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2014年4月28日号(第510号)
今週のテーマ:
春のいろいろ(カウラ市長来日など)
★ 仏教エッセイ ★
『仏教一年生』は『仏教二年生』と改題し、近々(博士論文が仕上がり次第)新スタートの予定です。暫くお待ちくださいませ♪
※これまでのエッセイは左のロゴをクリックしてご覧になれます。
 
 先日、お茶大に「博士論文題目届」を提出してまいりました。

 これにより当面は博論の完成に青春の熱き血潮(笑)を燃やすことが決定いたしましたので、「週マ」はもうしばらく不定期刊行が続きます。何卒お許しくださいませ。

 念のために申しあげておきますと、この「博士論文題目届」の提出にこぎつけるためには、お茶大(課程博士)の場合、以下の条件を満たしていなければなりません。

 第一に、大学院博士後期課程に2年以上在学していること。
 第二に、既発表論文が3本以上あること。このうち2本は査読付き媒体(学術誌等)での掲載でなくてはいけません。

 さらに、題目届には主指導教授と副指導教授の両名のサインと捺印が必要となります。

 指導教授が「これでよし」とゴーサインを出して捺印してくださるのは、論文の草稿がほぼ出来上がっている場合に限られますから、「題目届」を提出する段階では、要は博論の草稿は出来上がっているということになります。

 もちろん、私の草稿も完成しております。ただし、これはあくまでも草稿です。お茶大の場合は、今後5人の審査員の先生方から厳しいご批評を受け、ダメ出しが出れば書き直し、それでもダメなら再び書き直し、OKが出るまで延々と書き直すという行程がこの先に待っております(汗)。

 ここを超えれば、きっとこの世の楽園が待っている……はず……。
 論文が完成したらコパカバーナの海岸あたりでテキーラ片手にのんびりしよう……(あくまでも妄想です)。

 さて、このへんで気を取り直し、最近の出来事などまとめてみましょう。

★いつもの仲間と怪獣酒場へ

 期間限定オープンの怪獣酒場(Produced by 円谷プロ)に、いつもの仲間+新人1名の計6名で行ってまいりました。忙しいとはいえ、そこはそれ、怪獣世代には垂涎モノのこの企画、見逃しちゃ女がすたります。

 超人気店ということで、店の外には長ーい行列が出来ておりました。
 超人的な努力で予約を取ってくださった亜由子さまに感謝感激雨霰でございます♪

川崎駅前に忽然と現れた怪獣酒場にて(左から)私、平川さん、吉光さん、行方さん、亜由子さん、
新人のこうちゃん(22歳)



ついでに立ち寄った「ギネスブック認定世界最短エスカレータ」
その名も「プチカレータ」(笑)。川崎MORE'Sの地下にありました♪
★春学期スタート

 さて、昨年度に引き続き、今年度も明治学院大学経済学部で留学生対象の授業を担当させていただいております。「現代経済特講1・2 現代日本社会と経済」。水曜日の1限と2限の開講です。

 この授業では、座学をふまえながら、各省庁や研究所などを訪問し経済学を広く深くライブで学びます。今年はマイクロバスを借り切っての日帰り研究旅行も敢行の予定。学生達には、授業を通じて生の日本社会を貪欲に学び取って欲しいと願っています。
 
★オーストラリア大使館観桜会

 オーストラリア大使館(東京・港区)で催された観桜会にお呼ばれしてまいりました。

 下の写真の右上に写っている眼鏡をかけた紳士は、パラオ共和国の駐日大使ですが、お名前がなんとMatsutaroさんで、大好きだったうちの祖父(松太郎)と同じ。この一件で一気に場が盛り上がりまくったことは言うまでもありません(この一件がこの日のハイライトでした)。

ブルース・ミラー大使から届いた観桜会への招待状




右上:駐日パラオ大使のMatsutaroさんと。左下:日本文化デザインフォーラムでご一緒の
大好きなマリ・クリスティーヌさんと。右下:統合幕僚学校長の伊藤俊幸海将と歓談
★カウラ市長ら一行と広島へ

 カウラ事件70周年を8月5日に控え、4月11日から20日にかけて、カウラ市長ら6人から成る「カウラ市議会日本親善訪問団2014」が来日なさいました。

 訪問団の来日目的は、第一に、これまで長年にわたってカウラを理解しご支援くださった日本の友人達への感謝を表明すること。第二に、かつて捕虜だった方々や、そのご家族、また豪州カウラ会メンバーに直接お目にかかり、8月に開催予定のカウラ捕虜脱走事件70周年記念式典へのご参加をメディアを通じて広く呼びかけること。以上の2点でした。

 今回、カウラ市長から私に課せられたミッションは「渉外担当(リエゾン)として元捕虜の皆さんにお声をかけ、広島に於ける記者会見をセッティングすること」。

 準備段階では予期せぬ波乱万丈もありましたが、「災い転じて福となす」の諺どおり、それによって逆に新たな援軍が一気に増え、結果的にはお蔭さまでミッションは大成功。市長ら一行の来訪は広く好意的にメディアに取り上げていただくことが出来ました。

 それもこれも、常に温かく見守ってくださる皆さまのお蔭であることは言うまでもありません。
 カウラ市長に成り代わりまして関係各位に深く感謝申し上げます。

 今回はまた、カウラ事件関係者にとって長年の夢でありました豪州カウラ会(日本側の組織:主として元日本兵捕虜とその家族・遺族により構成)とカウラ・ブレークアウト協会(カウラ側の組織:主としてカウラ戦争捕虜収容所のオーストラリア衛兵とその家族・遺族により構成)による協力体制への第一歩を踏み出すことが出来ました。これは特筆すべき出来事でした。

 両者の代表が握手をし、末永い友情を誓う。これは記者会見後の午餐会の席上で起こった感動的な出来事で、カウラ事件の「本質」をよく知る人間にとってはまさに歴史的瞬間でした。日豪双方の関係者と20年以上にわたって関わってきた私にとり、今回広島で両者の橋渡しができたことは何よりも喜ばしいことでした。この瞬間をオーガナイズすることができただけでも、まさにカウラ事件研究者冥利に尽きると申せます。

 なお、今年8月1日~5日の5日間にわたって開催が予定される「カウラ事件70周年記念式典」のスケジュール詳細はこちらからご覧いただけます。カウラは宿泊施設が限られており、また期間中は弔問者・観光客で混雑することが予想されますので、参加ご希望の方はお早目にご準備くださいませ。

広島市内のお好み焼き屋さんで(右から)ビル・ウェストさん(カウラ市長)、唄淳二さん、ポール・
デヴェリーさん(カウラ市総務部長)、ゴードン・ロールスさん(カウラ・ブレークアウト協会会長)、
ロビン・ライアンさん(ローレンス・ライアン夫人)、ジョディ・スミスさん(カウラ市助役)、私、 村上
輝夫さん(元日本兵捕虜)、 ローレンス・ライアンさん(カウラ事件70周年記念式典実行委員長)



記者会見に先立ちカウラの市長・助役、村上輝夫さんの3人が並んで原爆慰霊碑に献花なさいました



メディアの取材を受けるウェスト市長(写真提供:ローレンス・ライアン氏)



記者会見の様子(左から)村上輝夫さん、ビル・ウェスト市長、後方に通訳・司会役の私、
ジュディ・スミス助役(写真提供:ローレンス・ライアン氏)



記者会見後、豪州カウラ会さんが主催してくださった午餐会に関係者が招かれました
(写真左から4人目が豪州カウラ会会長代理の淺田慶子さん)



午餐会会場にて (左から)第8代豪州カウラ会会長(故・山田雅美氏)の娘さんである
関村朱美さん、 第7代豪州カウラ会会長(故・淺田四郎氏)の娘さんで豪州カウラ会
会長代理の淺田慶子さん、カウラ・ブレークアウト協会会長のゴードン・ロールスさん
元捕虜の村上輝夫さん、私



2014年4月17日朝日新聞(夕刊)より抜粋させていただきました



2014年4月18日毎日新聞より抜粋させていただきました
★立花誠一郎さんとの再会

 カウラ市長ら一行と広島で別れた後は、岡山県内の邑久光明園(国立ハンセン病療養所)へ数か月ぶりに足を伸ばし、立花誠一郎さんに再会してまいりました。

 立花さんは元日本兵捕虜のお一人ですが、カウラ収容所到着の約3日後にハンセン病に罹患なさっていることが発覚し、一人用テントに隔離されていたがために暴動を至近距離で目の当たりにしながら参加できなかったという、たいへん数奇な運命をたどられた方です。

 既に立花さんの「らい菌」は完全に陰性(病気は完治している状態)ですが、ご高齢に加え、社会の中にいまだ残るハンセン病への偏見などもあって、今も療養所で暮らしておられます。ちなみに「立花誠一郎」というお名前は、ご実家に迷惑をかけないために名乗っておられる偽名です。

 今回の一泊二日の訪問中には、立花さんをドライブにお連れしたり、「カウラ事件70周年」へご一緒に行きましょうとお誘いもしてみました。

 前回お目にかかった時の立花さんは、カウラへ行きたいお気持ち半分・無理と思うお気持ち半分、ふたつの気持ちが拮抗していらっしゃったのですが、残念ながら今回は「体力的にもう無理」というほうへ大きくお気持ちが傾いておられるようでした。

 数十年にわたって続けて来られた短歌もこの3月で投稿をおやめになったとのこと。このまま気力を失ってしまわれるのではないかと大変心配です。邑久は遠く、たびたびお目にかかることは難しいのですが、これからもなるべく頻繁にお訪ねして(私では力不足とは思いますが)出来る限りご一緒させていただきたいと思っています。

※なお立花さんの捕虜体験について書いた私の論文「ハンセン病を患った日本兵が見たカウラ事件」が、『オーラル・ヒストリー研究』第9号(日本オーラル・ヒストリー学会, 2013年9月発行)に掲載されています。図書館などでお見かけになりましたら何卒ご高覧ください。この内容は博論でも取り上げます。
 
邑久光明園から車で15分ほどの道の駅へドライブ。立花さんにとっては
20年ぶりの訪問だった由。ドライブにお付き合いくださった瀬戸内海放送
の満田康弘さん、友人の唄淳二さん、ありがとうございました!



邑久光明園の立花誠一郎さんのお部屋にて。「近いうちにまた遊びに来ますよ」と指切り♪
 ★母に「職場」を見せる

 身内に慶事があって母と姪が上京しましたので、前夜からの宿泊先である目黒雅叙園でブランチしたあと、二人を私の職場である明治学院大学(港区白金台)に連れて行くことにしました。

 たまたま小チャペルで行なわれていたハープの音楽礼拝を観賞したり、明治学院記念館(下の写真の右側に写っている煉瓦色の建物=1889年造=国の重要文化財)で開催中の「聖書和訳と明治学院」展を拝見したり、高輪一丁目に足を伸ばして私が学生時代に住んでいたアパートの跡地(現在は駐車場になっていますが)を見たり、さらに泉岳寺まで足を伸ばして四十七士の墓所に参拝したり。

 82歳になるがことのほか大喜びしてくれて、少しは親孝行できたのかなと思いました。

目黒雅叙園で、母と私(Photo by 姪)



明治学院大学をバックに記念撮影。これと全く同じ場所で大学入学の日(1978年4月)にも
スナップ写真を撮ったのですが、その写真はどこかへなくしてしまいました(残念)
 ★役者・宇佐美慎吾さんとお茶

 世界を股にかけて活躍中の役者さんで、私にとっては「弟」のような存在の宇佐美慎吾さん(オーストラリア在住)と久々に東京でお茶。普段からFacebookではあれこれ連絡を取り合っているんですけど、やはり直接会って話すのは楽しいですね。

 少し前には『終戦のエンペラー』で
天皇陛下の通訳役を好演していらっしゃった慎吾さん。この次はアンジェリーナ・ジョリー監督の"Unbroken"に直江津の戦争捕虜収容所看守役で出演なさるんですよ。

 ちなみにこの映画は実話をもとにしており、慎吾さんが演じるのは戦後に
BC級戦犯の判決を受けて終身刑(その後、恩赦で減刑)となった実在の人物
 難しそうな役どころですが、公開が今から楽しみですね♪
 
今年8月に開催予定のカウラ事件70周年記念式典(@豪州カウラ市)でもお目にかかる予定です
 ★山小屋にもSpring has come!

 長かった冬が終わり、信州の山小屋にもようやく遅い春がやってきました。

 とはいえ母屋の横には雪の塊りが残っていますが……これもゴールデン・ウィーク明けまでには消えてしまうことでしょう。山のお花見は、ここ数日がピーク。但しもっと山の上のほうへ行けば5月上旬にも桜が楽しめそうです。
 
卵を抱いて孵しているメンドリ以外は、みんな外に出て庭を散歩。
ブースケは羊飼いならぬニワトリ飼いとして超優秀です!



裏庭のミズバショウがちょうど満開



池の端では可憐なショウジョウバカマが満開です(後方はパンダさん)



ここ数日、長野県北部では桜、林檎、辛夷(こぶし)などの花が一斉に満開に
 この連休は博士論文の推敲に没頭いたします。
 皆さまにおかれましては楽しいゴールデン・ウィークをお過ごしくださいますように。

 ではでは♪
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


跳躍する若者(ひよこ)と、それを
羨ましそうに見つめるブースケ氏

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2014年4月28日
山田 真美
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