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2007年1月28日号(第250号)
今週のテーマ:
女人禁制時代の儀式に参加してみました
※『死との対話』の中国語翻訳版『印度生死筆記』が入荷しました。
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 今日の「週刊マミ自身」の内容とは関係ないのですが、最初に一言だけ言わせてください。

 洋菓子の不二家さんへ。

 私は幼い頃から今日まで一貫して、あなた方がお作りになったケーキをこよなく愛し、ミルキーを愛し、ペコちゃんを愛して参りました。

 銀座へ出ると必ず不二家でお茶を飲み、家族への土産にイチゴの載ったショートケーキを買って帰るのが常でした。

 外国からのお客様も、必ず不二家銀座店に連れて行き、「ここが私のお気に入りのお店なの」と自慢したほどです。

 このたび、度重なる不祥事の果てに銀座店が閉店・売却されることになったと聞き、ただただ呆然としております。

 初めて書いた長編小説『夜明けの晩に』の中では、主人公の美少女・満奈は不二家のケーキが大好きという設定にし、満奈を想う男性が彼女のためにわざわざ銀座に寄って不二家でケーキを買うというシーンまで書きました。

 信じたくないけれど、満奈が鳥居さん(男性の名前)と一緒に食べたケーキにも、期限切れのミルクや大腸菌が入っていたのでしょうか?

 あるいは蛾の幼虫(成虫?)が混入していたのでしょうか。

 長年にわたるファンのひとりとして、今回の不祥事は本当に情けない

 常日頃から私は、自分のウェブサイト上でネガティブな話題に触れることは極力避けるようにしています。
(そうでなくとも、私たちが住むこの世界は暗いニュースで溢れ返っていますからね。せめてこのページだけは、いつも明るく楽しい話題満載にしたいので)

 また、そもそも不二家の関係者さんがこのページをご覧になることもないでしょう。

 しかし、この件に関してだけはどうしても黙っていられませんでしたので、以上、一言だけ苦言を述べさせて頂きました。

(左から)ブースケ1歳の誕生日、ブースケ2歳・パンダ1歳の誕生日、ブースケ3歳・パンダ2歳の誕生日。
3年連続、不二家のケーキで祝いました。この頃はもう劣悪な管理体制下で製品を作っていたのでしょうね
 さてさて、今日はもう日曜日。
 相変わらず時間の経ち方が速すぎて困ります(笑)。

 しかも、私の場合、記憶力ならぬ忘却力が素晴らしく優秀なので、先週の何曜日にどこへ行って何をしていたのか、日記を見なければ思い出せないという体たらく。

(但し約25年前から毎日欠かさず日記を付けていますから、日記を見れば過去の出来事をたちどころに思い出せるのが救いと言えば救いなのですが……)

 そんな私の先週の行動は、大体次のとおりでした。

21日(日)、密教の珍しいイベント・布橋灌頂会に参加。

22日(月)、久々にナムコナンジャタウンで遊ぶ。

23日(火)、茶道のお稽古。
 終了後は、○ーダフォンの元会長のお招きでイタリアン・ディナー

24日(水)、マジック関係の某ニューズレターのインタビューを受ける(2月末発売予定)。
 夜はインド共和国独立記念日レセプションに出席。

25日(木)、長野市内の小学校で英語教育に関する講演会(子ども向きと大人向きの計2回)。
 終了後は地元紙(信濃毎日新聞)のインタビューを受ける。
 ※26日付の信濃毎日新聞第17面に記事が掲載されています。

26日(金)、九州と四国の一部だけでお聞きいただけるラジオ番組「LOVE FM Elan Vital」に、六本木のスタジオから生出演。

 ……とまあ、そんな感じでした。
 これだけ忙しいと、1週間前のこともついつい忘れちゃいますよね〜(とアッサリ自己弁護(笑))。

 色々あった先週ですが、そのうちの布橋灌頂会(これで「ぬのはし・かんじょうえ」と読みます)について、少し説明いたしますね。

 布橋灌頂会とは、江戸時代に越中(現在の富山県)の立山(当時は女人禁制だったことで有名な霊峰)で実際に行なわれていた女性対象の灌頂儀式のことを言います。

 この儀式では、立山の麓にかかる橋を三途の川に見立て、橋を渡りきった向こう側を極楽浄土と看做します。
 そして、無事に向こう岸に辿りつくことが出来れば、来世における極楽浄土が約束されるという趣向です(実際にはここで高僧の手により灌頂の儀式が執り行われます)。

 その歴史的な灌頂会を現代に復元しようという試みが、今月21日、東京・青山のスパイラルガーデンで行なわれ、私も女人衆(橋を渡る女性の役)のひとりとして参加してきたというわけなのです。

青山のスパイラルガーデンで行なわれた「布橋灌頂会」のちらし。今回は18人の女人衆が
参加。全員が白装束に覆面(目隠しのこと)、頭には笠をかぶり、数珠を持っての参加です
 灌頂とは、もともとは古代インドにおける国王の即位式、及び立太子(皇太子の即位)の際に行なった頭頂に水を注ぐ儀式のこと。

 さらに密教においては、伝法・授戒・結縁などの際に頭頂に特別な聖水をかけて頂く儀式を指します。

 「会(え)」は、主に仏事の集まりのこと。

 布橋灌頂会は、江戸時代を通じて盛んに行なわれた「女性を対象とする灌頂儀式」ですが、その際、橋に白い布を敷いたことから「布橋」灌頂と呼ぶわけです。

 ご存知のように、釈迦が作った仏教教団は最初から女人禁制、つまり男だけの世界でした。

 日本に入ってきた仏教も、女性を排除しようとした姿勢は本国インドと変わりません。
 今では私を含む女子学生がたくさん在籍している高野山大学ですが、かつて高野山が女人禁制だったことは有名ですね。

(もっとも、高野山を開いた空海は母親想いだったため、母親をすぐ近くの山に住まわせて高野山から母のもとに頻繁に通ったと言われていますが)

 高野山と並んで越中の立山も、宗教上の理由から、女性が立ち入ることを厳しく禁じた山でした。

 当時の女性たちは全身に白装束を身にまとい(これは一種の死装束と思われます)、僧侶(導師)らに導かれて橋を渡り、渡った向こう側で灌頂の儀式を受けたのですが、その様子を古文書から調べあげ、そっくりそのまま再現した今回のイベントは、日本の仏教史の一ページを知る上でも貴重だったのではないでしょうか。

 今回、イベントが行なわれた場所が青山のスパイラルガーデンだったのも新鮮な驚きですが、スパイラルガーデンの館内には文字通りスパイラル状に伸びた階段(いわゆる螺旋階段)があるのです。

 その螺旋階段を険しい山道に例え、目隠しをした女人衆がそこを歩くという演出は、なかなか秀逸でした。
(写真撮影が禁じられていたため、当日の詳しい様子をここでご紹介できなくてゴメンナサイ)

 密教学を学ぶ者として、今回は実に得がたい体験をさせていただきました。感謝。
  
(左)女人衆は全員このような装束を身に着けました(本番ではこれに目隠しを着けます)
(右)導師役のお坊さんたちと記念撮影
 なお、江戸時代に布橋灌頂が行なわれていた立山についてもっと詳しく知りたい方は、こちらから富山県立立山博物館のサイトをご覧ください。

 このほか、先週はインド共和国独立記念日のパーティーに出席して参りました(於・フォーシーズンズ・ホテル)。

 インドは2030年頃に日本経済を抜き、2050年にはアメリカに次いで世界第2位の経済大国になると言われていますが、そのせいもあってか、今回のパーティーには各国大使を含む世界中の外交官が集まっていましたね。

 パーティーの席上、私がいちばん長時間話し込んだ相手はインド人ではなく、J・トーマス・シェーファー駐日米国大使ご夫妻でした。

 何故ならば、シェーファー大使は大学院時代に印度学(Indology)を専攻されたため、インドにたいへん造詣が深くていらっしゃるのです。

 インドの国際的な影響力が増すにつれて、シェーファー大使のようなインド通の外交官は今後はますます増えてゆくことでしょう(それは私にとって実に嬉しいことです)。

 こうしたパーティーに出席し、そこに集まっている人々の顔ぶれを見ただけでも、世界情勢をかなり正確に把握できるもの。
 そういう意味でインド関係のパーティーは、今後さらに要チェックですね。

 各国政府主催のパーティーに出席することには、実はそういう大事な意味も含まれているのです。決して美味しいお料理目当てだけで出席しているわけではありませんので、そのあたり、誤解なきようにお願いします(笑)。

独立記念日祝賀ケーキはインドの国旗模様!
それをそっと食べようとする怪しいマミリン(笑)



J・トマス・シェーファー駐日米国大使ご夫妻と
 ……というわけで、先週は忙しすぎて高野山大学に提出する論文を書く時間がまったくありませんでした。
 今週はその分だけ書斎に引きこもり、こつこつと密教論文を書き上げたいと思います。

 最後になりましたが、前回お知らせしました「インド土産」プレゼントには、告知した当日から実にたくさんのご応募を頂きました。

 応募してくださった皆さま、どうもありがとうございました。

 厳正なる抽選の結果、今回の当選者は横浜市在住のたかこ様に決定いたしました。おめでとうございます♪
 たかこ様には、大理石の小物入れと紅茶をお送りいたしますので、楽しみにお待ちくださいませ。

 それでは皆さま、今週も健やかなる1週間をお過ごしください♪
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


ルービックキューブを前に考える犬?

※前号までの写真はこちらからご覧ください
事事如意
2007年1月28日
山田 真美