2009年6月27日号(第340号)
今週のテーマ:それぞれの幸先良いスタート |
★ 仏教エッセイ ★
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真言宗のお寺・金剛院さんのウェブ上で『仏教一年生』と題したエッセイを連載中です。第15回のテーマは「アンチエイジング」(28日頃に更新の予定)。左のロゴをクリックしてページに飛んでください。 |
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今週は何やら新しいことのスタートに彩られた毎日でした。
まずは、大好きな女友達のラヌさん(インド人)がつい最近引っ越したばかりの新しいおうちへ遊びに行ったところから1週間が始まります。
都心とは思えない素晴らしい環境(林の中!)に建つお屋敷でチャイしながらの、私たちの会話。 |
「今日はこれからお茶仲間の結婚式なのよ。そろそろホテルへ行って、ドレスに着替えなくちゃ」 |
「あっ、そうなんだ? で、マミは何を着るの?」 |
「今日は新婦さんがインターナショナルスクールの出身、新郎はマレーシアの男性で、かなり国際色豊かなパーティーになるようだから、私はサリーを着る予定」 |
「それなら、ここで着替えて行ったら? ホテルの更衣室は狭いでしょ。なんなら着付け、手伝うよ」 |
「やったー! ラッキー!」 |
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……というわけで、ラヌさんにサリーの着付けを手伝ってもらいました。 |

お友達のラヌさんにちゃっかりサリーの着付けを手伝ってもらうの図(ラッキー♪) |
さて会場のANAインターコンチネンタルホテル東京に駆けつけてみれば、そこは世界各国から集まったゲストで既に大賑わい。
主役(新婦)のアスカちゃんは、私にとってはお茶の姉弟子(あねでし)に当たります。
もちろん、年齢はずーっと下ですけど(笑)。
新郎のグレンさんはマレーシア人。おふたりは、近頃には珍しいほど純粋で初々しいカップルで、見ているだけで心が洗われる感じ……。
それに加えて、パーティーのあいだ私がずっと注目していたのは、会場の片隅で若いカップルをじっと見守っていた優しそうなアスカちゃんのグランパ&グランマでした。
聞けば、おふたりは今年がダイヤモンド・アニヴァーサリー(結婚60周年)なんですって!
60年添い遂げるって、凄いことですよね。これからも、ずっと元気で長生きしてくださいネ。
アスカちゃんとグレンさん、素敵な結婚式にお招きくださり、ありがとうございました。
どうぞ、いつまでもお幸せに! |

新婚さん(アスカちゃん&グレンさん)を祝福するお茶の仲間

(左)新婦・アスカちゃんのダンディーなパパを囲んで。ちなみにパパも素晴らしい茶人です
(右)アスカちゃんが小さかった頃の写真をそっと見つめるグランパ&グランマの後ろ姿 |
その翌日は、今月6日に息子が卒業したインターナショナルスクールの日本人ママたちの第1回同窓会が、早くも執り行なわれました。
会の言いだしっぺは、例によってお祭り大好き人間のワタクシなのですが(笑)、一体なぜ「ママ同窓会」などを開こうと思いついたか、その理由は、しごく簡単です。
世の中に「PTA」と呼ばれる団体は星の数ほどありますが、息子が卒業した学校のママたちにはユニークで楽しい女性が多く、このままサヨナラしてしまうのは惜しかったから。理由はそれだけです。
思えば人間関係って面白いですね。
たとえば、学生時代はお揃いのハンカチを持ったり手をつないで歩くほど仲が良かった女友達と、何十年後かに逢ってみて、
「えっ? あの頃の私は、この人と何を話してたんだっけ?」
と面喰らうほど、相手が赤の他人のように感じられることってありませんか?
オトナになればなるほど、それまでの人生経験の量と質が生活のなかにカタチとして如実に現われてしまう。この事態は避けようがありません。
だから、長い時間を経て再会してみると、かつて仲が良かった相手が非常に遠く感じられたり、逆に、かつては縁のなかった相手と突然理解し合えたりということが、当然あるわけで。
そのように多岐にわたる人間関係のなかで、子どもをインターに通わせていた日本人ママ同士は、ある特殊な共通項で結ばれているんですね。つまり、
* 全員が、今年で18歳になる子の母親である。
* 日本人だが、考えるところあって子どもはインターに通わせた。
* 子どもたちは基本的に全員、この秋から米国、英国、カナダなどの大学に留学する。
* 日常的に英語を話す環境で生きている人が多い(国際結婚している人も多数)。
* 海外生活が長かった人が多い。
……といった、一般社会では特殊と思われがちな条件を、ほぼ全員が共通項として備えているわけです。
だから、少なくとも育児や教育方針に関して言えば、彼女たちとはほぼ説明しなくてもわかり合える。一緒にいて楽。大切にしたい女友達です。 |

第1回“日本人ママ同窓会”。すごい美人(!)が多いので、本当はお顔を
お見せしたいところなのですが、個人情報なので残念ながらヒミツ(笑)♪ |
忙しかった今週の締めは、横浜パシフィコで今日(6月27日)からスタートした「海のエジプト展」のオープニングパーティーへの出席。
写真ではわかりにくいかも知れませんが、エジプトの壁画がプリントされたドレスで出かけました。
これまで私はエジプト学にはさほど興味がなかったのですが、今回は1,000年以上の昔に海底に沈んだ古代都市から引き揚げられた神像やオブジェの展覧会ということで、むしろ海洋考古学という分野に惹かれました。
若いとき(22〜23歳)にこういう展覧会と出逢っていたら、当時海洋学部に所属していた私はマッコウクジラの研究からから転じて海洋考古学を専攻していたかも。それぐらい魅力的な分野だなと思いましたよ。
そう言えば、エジプトといえばツタンカーメンのミイラで有名ですが、ミイラは英語でマミィ(笑)。
……なんというか、ご縁を感じますねえ(笑)。
オープニングパーティーでは水野誠一さん、黒川かこさん(黒川紀章先生の娘さん)、それに大須賀勇さんなど旧知のお友達にも逢えて、たいへん楽しい夕べとなりました。 |

海のエジプト展オープニングにて(右は当日着用ドレスの柄の拡大図です)

右の写真は、海底遺跡に沈んでいた古い像と対峙した海洋考古学者。素晴らしい瞬間です!

スフィンクスをこんなに間近で見つめたのは初めて。瞳のなかに籠められた深い想いを感じました

(左)当時の石の枕。クレオパトラもこんな枕で眠ったのかな? (右)幻の香り“キフィ”

おふざけコーナーもあります。会期中は“クレオパトラなりきり写真コーナー”も登場するとか!? |
スフィンクスも石の枕も何もかも素晴らしい展覧会でしたが、そのなかで私がダントツに気に入ったのは、今回のために特別に再現されたという古代エジプトの香料、その名もキフィ(Kyphi)。
これは、ワイン、乳香、没薬(※)などその当時としては最高の材料を使い、数日をかけて作ったものだそうで、現在では幻の香りと呼ばれている由。
香料のみならず薬品としても珍重されたキフィは、私がこれまでに知っているすべての香りのなかで、最高に甘く、最高に蠱惑的で、メロメロに蕩けてしまいそうなイメージでした。
これぞまさにクレオパトラの香りですよ。この香りで近づいて来られたら、カエサルだろうがアントニウスだろうが、皆さん一発で陥落したはず。落ちない男がいたとすれば、風邪をひいて鼻が詰まっていたのに違いありません(笑)。
キフィの香りを聞くためだけに展覧会に行っても、決して損はない。
1週間の終わりに、そんな贅沢な香りの体験をさせていただきました。
ではでは♪
※没薬(もつやく): 熱帯産のカンラン科の低木コミフォラからとれるゴム樹脂。堅い塊状をなし、黄黒色で臭気が強い。エジプトでミイラ製造の防腐剤や薫香料に用いた。痛み止めや健胃薬・うがい薬などに利用される。ミルラ。(『大辞泉』より) |
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪

髪をカットしたら、歌い出したいほど身が軽い〜♪
(※前号までの写真はこちらからご覧ください) |
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