旅に出ていない限り毎週土曜日に更新します。
直前号(
高尾山の天狗の火渡り)は
こちら
から、それ以前のバックナンバーは
こちらから御覧になれます。

2009年3月13日号(第326号)
今週のテーマ:
神々のマトリョーシカ
★ 仏教エッセイ ★
真言宗のお寺・金剛院さんのウェブ上で『仏教一年生』と題したエッセイを連載中です(毎月28日更新予定)。第11回のテーマは「座敷わらし」。左のロゴをクリックしてページに飛んでください。
 先日、骨董品屋さんでなかなかの逸品を見つけて一目惚れ
 速攻でレジへ持って行き、即「お買い上げ〜」となりました。

 下の木製の人形がその品物です。

一目惚れ買いした人形
 二等身の奇妙なプロポーションですけど、このブログを読んでくださっている皆さんなら、この人形がいったい誰なのか、すぐにおわかりですよね? (ヒント=長い頭

 私が大好きな、頭の長いおじいさんと言えば……







 ……そうです、七福神のひとり・寿老人(じゅろうじん)です。

 この寿老人ドール、老舗の骨董品屋さんで売っていたぐらいですから、そこそこ時代物らしいのですが、その仕掛けがスゴい。

 実はこの人形、頭の部分を引っ張り上げると首から上がパカッ!と取れて、中から琵琶を抱えた弁才天が現われる仕掛けになっているのです。

寿老人の中に弁才天
 さらに弁才天の頭を引っ張り上げると、中から現われる大黒天

弁才天の中に大黒天
 さらにさらに大黒天の頭を引っ張り上げると、中から現われるゑびすさま

大黒天の中にゑびすさま
 さらにさらにさらにゑびすさまの頭を引っ張り上げると、中から現われる布袋和尚

ゑびすさまの中に布袋和尚
 さらにさらにさらにさらに布袋和尚の頭を引っ張り上げると、中から現われる福禄寿

布袋和尚の中に福禄寿
 最後に福禄寿の頭を引っ張り上げると、中から現われるのは豆粒のように小さい毘沙門天

福禄寿の中に毘沙門天
 これぞまさしく、ロシアの殺し屋もビックリ(?)の七段マトリョーシカ仕様の七福神なのでした。

 サイズ(体長)は、最大の寿老人が108mm、最小の毘沙門天が14mm程度。
 実にコンパクトに出来ています。

 頭の長い寿老人が7人のうちでいちばん外側にいるのは、デザイン的にそれが最も無理なくジャストフィットするからでしょうね、きっと(笑)。

七福神マトリョーシカ。毘沙門天が姫ダルマのよう
 そう言えばロシアのマトリョーシカ人形は、もともと日本の入れ子人形(人形の中に小さな人形が入っている玩具のこと)をマネて作った物なんですって。

 ルーツとなった日本の入れ子は、今回ご覧に入れた七福神のほか、達磨こけしなどがモティーフとして使われていたようです。

 入れ子みたいな玩具って、今は流行りませんけど、あの独特のデザインは今も健在ですよね。皆さんのお家にも、きっとあるはずですよ。

 たとえば、お弁当のおかず入れなどに使うタッパー
 
 あの、大サイズの中に中サイズ、中サイズの中に小サイズを入れるデザインの物。
 ああいう物も入れ子式と言うそうです。

 ちなみに英語だと、入れ子式の容器は nested boxes、入れ子人形は nested dolls となります。
 “Nest”は、名詞なら「巣」、動詞なら「巣を作る」という意味ですから、“nested dolls”というと、人形が人形の中に巣籠っているような感じがよく表われていますね。

 ……というわけで、私の七福神コレクションはまだまだ続くのでした。

 明日は大学院の学位記授与式(いわゆる修了式)に出席のため、高野山まで行って参ります。
 そのご報告は、また次回に。

 ではでは♪


【 おまけマミリン画像 】
 今月から新たにお稽古が始まった
台天目というお点前。貴人(きにん=貴族など尊い人)にお茶を差し上げるときの特別な作法です。今年はこのお点前をマスターして御家元のところへご挨拶に伺う予定です。
  

  
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


天使の寝顔

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2009年3月13日
山田 真美
※週刊マミ自身の一部または全部を許可なく転載・引用なさることはお断りいたします♪
©Mami Yamada 2000-2009 All Rights Reserved.