旅に出ていない限り毎週土曜日に更新します。
直前号(カウラ事件「集大成」の旅へ)は
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2014年8月20日号(第516号)
今週のテーマ:
村上輝夫さんと訪ねた70年目のカウラ
★ 仏教エッセイ ★
『仏教一年生』は『仏教二年生』と改題し、近々(博士論文が仕上がり次第)新スタートの予定です。暫くお待ちくださいませ♪
※これまでのエッセイは左のロゴをクリックしてご覧になれます。
論文「捕虜を生きる身体:第二次世界大戦期・カウラ第十二戦争捕虜収容所に於ける日本兵の日々」
『人間文化創成科学論叢第16巻』に掲載されました。こちらから全文をご覧いただけます。
キーワード: カウラ, 戦争捕虜, 身体, 男子同衾, ホモソーシャル 
 
「週刊マミ自身」読者の皆さまへ。

 いつもご愛読いただき、ありがとうございます。

 カウラへの旅を終えて無事に帰国しております。すぐにご報告申し上げるべきところでしたが、帰国の翌朝には早くもインド大使館から召集がかかり、インド文学関係のシンポジウムの打ち合わせ、駐日インド大使とのミーティング、さらにはインドのモディ首相来日の歓迎会準備までが重なり、大変忙しくしております。

 また博士論文の公開発表会(@お茶の水女子大学)が今月28日頃に控えていることもありまして、カウラ報告を完全に書き終えるのは公開審査の後になってしまいそうです。

 しかし多くの方々から「カウラ報告を楽しみにしております」というメールをいただいておりますので、とりあえず今日のところは旅先で撮った写真だけ公開することにいたします。キャプションなどは時間のある時に少しずつ書き込んでゆきますので、どうぞお暇な時に時々サイトを覗いてくださいね。

 ご理解の程、何卒よろしくお願いいたします。

 それから別件ですが、9月20日(土)または21日(日)のいずれかの日に、代々木公園にて開催の「ナマステ・インディア」でインド神話に関するレクチャーをいたします(詳細は決まり次第告知します)。お時間がありましたら、是非とも遊びにいらしてください♪
 2014年8月20日  山田真美
8月1日(金)

17時00分: 成田空港第2ターミナル国際線出発ロビーに集合。

19時50分: 成田空港発JAL771便にて一路シドニーへ。
 
(左から)オーストラリアワイン輸入会社取締役社長の唄淳二さん、私、
村上輝夫さん、ロボット工学者の吉光徹雄さん、グループで唯一「オー
ストラリア未体験者」である私の母(成田空港の出発ロビーにて)
8月2日(土)

06時35分: シドニー空港に到着。税関審査など。予約してあったレンタカーで出発。

13時頃: ブルーマウンテンズ国立公園(世界遺産)到着。
レストラン「Leura at Zest」にてイタリアンランチ。

夕刻: カウラの隣町バサースト(Bathurst)に到着。福島県大熊町との姉妹都市提携を記念して造園したという「日本庭園」を見学。スーパー(Woolworth)で明日からの食糧を買い出し。その後、レストランで夕食。

 とっぷりと日の暮れた頃: カウラに到着。

 しかしここで問題が発生。我々が泊まることになっていた宿舎の管理を担当しているのがカウラ観光公社で、鍵は公社直営のインフォメーションセンターにあり、センターが既に閉館していたため鍵をもらえない→宿に入れない→93歳の村上さんを抱えて今夜は野宿!?という大ピンチにいきなり直面。しかしまあ、どうにかこうにかチェックイン完了。……とまあ例によって最初から波乱万丈でございました。

 ついでに言えば今回は航空券に関しても波乱万丈だったのですが、これまた話が複雑ですので、申し訳ありませんが割愛させていただきます。m(_ _;)m

 ちなみにこの日の運転を担当してくださった吉光さんは、東大在学中に学生カート選手権で全国第7位に入ったほどの名ドライバーです。母がしきりに「吉光さん、運転が上手!」と言っておりました。
 
ブルー・マウンテンズ国立公園(世界遺産)にて



南半球は今が真冬、路傍にはところどころに雪がありました



ルーラ(Leura)のイタリアンレストランでランチ。アルパカのぬいぐるみを発見し思わずツーショット(笑)



バサーストにて。この小さな日本庭園はバサーストが福島県大熊町(福島第一原発1号機から
4号機までの所在地)と姉妹都市を提携した記念に造ったとのことですが原発事故以降は人的
交流が出来なくなっていると聞きました。ここからカウラまでは車でさらに1時間ほどかかります



バサーストの日本料理店にて。後方に写っている店長は親日派の韓国系オーストラリア人で
にぎり寿司の盛り合わせをサービスしてくれました♪
8月3日(日)

10時00分: オーストラリアの代表的な新聞「シドニー・モーニング・ヘラルド」と「メルボルン・エイジ」から村上さんに電話による共同インタビュー(通訳は私)。ちなみにインタビュアはハリー・ゴードン氏の御長男で著名ジャーナリストのマイケル・ゴードン氏でした。

11時30分: シドニーから新聞社のカメラマン(ピーター・ラエ氏)が到着、上記の新聞記事に掲載するための村上さんの写真を撮影。「日本人墓地」と「梅の大木の前」の2か所での撮影となりましたが、結局は日本人墓地での写真が採用されました。

12時頃~: 20年来の友達であるメアリーさんのご自宅に招かれ、ファミリーパーティー。メアリーさんのお母さまは古くからのカウラ事件研究者の間ではとみに有名な故マリオン・スターさん(2003年に60歳で急逝)です。マリオンさんに関しては拙著『ロスト・オフィサー』の59~60ページをご参照ください。

夕方: 時間が余ったので急きょワイアンガラ(Wyangala)州立公園へ。カウラなど近隣の町へ水を供給しているダムを見学。

19時00分~: オフィシャル夕食会(於・カウラ・シビックセンター)。席上、ハリー・ゴードン氏と数年ぶりの再会。また映画『シンドラーのリスト』の原作者であるオーストラリア人作家トム・キニーリー氏との出会いあり。

カウラで泊まった宿。2年前に泊まった「ブレークアウト・モーター・イン」が満室だったので、
今回は郊外の一軒家を借り切りました。その名も「ブルーガム・ファーム」(※ブルーガムは
ユーカリの意味)です。夏なら朝晩プールに入ったのですが……(笑)



裏手から見た風景。朝晩はうっすらと霜が下りていました(ちょうどカウラ事件が発生した晩が
そうだったように)




室内の様子(の一部)。リビングもキッチンも広く、まるで「暮らしているように」ゆったり4泊いたしました



スーパーであらかじめ買っておいた食材で簡単な朝食



シドニーの新聞社からわざわざ駆けつけてくださったカメラマンによる写真撮影(日本人墓地にて)



樹齢数百年と思われる梅の大木の前で写真撮影。収容所跡地のすぐ近くにあるこの木は、
70年前の暴動の一部始終を見ていたことでしょう



梅の木の前で記念撮影



故マリオン・スターさんのご一家とランチ。(前列左から)マリオンさんの旦那さま、村上さん、
御長女のメアリーさん、三女でカウラ事件研究者(シドニー大学博士課程在学中)のアリソン
さんとお嬢ちゃま、(後列左から)シドニー大学の先生、吉光さん、私、唄さん、母




アットホームなランチの様子(右下は、後日お参りに行った故マリオンさんのお墓です)



ワイアンガラ州立公園の中にあるダム(1935年完成)。渇水期のようで水量は減っていましたが、
湖全体の容量は120万メガリットル=12億立法メートル強とのこと(「Wikipedia」による)。カウラに
戦争捕虜収容所を建設できた大きな理由は、このダムの存在であったと聞いたことがあります



オフィシャル夕食会にて(左から)ブッカー賞受賞作家のトム・キニーリー氏、『生きて虜囚の
辱めを受けず』原作者のハリー・ゴードン氏、私。このあと私はカウラ事件研究者のグラハム
・アプソープ氏から誘われてホールの真ん中で一緒に踊ったのですが、皆さん「見とれていて
写真を撮り忘れた」そうで、証拠写真がありません。残念!(笑)
8月4日(月)

今日と明日の2日間は公式行事がいよいよ目白押しです。

9時00分~9時30分: ABCラジオが村上輝夫さんをライブ・インタビュー(通訳・山田)。次いで私自身もインタビューを受けました。インタビュアは以前二度ほどインタビューを受けたことのあるアンジェラ・オーウェンさんという素敵な女性。

10時00分~11時00分: カウラ・ハイスクールにて学生さん達を前に、村上さん、ハリー・ゴードンさん、トム・キニーリーさん、ブルース・ウィアさんがレクチャー。ここから俳優の宇佐美信吾さんがわれわれのグループに合流。今日は6人で一緒に行動することに。

11時30分~12時30分: セント・ラファエルズ・セントラル・スクールでも同様のレクチャー(メンバーも変わらず)。

13時00分頃~: 日本庭園内にあるレストラン「Sakura」でランチ。

 外に出るとNHKの取材班が村上さんを待ち構えておられ、われわれと一緒に戦争博物館(正式名称はWar, Rail and Rural Museum)へ移動。村上さんは博物館でテレビ取材をお受けになりました。

 ここで一旦ホテルに戻って休憩、17時からのレセプションに備えて着替え。

17時00分~: 日本大使主催のレセプション(@カウラ・シビックセンター)。私達がカクテル片手にゲストの皆さんと談笑している間、お酒を召し上がらない村上さんは新聞社の取材を受けておられました。

18時30分~: 捕虜収容所跡地にて文化イベントが行なわれるというので、そちらへ移動。最初はアボリジニ風の踊りなどが披露されていましたが、途中で村上さんが広場の真ん中に呼ばれ、「元捕虜のミスター・ムラカミ」である旨の紹介を受けました。

 このあとダウンタウンのメインストリートにある中華料理店で夕食。

 夕食後はホテルに戻り、「足が疲れましたわ」と訴える村上さんを宇佐美さんがマッサージ。驚いたことに宇佐美さんは最近シドニーでマッサージ免許を取得したのだそうです。村上さんにとってこれはラッキーな事態でした。このあとはホテルでプチ宴会。
 
ABCラジオの生番組に出演する村上さん(左)と私(右端がアンジェラ・オーウェンさん)



朝早かったためか肌寒く、村上さんはダッフルコートを羽織っておられます



同じくABCの方から「ぜひお二人とご一緒に写真を」と申し込まれ、日本庭園で記念撮影



トム・キニーリー氏と立ち話



カウラ・ハイスクールの前にて(左から)宇佐美さん、私、村上さん、吉光さん、唄さん、母



カウラ・ハイスクールでの講演を聞くために集まられた皆さん



村上さんの姿をカメラに収めるNHKの取材班など



講演を終えて日本風に手を合わせ挨拶するハリー・ゴードン氏



講演後のワンシーン。村上さんを囲んだ3人は1944年8月5日の事件
発生時にカウラ収容所に居合わせた衛兵(故人)の息子さん達です



講演会と講演会の合間のティータイム。握手する村上さんとハリー・ゴードン氏



セント・ラファエルズ・セントラル・スクールに場所を移し同じメンバーで再び講演。
(右から)司会のローレンス・ライアン氏、トム・キニーリー氏、ブルース・ウィア氏、
ハリー・ゴードン氏、村上輝夫氏、私



セント・ラファエルズ・セントラル・スクールの学生達



日本庭園内のレストラン「Sakura」のランチ(これは海老天です)




興味深い展示品が所狭しと並んだ戦争博物館の内部(右上のワイヤーは第二次大戦中に
捕虜収容所で実際に使用されていた鉄条網。左下はカウラ戦争捕虜収容所の模型)



カウラ事件の研究で知られる山陽女子高校(岡山県)の野村泰介教諭も、
学生さん達を連れてカウラにいらっしゃっていました(戦争博物館で遭遇)
8月5日(火)

 ※この続きは時間のある時に少しずつ書き足します。今しばらくお待ちください。m(_ _)m
 












 































































8月6日(水)

 ※この続きは時間のある時に少しずつ書き足します。今しばらくお待ちください。m(_ _)m







































 8月7日(木)

 ※この続きは時間のある時に少しずつ書き足します。今しばらくお待ちください。m(_ _)m
 
















 
 
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▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


この夏は雨続きでしたが、ちゃんと収穫の時が
やってきました♪

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2014年8月20日
山田 真美
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