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2012年10月28日号(第466号
今週のテーマ:
秋山郷へ秋をさがしに
★ 仏教エッセイ ★
言宗のお寺・金剛院さんのウェブ上で『仏教一年生』と題したエッセイを連載中。第37回のテーマは「『智の器』としてのお寺の面白さ」です。左のロゴをクリックしてページに飛んでください。
 
 平家の落人伝説でつとに有名な秋山郷(あきやまごう)へ行ってまいりました。

 秋山郷は長野と新潟の両県にまたがる山間部にあって、冬季は雪に鎖ざされ自衛隊が物資を運ぶことも。日本のチベットと呼ぶ人もいるほどの秘境です。

 秋山郷の短い夏と長い冬のあいだにある秋の風情が、なぜか私は無性に好きでして、実はほとんど毎年のように出かけているのです。

 うちの山小屋から秋山郷への行き方は色々なルートが考えられますが、今年は奥志賀渓谷を散策してから横手山方面を通り、そこから山を下って秋山郷へ出ることにしました。
 
いい感じに紅葉した奥志賀渓谷をブースケとお散歩
 奥へ奥へと車を進めるうち、やがて「チェーン着用」のサインが出てきました。
 なんと、早くも初雪が降っていたとは!

 愛車には既に冬用タイヤを履かせてありましたから足には自信がありましたが、問題は厚手のジャケットを持ってこなかったこと。この分だと、横手山あたりはかなり寒いんじゃないかな。

 案の定、横手山(標高2,307m)の山頂は真っ白
 スキー場にも一面に雪が降り積もって、今すぐにでも滑走できそうです。板を持ってくれば良かった!?

手前の森は「まだ秋」、奥の山は「もう冬」。秋と冬の境目がビジュアルでハッキリ見えた横手山



今シーズン初の雪をそっと踏んでみました♪
(諸般の事情であわてて車を降りたので、靴紐が解けたままでした(汗))
 降り積んだばかりの初雪を写真に収めようと車外に出たところ、木枯らしの冷たいことと言ったら!
 やはり、10月を過ぎたらヒマラヤ仕様のジャケットを常時車に積んでおくべきですね、いや本当に。

 そこから先は、さらに大蛇のように曲がりくねった山道を進んでゆくと、見慣れた秋山郷の秋風景が見えてまいりました。

秋山郷の入り口あたり。水の流れる音が余計に静寂を引き立てます



糸を垂れて渓流釣りがしたくなりますね
 噂によれば、秋山郷の古くからの住民のうち約半数は「山田姓」、残りは「福原姓」なのだそうです。なんという山田天国(笑)。

 そういえば今から29年前でしたか、初めて秋山郷を訪ねたとき、ふと路傍を見ると、

山田さん、シートベルト忘れないでね

という交通標識を見つけて大受けした覚えがあります。本当に、山田さんが多いんですネ(笑)。
 
29年前の証拠写真(秋山郷にて)
 それにしても平家の落人達は、一体どんな苦労をしてこの山奥に辿り着いたのでしょうか。

 箸より重たい物を持ったことのないお姫さまや、昨日まで蝶よ花よと大事に育てられた苦労知らずの貴族の子達が、一体どうやってこの峻厳な山々を越えることが出来たのか。

 いくつもの険しい山を乗り越えて秋山郷に落ち延びた彼らの行動を思えば、「諸行無常」なんて言葉は弱すぎる気がします。

 「奢れる平家は久しからず」と謗(そし)られようと、後の世の人に批判されようと、兎にも角にも辺境の地で生き延びたんですから、なんとも逞しいじゃありませんか。

 仮に、いや、あくまでも「仮に」ですが、彼ら平家の末裔が山田という最も平凡な姓を名乗って今日まで生き延びたのだしたら、それは凄い処世術だと思うし、山田な私は、やはりどうしたって彼らに親近感を覚えてならないのでした(笑)。

ちょっと野趣味にティータイム(家から卓袱台持参!)
 ちなみにこの日、山小屋へ戻ってみると、なんと7匹のウリボウ兄弟が庭のすぐ下の山道を散歩していました。
 
 こうして見ると、わざわざ秋山郷まで行かなくても、うちも十分に秘境ですね(笑)。

*おまけ:2年半前の春に秋山郷へ行った時の日記はこちらからお読みいただけます♪
 
山小屋に現われたウリボウ兄弟。あわててどうにか撮影した1枚につき、ピンボケをお許しください!
 そろそろ寒くなってまいりました。皆さま、お風邪などひきませんようご自愛くださいませ。

 ではでは♪
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


「もっと速く歩こうよ」とばかりリードを
引っ張る元気なブースケ君

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2012年10月28日
山田 真美
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