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2023年12月9日(第701号)

今週のテーマ:
空海に出逢う旅
 
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  突然ですが、先週は讃岐国で登山をして参りました。

 それと言うのも、私には空海生誕1250年に当たる今年中にどうしても歩いてみたい三つの山があったからです。

 三つの山とは、善通寺五岳山のうちの三座、すなわち香色山、筆ノ山、我拝師山

 このうち特に登ってみたかったのは、我拝師山(がはいしさん)でした。

 この山の頂上近くの断崖絶壁から幼い日の空海が身を投げたという伝承は、空海ファンなら誰でも知っている有名なお話。

 その山を自分の足で登頂してみたいという気持ちは数年前から抑え難く、コロナが一段落したらきっと行くぜ☆と心に決めていたのです。今はその絶好のチャンス。

 我拝師山は標高480m
 低山ながら、恐ろしく急勾配な岩場が続く難所と聞いていました。

 そこで、今回はまず装備を充実させようと思い、足にピッタリ合ったモンベルの登山靴を新調。
(御徒町駅前の専門店へ行き、何足も試着させていただいた末にドンピシャリの一足を見つけました)

 また、去年の初秋からジムに通って足腰の筋肉を鍛えておいたことも功を奏し、どうにか三座を歩き切りましたよ。

まずは善通寺にて記念撮影。五岳の一座目・
香色山はこのお寺のすぐ裏手にあります。



空海御誕生1250年とあって善通寺付近の
至るところには幟旗が棚引いていました。
ちなみに善通寺は空海の父君(佐伯善通)
のお名前に因みます。



五岳の中心に聳える我拝師山を隣の中山から見たところ。
中心の建物は出釈迦寺奥之院。(※写真は出釈迦寺の
パンフレットからお借りしました)
 伝承によれば空海は、真魚(まお)という幼名で呼ばれていた七歳の頃、

わたしは仏の道に入って人々を救いたいと願います。この願いが成就するなら、お釈迦さま、姿を現わして証明をお与えください。成就できないなら、私はいっそ一命を捨ててこの身を諸仏に供養し奉ります」

と言って我拝師山から飛び降りた由。

 次の瞬間、願いが叶って釈迦如来があらわれ、同時に天女が真魚を抱き止めたと言われます。

 あくまでも伝承ですが、いかにも空海らしい危なすぎるスケールの子ども時代ですね。

 私は何年か前から空海がテーマの本を書いており、これを書くことは自分のライフワークだとも感じていますが、なにしろテーマがテーマですから一筋縄では行きません。

 スランプにも何度かぶち当たったのですが、その中で、あるときから、

「我拝師山の頂上を超えることが出来たら、今書いている本をきっと書き上げられる

という不思議な確信のようなものが芽生えたのですよ。

 理屈ではないのですけどね。
 でも、こういう思い込みって時として大事です。

 よし、登ってやろうじゃないかと思った瞬間、そのタイミングでコロナが発生……(汗)。

 仕方がないのでジムに通い、ひたすら筋肉と基礎体力づくりに励みながら登れるチャンスを虎視眈々と待っていました。なにしろ私の辞書に「諦める」の文字はありませんので。

 というわけで、今回ようやく登れた我拝師山。
 登ってみての感想をひとことで言えば、

メチャメチャきつい山!

 大げさに言えば、ほとんど垂直に岩肌を登り降りするようなイメージ。

 腿やふくらはぎにかかる負荷、および「滑落したら命はないかも」という緊張感という点でも、個人的には富士山の数倍大変な山でした。

 しかしその山を登れたことで、執筆中の本の完成に向けて一つ前進したなと実感しています。

香色山の頂上から見た筆ノ山と我拝師山。



我拝師山山頂から出釈迦寺奥の院に向け下山中。
空海が飛び降りたとされる場所はこの近くにあり、
仏像が祀られていました。
 不思議だったのは、私が伺ったまさにその日、我拝師山に鎮座する出釈迦寺(しゅっしゃかじ)の御本堂では「最初で最後」と銘打った御本尊御開帳が行なわれていたこと。

「住職を含め、いま生きている人は誰も見たことがない、謎に包まれた
御本尊釈迦如来像の初めての御開帳です。よろしければご覧になりませんか」

 山から降りてきた私にそう声をかけてくださったのは、いかにも
品のよいお坊さま
 しかしお坊さまの横には、「
御開帳 11月30日(木)まで」と書かれた看板が立っていたではありませんか。

 ちなみに私が登山をした日は
12月2日(土)です。

 怪訝に思い、

木曜日で終わったのではないのですか?」

と尋ねると、なんと
12月3日(日)まで急遽延期になったとのお返事。

 最初の予定のままなら私は御開帳に間に合わなかったわけですが、急遽延期になったため
ギリギリで間に合ったと。これが僥倖の極みでなくて何でしょう♪

 ただ、その日の私はと言えば、登山直後で
汗と埃にまみれ髪はボサボサ。しかも筋肉痛のため仏像の前で正座をする自信もなかったので(苦笑)、明日、つまり本当に本当の最終日に身綺麗にして改めて出直すことにしました。

12月3日、本当に本当の御開帳最終日、
出釈迦寺の駐車場にて。ここの看板にも
「11月30日迄」と書いてありますね。



こちらは出釈迦寺の稚児大師像。
後方は昨日登った我拝師山です。



特別公開された(右から)弘法大師像、本尊釈迦
如来像、不動明王像(以上すべて秘仏)。出釈迦寺
にて。※写真は四国新聞さんの4月1日付記事から
お借りいたしました🙏
 「最初で最後」と銘打たれた御開帳の最終日(しかも急遽延期された最終日)にたまたま巡り会えるなんて、こんな御縁は滅多にあるものではありませんね。

 この先に
何かとても良いことが待っているのではないか。
 今、そんな予感に包まれております。

今回の戦利品。マオちゃん人形。空海の幼年
時代(幼名真魚=まお)をモティーフにした
お人形です。なんとピンクのお衣装。既存の
ジェンダー観を超越していて素敵です。
 皆さまにも、きっと良いことがありますように。
 
ナマステ♪
 ▼・ェ・▼今週のクースケ&ピアノ、ときどきニワトリ∪・ω・∪


暖かな日が続き、庭に積もった
雪はすっかり消えてしまいました。

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2023年12月9日
山田 真美
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