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2010年5月17日号(第386号)
今週のテーマ:
風薫るお茶会
★ 仏教エッセイ ★
真言宗のお寺・金剛院さんのウェブ上で『仏教一年生』と題したエッセイを連載中です(毎月28日頃に更新)。第25回のテーマは「私の知らない私」です。左のロゴをクリックしてページに飛んでください。
 今月は立て続けに2回もお茶会がありました。

 両日とも雲ひとつないお茶日和。
 念のためにと用意しておいた雨草履は用無しでした。

 それもこれも、参加者全員の日頃の行ないが良かったからでしょう、ハイ(笑)

 お茶会[その壱]は、椿山荘(フォーシーズンズ・ホテルの隣と申したほうがわかりやすいかな)で行なわれました、表千家不白流御宗家主催による師範披露茶会庵号披露席

 これは、一門にとってたいへん大事なお茶会です。
 初夏らしいオシャレをしてゆくことにしました。

「グリーンのお着物は5月と11月にお召しになると一番映えますよ」

と、以前、荒井宗羅先生から教わったことがありましたので、今日は迷わず光沢ある薄緑色の訪問着を選びました。写真ではわかりづらいのですが、金のアゲハ蝶(刺繍)がたくさん飛んでいるんですよ。

 最近ようやく、自分に合った着物の選び方が、ほんの少しだけ、わかるようになってきたような気がしています。

 20代の頃は平凡がイヤで、どう転んでも絶対に似合わせないトンデモない色柄の着物に大枚をはたいてしまったこともありますが……今にして思えば若気の至りでした。

 いやはや、やはり何事も経験です。
 あれは授業料だったと思って諦めよう(苦笑)。

 本当は、一見平凡に見える着物こそが着る人の個性を際立たせるのですよね♪
  
椿山荘のロビー(左)とお庭(右)の風景。当日は、日焼けするほどの陽ざしでした!



荒井先生は藤の花が素敵な淡い紫色の訪問着がお似合いです♪


  
(右)席入りの予約券 (右)流祖・川上不白の肖像画が掛けられたお床


  
しんと静まり返った、この時間が大好き。湯の滾(たぎ)る音や衣擦れの音までが鮮やかに聞こえます



腹が減っては戦はできぬ。2席目(下の写真)に
入る前にランチをいただきました。ビールを飲め
ないのが珠に瑕(笑)


  
(左)こちらは第2席目で供された、牡丹をかたどったお菓子♪ 鯉のぼり柄の懐紙(自前)が可
愛いでしょ? (右)お菓子を取っていらっしゃる荒井先生は、もちろん正客でいらっしゃいます



お茶のあとは、もちろんコレですよコレ(笑)。左から林さん、荒井先生、私、高田さん、唄さん
 続きまして、お茶会[その弐]。

 こちらは、日頃から民族記録映画を見る会や種子島ツアーなど、一緒に色々なことをして遊んでいただいている、いわば遊び仲間の煎茶道家元、佃一可さん主催による「春の茶游会」です。

 煎茶・薄茶・淹茶の3つのお席を、半日かけてたっぷり楽しませていただきました。

 場所は品川歴史館の敷地内にある、とっても由緒正しいお茶室。
 もともとは安田財閥の安田善助氏の持ち物だったんですって。

 一可さんはおしゃべりが上手で、毎回毎回、お茶会の最後には楽しい話でお湯ならぬ場を沸かしてくださるのですが、今回のレパートリーは、

「抹茶ミルクを最初に考え出したのは日本人ではなく、シカゴのアメリカ人
「冷たい烏龍茶は体に悪い(≒おなかを壊すので結果的には痩せる)」
「飲食物の『旨み』成分はアミノ酸に関係しており、脳に栄養を与える。脳を使う職業の人は進んで『旨み』を摂取すべし」

などなどなど。

 本当はもっと凄い話(某国の政治とお茶の関係など)も飛び出したのですが……コレはひょっとしたら門外不出のお話なのかも知れません。

 とりあえず私も命が惜しいので、ここに書くことは自粛させていただきます(爆)。

 いずれにしても一可さんらしい、実にエキサイティングなお茶会でございました♪
  
品川歴史館の敷地内にあるお茶室「松滴庵」(左)と書院(右)。なかなか風情があります


  
(左)蹲(つくばい)で手を浄めてから席入り (右)本日の席主、佃一可さんとのツーショット


  
お庭には水琴窟もあります。水が奏でる神秘的な音に耳を傾ける藤波亜由子さん(左)と私



仲良しの亜由子さんと、品川歴史館のお庭にて



お茶会のあとは喉が渇くので、なぜか決まって
ビールです(笑)。左から亜由子さん、音環境
デザイナーの庄野泰子さん、私
 ところで一可さんのお茶会で私が纏っている薄い藤色の訪問着には、白でお寺の風景が描かれているのですが、この着物を選んだ理由は、一可さんと私が高野山の先輩・後輩だから。

 ふたりの空海への熱い想いを着物に籠めてみたのですが、いかがでしょうか。

 それにしても、気がつけば私の生活のなかで、お茶はなくてはならないものになっていますよ。
 こうなるともう、単なる趣味というよりは一生つづく「道」と呼んだほうが、しっくりくる気がします。

 そういうものと40過ぎて出逢えたことに、心から感謝している今日この頃なのでした。
 ではでは♪
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


生野菜をもらってご満悦のパンダ
(ママリンもパンダに合わせて白黒
ファッションです)

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2010年5月17日
山田 真美
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