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2016年1月18日号(第550号)
今週のテーマ:
初詣(11か所)とリトル・ブラジル
 寒中お見舞い申し上げます。
 ご挨拶がすっかり遅くなってしまいましたが、本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。

 このお正月、信州の山小屋周辺では雪が降った端から解けてしまい、年末からただの一度も雪上車の出番がないという異常事態が続いておりました。

 昔の人は、

カマキリが高い場所に卵を産めばその冬は雪が多く、低い場所に産めば雪が少ない

というようなことを言ったものですが、昨年の秋、うちのカマキリたちが卵(正しくは「卵のう」)を産んだ位置は、軒並み地上数センチという異常な低さでした。
(詳しくは、下の写真をご参照ください。)

 「暖冬になります!」と言いたげなカマキリの預言(笑)。さて、この先どうなりますか。
 
カマキリの卵のう。低いところで地上2.5センチ、高いところでも
地上5.5センチという「超低位置」に産みつけられています。
(目盛りの単位は左側がセンチ、右側はインチ。)
なお、ものさしが「Made in India」であることにもご注目(笑)。
(1月17日、うちの庭で撮影。)


例年なら、このあたりには2~3メートルの雪が降り、
蜘蛛たちはまるで雪を見越したように秋のうちに家の壁など
高い位置に卵のうを産み付けるのですが。
 さて2016年の幕開けは、例年どおり長野市の実家で全員集合。
 今年は孫娘をまじえて祝う初めての賑やかなお正月でした。

 うちのお正月の伝統は、何と申しましても全員参加で行なう漢字バトルカードゲーム(今年の場合はポーカー)です。

 孫娘にも、物心がついたらすぐに高度な漢字をじゃんじゃん教え、カードゲームのルールを教えてゲームに参加してもらわなければ……と、早くも目論むバーまみりんなのでありました。

元旦はシャンパンで乾杯@長野市内の実家。
※かな子ちゃん、ヴーヴクリコをありがとう。美味しかったです♪



右手前は孫娘の食事です。
歯が何本か生え、色々な物が食べられるようになりました。



これは大晦日から編み始めた孫娘用カーディガン。



正月行事の合間を縫って編み続け、4日で編み上げました。
ちなみに手芸店で毛糸を選んだのは孫娘本人です!
 こうしてお正月の5日間は孫娘たちとまったり過ごしました(+温泉三昧!)。
 1月6日に明治学院大学の授業のため上京。

 そのあと遅れ馳せながら初詣に出かけたのですが、今年は豪華絢爛、数日がかりで全部でなんと11か所の寺社仏閣をまわってまいりましたよ。
 
これは初詣中に偶然見かけた赤塚不二夫御大による七福神です。
盆暮れ正月クリスマスが全部一斉に来たようなおめでたさ♪
 初詣一か所目は、招き猫発祥の地として有名な豪徳寺(東京都世田谷区)へ行って参りました。

 実は、昨年の暮れに岡山県で招き猫美術館を訪れた時から、「2016年の初詣は豪徳寺へGO!」と密かに心に決めていたのです。

 豪徳寺での発見は、三重塔の外壁に刻まれた十二支の彫刻のうち、子年がいるべきところになぜか猫がいるということ。

 一応、ネズミも猫の横に小さく刻まれていることはいるんですけどね。主役はどう見ても猫なんです。

 つまり豪徳寺では、子年は猫年に置き換えられているよう。
 ということは子年生まれの私も、豪徳寺的には猫年生まれってことですかニャ!?
 
こちらは豪徳寺の絵馬(申年バージョン)



豪徳寺に奉納されたおびただしい数の招き猫(の一部)



こちらが三重塔の壁。右から順にイノシシ、ネズミ、牛……
と思いきや、ネズミがいるはずの場所に猫がいます。



拡大図(ボケた写真でごめんなさい)。どう見てもネズミではなく猫ですニャ~!
 初詣の二か所目は、待乳山聖天(まつちやま・しょうでん=東京都台東区)。

 聖天(しょうでん)は、別名を歓喜天(かんぎてん)とも言い、もともとの姿は象の顔を持つインドの神さま、ガネーシャです。

 待乳山の聖天は秘仏のため、実際に拝見することはできませんでしたが、男女一対の神さまが正面から抱擁し合う夫婦和合型です。

 ちなみに日本ではしばしば大根が聖天のシンボルとして使われます。毎年1月7日に待乳山聖天で開催される大根まつりをお参りすると、参拝者には縁起物のふろふき大根が振る舞われるんですよ。
 
浅草寺から歩いて15分ほどのところにある待乳山聖天。



聖天のシンボルである大根。
聖天にお供えした「お下がり」を縁起物としていただくようです。
この大根(1本200円)は護符と一緒に売られていました。
 初詣三か所目は今戸神社(東京都台東区)です。
 実はここも豪徳寺と同様、招き猫伝承のあるお寺なんですって。

 それが何より証拠には(?)、境内のあちこちにミッキーマウス柄のベンチが置かれ、猫への暖かい気遣い(?)が感じられました。あとは猫顔ハメさえ置いてくれたら言うことナシかな(笑)。
 
今戸神社の絵馬。左の「縁結び絵馬」でお相手を探し、
結婚できたら右の「成就絵馬」でお礼参りということでしょうね。



本堂の前で手をあげる巨大な猫と、
つられて手をあげてしまった(?)今年の干支の猿。



このようなネズミ柄ベンチがたくさん置かれ、猫大喜び!?
 このあと、四か所目は飛不動、五か所目は吉原神社、六か所目は鷲神社(おおとり・じんじゃ)、七か所目は入谷鬼子母神、八か所目は英信寺(以上、すべて東京都台東区)を参詣。

恵比寿さんを祀った飛不動(とびふどう)。



吉原神社の弁天さまは例によって秘仏につき姿は見えず。



酉の市の「熊手」で有名な鷲神社では、
巨大な「おかめ」の面が待ち受けていました。



英信寺では三面大黒天にお参り。
 九か所目は埼玉まで足を伸ばして妻沼聖天(めぬま・しょうでん=埼玉県熊谷市)へ。

 ここは浅草の待乳山と同じく、インドのガネーシュ神に由来する聖天を祀ったお寺です。
 ただし、ここも秘仏につき写真はありません。あしからず!
 
聖天山歓喜院とありますが、聖天(しょうでん)と歓喜天(かんぎてん)は
どちらも同じ神(日本に於けるガネーシュ)を指します。



ここで今年初の顔ハメ! テーマは畏れ多くも「三聖吸酸」です。
故事に従い、酸っぱ~い顔をすべきところでしたが、「お正月から
酸っぱい顔は縁起が悪い」と思い、思わず笑ってしまいました。



弁天堂。これ見よがし(?)に厨子が少し空いています!
垣間見た感じでは、ご本尊が八臂(武人型)、前立が二臂
(琵琶を持ったタイプ)の弁天さまのようですね。



「孫守」というものを頒けていただきました。
象の顔でないのが残念ですが、可愛い!
 こうして九か所もの寺社仏閣にお参りし大満足したところで、さらにそこから足を伸ばし、前々から行ってみたかった群馬県大泉町まで行ってみることにしました。

 大泉町は、言わずと知れたリトル・ブラジル。町の人口40,257人中、3,678人つまり全体の9%以上がブラジル人(平成22年現在)だそう。

 ……ということは、町を歩けばポルトガル語が聞こえ、レストランではバリバリのブラジル料理が食べられるはず。

 実は私、来年ブラジルで開催予定の某国際学会での発表を計画しておりまして、これが実現すれば人生初ブラジル行きとなるのです。

「どうせ行くなら事前にポルトガル語の日常会話ぐらいは覚えないと」
「ブラジルの食生活も事前リサーチしておかなくちゃ」

……というわけで今回、大泉町でブラジルの下見(?)をしてきたというわけです。はい。

大泉町のメインストリートで見つけたスーパーメルカド(スーパーマーケット)。



なんとも派手なディスプレイのお弁当屋さん。
何か食べたかったのですが、メインが肉ばかりでお手上げ。
 そのあとは、さらに群馬県の山中深くに入り込み、初詣10か所目、寝釈迦像を見学したり……
 
群馬県の山中で見かけた寝釈迦。暖冬で、心なし気持ちがよさそうです。
 ……その数日後には山へ舞い戻り、今度は長野県北部の野沢温泉で行なわれた道祖神祭り(野沢の火祭り)を拝見。これで11か所目!

野沢の火祭りは子どもを守る道祖神のお祭り。
長い旗には、この村で最近生まれたお子さんたちの名前が書かれています。
30年以上親しくさせて頂いている森家のお孫さん(大雪くんと美雪ちゃん)の
お名前もありました。みんな元気に大きく幸せに育ってください!



しんしんと凍れる空気の中を火の粉が待って、厳かな夜でした。
 というわけで11か所のパワースポットへのお参り完了。

 私にとっても、これを読んでくださっている皆さまにとっても、2016年が素晴らしい年になりますようにお祈り申し上げます♪
 
18日(午前8時)現在の庭のお地蔵さま。
 さて今日はこれから山を脱出し、一路東京へ。国際交流基金主催のパーティーに出席、そのあとは講談社さんとのミーティングという流れになっているのですが……果たしてこの雪で東京の電車は動いでいるのでしょうか。

 山小屋のほうも次第に雪が強く降り始めています。この冬は、12月からずっと「今に降る、今度こそ降る」と言われながらも暖冬のままきてしまいましたが、今度という今度は降る降る詐欺にピリオドを打って雪上車が必要なまとまった雪が積もりそうですよ。

 皆さまも雪で転ばないよう十分にお気をつけて、よい1週間をお過ごしください。
 ではでは♪
 ▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪ 


今年も典型的な「寝正月」を過ごしたご夫妻

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2016年1月18日
山田 真美
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