2007年1月21日号(第249号)
今週のテーマ:大富豪と大貧民、それぞれのインド |
※インターネットラジオ上で『山田真美のインド縦横無尽』(1時間番組)を有料配信いたしております(1月末日まで)。インタヴュアーを引き受けてくださったミュージシャンのサエキけんぞうさんから投げかけられる鋭い質問の数々に、山田が本音で答えます。詳しくはこちらをご覧ください。
※『死との対話』の中国語翻訳版『印度生死筆記』が入荷しました。ご希望の方には、今回に限り送料込み1,160円の特別価格にて頒布いたします(お届け先は日本国内のみ、お1人様1冊に限らせて頂きます)。数量僅少につき商品が終わり次第販売を終了いたします。お申し込み・お問い合わせはmami@yamadas.jpまで。
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冬のニューデリーへ行って参りました。
今回は仕事の打ち合わせonlyの短い旅だったのですが、 マジシャンに逢ったり政治家に逢ったり占い師に逢ったりマハラジャに逢ったり……と、例によってなかなかハードなスケジュールでしたよ。
向こうでの出来事を逐一お知らせしたいところなのですが、例によって例のごとく、今回も日本に帰って来るなり次の仕事やイベントが目白押し。
昨日(20日)だけでも、なんと3つのパーティーに出席して参りました。大好きな兼高かおるさんとお話ししたり、珍しく紋付袴姿の黒川紀章先生とお写真をパシャパシャ撮りまくったり、童心に返ってマリ・クリスティーヌさんと一緒にコンフェッティ(紙ふぶき)で遊んだり(笑)……と、とても楽しいパーティーでした。
打って変わって、今日(21日)はこれから灌頂会(かんじょうえ)というものに参加して参ります。これは密教の大事な儀式です。
……というわけで、あと1時間以内に身支度をして出かけなければなりませんので、今週の「週刊マミ自身」はインド取材旅行の概略だけ、さくっとお知らせいたしますね。
より詳しいことは、この夏に発売予定の本(テーマはインドの大富豪の人生哲学)を読んでくださいませ。
ちなみに今回は、お友達のMさん(旧財閥系の大富豪)がインドのあちこちに所有する沢山のお屋敷の一つに泊めていただきました。
それでは、まずは泊めて頂いたお部屋からご覧いただきましょう。
ジャジャ〜ン。↓ここがそうです。 |
滞在中はこのお部屋を使わせていただきました。半端じゃない広さです
広角レンズを持ち合わせなかったので、写真を2枚撮って繋げてみました
朝食は大きな暖炉(右の写真に写っています)で薪を炊いてもらい、お庭でいただきました
(左)ほとんどの家具調度品がヨーロッパ製のようでした
(右)ベッドルーム。ベッドの頭部分から紐が垂れているのが見えますか?
紐の先には使用人を呼ぶための呼び鈴が付いているのです |
このお部屋に寝泊りさせて頂きながら、
大富豪にインタビューしたり……
インドの未来の大統領候補と目されている青年(私より10歳も年下)に逢って日印関係について熱く語り合ったり……
10数年来のお友達であるラダックのマハラジャ(ジグメット・ワンチュック・ナムギャル氏)と、ヒマラヤのお酒「アラック」を飲みながら次回のヒマラヤ旅行の計画を立てたり(注・マハラジャはちょうど山を降りてニューデリーのお宅に滞在中だったのです)……
ジャーナリストの友達(元ヒンドゥスタン・タイムズの編集長)に逢ってインドでの出版計画について話し合ったり……
マジシャンからヒンドゥー・ロープ(ぐにゃぐにゃなロープが立ち上がって天に向かって昇ってゆくマジック)を見せてもらったり……
カタカリ(南インド・ケララ州の神前劇)を観に行ったり……
という感じで、目が回るような1週間でした。
このうちのマジシャンについて少し詳しく話しますと、彼は、私がインドで出逢った約500人のマジシャンのうちの1人で、名前をイサムディーンといいます。伝統的なストリート・マジックを継承するイスラム教徒で、非常に頭の回転が速く、人間としても尊敬できる人物です。
この国のストリート・マジシャンの常として、彼もまた貧しく、狭い家がひしめき合うスラムに住んでいるのですが、そのスラムには、マジシャンのほか蛇使い、ミュージシャン、人形使いなども住んでいるようでした。
実は、以前「マンゴーの木」の研究をしていたときにも、私は何度かこのスラムに足を運んだことがあります。
デリーのはずれにある、首都近郊では一番大きなスラム街です。
(『インド大魔法団』と『マンゴーの木』を読んでくださった方は覚えていらっしゃるかも知れませんネ)
今回の旅のあいだ、私は大富豪のMさんのご好意でショーファー付きのBMWを専用車として使わせてもらっていたのですが、なにしろマジシャンの住むスラム街はBMWが行くような場所じゃありません。
ましてインドはつい最近までカースト制度があった国です。
人々は自分に相応しい場所で暮らし、相応しい階級の人とだけ付き合い、相互に混ざるということをしたがらないのです。
そこへ私のような異邦人が現われて、「超」が付くほどの大富豪たちと逢ったかと思えば、次の瞬間には、平気でスラム街へも出入りする。
そういうことは、インドの常識では絶対にありえないわけです。
口に出してこそ言いませんでしたが、BMWの運転手は、スラム街に乗り入れることに大きな抵抗があったことと思います(スラム街に乗り入れるにつれ、彼のこめかみの血管がピクピクするのが見て取れましたから)。
しかし、そんなことにはお構いなく、車をスラムの入り口に停めると、私は『アリババと四十人の盗賊』に登場する迷路のように入り組んだ小路を歩いて、マジシャンが住む小さな家へと向かったのでありました。 |
(左)スラム街の中を網の目のように走る小路 (右)駄菓子屋さん
インドと言えばコブラ使い
(左)道端で営業している床屋さん。屋根がないので雨の日は休業です
(右)同じく、道端で営業するアイロンがけ屋さん |
インドは何もかもが極端な国ですから、貧富の差も半端ではありません。
インドのお金持ちは世界レベルで見ても大金持ちですし、インドの貧乏人は世界的レベルで見ても貧乏人です。
ですから、本当にこの国のことを知りたいと思ったら、富豪から貧民まで、すべての階層の人たちのことを知る必要があります。
どちらか一方だけ知っていても、それではインドを知ったことにはなりません。
富豪のことがわからなければ貧民が存在する原因もわからないし、また貧民のことがわからなければ富豪が存在する意味もわからない。
今回、大富豪の本を書くに当たって、そのことを私は改めて自分の肝に銘じたのでした。
実際には、現在「大富豪」になっているインド人の中にも、スラム街から裸一貫でのしあがった成功者がいるんです。
インドというところは、知れば知るほど奥が深くて面白い国ですよ。
大富豪もおらず、さりとて大貧民もおらず、すべてが平均的に収まっている日本とは対照的ですね。
そういったことも今度出版する本の中で伝えられたらいいなと、かように思っています。
もっと色々インドのことを書きたいのですが、ごめんなさい、そろそろ灌頂会に出かけないと遅刻してしまいそうですので、今日のところはこのへんで失礼いたします。
お待ちかねのお土産は、今回は大理石製の宝石ケースを選んで来ました。
紅茶(Taj Mahal Tea)とセットで1名様に差し上げます。 |
薬入れ、ピアス入れ、指輪入れ……
使い方は色々ありそうです |
ご希望の方は、件名に「インド土産希望」とお書きの上、
@ハンドルネーム(必須)
Aご本名(必須)
Bご住所(プレゼントが当たった際の送り先)とお電話番号(必須)
C性別
D年齢
E山田真美へのメッセージ
をメールで boosuke@badboy.co.jp までご応募ください。
締め切りは1月26日。
当選者は1月27日更新予定の「週刊マミ自身」250号(←えっ。いつの間に250号!?)で発表いたします。
皆さま、奮ってご応募くださいませ。
ではでは、今週も楽しく健やかな1週間を♪ |
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪
少し憂いを含んだブースケのまなざし
※前号までの写真はこちらからご覧ください |
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