティー終了後は、表参道のイタリアン・レストラン「フェリチタ」で日本文化デザインフォーラムのメンバー10数人と飲み会。 　右隣の席に座った建築家の黒川紀章さんと「愛」というテーマで論じ合ったかと思えば、次の瞬間には左隣の席のロイ・ロックハイマーさん（日大教授）と「浅草の下町文化」について語り、さらに前の席の蜷川有紀さん（女優）と「カンヌ映画祭」のことを話し…といった具合に談論風発。 　ミュージシャンのサエキけんぞうさんとは、席が遠かったので「やあ！」と手を振り合ったのみ（笑）。 　楽しい人たちに囲まれた、楽しい夜でした。 　金曜日は出版のことで、某大手出版社を訪問。社長と編集長にお目にかかり、出版に関する打ち合わせ。 　そんな感じで今週も疾風怒涛の1週間でしたから、取材旅行の準備をする暇などトーゼンなく、気がつけば、今日はもう土曜日。 　これからちょっと新宿まで足を伸ばして、ロードショー中の恩地日出夫監督の最新作「わらびのこう」を観てきます。 　この映画は、60歳以上の老人を口減らしのため人里離れた原野に移り住ませるという、いわゆる“遺老伝説”を扱っているらしいのですが…。 　宣伝ちらしに「ジジババたちの悲惨で滑稽で、どこか高貴な集団生活」と謳っているところを見ると、どうやら決して深刻なだけの映画ではない様子。山形県で行なわれた先行公開では、6万人の動員が記録され大ヒットとなった作品です。 　主演は「家政婦は見た」でお馴染みの市原悦子。共演は石橋蓮司、李麗仙、左時枝など。芸達者なだけでなく一癖ありそうな役者さん揃いで、う〜ん、なんとも食指を動かされます。 　同作品は、ただいま東京都内の新宿東映パラス2にてロードショー中。ご興味がおありの方は、是非どうぞ。上映時間などに関するお問い合わせは、劇場まで（電話03-3351-3062）。 　明日の日曜日は、駐日アルゼンチン大使のお宅で行なわれるパーティーに娘と一緒に出席。 　その足で新幹線に乗り、家族と長野の山小屋へ。今年も干し柿づくりをしてきます。のんびり紅葉を見ながら温泉にも浸かりたいし。 　で、来週はもうインドです。 　インドでの取材が終わったあとは、シンガポールに立ち寄り、向こうに住んでいる親しい女友達（歴史小説家）の家に1日だけ滞在。そこからいったん帰京して、その翌々日にはオーストラリア取材に出発します（この旅には娘も同行予定）。 　…というわけで、この次の「週刊マミ自身」更新は11月の頭ぐらいになりそうですが、今回も例によってインドまたはシンガポールまたはオーストラリアから読者プレゼント（お土産）を用意してきますから、お楽しみに♪ 　今度のプレゼントは、南インドのアロマセラピー用オイルとスパイスのセット？ 　あるいはシンガポールの手工芸品？？ 　はたまたオーストラリア製の蝿よけコルクつきカウボーイハット？？？ 　何が飛び出すやら、私自身にも予測不能。ですので、とりあえず次回の「週マ」に乞う期待（笑）。 　そんなこんなで暫く留守にいたしますが、皆さんはお元気で、私の分も日本の秋を堪能してくださいネ。 　ではでは♪ 　　 　事事如意 　　　　　　　2003年 10月 11日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年10月5日号(第106号) めぐりめぐって… 　何年か途絶えがちだったオーストラリアとのご縁が、最近になって、急速かつ本格的に復活しつつあります。 　一番の理由は、何と言ってもシドニーが舞台のミステリー小説（2004年刊行予定）を書き始めたことですが、そのほかにも色々と偶然が重なって、このところ私の意識の3分の1はオーストラリアに向いていると言っても過言ではない状況…。 　20年以上も昔のシドニー留学時代に蒔いておいた種（特に人間関係）が、今頃になってにわかに花を咲かせはじめたという感じなのです。 　…そんなこんなで今週は、ほぼ一日置きに、日本を訪問中（または日本在住）のオーストラリア人に逢っていました。 　 　折りしも、日本国内では現在「オーストラリア芸術祭2003」が開催中。 　10月1日には、芸術祭の一環として「精霊たちのふるさと アボリジニ現代美術展」が代官山のヒルサイドフォーラムで始まりました。 　「アボリジニ」の語源は“origin”（起源、源泉の意味）です。 　このことからもおわかりのように、アボリジニとは、今から4〜5万年も昔からオーストラリアに住んでいる先住民族のこと。 　狩猟道具としてのブーメランという飛び道具を発明したことでも、世界的に有名ですよね。 　独自の文字を持たないアボリジニは、文字の代わりに絵を描くことで、自分たちの伝説や歴史、地図など、ありとあらゆるものを「地面」や「岩壁」という巨大なキャンバスの上に表現してきたと言われています。 　ふにゃふにゃ〜っとして頼りない線（近寄ってよく見ると、実は細かな点描なのですが）で描かれた幾何学模様や動植物は、へたうまイラストっぽい素朴な温かみに溢れ、まさに現代人が必要としている脱力系のなごやかムード。 　アボリジニと言えば、楽器の演奏方法もなかなかユニーク。 　たとえば、「ディジュリドゥ」という名の縦笛を吹くとき、アボリジニ演奏家たちは鼻で息を吸いながら同時に口で息を吐き、延々と絶えることなく笛の音を出し続けることが出来るんです。 　彼らに言わせると、 “It's sooooo easy！（超〜カンタン）” なんだそうですが…（んなアホな）。 　我こそはと思う方は、そのへんの縦笛で挑戦してみてください。ただし、息切れして倒れても私は責任を取れませんから、くれぐれもお気をつけて（笑）。 　そうそう、今回のオープニング・パーティーでは、楽しい出逢いもありましたよ。 　ビュッフェ式のパーティーだったのですが、乾杯のとき、たまたま隣に立っていらっしゃったのがデザイナーの山本寛斎さん。 「あっ、寛斎さん、こんにちは♪」 　これが初対面だというのに、思わず親しげにお声をかけてしまった私。しかも、いきなりファーストネームでお呼びしちゃったりして（大汗）。 　もちろん先方は私のことなどご存知ないのですが、私のほうでは前々から寛斎さんに親しみを感じておりまして…。 　と言うのも、何を隠そう、寛斎さんのところのお子さんとうちの息子は学校がご一緒なのであります。 　そのことをお話ししたところ、話が一挙に盛り上がり、そのあとは楽しく歓談させていただきました。 （この学校には、ほかにも人間国宝のお孫さんとか有名歌手のお子さんなど、ユニークな環境で育った子ども達がたくさん通っていて実に活気があるのですが…その話は、また別のときに…） 　それにしても、寛斎さんは本当に気さくで楽しい人。しかも私好みのハンサムだし（ウフフ♪）。 　この日はファッションの話が中心で、オーストラリアとの係わりについては聞けずじまいでしたが、今度ゆっくりとお聞きしてみたいと思います。 　なお、「アボリジニ現代美術展」は、10月11日まで代官山のヒルサイドフォーラム（東京都渋谷区猿楽町18の8ヒルサイドテラスF棟、電話03-3476-4868）にて開催中。このあと同展は、10月18日〜11月13日まで釧路市立美術館にて開催が予定されているそうです。 　ご興味がおありの方は、是非この機会にアボリジニ・ワールドに浸ってみてはいかが？ 　それにしても、つくづく縁って不思議ですよね。 　一旦は切れたかに思われたオーストラリアとの赤い糸が、目に見えない意識の下ではずっと続いていたなんて。 　時代がぐるっと一巡する頃には、前より更に深い親愛の情が育まれていたり。 　たとえ何十年と逢わずにいても、その空白時間によって、かえって強固な信頼関係が築かれたり。 　22歳から23歳にかけての留学時代には見えなかった、隠れていたオーストラリアの良さが、この年になって初めてわかってきたと申しましょうか…。 　オーストラリアとのオトナの付き合いは、ようやく始まったばかりって感じです。 　…と言うわけで当ホームページでも、これからはオーストラリア関連の話題が多くなると思いますが（笑）、どうぞよろしくお付き合いくださいマセ。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 10月 5日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年9月27日号(第105号) 文武両道を目指す秋 　すっかり秋めいて、過ごしやすい季節になりましたね。 　秋と言えば、読書の秋、芸術の秋、食欲の秋、行楽の秋…と色々ありますが、皆さんはどんな秋をお過ごしでしょうか。 　23日（秋分の日）、六本木ヒルズに隣接するグランドハイアット東京で開催された日本画家・千住博さんの個展オープニング・パーティーに出席してきました。 　もともと千住さんと私には共通の友人が多いため、300人以上が詰めかけた広〜い会場の中は、知り合いだらけ。 　子供地球基金代表の鳥居晴美さん、建築家の團紀彦さん、世界でいちばん営団地下鉄の制服が似合うミュージシャン（笑）サエキけんぞうさん、第二子の“欧司（おうじ）君”を出産して間もない漫画家の中尊寺ゆつこさん、女優の蜷川有紀さん、コピーライターの眞木準さん、山種美術館長の山崎富治さん、女優の白都真理さんらと次々にお逢いして、「あっ、ど〜もど〜も〜」と乾杯の連続でした。 　前日（22日）に国土交通大臣に就任なさったばかりの石原伸晃さんとも、インドのこと、ブータンのこと、出版業界のこと等々、楽しくお喋りさせていただきましたよ。 　なお、「千住博展」は日本橋三越本店7階ギャラリーにて9月28日まで開催中です。 　…そんなわけで、執筆だ、ミーティングだ、パーティーだと言っているあいだに、今年もいよいよ残すところ3ヶ月となりました。 　この秋の私は、結構忙しくなりそう。 　10月中旬は南インドのケララ州、10月下旬はシドニーに出かける予定です。 　ケララには、月刊誌「和楽」（小学館）の取材で行ってきます。 　ケララと言えば、拙著『ブラック・アンブレラ』と『マンゴーの木』の舞台となった場所で、年間を通じて高温多湿、ココナッツとバナナがバサバサ生い茂る南国です。 　しかもそこは、インドに3000年の昔から伝わる医学アーユル・ヴェーダの本拠地。 　ご存知ですか、アーユル・ヴェーダ？ 　インドの言葉で「アーユル」は、生命、命。「ヴェーダ」はヒンドゥー教の教えが書かれた「教典」を意味し、転じて知識・科学の意味。 　すなわちアーユル・ヴェーダとは、生命科学（＝命について正しく知ること）なのです。 　西洋医学では、痛みには鎮痛剤、熱には解熱剤を与えるといった具合に、対症療法が主流ですが、対するアーユル・ヴェーダの基本は、単に病気を治すのではなく最初から病気になりにくい生き方を設計してゆくこと。 　具体的なアーユル・ヴェーダの治療では、患者個人の体質や環境にいちばん合った内容の食事を指導してもらったり、全身の血流を良くするためのオイル・マッサージを定期的に受けます。 　こうすることで老廃物が体内から除去され、病気になりにくい体質が作られるんですね。その意味でアーユル・ヴェーダは、究極の予防医学と言えるかも知れません。 　今回の「和楽」は、ページ数にして12ページの大きな特集になる予定ですので、か〜な〜り〜ディープな内容の記事が書けるのではないかと思います。 　発売日など詳細は追ってお知らせしますので、お楽しみに♪ 　ちなみに、インド取材から戻った翌々日にはシドニーに飛び、ミステリー小説（英語版）の出版に関する打ち合わせをして来ます。 　…というわけで、最近の私は忙しさが加速度的に増していますが、体力維持のためのトレーニング・ジムにも通い始め、筋トレとランニング・マシンでいい汗を流しながら、今年の後半戦に備えているところです。 　目標はやっぱり文武両道！　脳ミソとカラダの両方を鍛えたいですからね♪ 　強くてカッコイイ作家（ハードボイルド作家って意味じゃないですよ（笑））を目指して、今日も筋トレに励みたいと思いま〜す。 　話は変わりますが、最近、日本列島各地で地震が相次いでいます。 　子どもの頃、長野市に住んでいた私は松代群発地震というものを経験しました。 　1965年の夏から約2年間に渡ってほぼ毎日のように大小さまざまな揺れが観測され、うち震度5が3回、震度4が3回。合計6780回の揺れが観測されたそうです（松代地震センター資料参照）。 　当時、私は5歳でしたが、道を歩いていたらいきなり「ぐらっ」と来て、目の前の道路が大きく波打って見えた光景は、いまだに忘れることができません。 　大きな地震が起こったとき、いちばん怖かったのは、棚の上などから物が落下して来ることでした。 　皆さんもこの機会に身の回りをもう一度点検なさり、家具が倒れたりテレビなどが落下して来ないよう、十分に予防策を講じてください。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 9月 27日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年9月15日号(第104号) クラブでGO！ 　日本文化デザイン会議が終了し、忙しさも一段落…と思いきや、その後ますます用事が増えて、ドタバタしているうちに、気がつけば今日はもう9月も半ば。 （…ってことは、今年も残すところ、たったの3ヵ月半？） 　ついこのあいだお正月を祝ったような気がしていたのに、今日はもう敬老の日ですか。 　この分だと、次にハッと気づいたときには、除夜の鐘を聞きながら年越し蕎麦を食べていたりして？ 　な〜んてことはまさか無いと思いますが、とにかくビックリするほど時間の経ち方が早い今日この頃です。 　さてこの2週間は、出版関係の打ち合わせ（複数）、知人が主催のパーティー（これも複数）、友達のデザイナーによるファッションショー、それにPTAの会合（このところ何故か出番が多いんです）と続き、同じ日に2つ〜3つと用事が重なることも。 　あと、「暑気払い」という名目の飲み会も多かったし（笑）。 　さて、13日〜14日は、1泊で長野に顔を出してきました。 　今回の用事は、友人でフランス語翻訳者のシルヴィー・ジャコさんとの仕事の打ち合わせと、長野を拠点に活動するデザイナー・岡正子さんのファッション個展オープニング・パーティーへの出席、それに実家の両親とご飯を食べること。 　予定より一本早い新幹線で長野駅に着いてしまった私は、時間調整のために、タクシーではなく歩いて善光寺方面へ。しかしこの日、長野の日中最高気温は35℃を突破。ただ道を歩いているだけで頭がクラクラします。 （あ〜あ、こんなことなら最初の予定どおりタクシーに乗れば良かった） 　後悔しながらアスファルトの舗道を歩いていると、わずか20分ほどのあいだに知り合い3人にバッタリ遭遇。 「あらやだマミさん、こんなところで何しているの？　インドに住んでるんじゃなかったの？」 と、3人からほぼ同じ内容の質問を受けて、ムムム？ 　長野県民の80％以上が読んでいるというローカル紙『信濃毎日新聞』に、長いことインド関係の記事を連載していたせいか、どうやら私はいまだにインド在住だと思われてるみたい。 「一昨年、日本に帰ってきたんですよ。今は東京にいることが多いんですけど」 「あら〜。インドでお書きになった原稿を、日本の出版社に送っていらっしゃったんじゃないの？　てっきりアナタはインドに骨を埋めるのかと思ってたわ」 　…もしも〜し。人の死体を勝手にガンジス河に流さないでくださ〜い（汗）。 　 　こうして町のあちこちで“知ってる顔”と遭遇しながら、ようやく善光寺近くにある蔵づくりのレストランに到着、シルヴィーと逢うことが出来ました…と思いきや、やはりここにも昔からの知り合いが…。 「おや、お久しぶり！　インドから一時帰国ですか？」 　日本に戻って2年以上になるというのに、長野の人たちはみんな、私がいまだにインドで暮らしていると思っているじゃありませんか。このままだと、いずれは「長野市出身、インド永住の作家」って肩書きがもらえそうな勢いです。 　…ま、別にそれでもいっか（笑）。 　そんなこんなで、のっけからギャフン（←死語）となりながら、シルヴィーと連れ立って、岡正子さんのファッション個展『OKA』のオープニング・パーティーが行なわれる長野県信濃美術館へと向かいました。 　今回の個展は、岡正子さんのファッションをインスタレーション的に展示した、なかなか遊び心のあるモノ。 　絹やとうもろこしでんぷんなど、自然の原料しか使わずにお洋服を作り続ける岡正子さんの作品は、ほとんど天使の羽根みたいに軽くて透明感100％なんですよ！ 　長野県信濃美術館が「県立」ということもあって、オープニングパーティーにはヤッシーこと田中康夫県知事も出席してらっしゃいました。 　ただし、ヤッシーがお召しになっていたスーツは岡正子ブランドではなく、明らかにアルマーニっぽかったですけどネ（笑）。 　このパーティーに出席していた方たちが片端から知り合いだったため、何十人もの人から「インドから夏休み帰国中？」という質問を再び浴びまくり、同じ答えをロボットのように繰り返すハメに。 　結局は、喋ってばかりで全〜然食べられない＆飲めない事態に。 「シルヴィー、私おなかがすいたよ〜。二次会へ行こうよ、二次会！」 　というわけで、シルヴィーの旦那さまのドミニク氏（やはりフランス人）も呼び出し、昔から知っているチャップリンというお店に繰り出しました。 　ここでタスマニア・ワインの赤（美味！）を飲み、食事も済ませた夜の11時頃には、すっかりバッテリー・チャージ完了。3人とも、イケイケモード全開に（笑）。 「よ〜し、今夜は踊り明かすぞ〜！」 ということになって、そのまま長野駅近くのクラブになだれ込みました。 　って言うか、長野にクラブなんてあったんだ〜？　 　目の前の狭くて暗いフロアにはヒップホップが流れ、いかにもだるそう〜に体を動かす若者たちの姿が…。 「ねえシルヴィー。この人たち、どうしてみんな全然踊ってないわけ？　私たちがディスコにハマってた大学時代なんて、それこそ全力で踊りまくって、それでも物足りなくて2軒目に繰り出して、翌日はちゃんと学校に行って最前列で講義を受けていたよ。人類のエネルギーは、急激に低下してるんじゃない？」 　私が説教くさい感想を漏らすと、シルヴィーも激しくうなずきました。 「ホント！　若いのに、みんな体力なさすぎ！　折角クラブに来たのにじっとしてるなんて、もったいないよ」 と言いながら、早くもフロアの真ん中で踊り始めています（ちなみにシルヴィーは30代後半）。 　ここに45歳のドミニクも加わって、「どうせ阿呆なら踊らにゃ損、損」とばかり、われわれはフロアのど真ん中で踊りはじめたのでした。 　が、しかし、その踊り方はどう贔屓目に見てもクラブっぽくありません（そのことは、自分でもよ〜くわかってるんです（笑））。 　私のは、70年代のカリフォルニアでカラダで覚えたバリバリのソウル・ドラキュラ風。 　ドミニクとシルヴィーに至っては、腰の曲がり具合や手つきが、なんだか怪しげなゴーゴー喫茶風（爆）。 　3人とも、店の雰囲気無視しまくりで踊りまくり。 　でも面白いことに、こういう熱気はすぐに伝染するみたいですね。 　最初は「すげぇ〜…」とか言ってあきれ顔（？）だった若者たちが、どういうわけだか1人、2人と近づいてきて、私たちと一緒になって踊り始めたんです。 　で、10分後には、彼らのだるそ〜な腰つきが、微妙にディスコ＆ゴーゴー風になってる（笑）。 　そのうち、夜も更けた1時頃になって、どこからともなく店のオーナー登場。 　オーナーは44歳のアメリカ人（男性）。なんのことはない、彼もわれわれと同じ、筋金入りのサタデー・ナイト・フィーバー世代だったのでありました。 　ってなわけでオーナーとも意気投合。この夜はみんなで延々3時間、完全ノンストップで踊ってしまいました。 　で、その夜は実家に泊まり、翌朝は普通に起きて母の手伝いで家庭菜園を耕し、そのあとは弟一家も合流してみんなでランチを食べ、私はその足で新幹線に飛び乗り、東京にとんぼ返りしました。 　今日はこれから仕事のミーティングです。週末にいい汗をかいた分、今週もバリバリ執筆しますよ〜。 　迷わず GO GO♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 9月 15日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年9月1日号(第103号) 日本文化デザイン会議、無事終了！ （写真つきオリジナルバージョンはここからご覧になれます） 　…というわけで、8月22日〜31日まで10日間にわたって開催された「第26回日本文化デザイン会議 東京・六本木ヒルズ」は、昨日、大盛況のうちに無事終了することが出来ました。 　これもすべて皆さんの温かいご声援のお蔭と、心から感謝いたしております。本当にありがとうございました♪ 　それにしても、先週の私は忙しかった！ 　文化デザイン会議のほか、オーストラリア大使館でのミーティング、翻訳家との打ち合わせ、出版関係の打ち合わせ、親しい女友達（鳥居晴美さん）が主宰するNPO団体「子供地球基金」の創立15周年記念パーティー、息子が通っているインターナショナル・スクールのPTAの会合（←どこかから「似合わな〜い」という声が聞こえてきそうですが…（笑））と続き、冗談抜きで目が回りそうな毎日でしたよ〜。 　何はともあれ、今回の日本文化デザイン会議の写真をアップしてみました。何卒ご笑覧くださいマセマセ♪ ★8月22日（金） 私が係わったプログラム＝開会式、大討論会エキシビションマッチ（司会）、オープニングパーティー（司会） ★8月23日（土） 私が係わったプログラム＝営団地下鉄タイアップイベント「メトロで遊ぼっ！」、シンポジウム「縮めたり伸ばしたりして見てみよう（思考の自在性）」 ★8月27日（火） 私が係わったプログラム＝営団地下鉄タイアップイベント「Metro Live in Roppongi」 ★8月30日（土） 私が係わったプログラム＝大討論会「知の異種格闘技」選手及び司会 ★8月31日（日） 私が係わったプログラム＝シンポジウム「まとめて見てみよう」、閉会式、さよならパーティー 　そんなこんなで、多くの出逢いに恵まれたこの10日間は、まるで宝探しでもしているようにワクワクと心躍る毎日でした。 　各シンポジウムの詳細などは、いずれ冊子にまとめられると思いますので、追ってお知らせいたしますネ。 　明日からはまた書斎に戻り、書きかけの長編ミステリー小説の執筆に取りかかります。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 9月 1日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年8月16日号(第102号) テレパシー ※「週刊マミ自身」第100号記念プレゼント（8月23日シンポジウム・チケット）の当選者は抽選の結果、石田様、パピコ様、軽茶倶楽部様、姉ちゃん様、ガリヴァー様に決定いたしました。おめでとうございます！　当選者の皆様には速達郵便でチケットを発送しました。当日、会場でお目にかかれることを楽しみにしております（120人しか入れない小さな会場で和気藹々とした雰囲気になることが予想されますので、会場ではお気軽に声をかけてくださいね）。 　私が心から敬愛して止まないオーストラリア人ジャーナリストに、ハリー・ゴードンさんがいます。 　年齢は、だいたい私の父親と同じぐらい。 　『ヘラルド』『サン』『ウィークリー・タイムズ』などオーストラリアの代表的な新聞の編集長を片端から務めたゴードンさんは、ジャーナリストとしての功績と人望の篤さからAAP通信委員長（＝オーストラリアの全マスコミを統括する委員会のトップという意味です）にも就任。 　さらには聖ミカエル・聖ジョージ勲章や国連メディア平和賞金賞を受賞なさったほどの大御所です。 　こう書くといかにも気難しい人物みたいですが、ご本人はいたってオープンで、以前日本にいらっしゃったときは、あえて高級ホテルには泊まらずに拙宅（今これを書いている山小屋のことです）に泊まって行かれたほどの庶民派なんですよ。 　ゴードンさんと知り合ったのはかれこれ20年ほど前になりますが、今から8年前の1995年には、私がゴードンさんの高著“Voyage from Shame”を邦訳し、『生きて虜囚の辱めを受けず』というタイトルで出版させていただいたこともありました。 　この本は、かつてオーストラリアと日本の両政府が事実をひた隠し、歴史の闇に葬り去ろうとしたカウラ事件の全容に迫る渾身のレポートで、ゴードンさんのライフ・ワーク的作品です（作品の詳細はこちらをご参照ください）。 　さてさて。 　『生きて虜囚の辱めを受けず』を出版したあと、私は日本を離れてインド暮らしを始めました。 　同じ時期にゴードンさんも家をお引越し。そうこうしているあいだに、私たちは完全に音信不通になってしまったのです。 （連絡が途絶えた当時はまだ、ゴードンさんも私もインターネットってモノを使っていなかったんですよね。Eメールさえあれば、こんな形で音信普通になるなんてあり得なかったのですが…） 　…こうして便りもないままに数年の歳月が流れました。 　さて、これは今から2ヶ月ほど前のことです。シドニーが舞台のミステリー小説を執筆しながら、私は唐突に、ゴードンさんのことを懐かしく思い出したのです。 「この小説を書いていることを、どうしてもゴードンさんにお知らせしたいな…」 　そう思い立った私は、昔の住所録を引っぱり出してきて、ゴードンさんに国際電話をかけてみました。 　ところが受話器の向こうから聞こえてきたのは、「この電話番号は現在使われておりません」という素っ気ないメッセージのみ。 「もしかしたら、ゴードンさんが前に勤めていた新聞社に聞けば連絡先がわかるかも」 　そう思い、急いでオーストラリアの新聞社数社をネット検索して、「ハリー・ゴードンさんの連絡先を教えてください」というメール（本当はもっと長くて丁寧な内容のメールですよ）を打ってみました。 　ところが新聞社から返ってきたのはいずれも、 「ゴードンさんは退社してから何年も経過しているため、現在の連絡先は当社ではわかりません」 というツレナイお答え。 　いよいよ困った私が次に考えたのは、やはりオーストラリアの新聞社に勤務するマリオン・スターさんという女性にコンタクトを取ってみることでした。 　マリオンさんも例のカウラ事件の究明に人生を賭けた女性ジャーナリストで、私の翻訳作業にも全面的に協力してくれた人。また、ゴードンさんにとっても仲の良い友達です。 「彼女なら、ゴードンさんの近況を間違いなく知っているはず！」 　というわけで、急いでマリオンさん宛てに手紙を書き始めました。 　ところがその手紙を書いているまさにその最中、私のもとに知らない日本男性から1通のメールが届いたのです。 　メールを一読して、私は驚きのあまり全身鳥肌立っていました。そこには次のようなことが書かれていたからです。 「私は数年前にオーストラリアを訪問中、マリオン・スターさんのお宅にホームステイした日本人です。そこで、山田真美さんが訳された『生きて虜囚の辱めを受けず』を読み、たいへん感動しました。ところで、そのマリオンさんが心臓麻痺で急逝されたことをご存知ですか？　この悲報を聞いて、急に『生きて虜囚の辱めを受けず』を再読したくなり、たった今読み終えたところです。この本を訳してくださった山田さんに一言感謝の言葉を述べるとともに、マリオンさんの死をお知らせしたいと思い、こうしてメールした次第です」 　このメールを読んで私がどんなに驚き、どんなに深く落胆したか、皆さんにも想像がつくでしょう。 　こうして、マリオンさんに宛てて書きかけていた手紙は、永遠に投函されることなく終わりました。 　ところがところが、更にその数日後。またしても知らない人から私のもとにメールが届きました。 　今度のメールの差出人はフランス女性で、そこにはまたしてもビックリ仰天するようなことが書かれていたのです。 「私は日本男性と結婚して日本に住んでいるフランス人です。先週、休暇でオーストラリアを旅行中に、たまたま舟でハリー・ゴードンさんというジャーナリストと乗り合わせました。ゴードンさんは、私が日本からの旅行者であると知るなり、“ヤマダマミを知っているか？”といきなり聞いてきました。私が“いいえ、知りません”と答えると、ゴードンさんは続けてこう言いました。“私はヤマダマミに連絡を取りたい。しかしどんなに探しても彼女の連絡先が見つからず、困り果てている。もしもどこかでヤマダマミに会うことがあったら、私が連絡を取りたがっていると彼女に伝えて欲しい”というのです。休暇を終えて日本に帰ってきた私は、早速Yahooのサーチエンジンで“Mami Yamada”と検索してみました。その結果、“山田真美の世界”というホームページに辿りつくことができました。プロフィールを見ると、ハリー・ゴードン氏の本を訳したと書いてあったので、“ああ、この人がゴードンさんの言っていたヤマダマミさんだな”とわかりました」 　まったく、なんて不思議な偶然でしょう！ 　このフランス女性の話によれば、ゴードンさんのほうでも私に連絡を取ろうとして躍起になっているらしいのです。 「やったぁ！　今度こそゴードンさんと連絡が取れる！」 　当然そう思った私は、小躍りしながらフランス女性に「ゴードンさんの連絡先を教えて欲しい」と頼んでいました。 　ところが、何ということでしょう。彼女はゴードンさんと舟の上でお喋りをしたことはしたけれど、住所交換まではしなかったと言うじゃありませんか（ガガガーン）。 　というわけで「ゴードンさん探し」は、またしてもふりだしに戻る。 　…と思いきや、今度はイアン・マッカーサーさんという人からメールが届きました。 　イアンさんは昔は新聞記者、現在はシドニーの大学で教鞭をとっておられる男性で、去年の暮れに私がシドニーを取材したときに色々と協力してくださった人。 　イアンさんからのメールによれば、彼の知人が最近フィジーを旅行中にゴードンさんに遭遇したというじゃありませんか！ 　私はすぐさまイアンさんにこう頼んでいました。 「誰でもいいから、お願い！　ゴードンさんに逢ったら私のメルアドを渡して、ヤマダマミが連絡を取りたがっていると伝えて！」 　それから更に1週間が経過。待ちに待ったゴードンさんからのメールがついに届きました。今から3日前のことです。 　メールの件名は、 「テレパシーに違いない！（It must be telepathy!）」 となっていて、それを読んだだけでも、ゴードンさんが私にコンタクトを取るためにいかに一生懸命だったか、瞬時に想像することができました。 　メールによればゴードンさんは、私が今もインドに住んでいるものと信じ、何度もニューデリーの古い住所に宛てて手紙を出していたとのこと。 　しかしインドのメチャクチャな郵便事情により、手紙はどれも差出人に戻されることなくどこかに消えてしまい、ゴードンさんは為す術もなく私からの連絡を待っていたということでした。 　…というわけで、どうやら数年ぶりに連絡を取り合うことができたゴードンさんと私。 「また一緒に仕事をしようよ！」 と、早くも怪気炎を上げております。 　それがどんな仕事になるかは、また後日お知らせしますが（ちなみに現在のゴードンさんは、オリンピック委員会の委員として活躍していらっしゃいます）、とりあえず今日のところは（芸能週刊誌風に言えば）「8年ぶり、涙の再会！」ということで、メデタシメデタシ。 　それにしても、2人の人間がお互いに「逢いたい」と強く念じるときって、何やら目には見えない凄まじいオーラまたは気迫のようなものが発生する気がしますね。 　それが周囲にまで影響を及ぼして、今回のように何人かの人たちを巻き込みながら、色々なことが連動して起こるような気がします。 　「テレパシー」の語源は、「テレ」（tele＝遠い、遠距離の）＋「パシー」（pathy＝感情、病気）。 　テレパシーとは、すなわち「遠距離の感情」のこと。 　海を隔てながらも互いのところまで届きあったゴードンさんと私のテレパシーは、それぞれ非常に強かったということでしょう。 　ではでは♪ ※なお8月22日〜31日は「日本文化デザイン会議」会期中のため、「週刊マミ自身」をお休みさせていただきます。次の更新は9月の第1週を予定しております。 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 8月 16日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2003年8月9日号(第101号) もっと広い世界へ 　いよいよインド人もビックリの本格的な猛暑到来！　皆さん、元気にお過ごしでしょうか。 　私はと言えば、2週間後に開催が迫った日本文化デザイン会議の準備に加え、この夏から新たに任命された文部科学省国立天文台拡大広報普及委員の仕事、ミステリー小説の執筆および出版の打ち合わせ、さらには土蔵の外壁の修理（もっともこれは私がやっているのではなく、職人さんにお願いしているのですが。私は3時にお茶菓子を出しているだけ（笑））…と、またまた目の回るほど忙しい1週間でした。 　そんなこんなで忙しい毎日が続く中、ふと振り返れば、私がインドから日本に戻ってから早くも2年と2ヶ月の歳月が経っています。 　2年2ヶ月…。う〜ん、想い起こせば色々あったなぁ…（しみじみ）。 　最近とみに思うのは、「そろそろこのへんで作家としての第2ラウンドに入りたいな」ということですね。 　その第2ラウンドで私がめざすものは、私にしかできないやり方で、世界に向けて小説を発表してゆくこと。 　実を言えば、これはかなり前から真剣に考え着々と準備を進めてきたことなのですが、具体的な方法論が固まり、それをサポートしてくださる世界各国のスタッフも揃って、いよいよ計画を実行に移すときが近づいてきたようです。 （だって私には世界中に優秀なプロの友人がいるんですもの。彼らの知恵を借りない手はありません） 　そんなわけで、現在執筆中の長編ミステリー小説は、これまでとは全く異なる方法で発表することになると思います。 　大がかりなことを考えています。単に一冊の本を出版するというよりは、ひとつの「プロジェクト」になるでしょう。私が書いた物語を、私自身で「総合プロデュースする」と言ったほうがわかりやすいかも知れません。 　当初は2003年中に発表する予定だったミステリー小説ですが、じっくりと時間をかけ、本当に納得のできる形に熟成させて2004年に出版したいと考えております。 　読者の皆さんにはご迷惑をおかけしますが、余計に待っていただく分、とびきり面白いものをお届けしますから、どうぞ私にもう少し時間をくださいネ♪　よろしくお願いいたします。 　 　話はコロッと変わりますが、日本文化デザイン会議開催中の8月23日にシンポジウムでご一緒する美術家の島袋道浩さんから、昨日、長文のメールが届きました。 　しかもメールの差出地は、アフリカの目と鼻の先、スペインはジブラルタル海峡の街！ 　「旅先からわざわざこんな長いメールを書いてくださったの？！」と、それだけでもう、痛く感激してしまった私です。 　島袋さん（注／これで「しまぶくろ」ではなく「しまぶく」さんとお読みします）と聞いて私がパッと思い出すのは、何と言っても、タコに東京観光をさせるという謎！なプロジェクトです。 　ある日、「タコに東京見物をさせてやりたい」と思い立った島袋さんは、明石の海でタコを一匹捕獲。 　そいつを蛸壺に入れたまま新幹線で上京し、東京タワーや銀座など観光名所を見せてやったあと、再び新幹線で明石の海に戻してやったのだそうです。 　「なんでまたタコに東京見物を…？」「果たしてタコは喜んだのかなあ？」（笑）などなど謎は尽きませんが、フツーなら誰も考えないだろう（あるいは、たとえ考えても行動には移さないだろう）ことを、大真面目かつアーティスティックに実行してしまうところが、島袋さんの大きな大きな魅力。 　イカ好き同好会組合員で自他ともに認めるイカ好き（注／毎日一杯はイカを食べてます）の私は、思わず島袋さんにこう質問してしまいました。 「それにしても、どうしてイカじゃなくタコなんですか？　もしかしたらイカだって東京見物をしたかったかも知れないのに…」 　すると島袋さんは「ほお！　イカ好き同好会なんてものが存在するんですか？！」と驚いたあとで、イカとタコの根源的かつ哲学的な違いを熱ぅ〜く語ってくださいました（笑）。 　こんなユニークで楽しい講師が登場するシンポジウムですから、きっととてつもなく面白いイベントになりますよ。お時間のある方は、（話題の六本木アークヒルズを見物がてら）ぜひ遊びにお越しください。 　なお、このシンポジウムのチケットを5名様にプレゼントいたしております。詳しくは、このページの一番上のチケットプレゼントのお知らせをご覧くださいネ。 　ではでは♪ 　　　事事如意 　　　　　　　2003年 8月 9日 　　　　　　　　　　　山田 真美