2014年6月7日号(第511号)
今週のテーマ:博士論文を提出して参りました
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★ 仏教エッセイ ★
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『仏教一年生』は『仏教二年生』と改題し、近々(博士論文が仕上がり次第)新スタートの予定です。暫くお待ちくださいませ♪
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新作論文「捕虜を生きる身体:第二次世界大戦期・カウラ第十二戦争捕虜収容所に於ける日本兵の日々」が『人間文化創成科学論叢第16巻』に掲載されました。こちらから全文をご覧いただけます。
キーワード: カウラ, 戦争捕虜, 身体, 男子同衾, ホモソーシャル |
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お蔭さまで、このたび無事に博士論文を提出して参りました。
「提出した」と言いましても、これで万事が終わったわけでは勿論なく、ここから更に2~3か月をかけて厳しい審査をしていただくのですが。
とは言え、兎にも角にも最後まで書きあげて提出できましたので、とりあえず大事な階段を一段昇れたかなと思います(提出しないことには何も起こらないのですもの、ネ)。
今回提出した論文は本文約16万字に加えて添付資料が100数十ページ。これを6セット用意し、5人の審査員の先生方と教務課へそれぞれお届けしたのですが、この作業だけでもかなりの重労働でしたよ。
ここ2~3か月は執筆のため慢性の睡眠不足に陥っていましたし、なんとしても締め切りに間に合わせなければというプレッシャーが常にかかっていました。脳力・体力・精神力をフル稼働しなければならない博士論文の執筆って、まさにトライアスロンのようだなと実感。 |

書斎のある長野と大学がある東京の往復にすっかり慣れました(写真は長野新幹線)

これは「旅のお供」ではなく東京の友人へのお土産です。いえ本当に(笑) |
というわけで博士論文に没頭していた昨今ではありますが、とはいえ私も社会人。今年度も明治学院大学経済学部の特命教授をおおせつかっております。
「大学教授で女子大生」という超レアな組み合わせの肩書きが、もう少しのあいだ続きます。
ちなみに、昨年度から引き続いて担当させていただいているのは「現代経済特講 現代日本社会と経済」という授業です。学生の3分の2がアジアからの留学生。残りの3分の1が日本人学生。キャンパスでの従来の「座学」と関係機関への「訪問」を半々に行なうという新しい授業形態なんですよ。
今学期は既に国会議事堂と法務省にお邪魔しました。
夏休み前には経産省と財務省に伺う予定です。
今週はキャンパスで戦後の日本経済の動向を概観するという授業(座学)をしました。留学生が多いことをふまえ、神武景気、岩戸景気、いざなぎ景気などの言葉の意味から説明しました。三種の神器と呼ばれる耐久消費財(白黒テレビ・掃除機・洗濯機)が売れた時代性について説明する場面では、なぜ人々がテレビに飛びついたのか、その背景を理解してもらうためにミッチーブームなどについても触れました。
そんなわけで今週は半分日本史の授業のようだったかも知れませんが(笑)、留学生は日本史に不案内な面がありますので、そのあたりをしっかり押さえる必要があると思いまして。
経済学も歴史の大きな流れの中で把握すると腑に落ちることが多いように思います。
この授業が学生達の日本理解の一助になればと心から願っています。 |

明治学院大学経済学部の学生達と国会議事堂前にて

同じく学生達と法務省の法務大臣室にて(後列右端は国会議事堂と法務省への訪問を
お世話してくださった野沢太三元法務大臣秘書官の森山泰三さま) |
先月から今月初旬にかけては、これ以外にもパーティーそのほか色々な場所に出かけました。
どんなに忙しくても、博論を書きながらも、そういう時間は何としてでも捻出!
そのなかでもハイライトは、日本小売業協会の総会の後で行なわれた懇親パーティーにお呼ばれし経済界の多士済済と歓談したことと、オーストラリアの民間人強制抑留問題にお詳しいクイーンズランド大学の永田由利子先生にお目にかかったことでしょう。
よき出会いは常に人生に活性化をもたらしてくれますからね。「人と人の間」と書いて「人間」ですもの。大いに外に出て、人とお会いする。たとえ博論執筆で死にそうに忙しいときでも(笑)。実際、人と会うと、思いがけない発想が湧いてくることが多いですから、結局は引き籠っているよりもずっと前進できるように思います。少なくとも私の場合はそうです。
下の写真はどちらも博論提出前のスナップです。時間的に追い詰められてかなりテンパっていたはずなのですが、結構いい笑顔を浮かべていますね(笑)。
こういう無数の素敵な出会いによって私の人生は出来ているんだなと実感。
本当にありがたいことです。 |

日本小売業協会の懇親パーティーにて(左から)私、日本商工会議所の三村明夫会頭、
全国商工会議所女性会連合会の山崎登美子会長、ダイヤルサービスの今野由梨社長

こちらは永田由利子先生と明治学院大学学食にて。何を隠そう永田先生は明治学院の先輩です。
ふたりが食べているのは、学院の創設者であるヘボン博士が愛したという「ヘボンカレー」♪ |
これとは別に(残念ながら写真はないのですが)、先日は明治学院大学の敷地内に在る白金海軍墓地跡で執り行なわれた年一度の慰霊祭に初めて臨席し、玉串を捧げる儀式に参加させていただきました。
現在明治学院が建っている場所は、かつては日清・日露戦争の戦没者を祀った広大な海軍墓地が在ったところ。さらに歴史を遡れば信州松本藩松平家の下屋敷だったという記録もあるようです。今は学院の敷地の一部(桜田通り沿い)に小さな神社と古い墓碑などが残されるのみで、学院関係者のあいだでもほとんど知られていないのですが。
……これを機に白金海軍墓地について調べてみたいな、などと思ったりしています。
そんなこんなの東京生活から一転し、山に戻ると一挙に晴耕雨読の日々が待っておりました。
特に目下のマイブームは、何と言ってもニワトリの世話なんです(笑)。
昨年の初夏に知人からもらってきた5羽のヒヨコは、オンドリ1羽とメンドリ4羽になりました。ニワトリのいる暮らしはなかなか牧歌的で絵にはなるのですが、彼らの人間関係というかニワトリ社会ときたら、知れば知るほど複雑で問題だらけなのですよ。 |

ニワトリが産んだ卵を集め、日付を書くのは私の仕事 |
ここでは4羽のオトナのメンドリをA・B・C・Dと呼ぶことにしましょう。
メンドリAは4羽の子を育てましたが、そのうちの1羽は凶暴なメンドリDにつつかれて夭折。
残りの3羽はだいぶ大きく育って、今では「中学生トリオ」と呼ばれています。
メンドリBは2羽のヒヨコを育てています。彼らの名前は「歌舞伎」と「キイロ」。
ちなみにキイロは全個体の中で唯一、体色が白っぽい子です。
メンドリCは、卵を産むものの子育て(卵の孵化)は一切せず。
一番キャラが薄いと言いますか、居るのか居ないのかハッキリしない存在です。
メンドリDは凶暴な性格のため他のニワトリと一緒にすることができず、事情をすべて理解してくれている近所の人にもらわれてゆきました(但しその家でキツネ被害に遭い、メンドリは盗られてしまった由)。 |

メンドリBの子。4月28日生まれ(孵化)の「歌舞伎」。名前の由来は、隈取が助六みたいなので♪

「カブキ」より2日遅れの4月30日に孵化した黄色い子は、見た目どおり「キイロ」と命名

仲良しの歌舞伎とキイロ、それを誇らしげに見守るママ(メンドリB)

歌舞伎とキイロ。もふもふしていて驚くほど温かいんです

唯一のオトナのオンドリ。全ひよこの父。名前は「光源氏」(笑)。
性格はご覧のとおり、完全に我が道をゆくタイプです |
前述のように、凶暴なメンドリDを放逐しましたので一家に平和が訪れると思いきや、今度は歌舞伎とキイロの母であるメンドリBが男子中学生をくちばしで攻撃し大怪我をさせるという悲しい事件が発生。
男子中学生が歌舞伎とキイロに近づきすぎ、母鳥の逆鱗に触れてしまったのが原因でした。
人間関係ならぬニワトリ関係において距離の取り方を間違えた男子中学生は後頭部に大怪我を負いましたが、どうにか一命を取り留めました。しかし傷はかなり深く、一生ひどい傷跡が残りそうです。
それにしても、ニワトリ社会がこんなにも難しいものだとは露知りませんでしたよ。
のどかで牧歌的な社会を何となく想像していた私はつくづく甘かったですね。はい。 |

後頭部に大怪我をした男子中学生(3月8日頃孵化)と、それを
心配そうに見つめる根っからの平和主義者のブースケ氏 |
そうかと思えば今しがたは、ニワトリ小屋にいきなり野生の鳥が飛び込んで来ましたよ。 |

間違ってニワトリ小屋に飛び込んできた小鳥。「ひわ」でしょうか。
野生の鳥なのに人懐こく、手で持っても嫌がりませんでした

知らない子を見てパンダは明らかに腰が引けています |
そんなこんなで色々なことが起こり、山の生活は一瞬も飽きることがない感じ。
実はメンドリAがまたしても卵を抱いておりまして、6月21日以降に孵化する見込みです。今でさえ複雑なニワトリ関係がこれ以上複雑化したら、一体どうなっちゃうんでしょう。ともあれ続報にご期待ください。
ところで話はガラッと変わりますが、先日、とあるパーティーで製菓会社のブルボンの方にお目にかかったんですよ。その時に何気なく、
「私、ルマンドが大好きで、毎日2~3本はいただいてるんです♪」
と本音をぽろりとお話したんですね。そうしましたら、先程ブルボンさんからクール宅配便が届きまして、開けてみたらお菓子がどっさり。
なんという素晴らしい気配りでしょう。素直に飛び上がって感激しました。
不朽の名作「ルマンド」万歳。かくなる上は、これからもルマンドと運命を共にしますとも(笑)。 |

ルマンドは冷蔵庫でよ~く冷やして召し上がると美味しいですよ。と勝手にブルボンの宣伝(笑) |
さて、今日はこれから建築家・池田武邦先生のご講演を拝聴に行ってまいります。
池田先生は霞が関ビルなど日本の高層ビルのさきがけとなる建築物や長崎のハウステンボスなどをデザインなさった方。とはいえ今日のレクチャーは建築に関することではなく、巡洋艦「矢矧」に乗っていらっしゃった海軍士官時代のお話なのですが。
実は私、もう20年ほど前になりますか、池田先生とトークショーをさせて頂いたことがありまして、今日は久々の再会となるんです。池田先生は90代の半ばに差しかかられた頃でしょうか。講演会をなさるほどお元気なご様子、何より嬉しく思います。
今日は全国的に雨模様でお足もとが悪いようですが、皆さまも健やかなる週末をお過ごしくださいませ。ではでは♪ |
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪

パンダとキイロ(ひよこの名前)のガールズトーク
(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
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