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2017年4月13日号(第575号)
今週のテーマ:
ブルース・リーと空海を感じた香港
 というわけで香港へ行ってまいりました。

 香港訪問は、実は今回が生まれて初めてです。トランジットでは(かつての啓徳空港も含めて)10回かそれ以上離着陸したことがあるのですが、なぜか飛行機から降り立った経験が今まで一度もないという……。

 まあ私の場合(自分でこんなことを言うのは不遜ですが)、

「さぞかし世界を旅慣れていらっしゃるのでしょう?」

と皆さまから言っていただきますし、実際エチオピアとかパプア・ニューギニアとかヒマラヤの標高6,180メートルといった稀有でディープな場所は知っているのですが、その割に最も定番な観光地には行ったことがなかったりするのですよ。

 例えばハワイにも、いまだに行ったことがありませんし。
(ただし、米国本土へ行くためのトランジットでは何度もホノルル空港に離着陸していますが。)

 で、今回の香港訪問の目的はと申しますと、

(1) 香港文化博物館で期間限定(2013年7月20日~2018年7月20日)で開催中のブルース・リー展を見に行く
(2) お寺めぐり(特に、間接的にではありますが空海関係ということで、唐時代の建築様式で建てられた寺院を重点的に見学)
(3) 中国(道教)式の占いで運勢をみてもらう
(4) 中国式指圧マッサージを受ける
(5) 20数年来の友人であるメイと再会し、ディープな女子トークを炸裂させる

……といったところでした。

 実際には、ある日Facebookでメイと話しているうちに突然、ノリで行くことになったと言うのが正しく、上に挙げた目的はいわば後付けなのですけれど。

 そして今回は、ホテルではなく、メイが所有するアパートに泊めていただきました♪

 ちなみに今回、香港の街を歩いているあいだ私の脳内ではティン・パン・アレーの往年の名曲"Hong Kong Night Sight"がぐるぐる回っていたのですが……若い人には、きっとわからないですね(苦笑)。こういう曲です。ヴォーカルはユーミンの旦那さま、松任谷正隆さんですよ。

 こんなステキなBGMとともに、いざ香港へGO!
 
今回の香港訪問のハイライト、「ブルース・リー展」にて。
内部は写真撮影が禁止されていましたので、写真はこれ1枚です。
展示の内容は素晴らしいものでした。ファンなら必見!
公式サイト(英語・中国語)はこちらからご覧になれます。



「ブルース・リー展」開催中の香港文化博物館。
1階ロビー付近はこんな感じ。
 なお、香港に関する旅行記は秀逸なものが既にたくさん出まわっていると思いますので、新参者である私はそのあたりに触れることは遠慮させていただきます。

(実際、香港訪問者としての私は嘴の黄色いヒヨッコみたいなものですしね。)

 代わりに、今回の訪問中の写真を何枚かアップさせていただきますので、初めて香港を訪ねた感激と興奮だけでも皆さまと共有できればと思います。ご笑覧いただければ幸いです。

空港まで迎えに来てくれたメイと路線バスに乗って香港島に向かうの図。
メイと会うのはインドの首都ニューデリーで別れて以来、19年ぶりです!
(ただしFacebookでは毎日会っています。本当に便利な時代になりました。)



早速食事を楽しむメイと私。完全ベジタリアン向け中華レストランにて。
「メイ、ブログに載せるんだから真面目な顔したら!?」と何度も言いましたが
「これでいいの~♪」だそうです(笑)。本当に楽しい女性です。
ちなみに彼女とは、お互いの子どもたちが通っていたアメリカンスクール
(@ニューデリー)のPTAの会合で20数年前に知り合いました。



上の写真のレストランからはこんな風景が見えました。
場所はコーズウェイベイ。漢字で書くと銅鑼灣だそう。



メイとの食事風景その②は飲茶のお店。店内はマダム層で満席。「相席」が
当たり前のようでした。隣り合わせたご婦人が凄いおしゃべりで、食事のあいだじゅう
質問攻めに遭いました。途中、「あなたの話、面白いわ~。息子にも聞かせてやって
いい?」と電話で息子さんを呼び出したのにはさすがに吃驚しましたが。
ちなみに息子さんは警察学校の学生で、「自分も友達も日本の芸能人が大好き」
なのだそうです。日本の芸能界、やはり人気があるんですね!



メイとの食事風景③は、香港大学の近くの定食屋さん。学生さんで満席の店内。
ここでも「相席」が基本のようでしたが、とにかく皆さん初対面同士でよくしゃべります。
こっちが食事中だと言うのに、次から次へと質問がポンポン飛んできます。
こういうの、私はまあ平気ですが、無口でシャイな人には厳しいかも(笑)。



お寺めぐりも今回の旅の目的でした。
こちらは香港最古の道教のお寺、文武廟です。
高層ビルとのコントラストが、いかにも香港って感じ。



お香の煙でむせ返る文武廟で「強運」を祈ってまいりました。
天井から下がっている渦巻きの円すい状のものはお線香です。
日本へのお土産に欲しかったけど、移送中に折れそうなので断念



こちらも道教のお寺、黄大仙。「占い」で有名なのだとか。
気分転換に占っていただいてきました。



気持ちを集中し、願いを念じながら手を上下にゆっくり振ります。
すると筮竹のうちの1本が自分から勝手に飛び出してきました。



100本ほどある筮竹のうち選ばれたのは、私が好きな33番!
しかも「赤壁の戦い」が引用されているし。孔明とか曹操という
文字を見ると、なぜか血が騒ぐ私です(笑)。
このあと100人ほど常駐している占い師の先生の一人を
直感で選び、詳細を占っていただきました。



二階建てのバスに乗って、香港島の南の海岸線(レパルスベイからスタンレーあたり)を
ドライブ。観光バスではなく路線バスだったので、料金は数百円で済みました(笑)。
オクトパスカード(日本のSuicaに相当)で路線バスとメトロを乗り倒し香港を満喫しました。



香港へ行ってまでこんなもの(バッグとパース)を買ってしまいました。
どこから見てもクースケそっくり♪



こちらが今回滞在させていただいたメイのアパートの
窓から見た周囲の風景です。これぞザ・香港って感じ。
「もっと長居をしたいな」なんて思う居心地の良さ……。
ちなみに家事は全てメイドさんがやってくれました。



観覧車を見上げる私。
  ところで香港といえば夜景ですが、今回の滞在中、なんと私は夜景を見忘れてしまいました。

 我ながらありえない大失態です。

 少しでも高い所に登れば少しは夜景が見えるのではないかと思い、苦肉の策で、たまたま通りかかった所にあった観覧車に乗ってみました。上の写真はそのとき撮ったものです。

 100香港ドル(約1500円)でなんと3回転乗せてくれましたが、メイは「高すぎる! 暴利だ!」と怒るし、しかも夜景は大して見えなかったし(苦笑)。

 メイいわく、

「マミがもう一度香港へ来ることができるよう、今回は運命がわざと夜景を見せてくれなかったのよ、きっと」。

 うーん。なんてポジティブな物の見方でしょう。さすがは私の友達です。
 夜景を見るためにも、私はもう一度香港へ行かなくてはいけませんね。
 
おまけ写真。香港から帰ってすぐに孫娘と東京でデート。
「香港ってこんなところだったよ」と報告すると、興味津々に
聞き入っていました。いつか孫娘と再訪できたらいいな。
 最後に、私にとっての香港と空海のつながりについて一言。

 今回の香港訪問の目的のひとつが「お寺めぐり」であったことは既に書きましたが、香港に数あるお寺の中でも私が特に行ってみたかったのは、21世紀に入ってから新たに造られた志蓮浄苑という寺院群でした。

 ここは、建物としての歴史こそ浅いものの、唐時代の建築様式が踏襲され、釘一本使わない当時の技術が駆使されています。寺院を建てるために働いた建築関係者がすべてボランティア参加であったということも含めて、いろいろな意味で世俗と一線を画するお寺です。

 このお寺を私が訪ねた理由は、簡単に言えば「空海が生きていた唐時代の寺院を見たかった」から。

 そして実際のことろ、志蓮浄苑に滞在した数時間のあいだ、私は遣唐使船で中国の長安(当時)に渡った空海が寝起きした唐時代の雰囲気について自由に想像をめぐらすことができたのです。

 そのあたりの出入り口から今にもひょいと空海が現われるような気がして、私にとってたいへんインスピレーションを掻き立てられる訪問となりました。

 今回のブログでは、志蓮浄苑に関する詳細は割愛させていただきますが、関心のある方は香港にいらっしゃったらぜひ訪ねてみてください。まださほど観光地化していない穴場と言えるかも知れません。

(お寺の所在地はダイアモンドヒルです。やがて観光地化してしまうかも知れませんので、行くなら早いほうが良いかも知れません。)

 香港から帰国し、その翌日には駐日オーストラリア大使館での観桜会、その翌々日には明治学院大学での春学期授業がスタートし、既に私は日常の生活に戻っておりますが……ふと静かになると、今もときどき頭の奥のほうで"Hong Kong Night Sight"が魅惑的に鳴っていたりするのでした。

 香港、また行こうっと。
 ではでは♪ 
 ▼・ェ・▼今週のクースケ∪・ω・∪ 


ただいまクースケ。
お留守番、ご苦労さまでした♪

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2017年4月13日
山田 真美
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