旅に出ていない限り毎週土曜日に更新します。
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2019年3月5日(第620号

今週のテーマ:
4年目のインド工科大学での新たな試み①
 
来たる3月9日、長野市内で講演いたします。
演題:『ご縁は一日にしてならず~今日の生き方が未来を決める』
日時:3月9日(土)15時~16時20分
場所:アイビースクエア3階
主催:内閣府、日本青年国際交流機構、ほか
後援:長野県、長野県教育委員会ほか

基調講演はどなたでも参加可能です。
参加費:一般1000円、学生500円、高校生以下無料
お申し込みは、氏名、E-mail、電話番号を明記の上、iyeonagano@yahoo.co.jpまで。
皆さまのご参加を心よりお待ちしています!
※申込み概要など詳細はこちらをご覧ください。申し込み期限は過ぎていますが、私(山田)の名前を出していただければ予約できます。
 2月初頭から2月終わりまでのほぼ1か月、今年もインド工科大学ハイデラバード校(IITH)の教壇に立ってまいりました。 

 「日本をまるごと教える」ことを究極のテーマとした同校での集中講義も今年で4年目に突入。

 教え子が次々に日本へ留学・就職するなど結果がよい形となって現われ始め、教えることがいよいよ楽しくなってまいりました。

 なお、最初の予定では、今回もこれまでどおり現地から「週マ」を発信させていただくはずだったのです。

 ところが、なぜか原因不明のFTPクライアントソフトウェアの不調が発生。ウェブサイトを更新することが出来なくなり、結局こうして日本に帰国してから全部まとめてお知らせすることになってしまいました。とほほ。

 更新を楽しみにしてくださっていた皆さま、本当にごめんなさいm(_ _;)m
 心よりお詫び申し上げます。

 さて。今回のハイデラバード滞在は、これまでとは一味違っていましたよ~。

 何が違うって、これまで3年連続して泊めていただいた古ーい宿舎(公営アパートをそのまま客員教授用宿舎として使っていた所=キャンパスから自動車で約30分)ではなく、なんと大学キャンパスの敷地の中についに完成したタワーの中に泊めていただきました!

 下の写真は、インド工科大学ハイデラバード校(IITH)の正門付近の荒涼とした風景。
 左側に見えている看板の画面左に描かれたマークがハイデラバード校のロゴです。

 4棟ある白い建物のうち、右から2棟目が今回私が泊まった宿舎です。
 左の2棟は建設工事中で、来年までには完成予定とか。
 
 スタッフ・タワー第1棟、略してST1。ここに泊めていただきました。

 その名のとおり本来はスタッフさんの住居だそうで、道の向かい側に建設中のゲストハウスが完成次第、われわれ客員教員はそちらに泊まることになるのだそうです。

 というわけで、ST1も当面の仮の宿
 
 こちらはメイン・ベッドルームでございま~す。
 インドのベッドはなかなか大きい!
 
  ベッドルームから玄関方向を見渡したところ。ベッドルーム3室、バスルーム2室、リビングルーム、ダイニングルーム、キッチンつき。一人では明らかに広すぎ!

 ちなみにインドでは3LDKではなく3BHKと申します(B=ベッドルーム、H=ホール、K=キッチン)。

 滞在中に衣食住に関するお世話をしてくれるスタッフさんは今までと同じ、懐かしいメンバーでした。

 さっそく洗濯機が壊れ、直してもらいました。
 
 変わったのは宿舎だけではありませんよ。インド工科大学での4年目となる今年は、これまでと講義の「方針」ならびに「やり方」を二点ほど大きく変えてみました。

 第一に、これまでは「来る者は拒まず」だった履修者に、初めて人数制限(上限)をかけてみました。

 これまでの履修者数は、1年目は7名、2年目は164名、3年目は172名

 初年度から比べると大幅アップで、もちろん嬉しいことは嬉しかったのです(必修科目ならいざしらず、単なる選択科目にこれだけの人数が集まってくれるって、ありがたいですものね)。

 とは言え私は学生たち一人ひとりと言葉を交わしながら授業を進めていくタイプ。
 大教室での授業は、あまり好きではありません。

 また、成績の付け方ですが、私は学生にレポートを書かせ、それらを丹念に読んで採点するというやり方を択っています。
 このやり方ですと、◯☓式で点数をつけていくテストと違い、採点にとてつもなく時間がかかります。
 事実、去年は172本のレポートをすべて丁寧に読み終えた瞬間、

もう限界です~

と気を失いかけましたから(苦笑)。
 そこで今回は、履修要項の中にあらかじめ、

「この授業は、近い将来に日本への留学、就職、あるいは旅行を予定している者を対象とする」
14回の授業すべてに出席することを履修の基本条件とする」

のニ文を加えました。

 かなり厳しい条件かな?とは思いましたが、こうすれば日本について本気で学びたい学生だけが履修してくれると考えたからです。

 その結果、今年度の最終的な履修者数は44名

 理想を言えば30名以下なら更に良かったのですが、とは言え172名の大カオス(阿鼻叫喚)に比べたら、今年は天国でしたよ、はい(笑)。

私が与えられた部屋はST1棟の11階にありました。
窓から見下ろした風景(正門方向)はこんな感じ…。



さらにそこから90度ほど左を向くとこんな風景が。



紅白シマシマ模様でお馴染みのビル群は正門とは反対方向。
講義棟もシマシマの近く。なんと宿舎からこんなに遠く離れて
います! 基本的に全ての講義は講義棟で行なわれるのに、
何ゆえ客員教員の宿舎をこんな遠くに建てたのか。謎すぎ。



試しに宿舎から講義棟まで歩いてみたところ、たっぷり30分かかりました。
基本的にはスクールバスに乗るか、バスが来ないときはヒッチハイクで
しのぎましたが。「夜はコブラが出るから歩いちゃいかん」と言われたし。



ちなみにキャンパス周辺にはポケストップは
おろかポケモンの影さえ見えませんでした。
(ポケモンGO的な意味で……)
 第二に、今回は講義の進め方も変えてみました。

 これまでの3年間は、講義内容を事前に用意して持って行くという、教授としては最もスタンダードなやり方で授業を行なっていました。

 しかし今回は初日に学生たちから質問を出させ、残りの13回の講義中に全ての質問に答えるというやり方に大幅変更。

 学生たちから一体どんな質問が飛び出すやら、まあ想像はできましたが、とは言え意外な質問が飛び出す可能性は高いと思われました。

 そうなると当然、教える者の知識や度量、さらにはトークのテクニックといったものが問われますし、下手をするとこちらの人間性まで赤裸々にされてしまうでしょう。

 かなりチャレンジングなやり方ですが、今回はそこに敢えて挑戦してみたわけです。

 インド工科大学の学生なら凄い球(質問)を投げてくれると期待しましたし、自分がそれをどれだけしっかり捕えて打ち返せるか(解説・解答できるか)ということにも興味がありましたので。

……という感じで、4年目もガンガン攻めてきましたよ。

食事はST1棟15階のダイニングルームでいただきました。
朝食8:00~、昼食13:00~、スナック17:00~、夕食20:30~
となっていましたが、時間はいい加減でしたね。毎回アンジェリーナ
・ジョリー(a-jolie)のバッグを連れて行き、たまに忘れると
「アンジェリーナはどうした?」と同僚たちから聞かれました(笑)。



同僚たちとの食事の風景。両端の二人は数学者(環論=ring theoryがご専門)。
私の向かって左隣はドイツ人客員准教授のオスカー先生。数学的思考で
ベートーベンの音楽を解説するといった興味深い講義をなさっていました。
 この続きは次回の「週マ」で♪ 
 ▼・ェ・▼今週のクースケ&ピアノ∪・ω・∪


ママがインド滞在中は、ふたり
とも妙に静かだったそうです。
事事如意
2019年3月5日
山田 真美
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