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2007年5月1日号(第261号)
今週のテーマ:
初夏だから髪を切ろう
 ゴールデンウィークの到来と同時に、一気に初夏の陽気となりました。
 そのせいでしょうか。今朝、大きなガラス窓ごしの青い空を見た瞬間に思ったことは、

お天気がいいから髪を切っちゃおう)でした。

 実は、今から2〜3日前のこと、私は中途半端に伸びかかってきた髪を指先で持て余しながら、

(このまま少し髪を伸ばそうか、それとも切ろうか、どうしようかな)

と、少しばかり迷っていたのです。

 いえ、髪を切る切らないと言ったところで、たかだか数センチほどの他愛もない話なのですよ。でも、それをちょっぴり悩んでしまうのがオンナゴコロというものなのです。

 ところがラッキーなことに、そのとき隣に居合わせた友達というのが、日頃から非常に白黒のハッキリした人でして、私の迷いに対して間髪を入れずに、

切る!

と即答してくれたんですね(笑)。

 そんなこともあったので、今日は伸び過ぎた髪を切るべく美容室へ行って参りました。

 で、どうせなら気分転換に少し遠出をして散歩気分も味わおうと思い、いつもの美容室とは違うお店を目指してみました。

 ゴールデンウィークで賑わう東京メトロ銀座線に揺られること、約10分。着いた先は、日本橋にあるアトリアニューヨークという美容室です。

美容室での待ち時間に出して頂いたハーブティー
 アトリアニューヨークは、数年前からお世話になっている美容師の高澤美香さんが店長をしていらっしゃるお店です。

 高澤さんは、以前はうちの近所にある同名の姉妹店にいらっしゃったのですが、抜擢されて日本橋店に移られてしまったため、今ではなかなかお目にかかるチャンスがありません。

 でも、私の髪質(猫っ毛のうえ部分的にクセ毛)や、「お化粧には9分以上かけない」という私のポリシー(?)をよ〜くご存知の高澤さんには、今さら多くのことをくどくど説明する必要がありません。

「ブラシも櫛も使わず指先だけで1分間でスタイリングできる髪型にしてください♪」

という私のワガママ本音を無言で了解してくださった高澤さん、まるで盆栽を剪定する達人のように(笑)、あっと言う間に髪先をバサバサ切り落としてくださいました。

 お蔭でとっても軽やかな髪型の完成です。
  
Before                →                 After


  
Before                →                 After
 それにしても、髪を切る行為って清々しいですね。

 「髪を切る」という、一見何の変哲もなさそうに見える行為には、実は文化人類学あるいは宗教学的に見て、非常に深い意味があります。

 世界各地(日本を含む)で、かつては髪型選択の自由がなく、身分その他によって髪の長さや結い方、それに髪留めの種類までが厳格に決められていたことは周知の事実。

 それどころか、世界を見回せば21世紀の現在もなお、(宗教その他の理由によって)髪型選択の自由と無縁な人が数多く存在していますからネ。

 それらの人々を髪型選択不自由人と仮に名づけましょう(苦笑)。

 髪型選択不自由人には、大きく分けて2種類あります。

 ひとつは「髪を切ってはいけない」という掟を守っている人々。
 もうひとつは、その正反対に「髪を伸ばしてはいけない」という掟を守っている人々です。

 前者(髪を切ってはいけない人々)の代表例は、ターバンで有名なシーク教徒でしょうか。
 シーク教徒の男性は、生まれてから死ぬまで一度も髪を切ってはいけないばかりか、髭を剃ることもご法度。そんなわけで、彼らのターバンの下には腰より長く伸びた髪と立派な髭が隠されています。

 後者(髪を伸ばしてはいけない人々)の代表格は、仏教やジャイナ教などのお坊さんあたりでしょうか。

 このほか、国によっては坊主刈り=囚人を意味する場合もありますし、髪の有無は、場所によっては単に「ファッションだから」では済まされない由々しき問題を含んでいるのですネ。

 現代の日本人はヘアスタイルを選ぶ自由を当然のこととして享受していますが、こんな自由が与えられたのは「ざんぎり頭を叩いてみれば文明開化の音がする」と謳われた明治維新以降のこと。

 それより昔に生まれていれば、皆さんも私も、髪を切る自由なんて端(はな)から望めなかったのですゾ。
 お互い、現代人に生まれたことに感謝しましょう(笑)。

アトリエニューヨーク店長の高澤美香さんと
 最近の私のなかでは、髪を切ることは気分転換とほぼ同義語になっています。

 カット前とカット後、長さ的にはせいぜい2〜3センチ程度しか変わっていないはずなのに、このワクワクするような開放感と言ったらどうでしょう。

(最近なんとなく気分が重苦しいなあ)と感じているとしたら、それは髪の毛が重過ぎるせいかも。
 そんな時は美容室に飛び込み、夏らしくカットしてもらうだけで気分転換になりますよ。

 そろそろ薄着のシーズン到来ですから、髪だけでなく全身鏡で体型もチェック!
 余分な体脂肪とは今のうちにサヨナラをして、今年はお互いに涼しげな夏を迎えたいですネ。

 ではでは♪

※この日記を更新した直後、ネット上で山田真美ファンクラブを運営してくださっているさくらさん(名前は女の子みたいだけど歴とした20代の男性)が、ファンクラブ掲示板に次のような書き込みをしていました。

「うわっ! これって
一番苦手な分野です(汗)。マミリン先生といえども変わりましぇん(笑)。
どうして女性は髪に凄く拘るのか
なのです!(中略)でもお写真みると確かにさっぱりしたような感じですね。
ってこれくらいしか
髪についてはよくわからないので、いえなくてマミリン先生ごめんなさいです。
女性のみなさん! 僕の代わりに鋭い意見お願いします(笑)」

 ……このコメントには大笑いでした(笑)。

 確かに男性って、女性が髪を切ってもなかなか気づきませんよね〜。今回のように髪先を2〜3センチ切ったぐらいでは気づかなくて当然でしょうが、なかには、
超ロングヘア(腰より長い髪)を肩の長さまでバッサリ切り落とした私と面と向かって食事をしていて、デザートを食べ終えるまで遂にその事実に気づかなかった猛者(≒鈍感オトコ)もいました(爆)。

 個人的には
アバウトな男性が好き(記念日などをいちいち覚えているような人はニガテ)なので、髪型の変化にまでいちいち気づかなくても良いんじゃないかと思うのですが、女性によっては小さな変化にも気づいて欲しいと思う人もいるかも知れないなあ。

 ちなみに、
息子のNASA(この夏で16歳)は私の顔を見るなり「お、髪切った?」とフツーに反応していましたよ。
 そう言えば、彼はいつだって私の変化に
誰よりも敏感かも。これって幼稚園からずっとアメリカンスクール育ちであることと関係があるのでしょうか。それとも『息子』というものは一般的に言って『母親』をよく観察しているものなのか。あるいはNASAが特別なのか。

 ……このあたりは
さらに謎であります。
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


散歩への出発を2時間待たされて
少しだけスネているところ

※前号までの写真はこちらからご覧ください
事事如意
2007年5月1日
山田 真美