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2014年1月12日号(第501号
今週のテーマ:
2014年初詣+七福神めぐり
★ 仏教エッセイ ★
『仏教一年生』は、『仏教二年生』と改題して近々新スタートの予定です。暫くお待ちくださいませ。
※これまでのエッセイは左のロゴをクリックしてご覧になれます。
 
 このたびは「週マ」第500号発行記念読者プレゼントにご応募いただきまして、誠にありがとうございました。パソコンの不具合など諸事情により当選者発表日が1日遅れてしまいましたことを、まずはお詫び申し上げます。

 m(_ _)m

 厳正なる抽選(今回の選抜には「阿弥陀くじ」を採用)の結果、今回の当選者は作戦主任参謀さまに決定いたしました。

 ご当選、おめでとうございます♪ 作戦主任参謀さまにはメールにて追ってご連絡申し上げます。今しばらくお待ちください。  
 さて、今年のお正月は博論執筆で引きこもり状態が続き、不本意ながら初詣もすっかり遅れておりました。今日になってようやく時間が取れましたので、恒例の七福神めぐりを兼ねた初詣を済ませてまいりましたよ。

 私の場合、初詣先をその年のテーマに沿って毎年変えているのですが、今年は博士論文提出の勝負年ということで、毘沙門天(別名・多聞天)にメインの守護神になっていただくことにしました。なにしろ毘沙門天は軍神、勝負の神で、今年の私のテーマにはどんぴしゃりですので。

 で、どうせ行くならユニークな毘沙門天にお参りしたいなあ、などと思いまして、調べましたところ水戸の近くにかなり大きな毘沙門天像があるらしいことが判明。大仏好き(笑)の私には気になる情報です。とるものもとりあえず茨城(水戸方面)に向かうことにしました。

 常磐自動車道那珂インターで降りると、ほどなく畑の中に場違いなアドバルーンが見えてまいりました。
 
 こんな畑の中でお店の新装開店というのもおかしな話。いや、それ以前にアドバルーンというもの自体を長らく見ていないと言いますか、アドバルーンを見るのは昭和以来は言い過ぎとしても、とても懐かしいんですけど。

(ひょっとしてタヌキに化かされているのでは。その辺の道路にも「タヌキの飛び出しに注意」の看板が何枚も出ていたし)

 訝しく思いながら近づいて行くと、ようやく風船の下の文字が読めました。
 
 左右が逆(裏返し)になっていますが、「日本一の毘沙門天」と読めます。そうです。それは新装開店したお店の広告ではなく、なんと毘沙門天を祀ったお寺さん自身が上げたアドバルーンなのでした。

 なんという思いっきり派手な演出……。

 お蔭で道に迷うこともなく「あっ」という間に毘沙門天像の前に到着できましたので、まずは恒例の手乗り大仏写真を撮影することにいたしました。

が、大きすぎて掌からはみ出てしまいました(汗)
 というわけで、本日の目的地である一乗院毘沙門堂に無事到着いたしました。

 お寺のパンフレットによれば、ここは北関東36不動尊霊場の25番札所。平安時代には桓武天皇や運慶ともゆかりのあった、由緒あるお寺のようです。また水戸城の鬼門よけとしても代々崇拝されたとのこと。

 上の写真に写っている毘沙門天像は平成19年開眼供養とかなり新しいようでしたが、宇宙最強の神で、高さが16メートルもあり、しかも足下の一階部分は胎内めぐり(?)が出来るようになっていました。
 
 念願の巨大毘沙門天に冒頭で出逢い、いきなり目的完遂してしまった私……。
 しかしご安心ください。一乗院の境内では、次なる目的の七福神めぐりが私を待っております。

 そう思って歩き出した途端、目の前に鐘突き堂が見えてまいりました。どうやらこの鐘は誰でも突かせていただけるようです(ありがたや、ありがたや)。

 折角ですから「よい博論が完成しますように」と念じながら一突きさせていただきました。
 
 さて、ごく一般論ではありますが、お寺さんやお宮さんで七福神めぐりをする場合、ひとつのお寺(お宮)には一柱の神さまが祀られ、計7つのお寺(お宮)をまわってスタンプラリーをコンプリート、もとい、ご朱印をいただく方式が多いのではないでしょうか。

 ところが今回お邪魔した一乗院さんの場合、一山で七回美味しい(笑)とでも申したらよいのでしょうか、毘沙門天、弁才天、大黒天、布袋、福禄寿、寿老人、恵比寿の7柱の神さまが全員お揃いという、時間のない人にとっては大変便利なお寺です。

 ご近所に七福神を祀った別の寺院があれば少々揉めたかも知れませんが、ご近所に競合するお寺がなかったのかも知れませんね(定かではありませんが)。

 いずれにしても、一山で七回美味しい一乗院さんのお蔭で、例年ならば何時間もかけて7つのお寺(お宮)を歩いてめぐるところ、今年はものの15分もかからずにすべての神さまにお参り完了。

 現世利益が目的ならば、「忙しい人のための七福神」というコンセプトも確かに大切ですね。




お寺が付けた番号では①恵比寿→②大黒天→③毘沙門天→④布袋→⑤福禄寿→⑥弁「財」天
→⑦寿老人の順番になっていましたが、この写真では(上から順に)インド由来の神、中国由来の
仙人、日本オリジナルの神の順にレイアウトさせていただきました。あしからずお許しください♪
 しかも一乗院さんには、上記の七福神とは別にさらにもう一組の七福神が完備されています。こちらの七福神はずらり並んでお堂に祀られていました(下の写真)。
 
  これ以外にも境内には単体の仏像(キティちゃんピカチューなどどう見ても仏像と言えない像も含む)が多数、楽しそうに鎮座ましましていました。

 ちなみに下の写真に写っているのは七福神を背中に乗せた亀の石像です。上の部分が回転する造りになっており、一回転させると七福神全員を拝むことが出来ます(いま見えているのは毘沙門天)。

 それぞれの神さまの頭の上には神さまのお名前が、なんと油性マジックで手書きしてありました。なんだかとってもロックンロール(汗)。しかし、できればここはマジックペンではなく、ちゃんと石に彫っていただけると嬉しいなーなんて思う私はワガママなのでしょうか!?
 
 驚いたことに境内のいちばん端っこには厄病神も祀られていましたが、聞けばこのお寺は厄落としでも有名だそうですから、疫病神はうまいこと庭の隅に封じ込められているのでしょう。 

こいつが「厄病神」だそうです。意外に可愛いじゃないですか(笑) 
 こちらで頒けていただける絵馬には、「厄」の一文字が刻まれており、文字部分だけ切り抜いて落とせるという凝った造りになっているようでした。
 
 このあと暫く境内をそぞろ歩いてみました。細かなところにまで目を向けてみると、なかなか味わい深いお寺さんであることがわかります。


 最後は勝軍地蔵にお詣り。手のひらに載ってしまうほど小さく可憐な童子の姿をしていますが、試験合格を司るお地蔵さんとして大人気のようでした。当然ここでも、

博士論文が通りますように

と祈願。

 もっとも、その前にまず論文を書き上げなくちゃいけないんですけどね。
 通る通らないはその後の話ってことで(苦笑)。
 
 というわけで、お蔭さまで今年も納得のゆく初詣・初七福神めぐりを済ませることができました。

 このあと一乗院さんからの帰り道にちょっと面白い物を4つほど見かけましたので、オマケとして書いておきますね。

[オマケ1:トリケラトプス]
 ちょっと立ち寄った水戸市森林公園の恐竜広場にいました。
 なかなかの面構え。割と好みです。1匹飼ってみたいけどブースケが反対するだろうな(笑)。
 
 [オマケ2:はにまるタワー]
 こちらは「くれふしの里古墳公園」の巨大建造物、題して「はにまるタワー」!
 下の人と比べていただくと大きさがおわかりいただけるかと思います。

 そして「はにまるタワー」の内部には「真実の口」風味の顔がありました。本家イタリアの顔とくらべて何となく悲しそうに見えるのは、『おーい!はに丸』(1983-89)の放送が終了してしまったからでしょうか(すみません、ネタが古すぎました)。



 ちなみに、くれふし公園は広大な公園というわけでは決してないのですが、その中には前方後円墳6基+帆立貝形前方後円墳1基+円墳9基がひしめき合うように林立していました。

 しかしこれらが一体どなたのお墓なのかという肝心の説明は見当たらず。しかも古墳の横にはあきらかに真新しい個人のお墓も何基かあったりして。豪族の古墳と豪族の末裔のお墓なのでしょうか。どういう経緯なのか、ちょっと気になりますね。

 公園とその周辺を散策したところ、驚いたことに、『古事記』に登場する「上葺かずの門」(鳥居Πの上の横棒がない、縦2本の棒| |だけで構成された門のこと)に似た門柱をいくつか見かけました。もしやこの地域の人々は古代の門の形を今も踏襲しているのでしょうか。

 色々と謎だらけですが、とりあえずこの古墳がどなたのお墓かご存知の方がいらっしゃいましたら、是非ともご教示くださいませ。非常に気になります。

 [オマケ3:水戸黄門御一行のサイン]
 ランチをいただくために立ち寄った、ごく普通のお蕎麦屋さんに置いてあったサイン色紙。由美かおるさんが真ん中、その両側に助さん格さん(?)という配置でお名前が書かれているのを見て、

「やっぱり主人公は由美かおるさんよねー♪」

と妙に納得(笑)。
 それにしても『水戸黄門』出演者の皆さんが立ち寄られるあたり、さすが地元のお蕎麦屋さんですね。
 
[オマケ4:巨大達磨]
 最後のオマケもやっぱり巨大仏。鳳台院というお寺で見かけた達磨像です。

 それにしても茨城県のこのあたりは、どうしてこうも大仏の出現率が高いのでしょうね。有名な牛久大仏も近いし、今日1日でずいぶん巨大仏を見たような気が(よく考えたら「はにまるタワー」と「トリケラトプス」は大仏でも何でもないわけですが、そのへんは誤差の範囲内ということで……)。

 しかも平成27年には新たに高さ35メートルの釈迦大仏が建つらしいので、その時は是非とも遊びに行かせていただこうと思います。
 
 というわけで今年も春から縁起がよさそう
 今日の「週マ」を読んでくださった皆さまにたくさんのが訪れますよう、心からお祈り申し上げます。

 私は博論執筆をひきつづき頑張ります。
 ではでは♪
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


ママに抱っこされて完全に「保護色」状態

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2014年1月12日
山田 真美
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