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2004年5月15日号(第133号)
今週のテーマ:ブースケのお見合い
 それは今週の月曜日(5月10日)の夜のことでした。家族で中華料理を食べに行き、その帰り道に「腹ごなしに」と立ち寄ったペットショップで、一匹の珍しい犬を発見したのは。

 それはなんとも不思議な風貌の犬でした。
 なにしろ、顔はパグのような鼻ぺちゃの
ファニーフェイスのくせに、手足がスラリとひょろ長く、首から上と下がまるで別人(別犬?)。

「これは一体、何という犬ですか?」と尋ねたところと、お店のお姉さんからは、「これは
純粋な日本犬で、犬種はチンといいます」という答えが返ってきました。

 ああ、これがかの有名な「チン」であったかと納得すると同時に、(ええっ、本当にこれが日本犬なの?)と、思わずしげしげと顔を見直してしまいました。

 だって、日本犬といえば目が細く吊り上って、耳の立った犬を想像しません? (例えば柴犬とか秋田犬のような…) それなのにこの仔犬ときたら、目は大きなどんぐり眼、耳は垂れていて、驚くほど手足が細長いスーパーモデル体型なんですもの。

 感心している私の横では、娘が盛り上がっています。娘は普段から
黒×白のモノトーンファッションでキメているのですが、そういえばこのチンも白×黒。娘とチンが一緒に歩いたら、ヴィジュアル的にはピッタリかも。

 それにしてもこの白黒の感じ、どこかで見たことがあるような…? そう思ったところに、

「この子を飼うようになったら、
名前はパンダで決定ね」

という娘の声が。
 そう言われてみれば、ボディが白く、目のまわりと耳が黒いその姿は、確かにパンダそっくりじゃありませんか。

「でも、この子を飼えるかどうかは、まずは
ブースケに決めてもらわないと…」

 去年の2月12日に我が家にやって来たブースケも、早いものでもうじき1歳半。
 最近は散歩の途中、今まで以上にほかの犬に興味を示し、
そろそろガールフレンドが欲しいのかなという感じがありありだったのです。

 ブースケはシーズーですが、一般的なシーズーよりもやや小型(体重5キロ)。チンは成犬になっても3キロ程度だそうですが、足が長いため、見た目の大きさはシーズーとそれほど変わりません。

 「本人同士さえ気に入れば、
国際結婚も構わないんじゃない?」ということになり、ブースケととりあえずお見合いをさせてみて、双方が気に入るようなら、チンの女の子を家族として迎え入れようということで話はまとまりました。

 …というわけで、その翌日、ブースケを連れて再びペットショップを訪ねました。

 以下、ブースケとパンダのお見合いの様子をお知らせいたします♪ 鹿(しし)威しの
カッコ〜ンという音がBGMで流れていると脳内でイメージしながらご覧ください(笑)。


ケージに入れられたパンダと初めて対面する
ブースケ(注:チンの名前は、この時点で既に
「パンダ」に決定です(笑))


(こ、この子が僕の妻に…!?!?)
やや緊張した面持ちのブースケ


ブースケ「ちょっとらけ耳を舐めさせてくらはい」
パンダ「きゃ〜、この変態!」
 ペットショップの中で1時間ほど遊ばせてみたところ、ブースケのほうは満更でもない様子。さかんにパンダの気をひこうと頑張っています。
 一方のパンダはと言えば、
我関せず。しつこく迫ってくるブースケのことは無視して、むしろ人間のほうに近づいてきて甘えたがります(なにしろまだ生後5ヶ月ですから、甘えたいのは無理もありませんよね)。

 でも、赤ちゃんにしては堂々として物怖じしない、気の強い態度はなかなか立派。
YES・NOもハッキリしていて、ブースケがしつこく近づきすぎると、前足でブースケの横面をひっぱたいてピシャッと拒絶します(苦笑)。

 いろいろ考えた結果、パンダを山田家の一員として迎えることにしました♪

我が家に到着した直後のパンダ。昨日までブー
スケ専用だった座布団をさっそく横取り



奪われた座布団を前に、諸行無常を想い
呆然とたたずむブースケ(しかもパンダは
勝手に一人で寝ちゃったから遊べないし)
 チンは漢字で書くと「狆」。ケモノ偏に中と書くだけあって、性格的にはかなり自己中心的というか、威張っているようです。
 そう言えば、狆は江戸時代に
将軍様の寵愛を受けたことで有名な犬ですよね。第5代将軍綱吉のときには「生類憐みの令」まで作ってもらい、徳川時代から400年にもわたって甘やかされてきたおかげでジコチューになっちゃったのでしょうか?

 ブースケはもともと気が弱いので、既にパンダに
完全に尻に敷かれており、座布団をはじめ、オモチャ、ハーネスやリード、犬用ガム(牛皮で作られた棒状のおやつ)などを次々にパンダに略奪され、そのたびに私のところへ泣きついて来ます(ちょっとかわいそう)。
 狆が将軍様の寵愛を受けたように、シーズーだって
西太后の寵愛を一身に受けていたやんごとない犬種なんですがねえ…。

 パンダには今後、やっていいこと・いけないことのケジメをビシッと教育しなければと思っております。

 そういうわけですので、皆さん、今後はパンダのこともよろしくお見知り置きください♪

 なお、前号でお知らせした「讃岐うどんプレゼント」当選者は、抽選の結果、黒猫様、NAO様に決定いたしました。おめでとうございます。さっそく発送いたしますのでご賞味ください。


 ではでは♪
★★★今週のブースケ★★★

人生について考えたくなったので、さすらいの
素浪人風ヘアスタイルに変えてみました

※前号までのブースケの写真はこちらからご覧になれます。
事事如意
2004年 5月15日
山田 真美