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2009年9月1日号(第351号)
今週のテーマ:
ブータン首相来日
★ 仏教エッセイ ★
真言宗のお寺・金剛院さんのウェブ上で『仏教一年生』と題したエッセイを連載中です(毎月28日頃に更新予定)。第17回のテーマは「35年目の同級会」です。左のロゴをクリックしてページに飛んでください。
【 山 田 真 美 講 演 会 の お 知 ら せ 】
とき:9月26日(土)午後3:00〜4:30
ところ:たばこと塩の博物館(東京都渋谷区神南1-16-8 電話03-3476-2041)
テーマ:神々が選んだ国インド――面白すぎる超時空神話をたずねて
※インド関連のイベント「ナマステ・インディア2009」(共催/インド大使館・インド文化交流評議会、 後援/外務省・東京都・日印協会等)の講師として上記の演題で講演をします。博物館への入場料(100円)を払っていただければどなたでも聴講できます(定員80名)。詳しくはこちらをご覧ください♪


 ブータン王国初の民選首相ジグメ・ティンレー閣下が来日なさり、昨夜、日本ブータン友好協会主催の歓迎レセプションが催されました。

 今回の首相来日スケジュールは、まず、成田からまっすぐ鹿児島へ飛び、さらに福岡をまわられて、東京入りは8月31日。

 しかし、なにしろこの時期の日本には選挙という名の暴風雨が吹き荒れており、さらにその直後はホンモノの台風が東京を襲撃。まさに激動の時です。

「この分だと、台風のために福岡発の飛行機が飛ばないのでは!?」

と関係者の皆さんはひどく気を揉まれたようですが、幸いにも飛行機は予定どおりに飛んで、昨日(8月31日)、無事に首相を東京へお迎えお迎えすることができました。

 ちなみに、私がジグメ・ティンレー首相閣下とお目にかかるのは昨年10月に首都ティンプーで行なわれた第5代国王の戴冠式以来、10か月ぶりとなります。
  
ティンレー首相閣下と私。第5代国王の戴冠式翌日、
ブータンの首都ティンプーにて(2008年10月)
 実は、私がティンプーで首相とお目にかかった際、首相は数日後に控えた息子さんの結婚式の準備でてんやわんやの最中でいらっしゃったのです。

 そんなお忙しいときに伺ってトンデモない迷惑だったでしょうが、首相はイヤなお顔ひとつなさらず、わざわざ時間を割いて笑顔で会ってくださったのでした(深く感謝)。

 そして、そのときにご結婚なさった息子さんの奥さまは、目下第一子をご懐妊中(男の子だそうです)。

 しかも今が臨月の満40週ということで、この日記を書いている瞬間にも「首相の孫息子さん誕生!」となる可能性が大なのです。

 ということで、実は私までドキドキしながら吉報を待っているところなのですよ。
  
日本ブータン友好協会主催で行なわれた歓迎レセプションにて(首相閣下は右から3人目)


  
(左)ティンレー首相閣下と (右)ティンレー閣下の次女でいらっしゃるペムさんと
 今回、ティンレー首相を日本にお招きになったのは、日本青年会議所九州地区協議会さんだそうです。

 ご存知のように、ブータンでは「GNP(国民総生産)よりGNH(国民総幸福量)」をスローガンに、お金よりも人間の幸せを第一に考えるスローライフを推進していることから、近年世界的な注目を集めています。

 今回のティンレー首相の九州訪問も、やはり「GNH」をテーマに講演をなさるため。
 当初、日本青年会議所さんは、

「GNHの基本構想を築いた第4代国王に来日して欲しい

との希望をブータン側に伝えておられたようですが、第4代国王(まだ54歳ですが既にご長男に王位を譲られ、現在は隠居中)は、それはもう穏やかでシャイで無垢なお坊さまのようなかた。「講演旅行」をなさるタイプではありません。そのため、このプランは没に。

「それでは第5代国王を日本に」

という日本側の次なる希望も実現は難しく、今回の首相の来日となったそうで、

「私は三番目の選択肢だったのですよ(笑)」(ティンレー首相ご本人のスピーチより)

ということのようでした。

 ちなみに、私もメンバーであるところの日本文化デザインフォーラムでは、2006年、ティンレー大臣閣下(当時は内務・文化大臣)を日本にお招きして早くも「GNH」の基調講演をしていただいたんですよ。

 自画自賛で恐縮ですが、けっこう先見の明があるでしょう?(笑)

 ところでブータンの集会では、会の最後に必ず全員が輪になって踊るのがキマリです。見た目は日本の盆踊りに似ていますが、音楽(ヴォーカル)はぐっと静かで、メリハリが少なく、しかもちょっと淋しげなメロディー。

 「月が出た出た月が出た」の『炭坑節』なんかと違って(笑)、リズムに乗るのが難しいのですよ、これが。

 昨夜のレセプションの“締め”もブータン風の「盆踊り」だったのですが、写真をご覧になっていただければ一目瞭然、最初はなかなかリズムに乗れず、日本勢はかなり苦戦いたしました(苦笑)。

レセプションの“締め”に盆踊りを踊る(左から)ティンレー首相、元駐インド日本大使・谷野作太郎氏、
日本ブータン友好協会副会長・森氏、私、元駐インド日本大使・平林博氏、ペマ・ギャルポ氏
 しかしメロディーに耳が慣れてくるに従い、次第にからだが動きはじめるから不思議です。

 お蔭さまで、終盤はすっかり大盛り上がり
  
(左)次第に、みんな興が乗ってまいりました (右)最後はこの盛り上がり
 さて、ブータンの「国民総幸福量(GNH)」は、「Mottainai」と並ぶ21世紀の二大キーワードと言っても過言ではないでしょう。

 大きな国ではない、お金持ちの国でもない、核弾頭を持っている国でもない、ヒマラヤの奥地の小さな農業国に過ぎないブータンが、世界のお手本になる。

 ……これって、なんだかとってもステキなことだと思いませんか。

 日本でも、2011年の日本ブータン国交樹立25周年に向けてさまざまなイベントが企画されており、今後はますますブータンに熱い視線が集まりそうですよ。

 私もそろそろまとまった形でブータンの文化を紹介する準備を始めたいと思っています。
 ではでは♪
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


最近のパンダのマイブームは、忍者のように
ムートンの下に隠れて息をひそめていること

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2009年9月1日
山田 真美
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