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2007年4月23日号(第260号)
今週のテーマ:
バランス良く生きているか?
 ふとカレンダーを見上げて、既に2007年の約3分の1が終わっていることに気づき、愕然としている今日この頃。皆さまには如何お過ごしでしょうか。

 最近の私は、忙しい忙しいと言いながらも「学問・仕事・遊びの三つ巴ライフ」を実施しておりますが、これら3つのうちひとつでも欠くことは出来ませんし、ひとつが欠けたら、他のふたつも機能しなくなってしまうような気がします。

 「そんなに忙しいなら遊びを減らせばいいじゃないか」というご意見もあるかも知れませんが、私にとって遊びのない人生なんて死んだも同然なのです。

 ……というわけで先週も、三つ巴ライフを堪能した1週間でした。

 で、順位としてはまず「学問」です。

 昨日は高野山大学に提出する修士論文研究計画書の締め切り日でしたので、優先順位としてはこれが第1番目でした。

高野山大学へ提出した修士論文研究計画書。
今どき珍しい手書きです(笑)
 私が修論に選んだテーマはパドマサンバヴァと呼ばれるチベットの密教行者です。

 パドマサンバヴァは、日本でも一時期話題になった『チベットの死者の書』の著者と目される伝説の宗教家ですが、歴史資料に乏しく、非常に謎の多い人物です。

 担当教官から伺ったお話によれば、高野山大学の大学院でパドマサンバヴァを論文のテーマに絞り込んだ院生は(修士過程・博士過程を通じて)私が初めてだそう。

 そんなわけで、前人未到の山を登るような、やり甲斐のある研究になりそうですよ(論文は英語と日本語で出版予定です)。

 修士論文にようやく着手したついでに、先週は、2007年後半に予定される海外取材に備えて国際学生証(International Student Identity Card)なるものを作って参りました。

世界98ヶ国で学割サービスが使える便利な国際学生証
 この学生証(通称「ISIC」)は、ユネスコが公認した唯一の国際学生証だそうでして、これ1枚あれば世界98ヶ国の博物館・美術館・オペラ座・映画館・バスなどの公共乗り物・ホステルその他で学割サービスを受けることが出来ます。

 さらには、便によりますが、飛行機料金がディスカウントになることもあるのだとか(と言っても、割引額は2,000円とか3,000円程度ですが)。

 学割利用時以外にも、もちろん純粋に身分証明書としても機能しますし、持っているだけでなかなか便利なカードのようですよ。大学生協で簡単に作ってもらえます(有料)ので、大学生・院生の皆さま、1枚作っておいてはいかが?

 まあ、私の場合は実際に学割を使う云々よりも、

20ン年ぶりに学生証を持っちゃった。ルンルン♪」

みたいな心のトキメキのほうが重要なんですけどネ(爆)。

 ……さて、「学問」の次は「仕事」です。

 先週はインド共和国グジャラート州のナレンドラ・モディ州知事が初来日され、その歓迎晩餐会が行なわれました(於・ホテルオークラ)。

 グジャラート州はマハトマ・ガンジーの出身地として知られていますが、現在に至るまで常にインドで最も多くの大富豪を輩出している地としても有名。

 そこで今回はモディ州知事に直接お目にかかり、グジャラート州がなぜ大富豪を輩出し易いのか、その根拠などを単独インタビューして参りました(その内容は拙著の中でお伝えします)。

 歓迎晩餐会には旧知の野澤太三先生(元法務大臣)、尺八奏者で人間国宝の山本邦山先生、それにオリヴィア・ハッセーを登用した「君は薔薇より美しい」(カネボウ)などの人気コマーシャルを連発した電通の元クリエイティブディレクターで岡山大学名誉教授の鈴木冨士夫さん達とご一緒に出席して参りました。

グジャラート州知事初来日歓迎祝賀晩餐会にて、
(左より)元法務大臣の野澤太三氏、私、尺八奏者
で人間国宝の山本邦山氏、「君は薔薇より美しい」
などのCMで一世を風靡した電通の鈴木冨士夫氏
 余談ながら、上述の鈴木冨士夫さんはオリヴィア・ハッセーさんをCMに登用なさった際、彼女のアメリカの自宅のすぐ近くにスタジオを借り、朝寝坊な彼女のために撮影の間は毎朝大きなバラの花束を抱えて自宅まで迎えに行かれたそうですよ。さすがは紳士ですネ〜。

 この時のCM出演がきっかけとなって、オリヴィアさんは日本人歌手の布施明さんと結婚するのですが……。

 あの頃のオリヴィアさんって、とてつもないオーラが出てましたよね(彼女を知らない世代の人は、『ロミオとジュリエット』で検索して見てください)。

 当時、オリヴィア・ハッセーを日本のCMに引っ張り出すことの出来た鈴木冨士夫さんは、まさに広告マンの鑑。半端じゃなく、スゴイ人なんです。

 冨士夫さんの作品には、このほかにもエメロンシャンプーの「ふりむかないで」(「泣いているのか〜♪」っていうアレ)とか、JALの北海道スキーツアーなど、名作がたくさんありますよ。

 冨士夫さんのことは、いつか詳しく書きたいと思います。以上、余談でした。

 ところで、今回のグジャラート州知事歓迎晩餐会の世話人は(招待状によれば)森喜朗元首相とのことだったのですが、当日は何故かご欠席でした。お具合でも悪かったのでしょうか?

 ちなみに今回来日されたナレンドラ・モディ氏は、インド共和国の次期総理大臣候補のひとりと目される、たいへん力のある政治家ですが、実際にお目にかかってみると、非常に気さくな人柄の好人物でした。

 せっかくお友達になったのですから、ここは是非とも首相になっていただきたいところですネ(笑)。

グジャラート州知事ナレンドラ・モディ氏と
 「学問」「仕事」と来れば、締めは当然「遊び」です。

 先週は東京都内の某所にある山桜の名所へ、友人達と連れ立って行って参りました♪

 今春は上野公園(天文学者さん達とのお花見)と東大の本郷キャンパス(東大の先生+院生さん達とのお花見)、計2回のお花見宴会をしましたが、こんなふうに人里離れた山の中で山桜を愛でるのも、なかなか鄙びた風情があって良いものです。

 また、ここの山桜の近くには弘法大師空海が滞在し修行に励んだという言い伝えの残る秘境もあったりして、あたりを散策するだけでも面白かったですよ。

 もっとも、空海はあちこちを精力的に歩き回った人のようですから、日本全国津々裏々に同様の言い伝えが残っているものと思われますが。
  
(左)都内某所の山桜の名所にて (右)同じく都内にある「弘法大師空海が滞在した」とされる秘境
 こうしてみると先週は、学問・仕事・遊びのバランスが取れて、なかなか気持ちのいい1週間でした。

 やはり、「大切なのはバランスだな」と最近つくづく思いますね。

 人間って、どこか一ヶ所だけが突出していると、病気にもなるし事故も起こりやすい。でも、全体の均衡がうまく取れていると、個々の事柄に少しぐらい問題や過不足があっても、全体として意外に丸く収まるものじゃないでしょうか。

 若い頃の私は極端な人間で、とんがってバランスが悪く、あちこちで転んだり衝突したりしては傷を負っていたものですが、長く生きてきたせいか、最近はそのへんのバランス感覚が昔より多少は良くなったかも知れません。

(いや、今も相変わらず極端な人間であることに変わりはないのですが、どうやらそれを上手いことコントロール出来るようになってきたと言ったほうが正しいでしょうか)

 このところ、人生を100%楽しめているような気がします。そして、人生を楽しめるようになった自分が、なんだか頼もしく思える今日この頃。

 ……と言うわけで今週もバランスを大切に、学問・仕事・遊びの三位一体で行きますよ。

 まずは遅れ気味の原稿を一気呵成に書き上げたいと思いますので、おそらくこれを読んでいらっしゃるであろう編集者のMさん、今暫くお待ちくださいませませ(笑)。

 ではでは♪
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


向学心に燃える(?)ブースケは高野山大学から
届いた教科書に興味津々!

※前号までの写真はこちらからご覧ください
事事如意
2007年4月23日
山田 真美