旅に出ていない限り毎週土曜日に更新します。
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2018年7月23日号(第609号
今週のテーマ:
伯父とのお別れ~盛夏へ
 
ナマステ・インディア2018のおしらせ
日本最大級のインド祭「ナマステ・インディア」にて今年もレクチャーさせていただきます。
演題 『本当は怖いインド神話』
日時:9月29日(土)13時~14時
場所:代々木公園
入場無料・予約不要。インド料理の屋台(有料)がたくさん並びます。ぜひ遊びにいらしてください。
※公式サイトはこちらからご覧いただけます。
 亡父の兄で、子どもの頃から私のことをたいへん可愛がってくれた伯父がこの世を去りました。

 
享年94歳
 住み慣れた
自分の家で、苦しむことなく穏やかに息を引き取ったそうです。
 
伯父の葬儀が執り行なわれた日の夕暮れ時の空(長野県北部)。
 伯母によれば、亡くなった夜、伯父はみずから入浴を希望したそうです。
 すぐに風呂を用意し、からだを流してあげたところ、伯父は、

気持ちがいいなあ

と喜んだ由。

 そのあと伯母に支えられ、自力で歩いて寝室に戻りましたが、ベッドの手前まで来ると崩れ落ち、
そのままあの世に旅立ったとのことでした。

 すぐに
救急車が呼ばれ心臓マッサージが施されましたが、伯父の意識が戻ることはありませんでした。
 その後、病院で下された死因は
老衰だったと言いますから、まさに大往生ですね。

 ちなみに、「平成27年人口動態統計月報年計<概数>の概況」(厚生労働省)によれば、全ての死亡原因のうち
老衰が占める率はわずか6.6パーセントだそうです。

 病気らしい病気もせず、最後まで自宅で普通に生活し、苦しむことなく一瞬で逝った伯父。

 おそらく多くの人が夢見るであろう、理想的な最期でした。
 
 そう言えば以前、ここ「週刊マミ自身」に二度ほど伯父のことを書いたことがあります。

 恐れ入りますが、折角ですのでここに再掲させていただき、伯父の想い出のよすがとさせていただきたいと思います。
2005年10月26日(水) 週刊マミ自身192号

 父の一周忌法要のため、25日から2泊3日で長野へ。
 ほんとうの命日は11月9日なのですが、お坊さんのご都合などに合わせて、2週間ほど繰り上げて行ないました。ごく内輪の親戚だけの集まりで、楽しかったですよ。

 それにしても、法事のときなどにいつも思うことですが、親戚のつきあいって面白いですよね。
 冠婚葬祭のような親密なイベントのときは必ず顔を合わせるくせに、そのほかのときは、ほとんど年賀状だけのつきあい。

 うちの親戚はあっさりした人間関係を好む人が多いので、「付かず離れず」の絶妙の距離感と言いますか。そのくせ、人が生まれたり死んだりすると先頭に立って手伝ってくれるのも親戚。
 「この人たちとは、古代から連綿と続く儀式の遺伝子が繋がっているのだなあ」などと思うと、なにやら感慨深いものがあります。

 この日も、小さい頃からうんと可愛がっていただいている伯父から、

「おい真美ちゃん。俺が死んだときも、葬式とかよろしくたのんだぞ

と当たり前のように言われ、

「了解、了解。でも、死ぬのはまだ20年早いわよ伯父ちゃん」

なんて、ゴハンを食べながら普通に会話していましたけど、安心してこんな会話ができるのも、遺伝子が繋がっているからなんだろうなと思いますね。

 ちなみに伯父は亡くなった父の兄。81歳ですが、とにかく元気。元警察官で、若いときはずっと剣道で長野県一位だった人です。

 法要のあとは食事をとりながら、お坊さん相手に「土葬の文化史」や「死体に関する四方山話」をおしゃべり。食事時の話題ではないと思いますが、まあ、相手がお坊さんなら余裕で許されますよね(笑)。

私が産まれた時に伯父がしたためてくれた命名書。
(※鈴木は私の旧姓です。)
 
2010年8月21日(土)週刊マミ自身396号

 娘と一緒に父の兄(つまり伯父)の家まで足を伸ばし、ご先祖さまのことなどを色々と尋ねてきました。

 ……というのも、実はこの夏、娘と私は家系図づくりに凝っているのです。
 それも、かなり大規模なヤツを。

 伯父は、当年とって85歳。実家(鈴木家)の最長老です。
 その上の代はもう誰も残っていないため、古いことを知りたければ伯父に聞くしかありません。

 とはいえ伯父も高齢です。
 そろそろ記憶が覚束ないのでは……などと心配していた私がバカでした。

 この日、靴を脱いで家に上がった私に向かい、伯父が涼しい顔で放った第一声は、

おっ。今日は胸に3匹のシーズー犬がプリントされた赤い横縞の長袖シャツに、ブタの鼻の柄の靴下か(笑)

 いきなり、この鋭い指摘。
 ……っていうか、それ以前に、思いっきりヘンなファッションでゴメンナサイ(爆)。

 実は、伯父は元警察官で、しかも長いこと鑑識課にいたんですよ。
 昔からとびきり観察力が冴えている人でしたが、その能力は少しも衰えていないみたい。

 おかげで家系図づくりは、この日1日で驚くほど進展しました(感謝、感謝)。
 伯父の協力を得て完成することのできた家系図は、これからも家族が増えるたびに書き足して大事にしてゆきたいと思います。

 いつも皆を守ってくれる大きな傘のような存在だった伯父ちゃん、今までどうもありがとうございました。あなたのことを忘れません。

 R.I.P. 合掌。
☆   ☆   ☆   ☆   ☆
 そうこうしている間にも時は進み、早くも盛夏です。

 この夏は、基本的には空海がテーマの小説にかかりきりなのですが、その間を縫うようにして孫娘と遊んだり、犬やニワトリの世話をしたり、ブルーベリー畑の草むしりをしたり。

 大地にしっかり足をつけて生きているつもりですが、それにしても、あっと言う間に時間が過ぎてゆきます。

 カナカナの音色ホタルの光など、この季節にしか出会えない美しいものがあまりにも多いので、できるだけ山小屋にいたいのですが……なるべく頻繁に子ども達や孫娘に会いたいという事情もあって、実際にはどうしても山と東京を頻繁に往復することになりますね。

ほたる見物のために志賀高原へドライブ。



インド工科大学の教え子が日本に遊びに来てくれたので
東京の目黒で「山手七福神めぐり」をしたり、雅叙園の
百段階段へ遊びに行ったり。



そうかと思えば娘&孫娘とプールへ泳ぎに行き、
その帰りに横浜のラーメン博物館へ行ってみたり。



ちなみにラーメン博物館は(街づくりのコンセプト的には)
池袋のナンジャタウンのかつての姿に似ています。



コテコテの昭和の街並みが広がっていますが、
基本的には色々な味のラーメンを食べるための場所。
この日は2軒、ラーメンのハシゴをしてみました。



その翌日は真夏の贅沢。ブルーノート東京で
小野リサさんを堪能。まるでこの場所だけブラジルの
イパネマ海岸にワープしたような異世界感。



共演は故アントニオ・カルロス・ジョビン(ボサノヴァの巨匠)の息子さんと
お孫さん。ダニエルさん(孫)は語りも上手。色々な裏話をしてくださり、
おかげで「ボサノヴァを聴きながら大笑いする」というレアな体験をしました。
 そんなこんなで、私は相変わらずのマイペースでやっております。

 今週は山にこもって執筆に専念します。

 来週は編集者さんとの打ち合わせがありますのでね。
 それまでに今書いている章は書き終えておきたいなと。がんばります(汗)。

 皆さまも熱中症にはどうぞくれぐれもお気をつけて、ステキな一週間をお過ごしください。
 ではでは♪
 ▼・ェ・▼今週のクースケ&ピアノ∪・ω・∪ 



食事中。体重6.6kgのクースケに
対してピアノはまだ1.5kgですが、
驚くほどの痩せの大喰いです!

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2018年7月23日
山田 真美
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