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2011年3月28日号(第415号
今週のテーマ:
震災後の日本へ[2]
★ 仏教エッセイ ★
真言宗のお寺・金剛院さんのウェブ上で『仏教一年生』と題したエッセイを連載中。第32回のテーマは「娘の結婚に想う」です。左のロゴをクリックしてページに飛んでください。
前号から続きます。

【 お 金 は 天 下 の 回 り 物 】

 さて、今この瞬間、私がいちばん懸念していることの一つは、この大震災によって日本経済が著しく停滞する事態です。

 今、首都圏では、すべてが一気に自粛ムードに陥っています。これは実にマズい。東京を中心とする首都圏で人々が財布の紐を固く締めてしまった場合、ほうぼうで倒産が起こる可能性があります。そうなったら復興どころではなくなってしまう。

 言うまでもなく、お金は天下の回り物です。
 それを回さずに止めてしまうと、それだけ復興も遅れます

 こんなときにバカ騒ぎをする人はさすがにいないでしょうし、それは不適切だと思います。しかしながら、ごく普通に遊びに出かけ、買い物をし、外食をするといった経済活動までが停滞してしまっては元も子もありません。そんなことになったら、それこそ国益が損なわれてしまいます。

 こういうときは結婚式新歓パーティーといった「慶事」を自粛する傾向も強いのですが、その必要はないのではないでしょうか。むしろ、そういう楽しい気持ちを抑え続けることで日本人全体の士気が下がってしまうことのほうが、どんなにか恐ろしい!

 今は「自粛」している場合ではありません。
 むしろ、ごく普通にお金を使いましょうよ。そして桜が開花したら、例年どおりお花見にも出かけましょう!

 先日、仕事の打ち合わせを兼ねて六本木の和食のお店で大震災後初めての外食をしてきましたが、このお店では収益の10%を被災地に寄附する活動をしていらっしゃいました。
 買い物などをするときは、出来れば復興を支援しているお店を選んでお金を落とせたらベターですね。

 ともあれ生活の動きを止めてしまわないこと。これがとても大事だと思います。

【 卒 業 式 の 中 止 @ 都 内 】
 首都圏では早慶上智、一橋などの大学で軒並み卒業式が中止になりました。

 「節電のため」に加えて、「余震が来たら危険だから」という予防措置でもあったのかも知れませんが、そこまで神経質になる必要が果たしてあったのか、正直、疑問です。

 だって、卒業生にとっては一生に一度のことなんですよ。それを中止だなんて、可哀想に。
 卒業式中止と共にキャンセル続出の貸し衣装屋さんや写真屋さんetc.も、実にお気の毒でした。

 卒業式を行なわなかったのは節電のためだとして、果たしてそれがどれほどの節電効果を産むのか……。どうせ昼間なのですから照明を落とし、暖房を弱くして上着を着たままでもダメだったのか……。
 このあたりのことを詳しく御存知の方がいらっしゃいましたら、素人の私にもわかるように数字を挙げて御教示いただけませんでしょうか(いや、嫌味とかではなく、本当にわかりませんので)。

 「余震が危ない」ということであれば、いざというとき動きやすい平服で式を挙行すれば良かったのにと個人的には思いますが……まあ、学校それぞれのお立場・お考えがあるのでしょう。

 ちなみに東大では卒業式を縮小して、「各学部・研究室の総代のみ出席」。
 お茶の水女子大では平服で卒業式を敢行したそうです。

 被災した東北の小学校や中学校で卒業式を挙行しているニュースを聞くにつけても、東京都内の大学が卒業式を中止したという話には違和感を覚えずにいられません。

【 原 発 事 故 は 人 災 】
 今回の原発事故が人災であるという意見には、おそらく多くの方々が同意なさることと思います。

 なにしろ総理みずからが現場の足を引っ張っていたことが露呈(詳細はこちら)。

 原子力安全・保安院は、テレビで会見を見る(聞く)限り、右の資料をただ左へ流しているだけとしか思えませんし、かんじんの東電に至っては、この期に及んで隠し事はするわ、数値は間違えるわといった有り様で、あまりにも無残な人災ぶりと言わねばなりません。

 原発事故に関して、今、私が言いたいことは次の2点です。

[1]中立的な意見を聞きたい
 原発で今何が起こっているのか、私は真実を知りたいのです。原発によって多少なりとも利を得ている、いわゆる「御用学者」や「御用評論家」をマスコミに登場させるのはルール違反だと思う。

 原発は産業自体が巨大な利権そのものですが、だからこそ、そこから完全にアウェイな人(例えば既に退官して今は全くどことも関係のない元大学教授とか、電力会社との間に何ら利害関係のない外国の専門家とか)を選んで、中立的な意見を聞き出すのがマスコミの仕事ではないでしょうか。

 もっとも、かんじんのマスコミが巨大利権の一部だった場合には、国民は永遠に真実を知らされないわけですが……。

 利権と繋がった専門家の意見を公共の電波で流すことには、百害あって一利なしです。
 今すぐ、やめてください。

[2]原子炉のメーカーについて
 東京電力という組織に隠蔽体質があるらしいことは、今回の一連の出来事でハッキリしました。そのことから危惧されるのは、東電が今なお原子炉メーカーを除外し、自分たちだけで事態の収拾を図ろうとしているのではないかということです。

 もしそうだとしたら、これは恐ろしいことだと思う。

 今回のような事故に際しては、真っ先に原子炉の設計担当者を招集し、事態を鎮静させるための最善策を練るべきだと思うのですが、果たしてそうした措置は取られているのでしょうか。これまでの報道を見ている限り、メーカーの技術者が現場に呼ばれたという話は一切出て来ないのですが……。

 ちなみに福島第一原発の原子炉メーカーは、1号機はアメリカのGE、2号機は東芝とGM、3号機は東芝、4号機はHITACHI、5号機は東芝、6号機は東芝とGEだそうです。

 東京電力は自分達だけで解決しようなんて思わず、今すぐメーカーの全面協力を仰ぐことが重要だと思います。また全体の指揮系統は東電ではなく、今すぐ(というか事故発生直後から)政府が掌握すべきでしょう。

【 節 電 は 未 来 永 劫 に 続 け よ う 】

 今回の一連の出来事は大いなる悲劇ではありますが、しかしそれと同時に、日本が生まれ変わるためのヒントが与えられたのかも知れません。

 たとえば節電。これまで私たちは莫大な電力を消費し、夜も煌々と明かりを灯すことを良しとし、それがあたかも文明の象徴であるかの錯覚に陥っていました。けれども考えてみれば(考えてみなくても)そもそもそれ自体が異常なこと。

 私はしばしばインドの奥地(例えばヒマラヤの寒村など)へ行き、1日のうち電気が来るのは2時間だけといった暮らしを経験してきました。
 そういう暮らしは、確かに不便ではあるのですが、そうなったらなったで人間は工夫をこらす生き物ですし、2時間という時間を最大限有効に使うようになるものなのです。つまり、電気が少なかったら少なかったで何とかなってしまうものなのですよ(これホント)。

 無論、今の日本人にヒマラヤの人々と同じ量の電気で生活してもらうのは到底無理としても、今回の事故を契機に「今のままではダメだ」という強い危機感を覚えた方は、決して少なくないはずです。

 下の表(日本の電力消費推移)を見てください。そしてこれからの日本人が進むべき道を――本当の幸せって何だろうといった部分も含めて――ひとりひとりが真剣に考えましょうよ。

(参考資料: 独立行政法人科学技術振興機構ウェブサイトより)
 今回、節電のために家族全員がひとつの部屋で過ごしたことによって、思いがけず両親や子ども達との会話が増えて楽しかったという話をあちらこちらで耳にします。

 日本人の生き方を本気で見つめ直すチャンスが到来したのかも知れません。
 そして、もしもこのことについて今考えなかったら、そのチャンスはもう二度と再び巡って来ないような、そんな気がしてならないのです。

 以下、次号に続きます♪
(※この日記は必要に応じて適宜、追記します)
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


寝るときはお互いが「湯たんぽ」替わり。
これが本来あるべき姿だよネ!

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2011年3月28日
山田 真美
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