2006年8月12日号(第230号)
今週のテーマ:花火と蓮と幻の滝 |
※8月31日の「めざましテレビ」(フジテレビ系)に、山田真美+友達のインド人マジシャンが登場します。番組自体が生放送ですので、時間が多少変動するかも知れませんが、今のところオンエア予定は午前7時20分頃からとなっております。Check
it out!
※9月12日発売予定の『よちよちえいご2007』(アルク・刊)にインタビュー記事が掲載されます。お子様への早期英語教育を考えていらっしゃる方は、ぜひご高覧ください。
※近日中に発売予定の『10歳までの英才教育』(アスコム・刊)にインタビュー記事が掲載されます。こちらは早期英才教育のムック本。発売日は決まり次第お知らせします。 |
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※先週号の日記(砂曼荼羅と空の思想)に「破壇の作法」の写真を加えた完全版はこちらからご覧になれます。この日記はプロフィールページの2006年の項目からもリンクを張り、いつでもご覧いただけるようにしておきます。
早いもので立秋を過ぎ、暦の上ではもう秋。とは言え、まだまだ暑い日が続いておりますが、皆さまお元気にお過ごしでしょうか。
かく言う私、7月中は何かと忙しいこと続きでしたので、8月は都会を休もうと思いまして、先週から信州の山小屋に籠もっております。
とは言え山小屋に来れば来たで、やれ障子の張り替えだ、庭の世話だと連日忙しく(※現在は竹林の整備に力を入れております)、結局はたいして休んでいないような気がしないでもないのですが(苦笑)。
でも、それでいいのです。
山には、ただそこに居るだけで人を癒してくれる偉大な力が秘められているのですから。それに、大好きな温泉にも毎晩のように入れるし。
先日は、山奥で行なわれた花火大会に出かけて参りました。
場所は、野沢菜の産地として有名な野沢温泉村のすぐそばにある、北竜湖という小さな湖のほとりです。
左下の写真をご覧頂ければおわかりのように、見物客は広々とした芝生にシートを広げ、その上で転がったりバーベキューをしたり宴会をしたりしながら、ゆったり手足を伸ばして花火を堪能できるのです。
これぞ、土地の広い田舎ならではの醍醐味ですよね。 |
この写真に写っている芝生の右側に、北竜湖が広がっています。山奥ゆえ、花火大会の
当日は8月であることが信じられないほどの涼しさ。半袖では肌寒く感じたほどでした
(左)夜空に咲いた一輪の花 (右)湖面に映った見事な「ナイアガラの滝」 |
夏の夜空に咲く大輪の花。一瞬にして燃え尽きる儚い美しさ。……これぞ日本人のメンタリティーにぴったりというところでしょうか。
もっとも、私の場合、20代の頃に何度か尺玉を含む花火の打ち上げを手伝った経験があるものですから、未だに制作者側の目で花火大会を見てしまう癖が抜けません。
つまり、花火見物に行っても、花火がひとつ夜空に咲くたびに、
(今のは黒色火薬の量がやや少なかったのでは?)
などと余計なことまで考えてしまうわけです。困ったものです(苦笑)。
しかし、そんな半プロ(笑)な私の目から見ても、北竜湖の花火大会はとてもよい出来だったと思います。
さて、北竜湖での花火大会の数日後には、母を連れて、家族で新潟県上越市の高田公園まで足を伸ばしてきました。母をここへ連れてゆくのは、ほぼ10年ぶりです。
高田公園は、徳川家康の六男で鬼っ子と呼ばれた松平忠輝の居城だったところ。
お城の回りをぐるりと囲む外濠には、夏には夥しい数の蓮の花が咲き乱れ、その規模は一般に東洋一と謳われているほどです。
聞いたところによると、蓮の花の命は4日間に過ぎないそう。
最初の日は4時前に開花し、2日目・3日目は5〜6時頃、最後の日は7時頃に開花するということのようですが、いずれにしてもお昼前には閉じてしまうので、花が見られるのは朝の早い時間帯だけなのです。
そんなわけで今回、母には前日から私の家に泊まってもらい、当日は4時起きでドライブして参りました。
この時刻に起きるのはさすがに少々ツラかったけれど、早起きしたお蔭で素晴らしい風景を目の当たりにすることが出来ました。
ちなみに「蓮」という字は、もともとは「はちす」と読みますが、これは蓮の花托(花弁やめしべを付ける部分のこと)の形が蜂の巣(はちす)に似ていることからついた名前だそうです。 |
(左)どこまでも続く蓮池の風景は、まるで桃源郷のよう (右)確かに花托の形は蜂の巣に似ています。
この写真は、飛んできた蜜蜂が今まさに花に止まろうとしているところ
一言で「蓮」といっても、よく見ると驚くほどバラエティーに富んでいるのですね |
ところで今、興味本位にインターネットで蓮の花言葉を調べてみたのですが、日本のサイトを見ただけでも、「救ってください」「清浄」「沈着」「雄弁」「離れる愛」など、ずいぶん色々な解釈があるようでした。
念のため米国や英国の検索サイトに行って、“Language of Flowers, Lotus”で検索したところ、“Eloquence(雄弁)”、“Forgetful of the past(過去の忘却)”、“Estranged
love(疎遠になった愛)”といった花言葉が見つかりました。
このなかでは「清浄」または「過去の忘却」あたりが蓮の花のイメージに近いように私は思うのですが……皆さんはどう思われますか。
さてさて、この日、高田公園を後にした私たちが国道をドライブしていると、路傍に「幻の大滝まであと○○キロ」書かれた看板が出ていることに気づきました。
幻の大滝? なんだか胡散臭い名前です。
常日頃から、あらゆることを論理的に考えるのが好きな息子が、
「幻の滝って、何だよそれ? 幻とは、実体がないのにあるかのように見えるものという意味だぜ。一体どうしたら“幻の滝”が実在できるんだ?」
と、すかさず看板に突っ込みを入れてくれました(笑)。
「それもそうだ。実在するはずのない“幻”の滝の看板が出ているなんて、おかしいじゃないか?」
ということで一同深くうなずき、結局は、
「それじゃ、幻の滝とやらを確認しに行ってみよう」
ということになって、車(大型の四輪駆動車です)は国道を大きくはずれ、狭くデコボコな村道(農道?)のような道を、一路「幻の滝」方面に向かうことになったのでありました。
ああ、これだから好奇心旺盛なファミリーは困るのよ(笑)。 |
幻の滝に至るまでの風景。対向車はおろか、
人の姿もまるで見えないような山の中です |
暫く進むと、村道はじきに山道に変わり、あたりはすっかり山の風景に。
さらに進むと、途中から道幅がさらに減少。しかも、ところどころ路肩が崩れているし……(崩れた路肩の向こうは、落ちたらハイそれまでよの断崖です)。
大型車ではどうしても通行できなくなって、途中で車を捨て、その先は徒歩で山越え。
さらにその先へ進むと、今度は少し平らになった土地があって、そこに「幻の大滝周辺案内図」と共に、新井市教育委員会が立てた看板が掲げられていたではありませんか。
いわく、 |
幻の大滝
通称「大滝」と呼ばれる落差四十米の滝。
国土地理院発行の地図に掲載されていなかったため、一般には知られていなかったが、
平成五年、宝島あらいビデオ探検隊の調査・確認によりマスコミにも取り上げられ、
テレビ放送されるなど、全国的に一躍有名になる。
新井市教育委員会
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なるほど。つまりその滝は、地元では単に「大滝」と呼ばれていたものを、平成の世になってからマスコミが話題づくりのため「幻の大滝」と命名したということのようなのです。
看板を読んだ私は、このとき何故か突如として『川口浩探検隊』を思い出し、知らず知らずのうちに、
「行けー行けー、川口浩」
と口ずさんでいたのでありました(番組違いをお許しください(笑))。
なお、川口浩探検隊をご存じない若い方は、お父さんお母さんや年長のお友達に聞くか、あるいはこちらのサイトをご覧になって、私が言わんとしていることの意味をそれとなく感じ取って頂ければ幸いです(笑)。
余談ながら、『川口浩探検隊』の姉妹品(笑)に『藤岡弘、探検隊』という番組もあります。
ところでこの日は、愛犬のブースケとパンダも一緒だったのですが、パンダが野性の勘を発揮して、陣頭に立って道案内してくれたのに対し、ブースケときたら、あちこちで溝に落ちたり足をツタ植物にからませたりの大パニック。
進退窮まって一歩も動けなくなってしまい、結局は私がブースケを抱っこして山道を歩くハメに陥ったのでした(これでも犬?)。
そうこうしているうちに、ようやく見えてきた大滝。
それは、山の奥深くに眠る、まさに秘境と呼ぶに相応しい滝でした(苦労して行った甲斐があったというものです)。
暫くその場に佇んで、マイナスイオンを全身に浴びて参りました。
早起きは三文の徳と言いますが、本当に、早起きをして出かけて大正解!な1日でした。 |
これが幻の大滝の全容です。いわゆる「滝壺」の部分がまったく形成されて
いないことから察するに、かなり最近になって出来た若い滝なのでは? |
……以上、簡単ではありますが私の夏休み報告に代えさせて頂きます。
世の中は、今日(8月12日)がお盆休みの帰省ラッシュだったようですね。
故郷に帰られている方も、都会に残っていらっしゃる方も、残暑厳しき折柄、おからだには十分にお気をつけて、楽しい夏をお過ごしください。
私もあと1週間ほど、読みたかった本を読んだり原稿を書いたり、家庭菜園を耕すなど、晴耕雨読の山の暮らしを楽しむ予定です。
ではでは、また来週♪ |
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪
兄さんとお散歩(高田公園にて)
※前号までの写真はこちらからご覧ください |
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