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2007年4月16日号(第259号)
今週のテーマ:
ワイン・テイスティングと映画鑑賞会
 本題に入る前に一言。

 前回の「高野山東京別院でラオウの葬儀」の一件もかなり衝撃的でしたが、先週も、それと同レベルで吃驚なニュースが配信されていました。「海上自衛隊が戦隊シリーズ風プロモを制作」のニュースです。

 プロモをまだご覧になっていない方は、まさに必見モノですのでこちらをご覧ください。冗談でなく、これはホンモノの海上自衛隊公式プロモーションビデオだそうです。

 高野山といい海上自衛隊といい、どうやら日本はそちらの方向へ流れ流れているようですね。
 「そちらの方向」とは、つまり、永遠にコドモのままでいたいと願う人々が集う国、ネバーランドがある方向です(苦笑)。

 もっとも、これは今に始まったことではなく、日本は昔からお子さま文化の実験場のようなところです。その意味では、この路線で攻めてゆくのはあながち間違いではないかも知れません。

 しかし、それを長期的ビジョンにのっとった戦略としてやっているようには見えず、散発的かつ思いつきでやっている雰囲気が見え見えなところが心配です。

 一連の出来事が私の目には、酸いも甘いもわきまえたオトナが確信犯的に遊んでいるのではなく、まだ世の中のことを知らないコドモが無責任に遊んだ結果のようにしか見えないのです。

 面白おかしいことを一時的に発信してはみたけれど、では、それに対する社会的な責任を取れるのかと言うと、どうもその姿勢は感じられませんから。

 海上自衛隊のプロモに関しては、自衛隊内部でも賛否両論が渦巻いているようで、4月9日付の読売新聞によれば、陸上自衛隊と航空自衛隊は、

あんな奇抜なものは、うちではとてもできない

と口をあんぐりさせ、海上自衛隊トップの海幕長(59歳)は

「これからの時代は、我々年寄りの感覚よりも、若い世代の視点でやった方がいい」

苦笑まじりに話したとか。

 この新聞報道を読んで、私はますます頭を抱えましたよ。特に、「若い世代の視点でやった方がいい」という海幕長(59歳)の言葉には、正直なところ首を傾げてしまいました。

 自分自身が「これは素晴らしいプロモーションビデオだ!」と自信をもって容認するなら構わないんです。
 でも、この方の場合は“苦笑しながら”(←ここポイント)若い人に責任を預けてしまったわけでしょう? これって、言ってみれば丸投げですよ。

 一般企業ならまだしも、一国の命運を握る軍隊のトップがそんな甘い考えでよろしいのでしょうか? これを年寄りの迎合だと思う私は厳しすぎますか(笑)?

(ちなみに、59歳は決して年寄りではないと私自身は思っています。しかし今回はご本人が年寄りと仰っているのですから、きっとこの方はそうなのでしょう)

 以上、わが祖国の未来がやや心配になった先週の出来事でした。

 ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

 さて、気を取り直してこのへんで本題へ―。

 先週はよく学びよく遊び、仕事に遊びに忙しい1週間でした。しかし、仕事の内容をいちいちここに書いても仕方がありませんので(笑)、遊びの内容だけ、駆け足でご報告いたしましょう。

★4月11日(水)
『ワイン・テイスティングの夕べ』

 オーストラリアン・ワインの輸入代理店「ヴァイアンドカンパニー」を経営する唄(ばい)淳二さんからお誘いを受け、田町駅近くのワインショップ「ル・ヴァンヴィヴァン」で行なわれたワイン・テイスティンの会に出席して参りました。

 今回はオーストラリアン・ワイン特集だったのですが、マルベック100%の赤や、驚くほど素直で純粋無垢なリースリング、さらには深い余韻のあるヴィオニエと、天国のような至福の時を過ごさせて頂きました♪

 そんな感じでワインを堪能していたところ、見知らぬ若くてキレイな女性からいきなり話しかけられたんですよ。「あの…大変失礼ですが山田真美さんではありませんか…?」って。

(拙著を読んでくださった読者さんかな?)と思い、何気なく「はい。そうです」とお返事したところ、なんとビックリ、彼女から返ってきた言葉は、

「私、以前、幻冬舎で先生のご著書『夜明けの晩に』の校正を担当させていただいた○○と申します。その節は本当にお世話になりました」

だったではありませんか! いやあ。これには驚きました!(本の校正には大勢の方が関わってくださいますから、作家が担当者全員の顔を知っているということはまずないのです)

聞けば彼女、今は別の出版社でワインの専門誌を作っていらっしゃるとのこと。

「ぜひ、うちの雑誌にも何か書いてくださいませんか?」

というお話だったので、喜んでお引き受けしましたが、本当にご縁とは摩訶不思議なものですネ。
  
ワイン・テイスティング会場の様子(カメラの設定を間違えたため写真がボケててごめんなさい)
★4月14日(土)
『煎茶を喫みながら世界の民族記録映画を見る会』

 国立民族博物館の大森康宏教授が長年にわたって記録してこられた世界の民族映像を、迫力ある大画面で観覧ながらおしゃべりする会が開かれました。

 今回、私は、河合徳枝さん(国際科学振興財団主任研究員)、河口洋一郎さん(東京大学大学院情報学環教授)、高山正也さん(国立公文書館・映像記録学会)、佃一可さん(茶道家)、やすみりえさん(川柳作家)と共に会の世話人をさせて頂きました。

 当日上映された映像は、バリ島のディスコテークをテーマにした『ジョゲット・ブンブン』(1985年作品、約40分)と、京都府の静原町で室町時代から引きつがれてきた青年の元服式を記録した映画『烏帽子の子たち』(1979年作品、約70分)の2本。

 どちらも見応えのある映像でしたが、特に後者の『烏帽子の子たち』は、今はもう廃れてしまって見ることが出来ない伝統的な元服の儀式を収めた貴重な映像です。

「わずか28年前まで、日本ではこんな儀式が行なわれていたのか!」と驚かされること必至のフィルムです。

 息子の元服式に当たっては、

*1979年当時のお金で1,500万円かかったこと
*その費用を捻出できない人が増えたために、次第に儀式が廃れてしまったこと
*この町で「長男」として生まれてきた男には「住む場所を選ぶ自由」は最初からなく、元服式は言ってみれば「おまえは死ぬまでこの町で暮らさなければならないのだ」というメッセージを伝えるための残酷な通達式であったこと

……などなどが、淡々とした画面の中に恐ろしいほど深く刻まれた秀逸な作品となっていました。

 それに 、映画が撮られた頃はまだ身分制度の名残があって、服装(例えば足袋を履いているかいないかなど)を見ただけで、人間の身分の上下がハッキリと見て取れることも驚きでした。

 これって、明治大正とか昭和初期の話ではなく、わずか28年前の日本の姿なんですよ。

 今はさすがに、ここまであからさまな差別は残っていないものと信じたいですが……日本人もインドのカースト制度を決して笑えませんよね。

映画について解説する大森康宏教授
 映画会の終了後は、会場の近くにある大森先生オススメの日本料理屋に場所を移し、参加者ほぼ全員でのお食事会となりました。

 たったいま観てきたばかりの映画の話題を肴に、かなり興奮気味&無礼講の大宴会となったことは言うまでもありません。
  
映画の後のお料理がまた秀逸でした。左写真のマグロに注目!(貝のスプーンで削り取って食するのです)


  
食事中の風景。写真掲載の許可を取り忘れたため、掲載OKが出ているお友達の芳賀直子さん(舞踊
研究家=白いジャケットの女性)と唄淳二さん(11日の日記にも登場したワインインポーター=グレー
のジャケットの男性)のみ、お顔出し。ほかの皆さんはお顔を隠させていただきました(せっかくのイケ
メン揃いなのにお見せできず残念!)
★4月15日(日)
『インド共和国グジャラート州首相ナレンドラ・モディ氏に単独インタビュー』

 来日中、と言うより、昨日日本に到着なさったばかりのグジャラート州首相を単独インタビューして参りました。
 その内容は、この夏に出版予定の本の中で発表いたします。

 そして今日はこれから、まずは駐日アルゼンチン大使主催のパーティーに出席し、そのあとはグジャラート州首相を歓迎する晩餐会へ行って参ります(ちなみに、この会の呼びかけ人は森喜郎元首相)。

 さて、どんな楽しい会になりますやら(笑)。というわけで、そろそろ仕度をして出かけます。
 晩餐会の様子は、次の「週刊マミ自身」で(もちろん写真つき)レポートしますので、お見逃しなく。

 皆さまも、よい1週間をお過ごしください。
 ではでは♪
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


幸福そうなブースケの寝顔

※前号までの写真はこちらからご覧ください
事事如意
2007年4月16日
山田 真美