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2006年5月27日号(第220号)
今週のテーマ:
めざまし収録とコスタリカ大使とのお別れ

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 と詳細をご覧になれ
 ます。
●「TIPA チベット舞台芸術団東京公演」(主催/ダライ・ラマ法王日本代表部事務所、於/ゆうぽうと簡易保険ホール)の司会をすることになりました(友情出演です)。ヒマラヤ文化にご興味のある方は、ぜひお越しください。詳しくは左の画像をクリック!
●5月13日発売予定の『NHK英語でしゃべらナイト』6月号(P.62〜63)に、「パーティーに招かれてもビクビクしないふるまいとは? 〜 各国大使とのパーティーの常連・山田真美さんに聞く!」と題した2ページの記事が掲載されています。

●国内のインターナショナルスクール発行の会員誌“The Ambassador”春号に、私の英文エッセイ(Planting the Seeds of Bilingualism)が掲載されています。Check it out!
●7月22日(土)〜30日(日)までの9日間、都内某所でヒマラヤ関係の大きな文化イベントを開催いたします。近日中に詳細を正式発表いたしますので、どうぞお楽しみに。
 ……というわけで、7月10日(月)開催予定の「チベット舞台芸術団東京公演」で司会をすることになりました。
 当日は、世界的なサックス奏者の渡辺貞夫さんも舞台挨拶に立たれる予定です。「チベットオペラ」と呼ばれる色彩豊かなヒマラヤの芸術を、この機会にぜひご覧くださいませ。

 以上、簡単ではございますがPRでした(笑)。

 さて。今週も忙しい忙しいと言いながら走り回っているうちに、気がつけば早くも土曜日。あと5日で、もう6月ですよ。

 この1週間をざっと振り返ってみますと、月曜日は仕事の打ち合わせと、お茶のお稽古。

 火曜日は品川駅前の映画館(品川プリンスシネマのプレミアムシート)で『ダヴィンチ・コード』を鑑賞。私にしては珍しく、感想は特にありません。原作は本当に面白いのですがねぇ……(以下略)。

 水曜日は再び仕事の打ち合わせのほか、「めざましテレビ」(フジテレビ系)の収録がありました。

 「めざましテレビ」をご覧になったことのある方はご存知と思いますが、この番組ではときどきワールド・キャラバンというコーナーを企画しています。

 ごく大雑把に言いますと、このコーナーでは日本に住んでいる誰かから、海外のどこかにいる誰かに宛てて「ありがとう」の気持ちを込めた1通の手紙がしたためられます。

 そして、番組のレポーターさんが現地まで手紙を運んで行く。
 その間には、手紙を出した人・受け取る人の関係や、外国の様子なども紹介される……というような趣向なんですネ。

 基本的には視聴者参加のコーナーらしいのですが、今回はほかでもないインド特集ということで、

「インドのことなら山田さんに」

というご依頼をいただきましたので、ありがたくお受けしたような次第です。
  
今回の撮影には着物で臨みました   撮影の合間に、「めざましテレビ」の
                          野村ディレクターと打ち合わせ
 放送日はまだ決まっていないようなのですが……おそらく7月か8月のオンエアになるのではないかと。

 あと、私が手紙を書いた相手が誰なのか、右上の写真の中で私が手にしている物は何なのか等は、オンエアまで秘密です。

 今回は私のイタズラ心が炸裂し、フジテレビのディレクターがビックリするほど趣向を凝らした手紙になりました。受け取るインド人もビックリすること間違いありません(しかも相手のインド人というのが、そりゃあもうスゴイ人でして……)。

 オンエアの日程が決まりましたらお知らせしますので、ぜひぜひご笑覧くださいマセ♪

 続く木曜日は、山のように積まれた膨大な量の仕事の資料を読むため、1日引きこもり(笑)。

 金曜日は、任期を終えて本国に帰ることになった駐日コスタリカ大使サラス氏の送別会に出席。

 コスタリカでは、先日総選挙が行なわれて政権が変わったばかりなのですが、この国のルールによれば、政権が変わると世界各国に駐在しているすべての大使は1ヶ月後に離任し、本国に帰らなくてはならないのだそうです(但し、特例的に駐米大使は除く)。

 日本の感覚ではとても信じられない奇妙なシステムですが、まあルールですから仕方がありません。

 せっかくお友達になったサラス大使(去年1月に就任したばかり)も、急遽本国に帰ることになってしまい、昨日はみんなで別れを惜しんで参りました。

 と言っても、そこはそれ、さすがは中米。ラテンのノリで最初から最後まで底抜けに明るいパーティーではありましたが。

 今回の送別会はごく内輪の集まりでして、会場はベネズエラ大使公邸。
 出席者はサラス大使ご本人のほか、駐日コロンビア大使夫妻、駐日パナマ大使、駐日ウルグアイ大使、駐日ベネズエラ大使など、たった9名でした。

 そこは当然エスパニョ〜ルの世界。お酒が進むにしたがって、次第に皆さんスペイン語しか話してくれなくなるし、私に対しても猛烈な早口のスペイン語で次から次へと話しかけてくるし、この晩だけでスペイン語がかなり上達したような気がするのは、私の気のせいでしょうか(笑)。

ベネズエラ大使公邸にて(左から)駐日コスタリカ
大使サラス氏、私、駐日コロンビア大使シエラ氏
 ところで、前号で告知したイギリス土産クイズには、たくさんのご応募をいただき本当にありがとうございました。

 私の予想では、織田信長風味のシェークスピア・ボールペン(爆)に一番人気が集中するはずだったのですが、いざ蓋を開けてみれば、何故かトランプに人気が集中! こんなことなら、トランプをもっとたくさん買って来るんでした。

 厳正なるアミダくじの結果、当選者は次の8名様に決定いたしました。

★シェークスピア型ボールペン ― ペリコさま、Qちゃんさま、ナミさま、魔太郎さま、Selfishさま
★花の絵入りトランプ ― ポセイドンさま、3977さま
★田舎料理のレシピーブック ― 姉ちゃんさま

 賞品は一両日中に郵送いたしますので、到着まで今しばらくお待ちください。

 なお、クイズ(シェークスピアの「四大悲劇」に含まれない作品はどれでしょう)の答えは、(B)の『ロミオとジュリエット』でした。

 「『ロミオとジュリエット』が四大悲劇に含まれていないなんて、意外!」という感想をお持ちの方もいらっしゃることでしょうが、四大悲劇とは『ハムレット』『リア王』『マクベス』『オセロ』の4作品のこと。

 この4作品が持つ救いようのない重苦しさと比べたとき、『ロミオとジュリエット』は、若いふたりの突発的な恋がテーマなだけに、全体に甘美ではあるけれど稚拙すぎて、「全人類に共通する悲劇」という要素は希薄と言わねばならないでしょう。
 日本では『ロミジュリ』なんて略されちゃってますし、ちょっと扱われ方が軽いですしネ(笑)。

 でもジュリエットは、なかなかいいことを言っていますよ。

What's in a name? That which we call a rose by any other name would smell as sweet.”
「名前って何? 薔薇と呼んでいる花を別の名前にしてみても、美しい香りはそのまま」(小田島雄志・訳)

 14歳の誕生日を間近に控え、弱冠13歳で短剣で胸を突いてみずからの命を絶ってしまうジュリエットの、切なくも美しい台詞。美人薄命とは、まさに彼女のためにあるような言葉ではないでしょうか。

 ……すみません。話が脱線しました。シェークスピアのこととなると、ついアツくなってしまうのです。どうかお許しを。

 脱線ついでに、もうひとつ(笑)。

 「シェークスピア作品のほとんどには元ネタがある」というのは有名な話ですが、シェークスピアという人は、これら元ネタを独自の脚本にまとめあげた、今でいうところのシナリオライターでした。

 で、ご他聞に漏れず『ロミオとジュリエット』にも元ネタとなった詩があるのですが、その詩を読んでみますと、驚いたことにジュリエットは16歳!という設定になっているんですよ。

 しかも、ふたりが出逢ってから死ぬまでにかかった時間も、シェークスピアが「4日」としているところ、元ネタではなんと9ヶ月もかかっているんです。

 13歳で激しい恋に落ちるか、16歳の恋か。
 出逢って4日目に死ぬか、9ヶ月経ってから死ぬか。

 両者を比較してみると、原作(元ネタ)よりもシェークスピア脚本のほうが圧倒的に緊迫した空気を帯びていると言えますよね。

 ま、うがった見方をすれば、ロミオとジュリエットの性急さから考えて、あのふたりが9ヶ月も付き合っていたらジュリエットのおなかが大きくなって物語の最後のほうでは臨月間近になっていたか、あるいは、ふたりとも別の恋人を作ってとっくに別れていた可能性のほうが大きいんじゃないかと(苦笑)。

 「出逢って4日目に13歳で死ぬ」という大胆な設定にこそ、天才シェークスピアのひらめきが感じられるように思うのですが、いかがでしょうか。

 ではでは♪
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


赤ちゃんのときから一緒に寝ている
イカ型火星人にんじん1号。さすが
に、もうボロボロです

※前号までの写真はこちらからご覧ください
事事如意
2006年5月27日
山田 真美