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2013年6月2日号(第480号
今週のテーマ:
算数を英語で+シン首相来日+雲丹フルコース
★ 仏教エッセイ ★
言宗のお寺・金剛院さんのウェブ上で『仏教一年生』と題したエッセイを連載中。第37回のテーマは「『智の器』としてのお寺の面白さ」です。左のロゴをクリックしてページに飛んでください。
 
 日に日に初夏めいてまいりました。

 信州の山小屋は今が花盛り。といっても園芸品種はひとつもなく、すべて自然に咲いた花、いわば雑草なんですけどね。

 勝手に自力で花を咲かせるワイルドさは、私そっくりかも知れません(笑)。

山小屋の花々(その1)。右上から時計回りに九輪草、シャガ、桜草、ツルニチニチソウ(蔓日日草)
 さて、先週も超多望な1週間でした。

 5月25日(土)は、長野県の北端にある飯山市の公民館で、「雪国大学公開講座 親子で英語を楽しもう」と題したレクチャーの講師を務めてまいりましたよ。

 テーマはずばり、「インドの算数を英語で!」(Indian Math in English!)
 インド算数の「考え方」を英語で理解しようというのが、今回のレクチャーのコンセプトです。

 インド算数のすごさというと、よく言われるのが「2桁の九九」ですよね。でも、最初にいきなり「九九の勉強」から入ってしまうと、ヘタをすると技術的なこと「だけ」にこだわったり、計算ドリルで100点を取ること「だけ」に達成感を見出すようになってしまう場合が、ないわけではありません。

 インド算数を理解するために最初に押さえておくべきは、むしろ空間認識という名の「インド哲学」のほうだというのが、複数の数学者を含むおびただしい数のインド人と長年付き合ってきた私の結論ですね。事実、インドの小学生の多くは最初の算数の授業で空間認識(the Concepts of Space)を徹底的に学んでいますから。

 そのインド算数のエッセンスの部分を、(インド人がそうしているように)英語で理解する。
 飯山公民館での1時間のレクチャーを通して、その、まさに根っこのところをお話ししてきました。

 今回の受講対象者は小学5~6年生とその保護者さんでしたが、皆さん目が真剣にキラキラ輝いて「未来を見ている」って感じでしたよ。その目の輝きをいつまでも大切にしてほしいなと思いました。

 なお、当日の様子は飯山公民館さんのサイトにも紹介されています。ぜひご高覧ください♪

講演会を主催してくださった飯山公民館長の服部秀人さんと
 28日(火)は、来日中のマンモハン・シン・インド共和国首相閣下の特別講演会を拝聴してまいりました。

 講演会は3つの団体(日印友好議員連盟、公益財団法人日印協会、民間外交推進協会)の共催です。私はこのうちの公益財団法人日印協会の理事ですので、少し早めに行って受付のお手伝い。

 受付に立っていると、次々に到着するゲストの方々のお顔がよく見えます。その多くが長年にわたって日印関係に携わって来られた方々で、お顔を見ているだけで胸にしみじみとこみ上げてくるものがありましたね。ゲストの皆さんを昔から存じ上げているということは、つまり、私もずいぶん長いことインドと関わって来たのだなあという感慨です。

 思えば大学2年生(19歳)だった1979年、アルバイトの英語通訳士として生まれて初めてインド人と出逢い、以来34年間、インドとの関係は途切れることなく連綿と続いています。「ご縁だから」と言ってしまえばそれだけのことなのですが……私はそこに、何か人智を超えた不思議を感じてならないのです。

 もっとも、そう感じるのは私がインド的な人間だからなのかも知れませんけどね(笑)。

 実際、「ご縁」以上に不思議なものが他にあるでしょうか。この宇宙の原理をたった一言で言ってしまえば、すべては組み合わせでしょう。水素(H₂)と酸素(O)が巡り合って水になるのも、言ってみれば「ご縁」。組み合わせ(ご縁)が現実のすべてを決定づけている。実に面白いではありませんか。

 なお、シン首相のスピーチ(英語)はこちらから、日本語訳はこちらからお読みになれます。
 
ホテルオークラ平安の間で行なわれた特別講演会



マンモハン・シン首相閣下(写真のピンが甘くてゴメンナサイ)



公益財団法人日印協会でご一緒の鈴木修さん(スズキ会長・社長)と私。
今日は殊のほか話が弾みツーショットをなんと5枚も撮ってしまいました♪
写真撮影: 佐伯健三氏
 講演会の後は銀座へGO! 明治学院大学時代の同級生である藤澤浩子さんと合流し、15年(!)も前から約束していた雲丹(うに)のフルコースに舌鼓を打ってまいりました。

 それにしても、15年前、私たちはなぜ雲丹を食べようと約束をしたのか。
 約束を果たすのになぜ15年もかかってしまったのか。

 ……そのあたりの記憶は、実は2人とも曖昧なのですが(なにしろ15年前のことですし)、

「まあ、そのへんのことはどうでもいいよね、今夜の晩餐が美味しければ♪」

ということで、細かいことにはこだわらないことにいたしました(笑)。

 ちなみに浩子さんは学術博士
 普段は法政大学などで講師をしていらっしゃいます(NPOがご専門)。

 大学時代の私達は、結構よく「つるんで」いました。温泉一泊旅行をしたり、原宿でお揃いのトレーナーを作ったこともあったかも(苦笑)。しかし大学卒業後は、就職(浩子さん)と留学(私)、さらには結婚・出産・育児などを経て次第に疎遠になり、それぞれの上の子が1~2歳の時に子連れで逢ったのを最後に、あとは年賀状だけの友と化していたわけですよ。まあ、世間にはよくあることです。

 しかし去年の3月、ひょんなことから再会(その経緯はこちらをお読みください)。最近は1か月に1度ぐらいの頻度で逢っているんですよ。こういう友達がいてくれるのは、本当にありがたいことです。




15年越しの約束を実現し雲丹のフルコースを堪能!(※フルコースの全てが写真に写っている
わけではありません。お酒を飲んでいるうちに、写真を撮る手がおろそかになりました(苦笑))
 つづく29日(水)は、この4月から始まった明治学院大学特命教授としての仕事です。

 今回は経済学部の留学生を連れて法務省を訪ね、日本の法制度について学んでまいりました。これは「日本社会経済研究」という講義の一環として行なわれた現地調査であり、今後は財務省、経産省、日銀、東京証券取引所などを訪ねる予定です。

 こうした留学生特別教育は、全国的に見ても「前例がない」(各省庁の担当者・談)ようで、明治学院がスタートした本カリキュラムが、今後はモデルケースとして活用される可能性大と思われます。

 この件に関する詳細は、明治学院大学経済学部ホームページに近々掲載される予定ですので、その折にまた改めてご案内いたします。

 さらに31日(金)は、お茶の水女子大学大学院のDゼミ(博士ゼミ)に出席したあと、日本オーラル・ヒストリー学会総会での研究報告のレジュメを作成。その後、新幹線で長野へ移動。……とまあ、例によってなかなかハードな日でございました。

 今週末はさらに締め切り原稿を2本抱えておりますので、週末も執筆です。
 皆さまにおかれましては、私にはご遠慮なく(笑)、どうぞ素敵な週末をお過ごしくださいませ。

 ではでは♪
 
山小屋の花々(その2)。右上から時計回りに九輪草(※上の写真の花とは色が異なります)、
マムシグサ(別名「蛇の大八」)、ヒメジョン、アヤメ。ちなみに私は未だにショウブとカキツバタと
アヤメを区別することができません(汗)
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


満腹すると必ず鼻をペロリ♪

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2013年6月2日
山田 真美
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