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2006年12月16日号(第245号)
今週のテーマ:
我訪問了台湾的出版社

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※インターネットラジオ上で『山田真美のインド縦横無尽』(1時間番組)の有料配信が始まりました。インタヴュアーのサエキけんぞうさんから投げかけられる鋭い質問の数々に、山田がビシバシ本音で答えます。詳しくはこちらをご覧ください。
※現在発売中の『NHK英語でしゃべらナイト』12月号に、英語の冒険ファンタジー“The Monday Monster”が掲載されています。
※『死との対話』の中国語翻訳版『印度生死筆記』が入荷しました。ご希望の方には、今回に限り送料込み1,160円の特別価格にて頒布いたします(お届け先は日本国内のみ、お1人様1冊に限らせて頂きます)。数量僅少につき商品が終わり次第販売を終了いたします。お問い合わせはmami@yamadas.jpまで。
 台湾の話に入る前に、まずはお知らせをひとつ。

 ↑上のお知らせ欄にも書きましたが、昨日からインターネットラジオ上で『山田真美のインド縦横無尽』というトーク番組(1時間番組)の配信が始まりました。

 テーマは恒例の「インド」なのですが、今回は、気の置けない友達でミュージシャンのサエキけんぞうさんがインタヴュアー役を引き受けてくださったため、

「インドで“葉っぱ”をやりましたか?」


といった、かなりdeeeeeeepな質問のオンパレードです(笑)。

 手前味噌ですが、かーなーりー面白く出来上がっています。番組はこちらからダウンロードできます。有料で申し訳ないのですが、ぜひともお聴きくださいマセ。

 ……そんなわけで、台湾に行って参りました。

 実はですね、台湾にきちんと足を踏み入れるのは、意外にも今回が初めてだったんです。これまではいつだって、どこか更に遠い外国へ行く際にトランジットで1時間ほど降りるだけ。あとはそのまま素通りしておりました(ああ〜もったいない)。

 初めての場所は、それだけでもう胸がワクワクするものですが、今回はそれに加えて、9月に『印度生死筆記』を出版してくださった先覺出版社の編集部の皆さんとお目にかかるという、とびきり素敵なプランがあったものですから、ワクワクも一塩でした。

 シドニーへ留学中の娘(LiA)がちょうど夏休みで一時帰国していますので、今回は彼女を付き人兼カメラマン兼ポーター(笑)として同行。

 ちなみにLiAはこのたび成績上位者の中から選抜される交換留学生に選ばれまして、1月からはスウェーデンの某名門大学に通わせて頂くことになっています。ですから今回の台湾旅行は、実は娘へのお祝いも兼ねていたわけなんです。

 ……さて、台北空港に到着して真っ先に目に飛び込んできたのは、なんと自殺防止キャンペーンの巨大広告!

 聞けば、台湾では最近「自殺」が大きな社会問題になり始めていると言うじゃありませんか。
 『死との対話』の中国語バージョン(『印度生死筆記』)が台湾で出版された理由が、それでよくわかりました。
  
台北空港で見た自殺防止キャンペーンの広告。語りかけているのは台湾の有名なお坊さんだそうです
 『印度生死筆記』の版元である先覺出版社は、圓神出版事業機構というグループの傘下にある人文系の出版社です。

 圓神出版グループには先覺出版社のほかにも、圓神出版社、究竟出版社、方智出版社、如何出版社と全部で5つの出版社があって、例えば「究竟出版社は英語関係の本に強い」といった具合に、それぞれに特色のある本作りをしているとのことでした。

 事前にあまり予備知識を頂いていなかったので、

(編集部のお部屋はどんな様子かしら?)
(私の本を担当してくださった編集者さんはどんな方?)

と、到着前からいやがうえにもワクワク感が高まります(笑)。

 ちなみに、私たちが泊まっていたホテルから出版社まではタクシーで30分ほどかかったのですが、台湾ではタクシー料金が非常に安く、日本円にして1,000円もかからず目的地到着。台北ではタクシーも地下鉄も安くて安全でした。オススメ出来ます。

圓神出版事業機構の各社が入って
いるビルの案内板の前で記念撮影
 11時ジャスト、圓神出版事業機構に到着。前々からメールのやり取りをしていた副総編集長の陳さん(女性)と会い、まずはご挨拶。

 すぐに中へ招じ入れられ、スタッフの皆さんが働く室内を通ってミーティングルームへと向かったのですが、午前11時の時点で既に数十人のスタッフ全員がデスクに張り付きパワー全開で仕事をしていらっしゃったのには、正直言って驚きました。陳さんに向かって、

「朝の11時に全てのデスクにスタッフが張り付いてバリバリ働いている出版社なんて、日本では殆どあり得ないと思います」

と告げたところ、陳さんも笑いながら、

「そうですか。うちは朝が早いんですよ……。公務員みたいでしょ」

ですって(笑)。

 朝11時の室内の様子をパッと見ただけでも、「真面目かつパワフルな本づくりをしている出版社」という印象がビシバシと伝わって参りました。早起きは三文の徳。見習いたいところです。

 次いで、グループ全体の社長さんでいらっしゃる簡さんに連れられて社内を巡り、社員全員にご挨拶。

 そのあとは『印度生死筆記』の編集スタッフの皆さんとミーティング。
 更にそのあとは、陳さんが「ここは私たちの気に入りのレストランなんですよ」と仰る中華料理店に場所を移して、皆でランチを楽しみました。

圓神出版グループ代表の簡さん(中央のダン
ディな男性)、陳さん(赤い上着の女性)と編
集部の皆さん
 今回、先覺出版社の皆さんとお目にかかって一番新鮮な驚きだったのは、スタッフがひとり残らず若い女性であったことと、(英語の出版社ではないにもかかわらず)全員が英語ベラベラだったこと。

 ビジネス・コミュニケーションの取り易さという意味で、これは画期的なことでした。

 日本語だけのコミュニケーションですと、言葉の持つ特殊性から言って、どうしても遠回しな物言いになりがちですし、また、敬語を多用することによって親しさの度合いが軽減されてしまうといった側面も否めません。

 これに対して英語の場合は、敬語がほとんど存在しませんから、お互いに本音でズバズバ物が言える雰囲気が瞬時に作られます。

 この日の私たちの会話は英語を軸に必要に応じて日本と中国語が混じり、心の芯まで理解し合えたという実感がありました。

 圓神出版事業機構さんとの次なる仕事の打ち合わせも始まり、実に有意義なミーティングでした。

 この日は、陳さんが用意してくださったお車で、夕方まで台北観光。
 私からの強い希望で、まずは台湾最大の本屋さんである誠品書店の本店に足を運んでみました。
  
これが台湾最大の本屋さん「誠品書店」本店の様子。広く明るく清潔です。下の階は世界中の高級
ブティックが入ったデパートになっていました


  
『印度生死筆記』は、店の中央のとても目立つ場所に置かれていましたよ。真地謝謝♪
 誠品書店を背にしたすぐ目の前には、ひときわ背の高いビルが聳(そび)えています。

 これが有名な「台湾101」ビル。全長508メートルは、エッフェル塔の約1.5倍。2006年の現時点で世界最高で、もちろんギネスブックにも登録されているそうです。

誠品書店の正面から見た「台北101」
 「台北101」はビル本体が世界最高であるのみならず、展望台へと続くエレベーターも世界最速なんですって。作ったのはTOSHIBAさんです。

 耳の奥がキーンとなりながらも、あっという間に展望台に到着。但し、外が見えないタイプのエレベーターなので、高速で移動しているという実感はありませんでした。
  
(左)下から見上げた「台北101」 (右)ビルの内側。思い切り天井を高くした大胆なデザインです


  
「台北101」の展望台からの風景。右の写真に映った影を見ると、「台北101」の高さが一目瞭然ですネ。
左の写真はオーディオガイドで市内見物をしているところ。周囲には森も多く、意外に牧歌的な感じ
 この日は夜中まで、台北市内のめぼしい場所を観光。続く翌日と翌々日も、さらに観光。あとは帰国までエンドレスで観光をして参りました。

 故宮博物館、孔子廟、中正紀念堂(蒋介石メモリアル)、忠烈祠(国のために命を落とした人たちを祀った場所)といった定番スポットはもちろんのこと、仏壇仏具の道具街など、ちょっとマニアックな場所にも行きましたとも(笑)。
    
仏壇仏具屋さんがズラリ軒を連ねた道具街。道路の向い側には大きなお寺があります


  
(左写真)仏壇仏具街で見かけた不思議な焼却炉
 仏壇仏具街を散策中、日本の仏壇街ではちょっと見かけない不思議な一品を目にしました。左上の写真に移っている焼却炉のような物がそれですが、これ、一体何だと思われます?

 実はこれ、いわゆるゴミを燃すための普通の焼却炉ではなく、「天国で使われる紙幣」などを燃すための炉なのだそうです。

 一般に台湾人や中国人は、「死後の世界でも現世と同様にお金や家や自動車が必要」と考えているのだとか。

 そこで、天国にいるご先祖様のために紙幣(もちろんオモチャのお金です)や、家や自動車を描いた紙を焼き、煙と一緒に空に立ち昇らせるんですって。

 天国のご先祖様は、煙と共に昇ってきたお金や家や自動車を使って、天国でもハッピー、ハッピー(笑)。
 というわけで、焼却炉で(オモチャの)お金を燃すことは、何よりの先祖供養になると考えられているんですって。

 「ところ変われば品変わる」と言いますか、面白い発想ですね。

 今回の台北訪問中には、実は激しく面白いエピソードが多々ありまして、誰かに話したくて話したくて堪らないほどなのですが、プライバシーその他の理由により、残念ながらここではオフレコということで失礼いたします(笑)。

 そんなこんなで今日のところは、観光中に夜市(ナイトマーケット)で撮ったスナップ写真の中から何枚かご紹介しながら、帰国のご挨拶に代えさせて頂きます。
  
「臭豆腐」と「蛇肉」。名前を読んだだけで、「これだけは絶対に食べたくない……」と思った食べ物。
右のお姉さんの手元にあるモノは、生きた大蛇です。これから調理するみたい。あな恐ろしや(笑)


  
(左)「臭臭鍋」って一体……? 「臭」はどうやら「発酵」の意味らしいのですが、何故ダブルで「臭臭」??
(右)そうかと思えばセブンイレブンでは「新国民弁当」なんて素敵なネーミングの商品を売っているし(笑)


  
(左)道から丸見えの按摩屋さんと、外の椅子でご主人様の帰りを待つチワワ
(右)占い師の家の外壁に貼られた、いかにも妖しいポスター


  
(左)街中に置かれたピンボールマシン。コドモ向きかと思いきや、何故かオトナ
にも大人気の様子でした (右)偶然見かけたお祭りの獅子舞


  
街で見かけたUFOキャッチャー。右は拡大写真。「台湾的」な光景ではありま
せんが、夥しい数のクマに圧倒され思わずシャッターを切っていました(笑)
 で、夜はもちろんお約束のエステにも行きましたよ。

 何が「お約束」なんだか知りませんが、アジアの国に行ったら、やっぱりエステでしょ(笑)。だって、マッサージが安くて上手なんですもの。これを逃す手はありませんよネ。

 ……という具合で、仕事の打ち合わせも首尾よく進みましたし、幸先の良い台湾初体験でございました。

 なお、このページの冒頭にも書きましたが、『死との対話』の中国語翻訳版である『印度生死筆記』がようやく入荷しました。

 うちの読者さんのなかには中国語に堪能な方が結構いらっしゃいまして、前々から「『印度生死筆記』を読んでみたい」というご希望を頂いていたのです。今回に限り、送料込み1,160円の特別価格にて頒布できることになりました(部数限定)。

 ご希望の方はメールにて、直接お問い合わせください。
 恐れ入りますがお1人様1冊に限らせて頂きますので、よろしくお願いいたします。

 今年も余すところ2週間。年末の多忙な時期ですが、健康に気をつけてリラックスして参りましょう。
 ではでは♪
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


瞑想中のブースケと、その頭上を
またいで行く傍若無人なパンダ嬢

※前号までの写真はこちらからご覧ください
事事如意
2006年12月16日
山田 真美