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2007年8月12日号(第272号)
今週のテーマ:
【大願】日本五大弁才天制覇【成就】
 ● お 知 ら せ ●
来る9月1日から10月31日までの2ヶ月間、
インド国立文学アカデミーの招聘によりアーナンダ・クマラスワミ・フェローシップ受賞記念講演をインド各地の国立研究機関ならびにデリー大学、ジャワハルラール・ネルー大学、インド工科大学などに於いて開催の運びとなりました。今回の訪問地はデリー、ムンバイ、チェンナイ、バンガロール、ハイデラバード、アーメダバード、ジャイプール、アグラ、ラダック、シッキムを予定しております。この間はホームページの更新が不定期となることが予想されます。皆さまにはご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくご了承の程をお願い申し上げます。
 去る8月9日、竹生島の宝厳寺を訪ねて参りました。

 これにより、お蔭様で日本五大弁才天を制覇いたしましたので、取り急ぎお知らせいたします。

これが「オーマミリン」に見えた人は、マミ
リン病に罹っているかも知れません(笑)
 琵琶湖へは8月2日〜3日にも足を伸ばしているのですが、このときは大型台風5号に行く手を阻まれてしまい、竹生島を目の前に泣く泣くギブアップという番狂わせに見舞われたんですよね。

 それだけに今回、彦根港からオーミマリンの定期フェリーに乗って琵琶湖を渡り、竹生島に足を踏み入れた瞬間には、これまで以上の達成感がありました。

(それに、実を言えば前々からこのフェリーには一度乗ってみたいと想っていたんですよね。だってほら、なにしろ親近感の湧く名前ですから……(笑))
  
 (左)彦根港から竹生島へ渡るフェリーは200人乗り、所要時間は約40分でした (右)フェリーから見た竹生島。


  
船着場からご本堂へと続く階段は、かなりの急勾配


  
(左)ご住職へのお土産(拙著5冊)が入った紙袋がずっしり重く、そのせいか階段が異様に長く
感じられました (右)宝厳寺のご本堂。この中に弁天様が祀られています(ただし秘仏)
 琵琶湖への旅は、いつもお世話になっている真言宗豊山派の名刹安養院の平井和成御住職とそのお仲間で出かけたのですが、平井御住職のお取り計らいにより、宝厳寺では峰覚雄御住職によるご説明を拝聴する好機にも恵まれ、実りの多い旅になりました。
 
 こうして、夢にまで見た日本五大弁才天のすべてを訪問。すべてメデタシメデタシと言いたいところなのですが、しかし

 皆さんは、既に気づいていらっしゃるでしょうか。

 5月以来、たびたび「週刊マミ自身」に弁才天のことを書いてはきたものの、肝心の弁天さまの写真がこれまでただの1枚もアップされていないという驚愕の事実に。

 そうです。実は、五大弁天は片端から秘仏なのです。
 つまり基本的には、その姿を拝むことは出来ないということなのですよ。

 弁天さまの像は、1年に1度(あるいは1年に数度)のご縁日に一般公開されるとき以外は、厨子(ずし=神仏を納める戸棚形の箱)の中に引き篭っておられるのですね。

 なかには竹生島の弁天さまのように、なんと60年に1度しかご開帳しない(次回のご開帳は西暦2037年予定とのこと)という、目にすること自体がほとんど奇跡に近い弁天さまもおられます。

 五大弁天のうち唯一「年中公開」されている江ノ島の弁天さまにしても、写真撮影絶対禁止

 ……といういうわけで、主役である弁天さまの写真は、残念ながら(原則として)拝見することが出来ないのです。
 その分、イマジネーションを最大限に駆使して、美しい弁天さまの姿を自由にイメージして御覧なさいということなのかも知れません。


 なかなか想像力をかきたててくれる女神様ではありませんか。

 そのせいでしょうか、琵琶湖から帰ってきた私は、さらに鎌倉の鶴岡八幡宮にある旗上弁才天と、同じく鎌倉市内にある銭洗弁財天も詣でて来ましたよ。

 そんなわけで、私の弁天研究の旅はまだまだ続くという感じなのです、はい(笑)。
  
鶴岡八幡宮の敷地内にある旗上弁才天。赤い社の周囲を蓮池がぐるりと取り囲んでいます


  
鎌倉の銭洗弁財天は神道の宇賀神信仰と密接な関わりを持っています。「才」ではなく「財」の字を
当てていることからもわかるように、ここは文字どおり「お金の神さま」。白蛇も祀っているようでした
 ところで、このページの上のほうにも書きましたように、今年の9月〜10月の2ヶ月はインド国立文学アカデミーの招聘でインド各地で講演をして来ることになった私ですが、せっかくですから今回のテーマの一つは「インドのサラスヴァティー信仰と日本の弁才天信仰の比較」にしようと考えております。

 ご存知の方も多いかと思いますが、弁才天のオリジナルの姿はインドの川の女神で、その名を「サラスヴァティー」と申します。

 私は1990年からインド各地で神話の研究をして参りましたので、サラスヴァティーと弁才天の比較研究は、一度は掘り下げてみたいテーマだったんですよ。

 インド国立文学アカデミーの皆さんも、日本における弁才天信仰に関して知識を得られることを楽しみにしておられるようですし、それに何と言っても、私にとって弁才天はいま最もご縁のあるテーマだと思いますし、ネ。

 神仏習合や廃仏毀釈といった日本独特の宗教事情を説明しながらも、わかりやすく楽しい講演にしようと思っています。

 講演記録(英語)はいずれ1冊にまとめる予定ですので、そのときをどうぞお楽しみに♪

 さて、私は今夜から暫く信州の山小屋に籠もり、論文を8本執筆して参りますよ。
 猛暑の日々が続きますが、皆さんも健康に気をつけて、くれぐれもお元気でお過ごしくださいネ。
 
 ではでは♪
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


つぶらな瞳

※前号までの写真はこちらからご覧ください
事事如意
2007年8月12日
山田 真美