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2005年11月6日号(第193号)
今週のテーマ:
東京ワンダーランド
 前号の「週刊マミ自身」のなかで「97%書き終えました」とお伝えした原稿は、予定どおり10月31日に脱稿。なんと、既に初校ゲラを校正中でございます。

 私はどんな場合でも、まず最初に原稿の仕上がり日を宣言し、それからおもむろに書き始める人なのですが、そのやり方で、これまで唯の1日も遅れを出したことがないのが自慢と言えば自慢。

 編集者の芝田さんも、これまた抜群に仕事が速いかたなので、このコンビで本づくりをすると、いつも「あれよあれよ」という間に作品が仕上がっているような気がします(笑)。

 というわけで、バイリンガル育児の本は出版に向けて着々と進行中。
 本屋さんに並ぶのは来年1月の予定です。どうぞ お た の し み に♪

 校正中のゲラ。これは第100章(最終章)です
 さて今週は、オーストラリアの某国立大学で学部長をつとめるニューマン教授ご夫妻(前からのお友達です)が、お仕事のために来日。私はおふたりを連れて東京都内のあちらこちらを探訪し、にわかツァーガイドと化しておりました。

 そう言えば私、大学時代はアルバイトで英語のバスガイドをしていたんですよ。あの頃は外国人を連れて、よく皇居や浅草を訪れたものです。
 その頃に覚えた知識は、意外にしっかり記憶に残っているものですね。今回、ニューマン教授から皇室の歴史や徳川家にまつわる質問を受けてすらすら答えることができたのは、まさに昔取った杵柄というべきでしょう。

 それにしても、いつもはショッピングや飲食といった日常的な目的で訪れている場所が、今回、純粋に「観光」という視点だけから眺めてみると、何やら非日常的な異国のように見えたのは不思議なことです。

 まずは皇居二重橋前で、観光客になりきって記念撮影。そのあと、徒歩で銀座へと向かいました。
 そこで私たちを待っていたものは…

銀座に新装オープンした和菓子屋
さんの正面に飾られていた、茅の
輪を髣髴させる素敵な飾りや…



玩具屋さんの前で踊っていたぬいぐるみ…



秋葉原の新名所「ヨドバシAkiba」…



鯔背(いなせ)な町の衆…



高貴な菊の花…



純和風の可愛らしい花嫁さん…



いつ見ても不思議なアサヒビール本社の建物
(の上に乗っている謎のオブジェ)…



黄昏色にライトアップされた東京ドーム…



幻想的なイルミネーション…
 …といった具合で、かなりスタンダードかつオーソドックスなコースを歩いたにもかかわらず、どこへ行っても、何を見ても、どこかが普段と少し違って見えたのは不思議なことでした。

 まるで東京という名のワンダーランド(不思議の国)へ行ってきたような。
 外国の人を連れて自分の国のなかを歩いてきたはずなのに、自国の人と一緒に外国を旅して来たような、そんな気分さえします。

 こんな奇妙な気分になったのは、おそらく、「バイリンガル」という大きなテーマで本を書いたことが原因なのでしょう。だって、この本を書きながら、私は私自身に向かって、

「自分にとっての母語は日本語だが、英語はあまりにも親しく、今さら他人行儀に〈外国語〉と呼ぶのは忍びない。私にとっての英語は〈第一外国語〉ではなく、もはや〈第二母語〉と呼んだほうが相応しいのではないだろうか」

というようなことを、しきりに問いかけていたのですから。

 前回の戦記ノンフィクション(『ロスト・オフィサー』)を書き終えたときは、町行く人が片端から軍人に見えるという奇妙な症候群に襲われた私でしたが、今回は、見慣れたはずの東京が異国チックに見える症候群を発症しているということでしょうか(苦笑)。

 このような心理状態はせいぜい2〜3日で終わってしまうと思われますが、せめてその間は、異邦人の目で東京を楽しみたいと思います。

 ではでは♪
★★★今週のブースケ&パンダ★★★

 
この意味不明な写真にカーソルを当てると、ター
バンを巻いたインド人の友達が姿を現わすかも

※前号までの写真はこちらからご覧ください
事事如意
2005年11月6日
山田 真美