2010年10月20日号(第401号)
今週のテーマ:信州の秋[1]松代藩真田十万石まつり |
★ 仏教エッセイ ★
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真言宗のお寺・金剛院さんのウェブ上で『仏教一年生』と題したエッセイを連載中です。第29回のテーマは「縁の下をささえる人々」です。左のロゴをクリックしてページに飛んでください。 |
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深まりゆく秋を求め、8泊9日の旅程で信州の山小屋に帰ってまいりました。
今回も連日連夜のイベントづくし。まるでジェットコースターに乗り続けているような9日間(笑)。
その内容を一度ではとても書ききれませんので、今号から何話かに分けて報告させていただきます。
第1話目は、松代藩真田十万石まつりです。 |

(左)大河ドラマで真田氏をぜひ取り上げて欲しいです (右)ス……スクラップ? 惜しい! |
このイベントが開催されたのは長野市松代(まつしろ)という場所なのですが、きっと皆さんも、この地名には聞き覚えがあるのでは?
松代といえば眞田氏に海津城、大日本帝国の国家中枢機能を移転させるべく地下に設営された大本営跡、それにエヴァあたり?
折しも今年は松代イヤー。そのうえ海津城(のちの松代城)の築城から数えて450年目の節目の年に当たるとあって、十万石まつりへの期待はいやがうえにも高まります。
ちなみに第十四代眞田家当主の眞田幸俊さんと私は、ふるさとNAGANO応援団でご一緒。
ふだんは慶應義塾大学工学部の准教授をしていらっしゃる眞田さんですが、甲冑姿がドンピシャリと決まっていらっしゃるのは、さすがDNAと言うべきでしょう。
※松代イヤーの詳細はこちらの公式サイトをご覧ください♪ |

「松代藩真田十万石行列」への出発を前に、ご挨拶も凛々しい第十四代眞田家当主

(左)殿の挨拶を聞く家臣の図 (右)家臣の中でひときわ目立っていた武人と記念撮影♪

行列に出発する直前の鷲澤正一長野市長(左)と眞田幸俊さん(右)にご挨拶♪ |
……というわけで殿様のご挨拶も終わり、おのおの方、本日のメインイベントである武者行列にいざ出陣でござる!
武人やお姫様などに仮装した250人から成る行列が、お城の門を出ました。 |

下に〜、下に〜

高坂昌信役の鷲澤正一長野市長(左)と眞田信之役の眞田幸俊さん(右)。
黒白2頭の馬も、いい味を出しています!

お姫様たちを乗せたお乗り物が、優雅に、しずしずと通り過ぎて行きます

なんだか戦国時代にタイムスリップしたよう……

戦国時代の空にも、こんな雲が湧いていたのかなあ……

しかし休憩時間には携帯を使うお武家さまや、インドあたりから来日したと
思われる外人部隊(!?)もいたりして、のどかで不思議な雰囲気……

馬が落としたモノを拾って歩く
お掃除係の忍者軍団もステキ♪ |
実は私、この手の武者行列をしっかりと拝見したのは今回が初めてだったのですが、いや〜、なかなか面白いものですね。
というか美しいです、戦国時代。
あの頃は、ある意味、日本人が日本人だった時代なのかも知れないなあ。
今は何もかもが自由ではあるけれど、見た目も中身もグニャグニャでしょ。武人たちのように背筋をシャキッと伸ばし、一期一会の人生をしっかり生きたいな。だって、そのほうが美しいんだもの。
……というようなことを、行列を眺めながらしみじみと思っていたのでした。
ところで今回のおまつりのキーワードである真田という姓は、正しくは旧字の眞田じゃないのかな、と思うのですが、公式サイトやパンフレットなどはなぜかすべて「真田」となっていました。
眞田幸俊さんから頂くメールの差出人名は必ず「眞田」となっていますから、旧字が正式なのだろうなと思うのですが。どうなんでしょ?
まあ、こんなことを気にする人はあまりいないのでしょうけど、私が現在書き下ろしている小説の主人公、空海の幼名が真魚で、しかもどうやら眞魚ではなく真魚(旧字ではなくいわゆる新字)を使っていたらしいということもあって、
「真か眞か、それが問題だ!」
と、すぐに深読みしてしまうわけですよ、はい(笑)。
この次に眞田さんにお逢いしたら、そのあたりの事情を詳しく伺ってみたいと思います。 |
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そんなわけで、いきなり学問の秋からスタートした今回の信州行き。
さすがは教育県・長野(笑)。
しかし、ご心配なく。山小屋の庭を歩いてみれば、今年はミョウガの大豊作じゃないですか。
それを見たら俄然、食欲の秋がムクムクと頭をもたげてきましたよ。
そういえばミョウガを食べすぎると忘れっぽくなるって言いますけど、実はこれ、出典は仏教説話なんですよ。
お釈迦様の弟子のひとりで十六羅漢のひとりでもあるパンタカ(日本名は槃特=ハンドク)は、弟子のなかで最も物覚えが悪く、自分の名前さえ忘れるほどでした。
お釈迦様はそんなパンタカに、なぜか朝から晩までお掃除をするように命じます。
パンタカは命じられたとおり、「塵を払い、垢を除く」という短いマントラだけを唱えながら来る日も来る日も掃除を繰り返していたところ、あるとき不意に人間の心の塵を落とすことの真意を体得し、悟りを開いたと言われます。
パンタカの死後、彼の遺体を埋めたあたりにミョウガがたくさん生(な)ったことから、ミョウガは煩悩を忘れる妙薬として知られるようになったんですね。
つまり、「ミョウガを食べるとボケる」というような意味ではありませんので、ご心配なく。
とかなんとか言って、またまたお勉強しちゃいましたネ〜(笑)。 |

山小屋にて。収穫したミョウガを洗い、天日で干して、このあと味噌漬けにしました♪ |
この続きは、次号「斑尾高原でジップライン!」をお楽しみに。
ではでは♪ |
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪

物欲しそうな目付きのブースケ氏は食欲の秋
(※前号までの写真はこちらからご覧ください) |
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