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2021年9月12日(第674号

今週のテーマ:
2年ぶりに見る「上半分だけ」の花火大会
 

私が制作協力・出演させていただいたドキュメンタリー映画『カウラは忘れない』(満田康弘監督作品)が、10月15日から長野相生座・ロキシー(長野市権堂)にて上映されます。10月16日(土)は10時30分から12時15分まで上映の後、引き続き「舞台挨拶」といたしまして50分ほどお時間をいただき、カウラ事件について解説させていただきます(質疑応答を含む)。コロナ対策のため座席は80席限定です。どうぞお見逃しなく! 詳しくは長野相生座・ロキシー公式サイトをご覧ください。
 数日前のことです。

 いつものように温泉から上がり、建物の外に出てふと目を上げると、山の向こう側から一筋の赤い光が顔を出し、そのまままっすぐ上空へ登って行くではありませんか。

 虚をつかれ、「えっ」と思いながら見ていると、次の瞬間、赤い光が四散していきなり大きな花を咲かせました。

 直後に響いたドーンという低く大きな音で我に返った私。

 まったく予期していませんでしたが、なんとこの夜は稜線を隔てた反対側の野沢温泉で秋祭りを祝う花火大会があったようなのですねえ。

 私は半乾きの髪を乾かすことさえ忘れてしばしその場に立ち尽くしたまま、ぽつりぽつりと開く大輪の花の凄烈な美しさに目を奪われてしまいました。

 このコロナ禍で、去年も今年もすっかり諦めていた花火大会。

 期待していなかった分だけ感動はひとしおです。

 決して派手な花火大会ではなく、上がるペースもゆっくりで、花火の数をセーブしていることが容易に想像できましたが、その分しみじみと迫ってくるものがあって、こんなにも心に沁みる花火は本当に久々でした。

 山が邪魔をして花火大会の下半分は見えず、高く打ち上げられて上空に達した花火しか私からは見えなかったのですが、それでも十分に幸せな気持ちにさせられる初秋の花火でした。

 花火師の皆さん、野沢温泉の皆さん、福のおすそ分けを頂き、どうもありがとうございました。

温泉から上がった私の目の前で不意に夜空に咲いた花。



花火を見るうち、夏のあいだに溜まった疲れが
一気に吹き飛んでしまいましたよ。
 ちなみに――このことは前にも一度「週マ」に書いたかも知れませんが――私は24歳の頃、花火師に弟子入りして、大きな花火大会の花火の打ち上げをお手伝いしたことがあるんですよ。

 今のようなコンピュータ制御になる前の、すべて人の手と経験と勘だけで打ち上げていた時代の花火です。

 いわば昭和の残像のような想い出ですし、今にして思えば少なからず危険でもあるのですが……あれは本当に面白かったなあ。

24歳のとき。花火の打ち上げ準備を手伝う私。



ちなみに、この少し前までオーストラリアで
マッコウクジラの回遊の研究をしていました♪
 ところで、話は変わりますが、私の書斎がある長野県飯山市の伝統工芸の一つに「内山紙」と呼ばれる手漉(す)き和紙があります。

 実は思うところあって、今年7月から師匠のもとで手漉き和紙の作り方を学んでおります。

 紙の原材料となる楮(こうぞ)の木のお世話もしていますので、虫には刺されるわ草にかぶれるわ、いやはや仕事はなかなかハードなのですが、それが何故か楽しくて、私は案外こっち方面に向いているのじゃないかと、ふと思ったりする今日この頃。

 朝から晩までコンピュータに向かっていることの多い私にとって、紙漉きはいい運動にもなっているんですよ。
 
 楮の芽かき作業を始める前の私。約2時間の作業で
激しいスポーツの試合を終えたように汗だくになります。



こちらは先日漉いた名刺大の和紙(耳付き)です。
 そんなこんなで、おかげさまで私は元気そのものです。

 今週は地元の信越放送(SBC)さんでラジオ番組を2本収録してまいります。

 番組の中で私の好きな曲を紹介するコーナーがあるようなので、最近いいなと思っている若手ギタリストさんの弾く『イパネマの娘』をご紹介してこようと思います。

 ではでは、皆さまもステキな日曜日をお過ごしくださいませ♪
 ▼・ェ・▼今週のクースケ&ピアノ、ときどきニワトリ∪・ω・∪



疾風(はやて)のように走るピアノ!

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2021年9月12日
山田 真美
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