旅に出ていない限り毎週土曜日に更新します。
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2013年10月1日号(第489号
今週のテーマ:
日印協会+登戸研究所+大天狗+サウジアラビア
★ 仏教エッセイ ★
言宗のお寺・金剛院さんのウェブ上で『仏教一年生』と題したエッセイを連載中。第37回のテーマは「『智の器』としてのお寺の面白さ」です。左のロゴをクリックしてページに飛んでください。
インターデザインフォーラムTOKYO2013 黒川紀章メモリアル「共生のアジアへ」開催
初日の10月11日(金)13:45~よりナビゲーターを務めます。入場無料。ぜひご来場ください。
《ナビゲーター》山田真美(作家/明治学院大学経済学部特命教授)
(1)「宗教のアジア」 中沢新一(人類学者/明治大学野生の科学研究所所長)
(2)「アジアのアート」 長谷川祐子(東京都現代美術館 チーフキュレーター/多摩美術大学教授)
(3)「アジアの美意識」 黒川雅之(建築家/デザイナー)
(4)「アジアの建築」 遠藤秀平(建築家/神戸大学大学院教授)
(5)「アジアの音楽」 千住 明(作曲家)
※詳しいスケジュールはこちらをご覧ください。
 
 「週マ」の更新が滞ってしまいました。相変わらず多望な日々が続いております。
 皆さまにおかれましては、お健やかにお過ごしのことと存じます。

 さて、早いもので今日から10月。もうすっかり秋!でございます。今はこれを山小屋で書いていますが、気がつけば、あれほど喧しかった蝉の鳴き声はコオロギや鈴虫のそれに変わり、お腹の大きなカマキリたちの姿も消えて、彼女たちが産み落とした卵があちらこちらの木の梢に見られる今日この頃。
 
庭のあちこちでカマキリの産卵が始まりました。この中に何百個もの卵が隠されています。
(写真はほぼ実物大)
 一説には「カマキリが高いところへ卵を産めば大雪、低いところへ産めば小雪」になる由。その説に従えば、今年の卵は軒並み地上95~105センチのあたりに産んでありますから、雪量はほぼ昨年並み(さほど多くない)でしょう。

 というわけで、ここ10日間ほどの出来事を一挙にまとめてご報告♪


9月20日★日印協会110周年記念式典

 駐日インド大使館に於いて「日印協会創立110周年」の記念式典が催され、理事の一人である私は当日の司会を務めさせていただきました。インドに敬意をこめて国旗の三色 - サフラン(ストール)・緑(スーツ)・白(飾りの花) - を纏ってみました。

 ちなみに(以前にも一度書いたかも知れませんが)日印協会は大隈重信公爵らによって今から110年前の1903年に設立された友好団体で、「日本○○協会」と名の付く全ての団体の中で最老舗です(例:日英協会は1908年、日米協会は1917年の創立)。

 現在の会長は元首相の森喜朗氏、副会長はスズキ自動車会長・社長の鈴木修氏。私も理事会の末席に加えていただき、新しい日印関係を築くために様々な取り組みをいたしておりますので、今後ともご支援の程、何卒よろしくお願いいたします。

※日印協会に関する詳細はこちらからご覧くださいませ。
 
インド国旗の3色を纏ってみました。ちなみにサフランはヒンドゥー教、グリーン
はイスラム教、白は宗教の融合を示しています♪(Photo by 佐伯健三氏)



森喜朗氏(左)と鈴木修氏というレアな組み合わせによる日印協会創立110年記念特別対談の様子
9月21日★陸軍登戸研究所跡地見学

 かつて帝国陸軍が秘密裏に運営していた「陸軍登戸研究所」(正式名称は第九陸軍技術研究所)の跡地へ行ってまいりました。

 場所は神奈川県川崎市多摩区。
 現在は明治大学生田キャンパスの敷地内に位置しています。

 旧陸軍登戸研究所の保存を求める川崎市民の会が編集した『フィールドワーク陸軍登戸研究所』によれば、陸軍登戸研究所とは、かつて「軍・学・産・官が一体となって多様なプロジェクトを推進」した「陸軍最大の謀略・秘密戦の研究機関」だったところ(同: p.7より抜粋)。

 当時ここでは「風船爆弾」「特殊無線機」「怪力電波(殺人光線)」「人口雷」「科学的秘密通信法」「毒物合成」「毒物謀略兵器」「対動物謀略兵器」「対植物謀略兵器」「特務機関用カメラ」など、さまざまな研究が極秘裏に行なわれたようです(同: p.11)。

 このうちの怪力電波は今でいうところの「マイクロウェーブ」つまり電子レンジの理論で、数十メートル先の小動物を殺傷することに成功していた模様。

 また風船爆弾は、直径10メートルほどの紙製の風船に約15キロの爆弾と焼夷弾を乗せ、偏西風に乗せて8,000キロ先のアメリカ本土まで飛ばすという壮大な作戦で、1945年(昭和20年)4月までに9,300個が実際に放球され、うち361個がアメリカ本土に到達。アラスカ、カナダ、メキシコを含む広範な地域に山火事などの被害をもたらしたとのこと(同: pp.17-21)。

 要するに陸軍登戸研究所には当時の日本の頭脳集団が集められ、最先端テクノロジーが研究されていたわけです。しかし当然のことながら職員らに緘口令が敷かれたため、戦後もその存在が広く知られることはなかった。しかし数十年も経ってから関係者が口を開き始めたことで次第に全貌が明らかになった、と。

 ……カウラ事件もそうですが、第二次世界大戦中の日本軍の行動が明らかになる経緯はこのパターンが多いですね。やはり大方の人間は秘密保持という重圧に最後までは耐え切れないものなのでしょう。秘密を「墓場」まで持ってゆくことの難しさを痛感します。

 研究所の建物は大部分が老朽化し、既に取り壊されていますが、残された一部は現在も見学可能です。全てが朽ち果てて消えてしまう前に、ご興味のある方は訪問なさってみてはいかがでしょう。

見学ツアーは毎月第3土曜日の午前中に実施しているようです。
  完全予約制。申し込みは「登戸研究所保存の会」の森田忠正さん(電話044-911-2726)まで。

旧陸軍が極秘で運営していた陸軍第九研究所(通称・登戸研究所)の弾薬庫跡地にて
9月22日★大天狗の奉納の舞い

 さて、その翌日は信州へとんぼ返りし、奈良澤神社の秋祭りを見物してまいりました。

 奈良澤神社は長野県の北限、飯山市内にある小さな神社ですが、ここに奉納される大天狗の舞いの勇壮さと言ったらもう、全身鳥肌が立つほどの大迫力があります。大天狗が燃え盛る巨大な松明をブンブンと振りまわす様子を見れば、この祭りがまさに男子の通過儀礼であることを実感!

 ちなみに同じ飯山市内には類似の祭りがあって、地域によっては大天狗を猿田彦と呼ぶ場合もある由。果たして彼は猿田彦か、はたまた大天狗なのか……。『夜明けの晩に』の中でさんざん猿田彦について書いた者としては、このあたりはとっても気になるところです。

 奈良澤神社の祭りの由緒など詳細につきましては、来年のこの時期までにしっかり調べて解き明かしておきます。今日のところはとりあえず、あるがままの光景を(写真で)楽しんでくださいませ♪

巨大な松明を振り回す大天狗。人家が林立する町の中でこの炎は凄い!



子どもからお年寄りまで、町の人がほぼ全員参加していたのでは?



会場から会場への移動中。交通規制をしていないので、普通に信号を守って道路を横断。
前から順に大天狗、薙刀(男子小学生)、小天狗、獅子(剣舞)、お囃子などの姿が見えます



移動中の(左から)大天狗、薙刀、小天狗、獅子(剣舞)



小学生男子4人による見事な薙刀の披露



こちらは小天狗による弓の披露。ユーモラスな動きは、能と能の間の狂言のイメージに近いものでした



こちらもユーモラスな動きの獅子による剣舞



この夜は社務所やお宮のほか、過去一年の間に新築した家の前や、氏子総代の家の前など、
計10数か所で奉納の儀式がありました



最前列で見ていると火の粉が降りかかって、まあホットなお祭りだこと!



ここが最後の会場となる奈良澤神社。一行がここに到達する頃には深夜0時を回っていました



ちなみに奈良澤神社はこの急階段を昇った山の上にあります。
(階段の下のほうで燃えているのが大天狗の炎)



大天狗が神社に到着し、一連の儀式が奉納されてすべてが終了したのは深夜0時50分でした。
いやはや、とてつもない力の炸裂。これぞ日本の秋祭り!
 9月24日★サウジアラビアの第83回ナショナルデー

 そのあとは、またしても東京にとんぼ返り

 ホテルオークラの「平安の間」にて執り行なわれたサウジアラビアの83回目のナショナルデー(いわゆる建国記念日)に、今年も招かれて行ってまいりました。

アブドゥル・アジーズ・トルキスターニ駐日サウジアラビア大使と



最近流行の氷のオブジェ。ホテルで催される大使館関係のパーティーで
よく見かけます(国旗が氷の中に埋め込まれているのがポイント)
 そのまた翌日は、明治学院大学で秋学期(いわゆる「後期」)の最初の授業をし、さらにその翌日にはまたしても長野へとんぼ返り。実家で母+叔母と合流し、町の秋祭りにも参加してきました♪
   
実家がある町の、秋祭りの花火大会にて。ハート形とリンゴ型の新作花火♪
(ちゃんとしたカメラを持って行かなかったため、画面がブレていてゴメンナサイ)
 それにしても今年の私は、一体何べん長野と東京の間を新幹線で往復しているのでしょうか。今日もこれから再び東京へGO!ですし。冗談抜きで、そろそろJR東日本から表彰されてもいい頃なんじゃないかな~って思うんですけど(笑)。

 というわけで私は元気です。
 皆さまも素敵な秋の1週間をお過ごしくださいませ。

 ではでは♪
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


スフィンクスもどきの不動ブースケ
(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2013年10月1日
山田 真美
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