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2005年8月27日号(第185号)
今週のテーマ:
おばけ探知機
※カウラ事件に隠された驚愕の真相に迫るノンフィクション『ロスト・オフィサー』が、7月末に全国発売されました(税込み1890円、スパイス刊)。詳しい紹介は、左の画像をクリックしてご覧ください。
※NHK「カウラの大脱走」再放送のお知らせ ― 山田真美が制作のお手伝いを致しましたドキュメンタリー番組「カウラの大脱走」(50分版)が、NHK総合にて9月4日(日)に再放送されます。放送時間は17:00〜17:54(予定)。エンディングに流れるスタッフ・ロールにもご注目ください♪
 中学時代からの友達であるIさんから、残暑見舞(?)らしき小包が贈られてきました。

 その中身というのが、開けてビックリ。なんと、おばけを探知する「ゴーストレーダー」なるシロモノではありませんか。
 同封されていたIさんからの手紙には、次のようなことが書かれていました。

「この機械を秋葉原で見かけ、面白そうなのでつい衝動買いしてはみたものの、どう考えてみても自分では使いそうにありません。差し上げますので、どうぞご活用ください」(大意要約)

 ちなみにIさんは、大学時代は私が最も苦手とする電気関係の学問を専攻なさった人で、専門はコンピューター関係。現在は、とある超アカデミックな職場に勤務していらっしゃいます。
 
 そんな人が衝動買いしてしまう「ゴーストレーダー」とは、一体どんなシロモノなのか。
 逸る気持ちを抑えながら、禁断の木の実に手を伸ばすような気持ちで(笑)、早速パッケージを開けてみました。

こちらがパッケージ。「世界初」と
謳っているところにそそられます



そしてこちらが中身一式……
 パッケージの裏側に、「お化けが出現するときに発生するといわれている“磁場の乱れ”、“身体の変化”やその他の異常現象を科学的に測定する」と印刷されているのも、いかにも怪しくてイイ感じ。

 早速スイッチをONにし、そのへんでおばけチェックをしてみようと思ったのですが、よくよく説明書を読んでみたら、「この製品は深夜0時に電源を入れてスタートしてください」ですって。

 深夜0時にどんな意味があるのか知りませんが、この際、折角ですから説明書の指示には忠実に従うことにしましょう。
 今はまだ土曜日の夕方7時を回ったところですから、スイッチは今から約5時間後に入れることにしますネ。

 前から言っているように、私は「おばけ」というものを全然信じない人間ではありますが、とは言え、どんな場所で磁場の乱れが生じるのかといった事柄には大変興味があります。

 ですから今週は毎日、「ここは」と思った場所でゴーストレーダーをONにし、その場所のおばけ度をいちいちチェックしてみようと、かように思っています(まぁ、完全な遊びですが(笑))。

 そういうわけですので、今週の「週刊マミ自身」はいつもとは少し趣向を変えまして、毎日少しずつ日記形式でおばけウォッチング(笑)の記録を書き足していこうと思います。

 折角ですから、更新は毎日深夜0時ということにしますので、結果報告に興味のある方は、毎晩その頃に更新の様子を確かめに来てくださいな(報告はこのページで行ないます)。

 果たして、東京のど真ん中でおばけがキャッチ出来ますかどうか。
 ではでは、明日からの結果報告をお楽しみに。

※なお、「ゴーストレーダー」の詳細についてはこちらの専用ホームページをご参照ください。
※業務連絡。Iさんへ―こんな面白い機械を送って来た罰として、来週は一度、この機械を使う現場に立ち会ってください。連絡を待つ。



【 結 果 報 告 】

★8月28日午前0時★
 レーダーのスイッチをONにしました!
 機械の構造上ちょっと電池が入れづらく、大騒ぎの末(真夜中に何やってるんでしょうね私も(汗))、息子に手伝ってもらって予定どおり無事スタート(ほっ)。
 赤いランプの点滅とともに「ピッ、ピッ、ピッ……」という音がなんともブキミで、臨場感たっぷりです。とりあえず家の中を全室パトロールして来ましたが、この家は大丈夫みたい。
 おばけフリーな家(爆)。
 今夜も安心して眠れます(笑)。次の報告は明日の午前0時に……・。それでは皆さん、おやすみなさい。



★8月29日午前0時★
 昨夜はブースケ&パンダの散歩を兼ねて、おばけ探知機を持って外出。意識して、特に怪しそうな場所ばかり歩いて来ましたよ。
 近所の墓地(2箇所)、神社(2箇所)、お寺(3箇所)をはじめ、仏壇屋さんや昭和初期の古い建物なども通ってみましたが、そのうちおばけ探知機が反応した場所は、何故かゼロ箇所
 そのくせ、昼間この機械をポケットに入れてウロウロしていたときは、自宅の全自動洗濯乾燥機と銀行のATMの前でメチャクチャ激しく反応したのですが(苦笑)。
 その2箇所では、OFFにしてあった探知機のスイッチが勝手にONになってしまったほどの過激な反応だったんですよ。
 ATMは何となくわかる気がしますが、洗濯機ってそんなに強い電磁波が出ているんでしょうか? マイコン制御だから当然と言えば当然? しかしそれにしては、家のあちらこちらに置かれた3台のパソコンの前で、探知機は全く無反応だったのですが。ムムム。謎です。
  
散歩中に通りかかった墓地とお稲荷さん。どちらも結果は「シロ」でした


★8月30日午前0時★

 昨日(29日)、息子がハイスクールに進学。そのため昼間はおばけ探しどころではなかったのですが、夜になってようやく時間が出来たので、例によってブースケを連れて浅草寺へ行って来ました。
 浅草寺は、ご存じのように「供養寺」ではなく「祈願寺」。明るいイメージのせいか、おばけ探知機は最初から最後までついに一度も鳴りませんでした(残念)。
 家へ帰りかけたとき、向こうから男子高校生3人が自転車でスーッと近づいて来て、ブースケを見るなり大声で、

「あっ、チワワだ!
「すげえでっかいチワワだな〜!!!」

と言いながら風のように走り去って行ったのには、しばし呆然としましたが(しかし10秒後、爆笑)。
※注/ブースケはチワワではなく、シーズーです。

 それにしても今回こうして写真を撮ってみると、浅草寺の五重塔って、屋根の下にドクロのような形のものがたくさん並んでいるんですね。一体、何のデザインなのでしょう。なんだかちょっと怪しいですね。
 
(左)五重塔。屋根の下の飾りがドクロに見える私の目は変ですか(笑)? (右)本堂


★8月31日午前0時★

 昨日はちょっとドキッとするようなことがありました。
 場所は都内某所のビル。実は、このビルでは以前から不可解な現象が観測されています。その現象とは、真夜中に突然エレベーターが動き出し、必ず2階で止まるというもの。しかもその直後に2階へ行ってみると、そのフロアには誰もいないというのです。
 昨夜、私は理由あってそのビルの最上階を訪ねていました。エレベーターで階下に降りようとしたところ、3階と2階のあいだで、探知機のランプがこれまでとは全く異なるパターンを描きながら点滅し始めたではありませんか。

 狭い密室の中で突然「おばけ探知機」に反応されるのは、正直に言ってかなり気味が悪いもの。

 数秒後にエレベーターが1階に着いたときも、ランプは点滅したまま。エレベーターから降り、足早にホールを抜けて表の道路へと通じるドアを開けた瞬間、外気が流れ込んで来ると同時に探知機も鳴り止みました。
 ところが、そのあと1時間ほどして私が再びそのビルに戻ってみると、驚いたことにエレベーターはまたしても2階で止まっていたのですよ。そのとき2階には誰もいなかったというのに。
 これはどういうことでしょう。2階附近から強い電磁波でも出ているのでしょうか。

 探知機の取扱説明書には、ランプの点滅パターンとその意味が解説されているのですが、それによれば今回エレベーターの中で観測されたエネルギーは、「影響範囲が広く、移動せずに滞留し、人体にプラスの影響を与えるエネルギー」だったようです。
 人体にプラスと聞いて、まずは一安心。それにしても、あのビルの2階には何があるのでしょうネ?
  
何故か勝手に2階へ行きたがるエレベーター。原因は全く不明です


★9月1日午前0時★

 昨日の顛末が気になったので、今日もおばけ探知機を持って再び例のビルへ行ってみました。
 1階から最上階までエレベーターで2往復したあと、念のために階段を歩いて全てのフロアをチェック。
 しかし今日は、探知機は何の異常もキャッチしませんでした。うーん。どういうことなのか、いよいよわけがわかりません。
 エレベーターが勝手へ2階に行ってしまうのは、明らかにある種の誤作動ですよね。近々、ビルのエレベーター点検日があるそうなので、そのときエンジニアの方に色々と質問してみようと思います。



★9月2日午前0時★ 

 昨日は、探知機が初めて人間に反応しました。
 場所は都内某所の、どこにでもあるような住宅街。道の向こうから喪服を着た70代前半と思しきご婦人が歩いて来ました。明らかに、お葬式または法事からの帰り道と思われます。
 ご婦人はかなりの痩せ型で、やつれた頬がちょっと病的な感じでした。ご婦人は私のすぐ脇を通り過ぎるとき、足元がふらついたのか、一瞬こちらへよろけたのです(但し私と接触はしませんでしたが)。
 そのとき私は探知機をOFFにして持っていたのですが、ご婦人が私に近づいた瞬間、いきなり機械がONになったのには驚きました。
 探知機が勝手にONになったのは、うちの全自動洗濯乾燥機、銀行のATMの前、そしてこのご婦人で3回目です。前の2回はいかにも電磁波の出ていそうな場所でしたが、今回は生身の人間、それもお葬式帰りらしい喪服の女性ですからネ(ドキドキ)。
 これぞ、おばけ探知機を作ったメーカーさんが期待していたシチュエーションかも知れません(笑)。



★9月3日午前0時★

 昨日は、一昨日よりも更に一段と「ドキッ」なことが起こりました。
 夜、友人との食事会に出かけようとして家を出るとき、私はほとんど無意識的に“いつもの癖”で探知機を手にしていたのでした。玄関を出てスイッチをONにしたのも、ほぼ無意識の動作だったと思います。
 スイッチを入れてから2〜3秒が経った頃でしょうか。ランプが明らかにいつもと異なったパターンを描きながら点滅し始めたのは。
 一体、何に反応しているのかしら? 素早く周囲を見回しましたが、近くには電気製品および電磁波を発していそうなものは何ひとつ置いてないのです。しかも、探知機を持ったまま歩いて場所を移動しているにもかかわらず、反応は少しも弱まりません。
 そのまま約1分が経過したところで、私はようやくハタと気づきました。

(この機械、もしかして私の手に反応しているのでは?)

 実はこれまでにも何度か、(自分の手は普通の人よりやや強い電気を帯びているのでは?)と思ったことはあるのです。もっとも、それは「常にそういう状態」というわけではなく、体調や天候によって微妙に変化するのですが。昨日はたまたま自分の手がいつも以上に電気を帯びていた、ということではないでしょうか?

 世の中わからないことだらけですが、それ以前に自分自身のことだってわからないことだらけですからね。いつか機会をつくって、自分の手をさまざまな角度から科学的に測定してみたいな、なんてちょっと思いました。



 ……とまあ、今週は毎日「おばけ探知機」を使ってみたわけですが、個人的に一番ドキッとしたのは、やはりエレベーターで機械が反応したときでしょう。密室でいきなりというシチュエーションには、蒸し暑い夏の夜をひんやりさせる効果が確かにありましたよ。

 Iさんから贈られた遊び心いっぱいのオモチャのお蔭で、久々に学生時代の肝試しのドキドキ感を思い出した今週の私なのでした。

 あっ、肝試しと言えば、私には本当に怖い思い出があるんですよ。
 あれは高校1年の夏休みのこと、合宿先の古い日本家屋で、配線の切れた電話が真夜中に勝手に鳴り出したことがあるのです。

 そこは防空壕の真上に建てられた部屋で、しかもその防空壕は戦後30年以上も埋めずに放置されていたんですね。
 あとで聞いたところ、この部屋ではほかにも色々と気味の悪い出来事が起こっているということでした。

 その翌々年の合宿でも、私たちは同じ宿舎に泊まったのですが、余興に肝試しをしていたところ、参加した女生徒との人数が気がついたらひとり増えていたという理解不能な事件もありました(しかも、誰がその余計なひとりなのか、何度確認してもどうしてもわからないんです。いわゆる座敷わらし状態ですね)。

 あのとき「おばけ探知機」があれば、とんでもなく強力な電磁波を測定できていたのかも知れません。この話は、いつか機会があったら詳しくお話します。

 皆さんも、電磁波にはくれぐれもお気をつけください(笑)。
 ではでは♪

追伸―9月3日は、日本を代表する恐怖漫画家・楳図かずお先生の69回目の誕生日。ふふふ。なんとなく凄いですね(笑)。
★★★今週のブースケ&パンダ★★★


バリカンでパパリン(笑)に髪を刈っ
てもらうブースケ@自宅のお風呂

※前号までの写真はこちらからご覧ください
事事如意
2005年8月27日
山田 真美