2010年11月20日号(第404号)
今週のテーマ:不可能を可能に変える人たち |
★ 仏教エッセイ ★
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真言宗のお寺・金剛院さんのウェブ上で『仏教一年生』と題したエッセイを連載中です。第30回のテーマは「五筆和尚伝説」です。左のロゴをクリックしてページに飛んでください。 |
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『仏教一年生』(第30回)に、
「先日、驚くべき能力を持った人にお会いしてきました。10本の手指にそれぞれ筆をくくりつけ、それらをすべて同時に動かして、異なる10個の文字をいっぺんに書きあげてしまうというスーパーマンのようなお方です」
と書いたところ、それを読んでくれた科学者の友人からすかさず、
「ちょっと信じられません。動画とかないのですか」
という、やや否定的なニュアンスのリクエストが入りました。
まあ、そりゃあそうですよね。藪から棒にこんなことを言われたら、確かに簡単に信じられるわけがない。
だって、なにしろ普通はできないことですから。
自分の周囲では誰もやっていない。自分にもできない。だから不可能に決まっている。
……と頭から決めこんでしまう人がいたとしても、それは無理もないことかも知れません。
でも、それってどうなんでしょう。
不可能だと決めてしまったら、そこから先の世界へは絶対に到達することができません。
「ひょっとしたら可能かも」と思うことで、真新しい世界へと通じる扉が開くかも知れない。
というわけで、まずは論より証拠。この動画をご覧になってください。 |
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次に、こちらの動画もご覧ください。 |
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以上はあらかじめ練習を積んであった言葉(「あけましておめでとう」と「ABCDEFGHIJ」)を書いていただいたものです。
次に、その場でいきなりリクエストされた任意の平仮名4文字を即興で書くパフォーマンス。
こちらは練習なしのぶっつけ本番です。
4文字なので、当然「まみりん」とリクエストいたしました。結果はこれ、このとおり。 |
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こちらはさすがにちょっぴりぎこちない感じがしますが、それにしても、「平仮名4文字ならどんな組み合わせでもいきなり書ける」というのが驚きですよね。
書いてくださったのは十文字折磨さん(旧名は十文字翔さん)[※1]。
空海の五筆和尚伝説[※2]を調査研究していた私が、ひょんなことから巡り会ったアーティストさんです。
実は、十文字さんを私にリンクしてくださったのは、「右手でショパン+左手で都はるみ」というように、イメージが全く異なる2つの曲を左右の手で同時演奏なさることで著名なピアニスターHIROSHIさんでした。
HIROSHIさんはとびきりの才能に満ち溢れたピアニストであることに加えて、とてつもなく面白い&頭のいい方。そして私にとっては飲み友達でもあるのですが……その話を始めると面白すぎて止まらなくなりそうなので、割愛(笑)。
その話は、いつか(HIROSHIさんの許可が下りたら)書かせていただきます(笑)。
まあ、いずれにしても、
「ねえねえ、空海って本当に5本の筆で5つの文字を同時に書けたと思う? それともこれは単なる都市伝説に過ぎないのかなあ?」
という私からのわけのわからない疑問(苦笑)に対して、いちばん親身になって考えてくれた方のひとりがHIROSHIさんだったんですよねえ。
そのような素晴らしい方のお引き合わせで出逢うことのできた十文字さんは、目下、なんと26文字同時書き(!)という超人的な技に挑戦中なんですって。
ここまでくると、もう常人の理解を遥かに超えていますけれど、どうせならハードルは高く高く、ギネス世界記録をめざして頑張って欲しいところですよね。
皆さんも、どこかで十文字さんを見かけたら応援してあげてください♪
[※1] 十文字さんは少し前まで翔(かける)という芸名を使っていらっしゃったのですが、ちょうど私がお目にかかった頃に芸名を変えられ、今は十文字折磨(せつま)を名乗っていらっしゃいます。10文字の文字を書きながら、折り紙も折り、切磋琢磨してゆこうという意志が新しい芸名には込められているのだそうです。
[※2] その昔、空海が両手・両足・口に計5本の筆を持ち、一気に五行詩をしたためたという伝説。 |

十文字折磨さんとのツーショット。6本の筆で同時書きした
「春梅雨夏秋冬」も、なかなか斬新じゃありませんか? |
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ところで前号の「週マ」で映画制作に関することをお知らせしましたが、実は、あのあと事情がダイナミックに変わりまして、結論から申しますと、私は映画『Yellow Earth』のプロデューサーを辞任することにいたしました。
理由の第一は、ロケの日程が諸般の事情で6か月ほど伸びてしまい、そのことによって、私が前々から皆さんにお約束している天才魔法少女によるマジックショー(in東京)と完全にかぶってしまったこと。
第二に、やはり映画の進行スケジュールが変わったことによって、予定されている空海小説の出版にも影響が出るなど、どう足掻いてみても日程的に無理な状況に陥ってしまったこと。
以上の点をかんがみまして、このたびの映画制作のお話からは一旦退かせていただくことにいたしました。
もちろん、カウラ事件をテーマに映画を作るという企画自体は素晴らしいことだと思いますので、あまり時間がかからない役職であれば、今後も制作のお手伝いをしてゆきたいと思っています。
……というわけで、今年末から来年にかけては空海小説の執筆に没頭します。
3月脱稿をめざします。ガンバレ自分(笑)。
ではでは♪ |
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪

窓越しの女
(※前号までの写真はこちらからご覧ください) |
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