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2009年8月1日号(第346号)
今週のテーマ:
皆既日食【3】風に吹かれて
★ 仏教エッセイ ★
真言宗のお寺・金剛院さんのウェブ上で『仏教一年生』と題したエッセイを連載中です。第16回のテーマは「不老不死のお酒」です(毎月28日頃に更新予定)。左のロゴをクリックしてページに飛んでください。
 鹿児島市内で友人たちと別れた私は、残る1日半を風の吹くまま気の向くままゆっくりと過ごすことにしました。

 それまで2日間絶えずおしゃべりしていた状態から急にひとりになって、ここから先は頬を撫でる南の風だけが唯一の友。

 すべてが静謐の世界にもどって、私はなんだか夢でも見ているような気持ちで、何も考えずに、視界に流れてゆく風景をただただ受け止めていました。

(このときの“なされるがまま”な感覚を再現するため、今日の日記には最低限必要な文章しか入れないようにします)

 それにしても、今日はほぼ快晴に近い素晴らしいお天気。

 この半分でもいいから昨日のうちに太陽が顔を出してくれていたら運命は変わっていたのですが(笑)。

 ……運命とは、かくもイタズラなものです。
  
(左)桜島行きのフェリー乗り場 (右)鹿児島港から桜島をバックに記念撮影


  
鹿児島・桜島間を就航するフェリー。最上階は広いデッキになっています
 鹿児島港から桜島まではフェリーで片道12分、料金おとな150円。しかも24時間就航(!)だそうで、気軽にいつでも往来できるのが魅力ですね。

 桜島に到着するや、さっそく地元の路線バスに飛び乗りました。

 地元のおばちゃんたちが話すやわらかな鹿児島弁をBGMに、車窓に広がる海を眺めながらぼーっと過ごすこの時間……。これぞ至福のときです……。

 小1時間後、バスは有村という地区にある溶岩展望所に到着。桜島がよく見えそうなので、ここでバスを降りることにしました。バス代、おとな片道360円。

「帰りのバスは1時間半ほど来ないけど、だいじょうぶ?」

と心配してもらいながら下車。
  
溶岩展望所前のバス停。もくもくと煙を吐いているのが桜島です
 観光シーズンにはまだ早いのでしょうか、動くものと言ったら、パラパラと散らばった観光客のほかは、高く低く優雅に舞う鳥の姿だけ。

 ここに到着したのが真っ昼間だったことと、日差しをさえぎる物がほとんど何もないことから、ただただ死ぬほど暑い……!

 しかし私は半分インド人化しているので(?)、死ぬほど暑い南国が大好き

 ついでに、自分が日焼けしたときの顔のほうが好きなので、降りそそぐ蝉時雨に身も心もあずけ、日に焼けるに任せることにしました。

 日食ですべてを使い果たしたのか、いい意味で、今ちょっと放心状態(笑)。
 というか、心がからっぽなこの状態が、気持ちいい!
  
刻一刻と煙の表情が変化する桜島をバックに、ジリジリと日焼け進行中(笑)
 十分に桜島を拝んだあと、1時間半後に約束通りやって来たバスに乗り、私は再び小1時間をかけて桜島港へと戻りました。

 バスから降りると、すぐそばに月読神社があったので、手水場(ちょうずば)で両手と口を清めて参拝。

 ご存知のように、月読命(つきよみのみこと)はイザナギの子で、すぐ上の姉が天照大神、すぐ下の弟がスサノオノミコトというサラブレッドな神さまですが、なぜか神話のなかではほとんど活躍していません。

 ゆえに、月読がメインに祀られた神社は、あまり見たことがありません。
 参拝しながら、

おたくのお姉さまったら、昨日は最後までお出ましになりませんでしたネ。ひどいわ」

と、罪のない弟に思わず文句を言っていた私は、やはりまだ日食トラウマ続行中(苦笑)。
  
桜島の月読神社
 さて、参拝を終えてふと道の向こう側を見ると、「足湯」の看板が目に飛び込んできました。
 私のカラダは、目に見えない力に引っ張られるようにしてそちらの方向へ(笑)。

 そろそろ3日間の疲れが出てきたのでしょう。足湯が気持ちい〜い!(しかも無料だし)

 次いで、そのお隣にあったマグマ温泉(有料)にも入り、本格的にくつろぎました。

 うーん、これぞこの世の極楽……。

 するとそこへ誰かから電話が入ります。出てみると、今回期せずして筋金入りの雨男であることがバレた大森先生ではありませんか(※雨男事件の詳細は前の日記をご参照ください)。

私:「あ、先生。先ほどはどうも。無事に伊丹空港にお着きになりましたか?」

先生:「いや〜、それが、参っちゃったよ。飛行機は予定どおり飛んだんだけど、伊丹空港が集中豪雨でね、上空で1時間ほど旋回して天気が良くなるのを待ったものの、結局着陸できなくて、急きょ関空に降りたよ。で、今、関空から電話してるの」

 もう〜! 大森先生の雨男ぶりは凄すぎ!(苦笑)
  
溶岩なぎさ公園内にある足湯と桜島マグマ温泉
 そうこうするうち、さすがにおなかが空いてきたので、国民宿舎で夕食にすることにしました。

 ビールを一口飲んだ途端、とろとろと全身が溶けてしまいそうに心地よい睡魔が……。

 桜島がこんなにいいところだと知っていたら、鹿児島市内ではなく島の旅館に泊まれば良かった。
 次回はそうします(笑)。

 それにしても、種子島もそうでしたが、こちらのお醤油はビックリするほど甘いですね〜。

 国民宿舎のように全国からお客さんが集まる場所だと、甘いお醤油ではダメという人もいるのでしょう、「甘口」「辛口」2種類のお醤油が置いてあったのが印象的でした(しかも「甘口」の瓶のほうが若干サイズが大きめ)。

 両方の味にトライしてみてどちらも甘く感じた私は、塩分濃度の高い漬物で育った信州人ですネ、はい(笑)。

 慣れてしまうと、甘いお醤油は旨みがあって美味しかったです。
 お土産に買ってくれば良かったな。
  
国民宿舎にて。ビールとタコのぶつ切りでスタートし、このあとは魚介類に舌鼓を打ちました
 おなかが一杯になってすっかり眠くなった頃、桜島にさようなら

 再びフェリーに乗って鹿児島市内へ。
  
青い色のトーンがあまりにもキレイで、言葉もなく……
 30分後には、街の真ん中にあるホテルに到着。

 宿泊客は無料で岩盤浴が利用できるというので、ここでさらにいい汗をかき、部屋に戻って(ついに着る服がなくなったので)ジャブジャブお洗濯

 その後、気がつけば浴衣を頭からかぶったまま死んだように爆睡していました(笑)。

 翌朝はゆっくり時間をかけて朝食をとり、そのあとホテルをチェックアウト。
  
窓越しに道行く人を眺めながらバイキングの朝食


  
ホテルの前を走っている路面電車が可愛い〜♪
 その後、空港行きのリムジンバスに乗り、窓から外の風景を眺めていると、百貨店らしき建物の壁に「ワンコインラン」の垂れ幕が。

 わ、わ、わんこ淫乱!? ブースケが何かやったのか?!
  
紛れもなく「ワンコインラン」と書いてあります(窓ガラスが青いので青い写真でゴメンナサイ)
 ……と思ったら、「ワン コイン ランチ」でした(笑)。

 障害物があって、最後の「チ」の字が見えなかったんですよ。まったくもう、人騒がせな。
(っていうか、普通は誰もそんな読み間違いしないって(笑)。

お騒がせしました(笑)
 旅の終わりに私が向かった先は、鹿児島の焼酎文化とチェコビールの両方が楽しめるというお酒のテーマパーク、その名も「Barrel Valley Praha & Gen」。

 鹿児島空港のすぐそばにあり、空港から電話をすると5分で迎えに来てくれました。

 ちなみにこちらでは、島津藩御用達の焼酎を作っていらっしゃったとのこと。

 また、現在の社長は日本外務省も認定する駐九州スロヴァキア名誉総領事を務めていらっしゃるようですから、古くからの地元の名士なのでしょうね。

「Barrel Vally Praha & Gen」公式ホームページ
http://www.praha-gen.com/

Barrel Valley Praha & Genの入口
 ここには、焼酎の歴史がわかる小さな博物館、ガラス越しに工場見学ができる醸造所(ただし季節により稼働していない場合あり)、ショップ、レストランなどが充実しており、しかも空港からの送迎も含めて、入場は無料でした。

 しかし何よりも嬉しいのは、焼酎をふんだんに試飲できること♪

 甘口から辛口まで全品試飲させていただき、気に入ったものを何本か買ってきました。
  
(左)焼酎誕生までの歴史がつづられた博物館としても秀逸です (右)本格焼酎、その名も「チンタラリ」。
何かのコンテストでネーミング大賞を受賞したそうですよ(納得!)


  
今回のイベントに向けて発売された焼酎「皆既日食」。当然、お買い上げ〜♪


  
(左)西郷隆盛の飼い犬「つん」にちなんだお菓子 (右)お約束の顔入れシリーズ、今回は
篤姫です。お隣には、なぜかローマの「真実の口」のレプリカが置いてありました(笑)


  
チェコビールのほか、本日作りたての地ビール(霧島高原ビール)が飲めるコーナーもあります


  
旅の終わりに、チェコ風のお庭でひとり乾杯!
 いい感じに酔いが回ってきたので、例によってmixiにも日記を投稿。
 今回は「日食ツアー」に行ったはずでしたが、こうして振り返ってみると、むしろ私は「日食」をダシに使って、種子島をはじめとする鹿児島を徹底的に楽しんだみたい。

 思い残すことはなく、鹿児島から一飛びで羽田へ帰った私は、空港内を移動するバスの中から大きなダブルレインボー(二重にかかる虹)を見ました。

 なんだか神々しいような、幸先の良さそうな虹のお出迎え。

 残念ながら、カメラを取り出して撮影モードに入るあいだにあっという間に消えてしまいましたが……バスに乗った人たちが一斉に「ワッ」と声をあげるほど幻想的だったんですよ……。
  
(左)空港内を移動するバスから見たダブルレインボー(もうほとんど見えないけれど……) 
(右)羽田空港に飾られていた石川遼さんのポスター。実はうちの息子はよく「石川遼に似て
いる」と言われるんです。私の目から見ても、確かに結構似ています。なので記念撮影♪
 というわけで、3回にわたってお届けしてまいりました「皆既日食日記」は、これにておしまい。
 皆さま、ご高覧いただきまして誠にありがとうございました。

 今日はこれから若い女友達の結婚式に出席してきます。

 彼女はホリプロにお勤めで、伊集院光さん西川史子さんのマネージャーをしておられます。
 ちなみに結婚相手の男性もポリプロにご勤務で、山瀬まみさんAKB48などのマネージャーさんなんですって!

 ドレスコードを見たら「仮装大歓迎」みたいなことが書いてあるし(笑)、かなり賑やかな結婚式になりそうです。

 今日から8月。皆さんも、それぞれの夏を楽しんでくださいネ。
 ではでは♪

※なお、次号の「週刊マミ自身」には「夏休み読者プレゼント」が付く予定です。こちらもお楽しみに♪
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


甘い香りに誘われて来ても、未成年犬にお酒は
あげませんよ〜

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2009年8月1日
山田 真美
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