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2005年10月15日号(第191号)
今週のテーマ:
「英語特区」を見に行く
 ここ暫く、バイリンガル育児の本(来年の1月頃出版予定)の執筆のため、珍しく書斎に引き篭もっております(笑)。
 そのため、「週刊マミ自身」の更新もついつい滞りがちになっておりますことを、何卒お許しくださいマセ。

   m(_ _)m

 さて先日は、国の構造改革特区の第1号として「英語教育特区」に認定され、今年4月に群馬県太田市に開校したばかりのぐんま国際アカデミーを見学して参りました。

 英語教育特区(通称・英語特区)とは、すべての授業を英語で教える小中高一貫校の設置を可能にするシステムが導入された地域のこと。
 そうです。英語特区で推進されるのは、英語「を」教える学校ではなく、各教科を英語「で」教える学校なのです。

日本政府が推進する「英語特区」の第1号として
認定された群馬県太田市に、今年4月に開校し
たばかりの「ぐんま国際アカデミー」



生徒はほぼ全員が日本人。クラス担任は日本人
と英語のネイティブ・スピーカーの2人の先生によ
って構成され、帰りの会は2ヶ国語で行なわれて
いました(この写真の先生はアメリカ人)
 ぐんま国際アカデミーの初代校長に抜擢されたユージン・クーパー先生は、アラバマ出身のアメリカ人で、アメリカ航空宇宙局(NASA)→米海軍→足利工業大学教授→現職という超ユニークなプロフィールの持ち主です。

 人生経験の豊富さゆえか、懐が深くたいへん温和なかたで、見た目もどこかサンタクロースのよう。こんな校長先生を師と仰げる子どもたちは幸せだな、とたいへん羨ましく思いました。

 一般的に言って、日本の学校の先生は「学校」という場所しか世間を知らないかたが多いですよね。教育界のシステムが非常に閉塞的になっていて、外部の人材をリクルートしにくい状況なのだとは思いますが。

 でもほんとうは、校長先生にはクーパー先生のように外の世界をよくご存知のかたが就任なさるのが理想ではないでしょうか。学校の先生が学校という世界しか知らない日本の現状は、どこかがおかしいと個人的には思います。

 今回取材させていただいた「ぐんま国際アカデミー」は、4月に産声を上げたばかりの学校ですが、頑張って大いに成果をあげて欲しいもの。そして、日本の教育界に一石も二石も投じて欲しいと思います。
 ここで育った子ども達たちが今後大きな成長を遂げ、20年後、30年後に国際社会の中で活躍してくれることを心から願って止みません。

 英語特区のことを書いたついでに、日本における英語教育全般について私見を一言。

 昨年の年頭のあいさつで、文部科学大臣の河村氏が「英語が使える日本人の育成」を大きな国家目標のひとつに掲げていたことからもわかるように、日本人の英語力強化は、これはもう国家的な緊急課題。ほとんど日本国の存亡がかかった大問題と言えるのではないでしょうか。

 その背景として、私たちが住むこの世界が、経済をはじめとするありとあらゆる分野でバリアフリーの超自由競争時代に突入し、勝ち組と負け組に大きく二分される新型のヒエラルキー社会を急速に形勢しているという現実があります。

(「勝ち組」「負け組」という呼び方自体、個人的には大嫌いなんですけどネ。でも、そういう時代が既に到来していることだけは間違いないので、敢えてこういう言い方をさせていただきます)

 既にヨーロッパ各国がEUを結成し、大手銀行が他の大手銀行と組んでさらに経営拡大しているように、強くなるために他と連合し、強いものはより強大化してというゆく現象は、今後世界のありとあらゆる場面で急速に具体化してゆくことでしょう。

 好むと好まざるとにかかわらず、強くなければ生き残れない厳しい時代がすぐそこまで迫っていることは、多くの人が感じているところではないでしょうか。

 その際に、この世界で生き残ってゆくための条件の一つが、国際語(つまり英語)を完全に身につけることだと、私自身は前々から確信しているわけです。
 『ブースケとパンダの英語でスパイ大作戦』の冒頭にも書きましたが、「21世紀を英語なしで渡ろうなんて、丸腰で戦場を歩くようなもんだぜ!」は、まさに私の本音メッセージなのです。

 英語はコミュニケーションのツールであると同時に、一種の武器でもあるのですから。
 武器を持っている人たちが戦っているバトルフィールドに出て、いきなり少林寺拳法や空手で太刀打ちしようったって、それは無茶な話でしょう。

 英語が使える人が人間的に優っているなんて事実は全くありませんが、英語が使える人のほうが使えない人よりも数段強いということだけは、これはもう疑いようのないところ。

 ……とまあ前置きが長くなりましたが、今回ようやく日本政府が早期英語教育の必要性を認め、英語特区構想を軌道に乗せたことは、大いに喜ぶべきことでしょう(正直なところ、政府の対応は30年遅すぎたと私などは思うのですが、今更それを言っても仕方がありませんし……ネ)。

 もちろん、そんな小難しい理屈を並べなくても、「英語ができたほうが海外旅行するときに便利だしぃ〜」というようなミーハーな理由から英語を勉強するのも、それはそれで乙なもの(笑)。

 始める理由はともあれ、要するに英語は「マスターしちゃった者勝ち」ということです。
 本気でやれば、誰でも必ず英語を話せるようになります。諦めずにがんばりましょう。

 ではでは♪
★★★今週のブースケ&パンダ★★★


なんだか奇妙な感じの写真が撮れました

※前号までの写真はこちらからご覧ください
事事如意
2005年10月15日
山田 真美