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2009年5月11日号(第334号)
今週のテーマ:
儚(はかな)い鯉の物語
★ 仏教エッセイ ★
真言宗のお寺・金剛院さんのウェブ上で『仏教一年生』と題したエッセイを連載中です。第13回のテーマは「仏のレッスン」(4月28日更新予定)。左のロゴをクリックしてページに飛んでください。
 お気づきになった方もいらっしゃると思いますが、前回の「週刊マミ自身」は記念すべき第333号でした。

 昔からゾロ目好きであることに加え、3+3+3は私のラッキーナンバー「9」なので、333という数字の並びはなんとなく縁起がいい感じ。

 せっかくなので、記念に333にご縁のある例の場所へ行ってみようとトツゼン思い立ち、先週号の「週マ」を書き終えた直後に行って参りました。

 333にご縁のある「例の場所」と言えば……もちろん、高さ333メートルの東京タワーです。

 実は少し前に、情報力に定評のあるスパイ友達(嘘)から、

「ゴールデンウィークの東京タワーに333匹の鯉のぼりが飾られるらしいですよ」

という耳寄りなニュースをゲットしていた私。

 「333匹の鯉のぼり」と聞いたとき、私の頭にパッと浮かんだのは、川の向こう岸からこちら岸までズラ〜ッと並んで気持ちよさげに泳ぐ鯉のぼりのイメージでした。

 ほら、最近日本中あちこちで流行しているじゃありませんか。

 もう使わなくなって物置の隅で眠っている鯉のぼりを町のみんなが供出し、1本のロープに並べて吊るす、あの雄大な鯉のぼりの飾り方。

 「東京タワーに333匹の鯉のぼり」と聞いた私が条件反射的にそういうドラマティックな風景を連想したことは、言うまでもありません。
  
こちらは東京近郊某所でたまたま見かけた鯉のぼり。全部で100匹弱ぐらいでしょうか。
どうやって向こうの崖からこちらの崖へ渡したのか、気になります(2009年4月撮影)
 東京タワーに行ってみようと思いついた日(こどもの日)の東京地方の天気は、あいにくの

 できることなら写真撮影がしやすい晴れの日まで待ちたかったのですが、なにしろ相手は期間限定イベントです。この日を逃してしまうと、もう後がありません。

 仕方がないので、雨にも負けず東京タワーを目指すことにしました。

 麻布十番から、赤羽橋、東京タワー下……と車を走らせて行くと、ビルの合間に東京タワーが見え隠れしはじめました。

 いよいよ鯉のぼりと「ご対面!」と思いきや、奇妙なことに、タワーに近づけども近づけども、なぜか鯉のぼりらしき物体が一向に見えてこないではありませんか。

「おかしいなあ。いくらなんでも、もうそろそろ見えてくる頃じゃない?」

 そうこうしているうちにタワーの根元に着いてしまいました。
 にもかかわらず、どちらを見ても鯉のぼりの影も形もない!

鯉のぼりはいずこ?(汗)
 キツネにつままれたような心持ちでタワーのなかに入り、ともあれインフォメーションのお姉さんに尋ねてみました。

「あのー、すみません。こちらに333匹の鯉のぼりが飾ってあると聞いてやって来たのですが……」

 すると、お姉さんから返ってきた答えは、

「はい。それでしたら、この下のフロアが1階となっておりますので、まずは1階まで降りてください。鯉のぼりは建物のちょうど反対側、出口をお出になったところに飾ってあります」

 おっとっと。どうやら私は裏口(しかも2階の)から東京タワーに入ってしまったようです(汗)。

 お姉さんにお礼を言い、目の前の階段をだだだっと駆け下りて1階へ……。
 反対側の出口から表に出ようとすると、今度はガードマンさん(らしき人)から、

「あ、お客さま。ここは入口ですから、ここからはお出になれません」

制止されてしまいました。

 こうなるともう、完全におのぼりさん状態(さらに汗)。

 しかし、私以外にも何人か同じドアから外に出ようとした人が制止されていましたから、そもそも案内がわかりにくいんじゃないかという気が、しないでもないんですけどね(と一応言い訳してみる(笑))。

 ちなみに、ガードマンさんから「ここは入口です」と言われたガラスのドアからチラッと外を見たのですが、なんと、そこにも鯉のぼりは見当たらないではありませんか。

 一体どうなってるの?

 出口専用扉から外に出たところ、何やら頭の上にたなびく小さな万国旗のような物の気配が。

 嫌な予感を覚えながらそちらに目をやると……えっ?
 333匹の鯉のぼりって、もしやこれのことですか?
  
 端午の節句に庭先に飾る立派な鯉(つまり体長2〜3メートルほど)が333匹並んで泳いでいる風景を勝手に想像していた私は、目の前に吊るされた鯉のぼりのあまりの小ささに目が点(苦笑)。

 ここに並んだ鯉のぼりの体長は……あくまで目測ですが……20センチぐらいでしょうか。

 なにしろバックにドーンと東京タワーが控えているため、それとの比較で見た20センチの鯉のぼりは、あまりにも地味。

(うーん。正直、絵にならないなあ……)

 しかし、何はともあれここに来た証拠写真だけでも撮っておこうと思いまして、私はバッグからおもむろにカメラを取り出し、鯉のぼりに向かってシャッターを切り始めました。

 すると、展望台行きのチケットを買うために列に並んでいたご婦人がたが、雨のなかで写真を撮り始めた私を見つめ、次に、カメラが向けられた先にある鯉のぼりを見つめて、

「ちょっとアナタ! あんなところに鯉のぼりが飾ってあるわよ!」
「あらやだ、全然気づかなかったわ!」

ですって。

 飾りの真下に立っていたご婦人すら、鯉の存在に気づいていなかったようです(って、どれだけ地味なんだ(笑))。 

すぐ手前の道路を走っている車と比較すると、
鯉の小ささはますます歴然……orz
 というわけで、333匹の巨大鯉のぼりを写真に収めようという私の野望は儚(はかな)く消え去りました。

 でも久々に東京タワーのなかに入れたことだし、これはこれで良しとしましょう。

 それにしても、東京タワーに333匹の鯉のぼりを飾るというアイデア自体はとても楽しいと思いますから、来年はもう少しインパクトのある飾り方をして欲しいな。

 そうすれば見映えもするし、ニュース性もあるんじゃないでしょうか。

 もしも東京タワーの関係者の方がこの日記をご覧になっていましたら、「なるほどそんな意見もあるんだな」と参考にしていただければ幸いです。

 ところで、今これを書いていて俄かに思いだしたのですが、そういえばベトナムの有名なビールに「333」がありましたねえ。

 すっかり忘れていましたが、考えてみれば最初からこれを飲んで「週マ」第333号をお祝いすれば良かったかも。

 いずれにしても、今回はまことに儚(はかな)い鯉の物語でした(苦笑)。

333と書いて「バーバーバー」と読む
ベトナムのビール
 さて、先週号でお知らせしたスコットランド土産にはたくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。

 厳正なる抽選の結果、今回の当選者はKOJIさん(59歳、男性、新聞記者)に決定いたしました。
 おめでとうございます♪

ギネスブックが認定した「世界最小の
スコッチウィスキー瓶」3本セット
 KOJIさんからは、

次なる著作を待望しています。高野山でのお勉強の内容を知りたいです

という嬉しいメッセージもいただいております。

 ご期待に添えますよう頑張りますので、新作と小論文集は、暫くお待ちください。

 それと、今回は惜しくも選に漏れてしまった皆さん、ごめんなさい!
 これに懲りず、次の機会にぜひとも再挑戦してみてください。

 今週は仕事の合間を縫って、娘のLiAとふたりで映画をハシゴして来ようと思います。
 ではでは♪
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


見れば見るほど変なふたりです
犬版の弥次さん喜多さん!?(笑)


(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2009年5月11日
山田 真美
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