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2010年3月14日号(第378号)
今週のテーマ:
星とAKIRA
★ 仏教エッセイ ★
真言宗のお寺・金剛院さんのウェブ上で『仏教一年生』と題したエッセイを連載中です(毎月28日頃に更新)。第22回のテーマは「美人病にかかる(後編)」です。左のロゴをクリックしてページに飛んでください。
 前回、「ゆっくり執筆に専念したいので、誘われても飲み会には出ません(キリッ)」などと立派なことを書きましたが、スミマセン、結局先週は2度も外出してしまいました(やっぱりネ(苦笑))。

 といっても遊び呆けていたわけではなく、お出かけ先は2つとも勉強会ですよ、勉強会!

 ひとつ目は六本木ヒルズで行なわれた「天文学と占星術の不思議な関係」なるトークショー。

 天文学者・渡部潤一さんvs.占星術師・鏡リュウジさんの対話という、どうにも気になるヘンテコな組み合わせに魅かれ、思わず書斎を飛び出してしまいました。

 ちなみに私、渡部さんとは10年来のお友達。
 鏡さんとは日本文化デザインフォーラムでご一緒で、魚座仲間です。

占星術師の鏡リュウジさんと。鏡さんの肩ごしに
小さく写っている方が渡部潤一さんです
 おふたりのお話はなかなか示唆に富んでいて面白かったのですが、そのなかで特に興味深かった言葉をメモっておきますネ。
占星術は西洋で最後まで生き残った多神教である」by 鏡リュウジさん
 星座は、もともと神話と深いかかわりがあります。西洋にも多神教の時代がありましたが、やがてユダヤ教が生まれ、そこからキリスト教やイスラム教といった宗教が派生しました。これらは唯一絶対神を掲げる一神教です。

 しかし占星術には、今も多神教の神々の名前が(星や星座になぞらえて)登場するわけ。
 そのことを、鏡さんは上記の言葉でうまく表現なさいました。
「次に東京で皆既日食が見られるのは2762年8月12日です。しかしこの部屋にいる人たちは、残念ながらそれまでにみんなお星様になってしまっているでしょう(笑)」by 渡部潤一さん
 確かに私も、2762年まで生きる自信はちょっとありません(笑)。
科学とオカルトを分けたのは天文学」by 鏡リュウジさん
 天文学者のコペルニクスが唱えた地動説によって、それまでの価値観が180度変わって科学革命が起こり、科学とオカルトが分かれたわけです。実に的確な表現だと思います。
「日本にastrologyという言葉が紹介されたとき、考星学(こうせいがく)と翻訳されました。訳したのは『坊っちゃん』の山嵐のモデルになった隈本有尚(くまもと・ありたか)という天文学者です」by 渡部潤一さん
 へぇ〜へぇ〜へぇ〜(なんというトリビア)!
 ちなみに現在では、astrologyはご存知のとおり「占星術」と訳されています。

 トークショーのあとは、渡部さん&鏡さんとご一緒に森タワーの屋上へ昇り、土星と木星の観望会に参加。ちょっと寒かったけど、実に美しく楽しい一夜でした。

 さて、ふたつ目の勉強会は、恒例となりました「民族記録映画を見る会」。
 今回は特別編ということで、世界的に有名なアニメ『AKIRA』を観賞したんですよ。

 しかもその上映場所というのが、なんと『アキラ』の音楽を担当した芸能山城組のスタジオ!

 いやあ、これが凄かったです。何が凄いって、部屋の四隅に置かれたスピーカーからゴゴゴゴゴ……と地鳴りのように響いてくる音

 まるで、音が鼓膜だけでなく皮膚にまで突き刺さってくるような、リアルなのかアンリアルなのかわからない異様な感覚で、迫力・臨場感ともに尋常ではありませんでした。

 私はほとんどアニメを観ない人間なので、当然『AKIRA』を観るのも初めてだったのですが……なんだろう、全編に流れるあの独特の雰囲気。

 あれ、密教の修行にとてもよく似ている気がします。というか世界観が実に密教的。
 個人的には、「『AKIRA』は煩悩と悟りの物語なのだな」と勝手に解釈した次第です。

 それにしても、もっとアニメを観なくちゃイカンな私(猛反省)。
 とりあえず次は『宇宙戦艦ヤマト』だ(爆)。

素晴らしい映像を観たあとは、お酒も食事も最高に美味しい! 五臓六腑にしみわたります!
(左から)建築ジャーナリストで千葉大学客員教授の中谷正人先生、私、仲良しの藤波亜由子さん


  
(右の写真)左から煎茶道家元の佃一可さん、東京大学名誉教授の原島博先生、
立命館大学映像学部長の大森康宏先生



8人用のお座敷を14人で使ってます(右端の中谷先生が写真からハミ出てしまいました(残念!))
 今週は、ひょっとしてひょっとすると京都・奈良へ取材に行って来るかも知れません。

 ではでは♪
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


庭で遊ぶうちに眠くなったのか、石像のように
立ったままコックリコックリし始めたブーパン

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2010年3月14日
山田 真美
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