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2016年5月10日号(第555号=GO GO GO!!!)
今週のテーマ:
インド人にとって「戦う」とは何か
 

書き下ろしの新著 『運が99%戦略は1% インド人の超発想法』が今月20日に講談社より発売の運びとなりました。なにとぞご贔屓にお願い申し上げます。※なお、アマゾン書店のページはこちらからご覧いただけます。

 早いもので今年も3分の1以上が過ぎ、なにやら忙しくなってまいりました。

 まずは嬉しいお知らせを一つ。かねてからお知らせしておりました書籍が、このたび講談社より『運が99%戦略は1% インド人の超発想法』のタイトルで上梓の運びとなりました。

 今月20日の発売となります。
 
カラフルなインド国旗と虫眼鏡が目印の表紙。
 これまで私は「死生観」や「結婚観」それに「神話」や「マジック」などさまざまなテーマでインドを書いてまいりました。

 たとえば、死生観は『死との対話』(2004、スパイス刊)、結婚観は『ブラック・アンブレラ』(2002、幻冬舎刊)、神話は『吉祥天と行くインドの旅』(1993、インド政府観光局刊)や『夜明けの晩に』(上下巻、2002、幻冬舎刊)、マジックは『インド大魔法団』(1997、清流出版刊)や『マンゴーの木』(1998、幻冬舎刊)といった感じです。

 このほか教科書や辞典などにもインドの記事を多数寄稿してまいりました。

 今回の本では、主としてインド人にとって「戦う」とは何か。そこにテーマを絞ってみました。
 ビジネスや受験戦争、ひいては人生に勝つために、インド人はどのように生き、どのように戦っているのか。その法則を、主として比較文化の視点からとらえてみたのが本書です。

 版元である講談社さんからは「40代ビジネスマンを対象に書いてください」と言われておりましたので、原稿を書きながら頭にあったのは、明日にもインドへ飛び出して行く可能性のある働き盛りのビジネスマンの皆さん。

 と同時に、ビジネスに興味のない方や、これまでインドに縁のなかった方にも楽しんでいただけるよう、読み物として面白いものになるよう心掛けたつもりです。

 私にとっては、10年間ほど学術論文を書き続けたあとの、言ってみればこれが一般書復帰第一号です。

 ぜひともご高覧いただければ幸いに存じます。

4月末から5月初旬にかけての山小屋のひとこま①
左に見える2本の木は、昨春、孫娘の誕生を記念して植樹した桜。
手前が陽光桜、奥が枝垂桜。いずれもすくすくと育っています。



4月末から5月初旬にかけての山小屋のひとこま②
庭の片隅のお地蔵さまとタンポポの花。



4月末から5月初旬にかけての山小屋のひとこま③
お友達のニワトリさん達とのんびりゴールデンウィークを過ごすブースケ氏。



4月末から5月初旬にかけての山小屋のひとこま④
鶏が兄弟喧嘩をしたようです。この雄鶏がトサカと頭に傷を負い、
ションボリしていました。傷が浅かったのが不幸中の幸い。薬を
付けてやると気持ち良いのか笑みのようなものを浮かべ、うっとり
目を閉じていました。
 最後に、ゴールデン・ウィーク中の残念なお知らせを一つ。

 新聞報道などですでにご存じの方が多いことと存じますが、去る5月3日、最後の零戦乗りとしてその名を広く知られた原田要さんがこの世を去られました。享年99歳。

 原田さんは第二次世界大戦中、真珠湾攻撃やミッドウェー海戦など数多くの作戦に参加(最終階級は海軍中尉)。戦後は故郷・長野市の郊外で幼稚園を経営され、多くの子どもたちを育てながら平和というものの大切さを後世に伝えることに一生をささげられた方でした。

 私は第二次世界大戦中の日本軍に関するインタビューで幾度か原田さんとお会いしました。
 お目にかかったのは2010年以降ですので、私が存じ上げているのは老境に入られた原田さんだけです。

 しかし、お会いしてすぐに原田さんが私の母方の曽祖父をご存じであることが判明して一気に意気投合(原田さんのご自宅がある「長野市浅川」という広い地域は、かつては「浅川村」といい、私の曽祖父が村長を務めていた土地なのです)。

 さらに原田さんの奥さまと娘さんがそれぞれ私の高校(長野西)の先輩という不思議なご縁も重なって、お会いするたびにそれは優しく接していただきました。

 ただ、戦争のことを思い出すのは本当はおつらかったのでしょうね。当時のことを話した夜は必ず悪夢を見てうなされるとおっしゃっていました。自分が撃ち落とした敵の戦闘機の乗員が苦しそうな顔で堕ちてゆく、その表情を夢の中でありありと思い出してしまうのだそうです。
 そのことを聞かされて以来、インタビューをするたびに本当に申し訳なく思ったものです。

 零戦乗りというと勇猛果敢な側面だけが語られがちですが、私には初年兵として海軍で受けたというすさまじい体罰と非人間性についても詳細に話してくださるなど、決して「スマートな海軍」だけを語る方ではありませんでした。

 戦争の真実を知る生き証人の方がまた一人旅立たれ、たいへん淋しくなります。
 原田要さまのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

※原田さんの詳しい経歴などはこちら(ウィキペディア)をご参照ください。

在りし日の原田さんと私。長野市内のご自宅にて(2012年)。



原田さんと私。長野市内のご自宅にて(2012年)。
 さて、5月も中旬。インド本が完成しましたので、私もそろそろ次なるステップへ上がろうと思います。

 今日から7月末までは通常どおり明治学院大学の授業をこなしつつ、インドでの出版を予定している次の本の執筆をスタート。

 そして7月の終わりから1か月は、昨年同様、インド工科大学ハイデラバード校の教壇に立ってまいります。但し今回は同じインド工科大学でも歴史の古いボンベイ校からも特別講義を頼まれており、さらにディープなインド体験ができそうですよ。

 ……というわけで新しい作戦(笑)を練り上げつつある今日この頃です。

 ところで今、自分の作品のタイトルを改めて見ていて気づいたのですが、「」という字は「軍」に「しんにょう(之)」と書くのですね。しんにょうは「」とか「行く」といった意味ですから、運とは軍が進む道、つまりは兵法のことを言うのかも知れません。
 もちろんこれは字面から見たイメージにすぎませんが……なかなか興味深いことですね。

 皆さまには健やかな5月をお過ごしくださいませ。
 ではでは♪
 ▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪ 


起きたばかりで少しご機嫌ナナメ

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2016年5月10日
山田 真美
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