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2008年8月13日号(第305号)
今週のテーマ:
バカボンを想う夏
★ お し ら せ ★
真言宗のお寺・金剛院さんのウェブ上で『仏教一年生』と題したエッセイを連載中です(毎月28日更新)。第4回は「祖母の形見」。左のロゴをクリックしてページに飛んでください。
 人生の極意をたった7文字のひらがな「これでいいのだ」に凝縮してみせた天才漫画家の赤塚不二夫さんが8月2日に亡くなられました。

 8月6日の午後6時から告別式が行なわれたお寺までは、拙宅から徒歩15分。ぜひお焼香に伺いたかったのですが、ちょうど同じ時間帯に私は西へ向かう新幹線に乗ることになっていたため、残念ながら出席することは叶いませんでした。

 新幹線で西に向かった理由は、翌8月7日の朝から高野山大学で行なわれる修士論文研究発表会に出席するため。

 うちの大学院では(他の多くの大学院も同様だと思いますが)、この発表会で研究発表をしない限り修士論文を清書させてもらえないのです。
 つまりこの発表会は、修士号に「王手」をかける手前の非常に大事なステップなんですね。

 ちなみに私の修士論文を見てくださっている指導教官は文学部長の越智淳仁先生とおっしゃいまして、(ちょっと古い話で恐縮ですが)今から4年前の2004年9月22日に放送された「トリビアの泉」の中で、

「お釈迦様は仏教語で“バカボン”である」

と解説された偉ーい先生なのでございまする(66へぇゲット)。

 その番組の中で越智先生は、ブッダ、バカボン、バカボンのパパのイラストを次々に見せられ、それが何であるかを即答させられるという余興にまで付き合わされたのですが、途中にちゃっかり入っていたウナギイヌを含む全問を正解していらっしゃった余裕のお姿が印象的でした。

 後年、まさか自分がその方の弟子になって修士論文を書かせていただくことになろうとは、あのときは思いもしなかったわけですが……。人生は摩訶不思議です。

 そんなわけで私の修士論文は、しっかりバカボンにも繋がっているのですよ(マジ!?(笑))。
 ちなみにサンスクリットでバカは「幸運」、ボンは「持つ」。あやかりたい最強の名前です。

 ……とまあ前置きが長くなりましたが、そんなわけで高野山へ行って参りました。

 今回は、修士論文研究発表会の前日に大阪在住の友人(宇宙作家クラブのメンバー)と会食する予定もあったものですから、6日の夜は難波のアメリカ村で1泊することに。

 それも普通のホテルではつまらないということで、最近オープンしたばかりのカプセルホテルに泊まってみることにしました♪

 深夜までオープンのサウナ室を完備しているし、オープンしたばかりとあってベッドも備品も清潔。
 個室にコンセントがない(携帯に充電できない)のが玉に瑕でしたが、そのほかは無問題でした。
  
カプセルホテル。まずは女性専用ゾーンのロッカー室へ。ここで専用室内着に着替えます



所定のロッカーを開けると室内着、
タオル(大1枚・小2枚)、スポンジが
用意されていました


 
(左)廊下に沿ってズラリと並んだ上下2段のカプセル (右)カプセルの中
 予想していたよりもずっと快適な眠りをむさぼったあと、翌8月7日は早朝にカプセルホテルをチェックアウト。
 
 南海電鉄の難波駅→橋本駅→極楽橋駅と乗り継いで、最後は名物の急勾配ケーブルカーで高野山駅へ。さらにその先はバスに乗って高野山大学を目指しました。
 
極楽橋と高野山を結ぶケーブルカー。半端ではない勾配があり、プラットフォームの階段の上り下りも大変
 午前10時から始まった修士論文研究発表会では、「仏教国チベットへの宗教弾圧の歴史―ダライ・ラマの宗教と政治」のテーマで研究発表して参りました。

 研究発表終了後は、久々に逢った同級生たちと一緒に町内に数えるほどしかないローカル食堂へ。

 まぁ「同級生」と言っても30代から60代まで幅広い年齢の取り合わせですから、一般的な意味での同級生とはイメージがかけ離れていますけどネ(笑)。

 この人たちに共通しているのは、大学卒業後何十年も経ってからわざわざ大学院に進学しているぐらいですから、みんな好奇心旺盛で常識に囚われていないこと。

 発想が柔軟と言いますか、社会に対しても自分自身に対しても広く窓を開けていて風通しが良い感じで、一緒にいると、こちらまで爽やかな気持ちになれる仲間です。

 彼らと別れたあとは、ひとり奥の院に足を伸ばしました。

 高野山の開祖である弘法大師空海は、62歳のときに高野山奥の院で入定(にゅうじょう)したと言われます。入定とは悟りの世界に入ること。

 真言宗では、空海が「亡くなった」とは言わずに「入定された」と言います。空海は今も奥の院で生きておられるという考えから、毎日二度のお食事を欠かさずご用意しているそうですから、実際、信仰の力とは凄いものですね。

 もっとも、空海が遺した教えはいまだ健在なわけですから、たとえ生物学的な意味で空海(の肉体)が滅ぼうとも、空海の本質は今も生きているという話に嘘偽りはないわけですが。

 ところで、私が奥の院を訪ねるのは今回で確か5回目ですが、来るたびにいつも気になっているのは、奥の院の手前約2kmにわたって並ぶ無数の石塔や石碑に紛れるようにして建てられた「スキー場 200m」の看板。

 ええっ? この先が冬場にはスキー場になるの? 冗談抜きで?

 それが本当なら、冬休みにスキー板を抱えて再訪したいんですけど……本当かなぁ。
 ここが私にとって今いちばん気になる高野山のミステリー・スポットなのでした(笑)。

奥の院の手前に立つ「スキー場 200m」の標識。
本当にスキー場があるのなら、滑ってみたい……
 高野山からトンボ返りした翌日は、友人でマジシャンのスティーブ・マーシャルさんから招待されてジャパン・マジック・コンベンション2008(於・九段会館)へ。

 同コンベンションでは、3年に1度だけ行なわれるマジックのオリンピックこと「FISM」の2009年大会への出場権をかけた熾烈な闘いが繰り広げられたほか、国内外から招聘された一流マジシャンらによる「世界のマジックショー」も披露されました。

 「世界のマジックショー」は、文字どおり世界を股にかけて活躍するマジシャンたちの熱演だけに、どれも甲乙つけがたい素晴らしい内容でしたが、なかでも特に私が「もう一度じっくり見て研究したい!」と興味をそそられたのは、渚晴彦さんの水中脱出マジック(手錠をかけられ水中に潜っていた女性と外にいた渚さんが一瞬にして入れ替わるマジック)。

 この手のマジックは過去に何度も見たことがありますが、渚さんのスピードとテクニックは神業でした。まさに「ブラボー」!
 
「世界のマジックショー」のフィナーレ風景。左からナポレオンズ(日本)、リュウケン(香港)、
ジョージ・ワン(マレーシア)、渚晴彦(日本)、ディメール(アメリカ)、ザビエル・タビアス(スペ
イン)、スティーブ・マーシャル(アメリカ)各氏。甲乙つけがたい素晴らしい演技の連続でした
 その翌日の昼下がりは、お友達のあゆこさんとデート。
 いつもオシャレなあゆこさんに合わせて、最初はクール系のショットバーにしようかしらとも思ったのですが、

「でも、この夏はまだ一度も屋外ビアガーデンで飲んでいないのでは?」

と思い直し、今回は銀座松坂屋の屋上にある麦羊亭(ばくようてい)でお逢いすることに決めたのでした。

 だってスイカ・水着・ビアガーデンは夏の三種の神器
 夏の間に全部クリアしておかないと、秋に悔いを残してしまうんですよ私の場合。

 この日は、あゆこさんも私もそれぞれダブルヘッダー(このあと別の人と夕食のお約束があるという意味)だったので、ビアガーデンでは定番の枝豆&冷やしトマトをオーダーし、あとはひたすら生ビールのみ。麦羊亭は銀座ライオンの直営店ですから、何と言っても生が美味しいのです。

 デパートの屋上らしく、ビアガーデンの端っこの方には200円入れると動くピカチュウの乗り物も置いてあったりして、それを見て思わず先週に引き続きポケモンスタンプラリーに駆け出しそうになる私はかなり幼稚ですかネ(笑)。

 余談ながら、あゆこさんと私は何年か前に岡本太郎のパートナー敏子さんのご縁で知り合ったのです。逢えばいつでも会話が爆発するのは、ひょっとしたらゲージュツ的太陽エネルギーのお蔭かも(笑)。

 「空海はいまだに生きている」という話と同様に、岡本太郎と敏子さんのおふたりも「亡くなった」というのは間違いで、実は今も至るところに生きていらっしゃるように感じます。なにしろ半端じゃなく凄いエネルギーをお持ちのおふたりでしたから……。

 きっと、ああいうエネルギーのことを「」というんでしょうね。

 そして、彼らの愛によって出逢った人々(あゆこさんと私もそうです)が、その後もずーっと親交を深めているんです。改めて、おふたりの愛に感謝感謝……。
 
(左)あゆこさんと銀座松坂屋屋上のビアガーデンにて (右)ピカチュウも宴会チュウ〜
 さてさて、その日の夕食(つまりダブルヘッダー第2試合(笑))は、少し前に「週刊マミ自身」第300号で企画した特別プレゼント「マミリンとふたりで楽しむ本格派インド料理」に当選なさったノリエさんとのお食事会でした。

 ノリエさんとお会いするのは、当然これが初めて。

 どうせなら、私自身も行ったことのないお店を選ぼうと思いまして、前から一度行ってみたかった南インド料理の専門店「ダバ・インディア」にターゲットを定めました。ちなみにダバ(dhaba)は食堂という意味です。

 18時に予約を入れたところ、「18時半には満席になってしまいますから、必ず定刻にいらっしゃってください」とお店の人からアドバイスされていたのですが、実際、当日は18時半を過ぎた頃にはほぼ満席になっていましたから、かなりの人気店のようです。

南インド料理店「ダバ・インディア」の入口


 
「週刊マミ自身」第300号記念プレゼント当選者のノリエさんと、バナナの葉っぱに盛られた南インドの
定食「ミールス」を堪能♪ 予定では豪華なフルコース料理をご馳走するはずだったのですが、食堂
ですから庶民的なメニューしかありませんでした。しかし満席になるだけあって、さすがに美味しい!
 ノリエさんとは、この日初めて逢ったのが信じられないほど最初から話が弾み、本当に楽しい時間を過ごすことができました(ノリエさん、来てくださってどうもありがとう)♪

 第200号記念プレゼントの企画の内容(読者さんと一対一で食事をしたりお酒を飲むこと)についてノリエさんからは、

どんな人間が現われるかわからないわけですから、不安になりませんでしたか。例えば、実は私はすごく悪い人間かも知れないわけですし(笑)」

という意味のことを質問されたので、

「文章を読めば相手がどんな人か手に取るようにわかりますよ。“文は人なり”とはよく言ったもので、3行読めば全部わかります。ノリエさんは、とてもいい人ですよ(笑)」

とお返事しました。

 読者さんプレゼントを実施するとき、私は「山田真美へのメッセージも書き添えてください」とお願いすることにしているのですが、メッセージにしたためられた短い文章を読むだけでも、随分たくさんのことがわかるものなのです。

 そう言えばノリエさんは、今回のプレゼント企画をご覧になった瞬間、「私、真美先生にきっとお会いできるな」と直感なさったんですって。そういう直感ってとても大事ですよネ。

 実は、今回はいつものように私が阿弥陀くじで当選者を選んだのではなく、応募者全員のお名前をそれぞれ別の紙に書いて畳んで置き、その中から1枚をブースケに取って来させるという、えらく手の込んだ方法を取ったのです(爆)。

 その結果、ブースケが選んだのが「ノリエさん」と書かれた紙だったわけ。

 次に同様の企画を行なう際には、(パンダはそういうことに非協力的で使えないので)ガマガエルのガガル君が最初に手を触れた紙を当たりとする、という方法も面白いかも知れませんね。

 それはそうと、今回はゲストのノリエさんが下戸(げこ)だったため、ノリエさんはもっぱらラッシー。私ひとりで勝手にインドワインを飲んでおりました(苦笑)。

 ノリエさん、あんなノリでよろしければ、またご一緒しましょうね♪

※なお、お食事会当日の様子はこちらのノリエさんのブログでも紹介されています。

 さて、今日はもう13日。巷ではお盆の帰省ラッシュがピークを迎えている模様。
 私もちょっとこれから長野の実家に顔を出して来ようかな、などと思っているところです。

 ではでは♪
豪 州 ワ イ ン と カ ウ ラ 秘 話 の 会(募集定員:40名)
★講師/山田真美(先日のテレビでは触れられなかったカウラ事件の真相/深層に迫ります)
★日時と場所/8月23日(土)12:00より、神楽坂のレストラン「s.l.o」(スロ)にて
★主催/豪州ワイン輸入販売元ヴァイアンドカンパニー
★参加費/お1人さま5,000円(アミューズ+前菜+肉と魚からお選びいただけるメイン+デザート+4種類のオーストラリアワイン代込み)
※定員に達しましたので募集は締め切らせていただきました♪
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


トマトの豊作を喜ぶおしどり夫婦(笑)

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2008年8月13日
山田 真美
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